急性腸炎とストレスの密接な関係と対処法について解説

急性腸炎とは小腸~大腸に急激に炎症が起こった状態で、下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状がみられます。

その原因としては、感染症、薬物、アルコール、放射線、食物アレルギーなど様々なものがあります。しかし、それだけでなく、近年ではストレスによって腸炎症状がみられるケースも非常に多いとされています。

そこで今回は、急性腸炎とストレスの関係について解説してくとともに症状、対処法などについても紹介していきます。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.急性腸炎とは

腸管 (小腸~大腸) は人が口から摂取した栄養分や水分を吸収するという重要な働きを担っています。このような腸管の一部に急激に炎症が起こり、下痢、嘔吐、食欲不振、腹痛、発熱などが生じた病態を急性腸炎といいます。

 

腸炎の症状は、原因および原因疾患による炎症の種類や程度によって全く異なり、ひどい場合では、下痢は1日に10回以上に及ぶこともあります。小腸に炎症がおこった場合は嘔吐を訴えることが多く、大腸に炎症が起こった場合は下腹部の痛みを訴え、重度になると便に血液や膿が混じることもあります。

 

2.急性腸炎の原因

腸炎の病因には下記に示すように多くのものが知られています。

 

①感染症:細菌、ウイルス、寄生虫、真菌

②食品:アルコール、食物アレルギー

③薬剤:抗生物質など

④物理的要因:放射線、寒冷刺激

⑤虚血:心不全、虚血性腸炎など

⑥炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎、クローン病

⑦ストレス

⑧その他

 

この中で最も多い原因は感染症によるものですが、最近では、ストレスによるものが増えてきていると言われています。

 

3.急性腸炎とストレスの密接な関係

腸管には脳と同じ神経が多く分布し、それらは自律神経でつながっており、密接な関係があります。これを「脳腸相関」といい、脳が感じたストレスは、自律神経を介して腸に伝わり、腸管の運動異常を引き起こします。

 

このため、ストレスによって下痢や腹痛といった、急性腸炎で見られるような症状が出現することになります。これを過敏性腸症候群といい、近年注目されてきています。

 

過敏性腸症候群とは

 

レントゲンや内視鏡検査をしても異常が見つからないのに、お腹の痛みや不快感、下痢や便秘がみられる疾患のことを指します。

 

過敏性腸症候群を発症する原因は、はっきりとはわかっていませんが、最近の研究では、何らかの精神的ストレスが加わると、ストレスホルモンが脳下垂体から放出され、その刺激で腸の運動に異常をきたして症状が出現すると言われています。

 

過敏性腸症候群の症状は、下痢型、便秘型、交替型 (下痢と便秘を交互に繰り返す) の3つに大きく分けられますが、男性は下痢型が、女性では便秘型になることが多いようです。対処としては、症状に応じた薬 (腸の蠕動を抑える薬、腸の動きをよくする薬など) とストレス・マネジメントの双方向からのアプローチが必要とされています。

 

4.急性腸炎の対処法

急性腸炎になった時は、激しい下痢や嘔吐によって大量の水分が失われるため、とにかく水分をこまめに摂る必要があります。どうしても水分が摂れない時は、すぐに病院を受診して点滴を受けることが必要です。

 

感染症が原因の場合はほとんどが数日で自然軽快します。数日で改善しない場合や、下痢や嘔吐が軽度であっても長期間持続する場合は、消化器科を受診して検査を受け、腸炎の原因を特定することも重要です。腸炎の原因が過敏性腸症候群の場合、内科や消化器科でまずは腸管の運動を改善する薬を処方されますが、それだけでは改善しないケースが多いです。

 

そのため、同時に心療内科や精神科を受診して、専門的なカウンセリングを受け、ストレス・マネジメントを行い、必要であれば抗不安薬、抗うつ薬を内服するなどして精神的ストレスを緩和することが効果的とされています。

 

5.まとめ

今回、解説したように急性腸炎の原因には様々なものがありますが、特にストレスによって誘発される過敏性腸症候群は患者数が増えており、重要な疾患です。

 

特に下痢や腹痛が軽度であっても長期間持続する場合は、過敏性腸症候群の可能性がありますので、病院を受診して診断をつけてもらうことが重要です。

執筆
医師:田舎の消化器内科医
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