【皮膚科医が解説】にきびの原因・治療、にきびを上手にコントロールする方法

にきびは若気の至りとされ、ややもすれば健康的な若々しい皮膚の証のようにとらえられることもありました。

20歳までの90%以上の人が経験されており、そのありふれた症状がゆえにニキビで悩む人の心理的問題は軽視されてきた傾向にあります。
しかし実のところ、にきびは顔などに症状が多いことより、外見上に与える印象が大きく、社会的な消極性を生じうるものです。

今回はそんなにきびの出来る要因から積極的な治療、日常のケアについて説明するとともに、よくある相談を交えて解説していきます。 
※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.にきびの正体と治療方法

1-1. ニキビの種類とそれらの成因

ニキビは思春期によく発症する一般的な皮膚疾患です。

 

思春期以降徐々に症状に悩む人は少なくなりますが、25歳以上の成人で見られるいわゆる「大人のニキビ」も近年増加しています。

 

ニキビは顔や胸部、上背部の正中付近など、脂腺性毛包という皮脂がよく出る部位の毛穴に好発します。これは、皮脂を産生する皮脂腺という管が毛の生える部分である毛包内に開きますが、その毛包内に皮脂が貯留することがニキビの要因となります。

 

 

では、ニキビを色で分類して種類をみていきます。

 

白ニキビ:

白いニキビは赤みや盛り上がりを伴わない小さなニキビであったり、痛みを伴わないものであることが多いです。これはいわゆるニキビの初期段階で、脂腺から分泌された皮脂が毛穴の中にたまり、角質という皮膚の一番上層で蓋をされた状態です。この角質の蓋のことを特に角栓と言います。白ニキビの成因は、皮脂の分泌が多いことに加え、皮膚のターンオーバーの遅れや洗浄不足などで、皮膚表面の角質が落ちず角栓としてとどまって、皮脂を閉じ込めてしまっている状態です。専門用語では「面皰(めんぽう)」と言われる状態がこれに相当します。

 

黒ニキビ:

白ニキビの蓋となっている角栓が古くなり汚れて黒くなっている、あるいは角栓の中で毛が皮膚より出ることが滞ってしまい、いわゆる小さな毛玉のようになり黒く透けて見える状態です。こちらも痛みはほとんど伴いません。これも皮膚のターンオーバーの遅れ、毛穴の汚れ、皮脂の分泌が多いことによります。こちらも専門用語では「面皰(めんぽう)」と言われる状態に相当します。

 

赤ニキビ:

少し盛り上がって大きくなった、赤みと痛みを伴うニキビです。先ほどの白いニキビ、黒いニキビで角栓として蓋をされた中で、菌が繁殖して炎症を起こしたことが成因で、赤くはれて痛みが出てきます。専門用語では「紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)」と言われる状態がこれに相当します。

 

 

黄色ニキビ:

赤いニキビ同様に盛り上がって痛みを伴い、中央部分に黄白色の物質が中に透けて見える状態です。これは赤いニキビの中の細菌の繁殖が進み、膿としてたまっていることでこのように見えます。長期的に白いニキビ、黒いニキビが存在して炎症を起こし菌体が増えたことが成因です。専門用語では「膿疱(のうほう)」と呼ばれる状態がこれに相当します。

 

1-2. ニキビの積極的な治療法~内服、外用、レーザー治療

ニキビの治療は、その成因である①角質の増生した角栓、②皮脂分泌の亢進、③細菌の繁殖にともなう炎症と膿、これらに対して有効性のあるものを組み合わせて行うことによります。

それぞれの成因に対しての対策や医療機関で行うことのできる積極的な治療は次のようになります。 

 

①角質の増生した角栓:

まずは肌の適切な洗浄方法からの指導になります。その上でアダパレンの外用剤(ディフェリンゲル®)を使用します。

 

表皮の角化細胞の分化、いわゆる角栓として増殖する皮膚の成分を抑制することで毛穴が塞がるのを防ぎます。ニキビの初期症状である白ニキビ、黒ニキビの治療や、抗生物質などをつかってよくなった状態を維持する治療に有効です。

 

アダパレンはニキビの初期や維持に有効であるにもかかわらず、使用初期には約80%程度の患者さんに随伴症状が出現します。具体的な症状は、赤み、乾燥、落屑、皮膚刺激(ぴりぴり感、かゆみ)などであり、これらはニキビを良くしたい患者さんにとっては不安となるのも実際のようです。そのため治療を中断してしまう患者さんもいますが、皮膚科医として「長期的にニキビをできにくくする肌の素地を整える」ために有効な外用剤として、その重要性、効能を理解してもらえるよう努める必要を実感します。

 

また、その他に皮膚科で行う処置としてはピーリング、面皰圧出があります。ピーリングについては化学的に薬剤によって行う方法、レーザー機器で行う方法がありますが、いずれも保険診療外の治療となり、保険診療のみを行っている病院では施術を受けることはできません。また、施術後は肌が乾燥して敏感となりますので十分なケアが重要となります。

 

面皰圧出については、物理的に特別な器械を用いて毛穴にたまった角質などを取り除く方法です。これは角栓を取りやすいケースに対して部分的に行う治療であり、適応の低いニキビ部位に無理に行うことは肌を物理的に痛める要因ともなります。

 

②皮脂分泌の亢進:

この要素が最も年齢や体質などの肌の個性が影響する成因と考えられます。皮脂は一般的に男性の方が女性より分泌が多く、それに対応するように男性の肌は女性に比較して強く作られるものですが、いずれにしても皮膚からターンオーバーとして排出される以上の量やスピードで皮脂が増殖することが要因となります。

 

最も大事なことは食生活であり、それらは次項で述べますが、積極的な治療としては皮脂を分泌するホルモンを調整する内服薬であるピルが相当します。

 

ピルについては女性が対象となります。作用としては男性ホルモンと黄体ホルモンを抑制したり、黄体ホルモンと卵胞ホルモンのバランスを整えるものなどです。これは産婦人科を受診して処方されますが、月経周期などにも関わることもあるため、年齢や生活に合わせて適応の制限がかかってきます。このような制限を乗り越えた女性にとっては、長く悩んだニキビに対して、ピルの内服で短期的にかなりの症状の改善も見込めるというメリットがあります。

 

③細菌の繁殖にともなう炎症と膿

ニキビを引き起こす細菌の繁殖に伴う炎症と膿への治療は、日本の皮膚科で最も治療方法が多彩で確立されています。

外用剤、内服剤、処置に大きく分かれます。

 

〇外用剤については抗生剤、過酸化ベンゾイルがあげられます。

まず抗生剤の外用については、外用時の刺激が少ないことが利点です。殺菌作用を発揮して菌を殺しますが、欠点としては初期のニキビや予防的な目的としては効果を認めないこと、また菌に対して抗生剤による耐性を作ってしまう点です。

過酸化ベンゾイルは日本では数年以内に導入された新しい外用剤です。これは抗生剤と違う機序で、過酸化ベンゾイルによるフリーラジカルという発生物質により殺菌効果を発揮します。また、ピーリング作用、乾燥促進作用も効能として備えています。メリットとしてはいわゆる抗生剤と違う機序であるため耐性菌を作りにくく、またピーリング作用なども兼ねていることより炎症性のニキビのほか、初期のニキビに対しても効能があるという点です。欠点としてはそのピーリング作用、乾燥促進作用により、アダパレン同様、使用初期に刺激性があるということ、また使用回数や使用量が多くなると皮膚の部分的な乾燥による川向けが起こることなどです。

 

〇内服剤については抗生物質となります。

ニキビに対する抗生物質の内服期間は数週間から数カ月と、それぞれの方の症状によって異なります。メリットとしては、進行したニキビに対してある程度即効性に効果を発揮することです。デメリットとしては外用剤と同様に、菌の繁殖により炎症を起こしたり膿をもったにきびに特化してのみの効果となるため、軽快した後は抗生物質の飲み薬は中止し、良い状態を維持する方法を見つけることが重要である点、また耐性が生じて抗生物質の効かない菌が増えてくることがあります。そのため、症状が進行した際の最終手段として使用することが多いです。

 

〇レーザー治療があります。

専用のレーザー機器が菌への殺菌作用があり、また同時に色素沈着や小じわの改善など美肌効果があります。レーザー治療は保険診療外の治療となり、取り扱っている病院が限定されており、取り入れているレーザー光線やその効能、価格設定が統一されていないため、まずは受診して検討する必要があります。

 

1-3.  ニキビ予防に有効な食生活、スキンケア

ニキビの予防、治療という観点で最も長期的に大事なのは規則正しい食生活と正しいスキンケアです。

 

角質のターンオーバーを保ち、脂腺の分泌を適度に整えるためには精神的に抱えるストレスを軽減すること、適度な運動とバランスの取れた食事、睡眠が何より重要となります。脂分の多い食事に偏ると皮脂の分泌は増えますし、ビタミンなどが不足するとターンオーバーの遅延を招きます。

 

またスキンケアについてです。ニキビで悩む患者さんは過剰な皮脂分泌を気にするあまり、頻回に洗顔するケースが多いです。しかし、頻回の洗顔は皮膚の保護機能を低下させ乾燥した皮膚を来たし、ニキビができやすい素地を反って作ってしまうこととなります。おすすめは1日2回までとし、スクラブ(角質を除去する目的で配合される粒子)やピーリング剤入りの洗顔料は、刺激性があるため避けてください。

 

洗顔はよく泡を立てて、手が肌に触れないよう泡で洗うのが理想的です。洗顔後はタオルでもこすらずに抑え拭きとし、刺激性の少ない化粧水などで整えたうえで、クリーム剤の保湿性の高いもので肌を保湿することが重要となります。

 

1-4.  ニキビ痕について

ニキビ痕についてですが、何よりもまずニキビ痕を作らないよう、上記の適切な治療、食生活を早期に取り入れることが重要です。刺激を与えすぎたニキビ、長くくすぶらせたニキビはニキビ痕といった瘢痕を作る原因となります。早めに皮膚科を受診して正しい治療、知識を持ってニキビの早期改善をはかりたいものです。

 

そのうえで、できてしまったニキビ痕についてですが、残念ながら傷跡と同じで、保険診療として行える範囲にはほぼないのが現実です。保険診療外の方法としてレーザー治療、形成手術、ビタミン剤・美白剤の内服などがあり、それらの取り扱いについては各美容クリニックなどで異なります。

 

2.ニキビに関するよくある相談

2-1. 大人になってできるニキビは体調不良のサイン?

ニキビは脂腺分泌の盛んな若者に多い皮膚疾患であり、確かに大人になってできるケースは多いとは言えません。しかし、生活リズムのみだれ、スキンケアなどの誤りのためにニキビができることがあります。また一部の抗てんかん薬や抗がん剤など、薬の副作用としてニキビができるものもあります。

 

これらについてはそれぞれの薬を処方される際にあらかじめ医師より説明があるはずです。いずれにしても肌に対してニキビなどの不調を感じれば医師にご相談ください。

 

2-2. ニキビは人にうつる?

ニキビは人から人へ感染するものではありません。というものの、ほとんどのニキビは細菌感染以外の要素が原因となっているケースが多いからです。

 

また感染を伴っている炎症性ニキビにたいしても、ほとんどの人が常に皮膚に持っているといわれる常在菌であり、特定の人から菌がうつったということは考えられません。ただし、人からの細菌が感染するという機序とは異なりますが、不衛生な手やタオルで肌を触ることはニキビを発症させたり炎症化させたりします。あらゆる感染症対策などの観点より手は清潔で保っておきたいものです。

 

2-3.  ニキビに触ってしまう癖を治したい、その方法は?

ニキビは触ってしまうとより細菌を閉じ込めたり炎症を悪化させる可能性があります。そのため、できるだけ触らないということが大事です。

 

しかし、痛かったり目立ったりするニキビ、ほとんどの人が気になって触ってしまうのではないでしょうか。まず触るとして大事なことは手を清潔にしておくということです。触らないようにするためには、自分が気付きやすいようなサインをしておくことです。例えば手持ち無沙汰になってしまった際に無意識に障る癖があれば、その際に手袋をはめてしまう、あるいは指にバンドエードを貼るなどです。一方でニキビのある肌に何か印を施すことは刺激を与えることとなるため避けてください。

 

2-4. ニキビがあるが、化粧や日焼け止めは大丈夫?

化粧に関し、ニキビがあれば気にしてファンデーションなどを厚塗りにする傾向があります。それ自体が悪影響をもたらす直接の要因とはなりませんが、油分の多いクリーム状のファンデーションなどはニキビを悪化させる可能性があります。

 

ベースメークは厚塗りしすぎることなく、コンシーラーなどで赤みをカバーした後にパウダリータイプのファンデーションをつけ、目や唇のポイントメイクで魅力的に見せることをお勧めします。化粧品に関しては、繰り返し使用するものが多く、不衛生なものであれば新しいニキビを作る原因となり、細菌のついているにきびを触った化粧品が局所的にその細菌が増殖することなども想定されます。あくまで清潔に使用することを心がけたいものです。

 

また、ニキビ治療薬のうち、アダパレンや過酸化ベンゾイルはピーリング作用により角層が薄くなり、外的刺激に対して弱くなります。そのため太陽紫外線防御のためにつばの広い帽子や日傘、衣服による物理的な遮光、日焼け止めの使用をおすすめします。一般的に防御指数の高い日焼け止めは落としにくく、洗顔時に皮膚を刺激する可能性がるため、SPF30程度の防御指数がよいでしょう。

 

3.まとめ

ニキビは皮膚への刺激を少なくするような洗顔、保湿などのスキンケア並びに、規則正しい食生活が大事となります。また医師の指導に基づく標準治療を行うことにより、自己流のスキンケアや不適切な治療によるニキビの遷延や悪化、瘢痕形成を予防することが肝心です。

 

ニキビに悩む患者さんは気にするあまり、市販のニキビ用薬品や化粧品などを買い求めたり、エステの施術を受けるなど、堂々めぐりとなってしてしまい、合理的な解決ができないことが少なくありません。症状が長引くようであれば速やかに医師にご相談ください。

 

執筆
医師:ミーマンバナナ
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