【医師執筆】これだけは知ってほしいアデノウイルスの基礎知識、予防策【大人も注意】

アデノウイルスって何?子どもがかかりやすい感染症ですが、実は感染力が非常に高く、大人が感染してしまうと重症化してしまう病気です。他の病気に発展してしまうこともあるので注意が必要です。

意外と怖いアデノウイルスについての基礎知識を年齢層や症状ごとに分けて医師がわかりやすく解説します。しっかり予防して夏も健康に過ごしましょう。
※この情報は、2017年6月時点のものです。

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1.アデノウイルスとは

アデノウイルスは非常に感染力の強いウイルスで、子どもから大人まで様々な症状を起こします。

主に子どもがかかりやすい感染症ですが、子どもの頃にアデノウイルスに感染していないと大人でも感染する可能性があります。

 

感染症の原因となる「ウイルス」は、遺伝子とそれをおおう膜から構成されており、細菌とは違い人の細胞に侵入し、タンパク質を使って増殖します。

アデノウイルスの遺伝子はDNA構造が人と同じ成分です。アデノウイルスは2本の鎖のようになった2本鎖DNAを含む直径が約80-110nmの大きさで二十面体の形になっています。

ちなみに、アデノウイルスの名前は、1953年に人のアデノイド組織から分離されたことに由来します。

ではアデノウイルスによってどのような病気が起こるのでしょうか?症状ごとに紹介したいと思います。

2.アデノウイルス感染症の主な症状

2-1. 大人に感染しやすい疾患

①流行性角結膜炎…

主な症状として、白目が赤くなる結膜炎、眼脂(目やに)が見られ、耳の前にあるリンパ節が腫れます。発熱は少ないですが、目の違和感があります。

感染から発症までの潜伏期間(以下、潜伏期間)は2~14日と幅広く、ウイルスのついた手で目をこすったり、眼脂のついた寝具などによる接触感染、さらに咳などの症状があれば、飛沫感染を起こします。

診断は、主に眼科で目の状態と迅速検査を行います。医師において感染の恐れがなければ、会社や学校に行くことができます。具体的な目安としては、結膜炎の症状が消えるまでです。

 

私は大学院生の頃に、この流行性角結膜炎になってしまいました。眼脂がひどかったことを覚えております。幸い、家族にはうつらなかったのでよかったです。

 

②出血性膀胱炎…

症状は、名前の通り、肉眼でも確認できる真っ赤な血尿です。排尿回数が多い頻尿、排尿してもすっきりせず尿が残った感じである残尿感なども見られ、時には微熱程度の発熱もあります。アデノウイルスについた手で陰部を触ることによる接触感染です。

 

子どもに見られ、大人の場合、他の病気での血尿が疑われたりしますが、アデノウイルス感染でも起こります。

 

2-2. 幼児で感染し、大人も感染する疾患

①咽頭結膜熱(プール熱)…

名前の通り、アデノウイルスによる結膜炎として白目が赤くなり、眼脂もみられ、咽頭炎や扁桃炎によるノドの痛み・腫れ、38度以上の高熱が4~5日間も続くのが主な症状です。

夏に多く見られ、プールでの感染もあるために、プール熱とも呼ばれていますが、プール以外でも感染が起こります。

 

潜伏期間は、5~7日で、発熱などの症状が出る2日前から感染力があるので、一度、流行すると、感染が広がる可能性があります。感染方法は2種類あります。

 

接触感染:プールの水およびタオルなどの共有による感染

飛沫感染:咳などをしているときに起こる感染

 

学校への登校等は、主な症状(発熱、咽頭発赤、眼の充血)が消え2日経過してから可能になります。

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②感染性胃腸炎…

下痢、特に白っぽい便が出ることがあります。時に、発熱、嘔吐などもみられますが、同じ白っぽい便を起こすロタウイルスよりは、症状が軽いことが多いです。

潜伏期間は3~10日で、便からのウイルス排出が14日と割と長く続きます。

便から出てきたウイルスが何らかの理由で手について、食事などを介した経口感染と咳などの飛沫感染もあります。

 

アデノウイルスはウイルスの種類によって、病気が異なっていますが、上記のように、アデノウイルスが感染するのは、粘膜です。

主に呼吸器系の感染症が多く、咽頭炎、上気道炎、気管支炎、肺炎の原因にもなっています。

特にアデノウイルス14型とよばれるウイルスでは、重症肺炎を起こします。

アデノウイルスは56種類程度の型があると言われています。その型によって引き起こす病気が異なります。感染性胃腸炎は12,18,31型ですし、咽頭結膜熱は3, 7, 11, 14, 16, 21, 50型です。型の違いのために、何度か感染することがあり、症状が異なってきます。

 

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3.アデノウイルスを診断するための検査

アデノウイルスの診断には、症状とその集団の流行状況、プールなどの有無、季節などの環境などから感染が疑われると、アデノウイルスそのものを検出できる検査を行います。

 

のどや鼻をこすったり、結膜をぬぐったりしてできた液体、便を使って、アデノウイルスの一部と反応させる迅速検査で30分以内に診断することができます。

 

アデノウイルスの型まで診断するためには、感染した時と2週間程度たった回復した時の血液を採取して、ウイルスに対する抗体が上がっていないかどうかを見ます。

 

保険診療ではありませんが、遺伝子検査による診断も可能です。ウイルスそのものを検出するウイルス分離という方法もありますが、分離までに時間がかかります。

4.アデノウイルスに対する治療方法は?症状別対処法

アデノウイルスに対する抗ウイルス薬と呼べる薬はありません。

治療には、対症療法と言って、症状に応じた治療になります。高熱に対しては、解熱剤を使用します。しかし、解熱剤での効果は一時的で、効果が切れると再び発熱してきます。

アデノウイルス感染での高熱は4~5日は続くことが多いので、あくまで、解熱剤では一時的な解熱にすぎません。

※とはいえ、高熱で食欲や水分が取れない時には、解熱剤を使用して、身体を楽にすることも大切です。それぞれの対処方法を紹介します。

 

4-1. 目の症状

目の保護の面で、抗菌薬の点眼薬や結膜炎がひどい場合は炎症を抑える意味でステロイド点眼薬が使われます。

※ただし、ステロイド点眼薬では、長期に使用すると、目の内圧が上がって失明の原因になる緑内障や水晶体が白くなる白内障の危険性があるので、眼科での診察の上、使用するのが望ましいです。

 

4-2. 咳、鼻水などの症状

咳がひどい場合は、咳を抑える鎮咳薬、痰を出しやすくなる去痰薬などが使われます。これらは、市販の感冒薬に含まれていますので、アデノウイルス感染症と判っていれば、咳、鼻水に対して、市販薬の内服を1つの方法です。

 

4-3. 膀胱炎の症状

できるだけ排尿させることから水分摂取が望まれます。

 

薬は主に症状を緩和することになりますので、その症状の程度に応じた薬が選択されます。食欲は低下しますが、大人でもありうるのですが、特に子どもで注意したいのは、水分摂取不足による脱水状態です。できるだけ、水分補給をしましょう。

 

スマホえんきん

5.予防するには?

アデノウイルスに対する特効薬がない以上、重要になってくるのが予防です。

5-1. 大人の場合

大人で感染する場合、主に子どもから感染することが多いので、まずは、身の回りにいる子どもの状態を把握することが大切です。

子どもがアデノウイルス感染症にかかっている場合、子どもに触った後の食事前や、おむつ交換等の後には必ず手を洗いましょう。触った手で目や口、鼻を触らないようにします。

 

手を洗う際は指と指の間、手首を含めてしっかりと洗い、できれば、蛇口は直接手が触れないようにした方がよいでしょう。会社などのトイレにある自動水洗での手洗いが勧められます。

また、アデノウイルスはアルコール消毒の効果がありますので、手荒れしない程度で消毒しておきたいものです。

外出から帰宅した時には、うがいを忘れずにしましょう。

 

感染しないように免疫を維持するには、規則正しい、バランスのとれた食事をして、十分な睡眠をとるように心がけましょう。

趣味として水泳をしているときには、水泳前後のシャワーと目の洗浄をしておきましょう。

 

5-2. 幼児から学童の場合

幼児の場合は、アデノウイルスに対する免疫もないことが多いので、周りのウイルスを減らすことが大切です。

保育園や幼稚園、学校に行っていない場合は、感染する危険性が少ないです。

 

しかし、プールに出かけることがあるかと思いますので、アデノウイルスが流行しているときにはプール自体を避ける判断も大切です。

また、プールでは塩素消毒されていますが、プール前後はシャワーで身体を洗い、タオルは共有せず、目をしっかりと洗っておきたいものです。

 

うがいは難しいので、流行時にウイルスが集まりやすい場所に行く際は気を付けておきたいものです。

特に、保育園や幼稚園、学校での流行には注意しましょう。

子どもの遊ぶおもちゃが共有されていると感染しやすくなるので、口に入れるようなおもちゃは消毒等、衛生管理を徹底しましょう。

食事前に自分自身でできない場合は、大人が子どもの手洗いや、アルコールなどの消毒をしてあげましょう。

 

人混みで密度が高く、感染力が強いウイルスは、身体のどこかに付着する可能性があります。屋外と屋内と衣服を着替えたり、帰宅時には必ず手洗いをするなど、生活の中にウイルスを持ち込まないことが大切です。これはアデノウイルス対策に限ったわけではありませんので、普段から気を付けていただきたいです。

アデノウイルスの予防、感染を拡げない行動の参考にしていただけたら幸いです。

 

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執筆
医師:清益 功浩
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