子どもに多いアデノウイルスによる発熱!どのような症状があるの?

アデノウイルスは小児の間で流行することが多い感染症です。アデノウイルスには様々なタイプがあり、単に「アデノウイルス感染症」と言っても、感染するウイルスのタイプによって症状は大きく異なります。

ここでは、小児の間で流行しやすいアデノウイルス感染症の特徴と感染対策について詳しく解説します。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.子どもに多いアデノウイルスの特徴は?

アデノウイルスには約50のタイプがあり、そのどれに感染するかによって症状が異なります。多くは、発熱やのどの痛み、目の充血などを引き起こしますが、中には重度の膀胱炎や胃腸炎の原因となるものもあります。

では、子どもに多いアデノウイルスはどのようなタイプのウイルスが多いのでしょうか?

 

1-1. アデノウイルス3型・7型:プール熱

夏を中心に小児の間で流行する「夏風邪」として有名なのが、プール熱です。プール熱は咽頭結膜熱とも呼ばれ、アデノウイルス3型や7型に感染することで発症します。

感染力が非常に強いウイルスであるため、夏場のプールを介して幼稚園や学校などで流行することが多いことから、一般的には「プール熱」と呼ばれています。

 

プール熱の代表的な症状は、発熱・咽頭炎・結膜炎です。発熱は38℃以上の高熱になることが多く、続いて咽頭炎による喉の痛み、結膜炎による目の充血や痛み、流涙、目ヤニなどの症状が現れます。熱が高く、目が真っ赤になることが多いため、非常に重篤な病気に思われることもありますが、ほとんどの場合では3~5日で自然によくなります。

 

しかし、免疫力が低い乳幼児では、感染すると重症化して、肺炎による呼吸障害が生じることもあります。感染者の身近に乳幼児がいる場合には特に徹底した感染対策が必要となるので注意しましょう。

 

1-2. アデノウイルス8型:流行性角結膜炎

アデノウイルス8型による流行性角結膜炎は、大人の間でも流行することが多い感染症です。このタイプのアデノウイルスも非常に感染力が強く、幼稚園や学校などの集団生活の中に感染者がいると、瞬く間に集団の中で大流行を起こすことも少なくありません。

 

特に、小児では手洗いなどの感染対策を徹底して行うことができず、感染者との密な接触によって感染が広まりやすいとされています。

 

他のタイプのアデノウイルス感染症とは異なり、発熱を生じることが少ないのが特徴ですが、非常に重症な角結膜炎を生じます。潜伏期間は二週間前後と長く、突然、目が真っ赤になって瞼が腫れ上がり、涙が止まない、などの症状が現れます。発症初期では結膜のみに炎症が生じますが、悪化すると角膜炎を併発し、目が濁って見えることもあります。

 

プール熱でも結膜炎を生じますが、流行性角結膜炎はプール熱よりも重症な結膜炎を生じ、炎症部分から出血を生じる「出血性角結膜炎」に進行することも稀にあります。また、プール熱は多くが後遺症を残さずに治るのに対し、流行性角結膜炎は炎症によって角膜が濁ると数年にわたって回復しないことも多々あります。特に乳幼児では角膜に穴が開いてしまうこともあるので注意しましょう。

 

1-3. アデノウイルス31型、40型、41型:胃腸炎

大人が感染しても発症することはほとんどありませんが、小児がアデノウイルス31型・40型・41型などに感染すると、腹痛や下痢、嘔吐などの胃腸炎のような症状が生じることがあり、特に乳幼児が多く発症するとされています。

 

胃腸炎様症状以外の症状は軽度な場合が多く、発熱も37度後半程度の軽度なことがほとんどです。しかし、胃腸炎症状では水のような下痢が2週間近く続くことがあり、乳幼児では脱水症に陥ることも少なくありません。胃腸炎はアデノウイルス以外のウイルス感染によっても生じますが、アデノウイルスによる胃腸炎は発症と同時に喉の痛みを伴うことが多いのが特徴です。

 

2.アデノウイルスの治療法は?病院へは行った方がいいの?

アデノウイルスは高熱や真っ赤な充血など、見た目が重篤な症状を生じます。このため子どもがアデノウイルスにかかった場合には、夜も眠れないほど心配されるお母さんもたくさんいるでしょう。

 

では、アデノウイルスに感染するとどのような治療が必要となるのでしょうか?また、どんな時に病院へ行った方がよいのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

2-1. アデノウイルスに抗ウイルス薬はない!

残念ながら、現在のところ、アデノウイルスを退治するような抗ウイルス薬は開発されていません。このため、アデノウイルスに感染してしまった場合には、自然によくなるのを待つしかないのです。

しかし、アデノウイルス感染症は38℃以上の高熱になることが多く、脱水症状に陥るケースも少なくありません。このため、適度な水分補給が非常に重要となります。喉の痛みや倦怠感がひどく、十分な水分を摂れないときは点滴による治療が必要なこともあります。

 

2-2. 細菌感染にもご注意を!

小児に流行するアデノウイルス感染症は、結膜炎や角膜炎などの眼症状を引き起こすことが多々あります。アデノウイルスによって炎症を生じた結膜や角膜は、バリア機能が低下するため、黄色ブドウ球菌や緑膿菌など他の細菌による感染を併発しやすい状態となっています。このため、細菌感染を予防するために抗菌薬入りの目薬が使用されることも多いでしょう。

 

2-3. こんな時は、すぐに病院へ…

発熱や結膜炎などの症状を生じて、アデノウイルス感染症と診断された場合には、自宅で様子を見ながら症状が改善するのを待つことがほとんどです。

多くは数日の内に快方に向かうため、アデノウイルス感染症と診断されたからと言って過剰に心配する必要はありません。

 

しかし、次のような症状は重症化のサインである可能性が考えられます。なるべく早めに病院を受診して、医師の診断を受けるようにしましょう。

・明らかに水分補給が足らず、ぐったりしている

・唇が渇き、うつろな表情である

・乳児では大泉門に凹みがある

・目が濁っている

・目の見えづらさを訴える

 

3.アデノウイルスの感染対策

アデノウイルスは感染力が強いため、感染対策を徹底して行う必要があります。では、アデノウイルス感染症が身近で流行しているときにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

3-1. アデノウイルスはどうやって感染するの?

アデノウイルスは、接触感染や飛沫感染、糞口感染などによって感染します。最も多いのは、接触感染で、感染者の唾液や鼻水、目ヤニ、便などに含まれるウイルスが付着したものを他者が触ることでウイルスが体内に取り込まれてしまうのです。

 

また、感染者のくしゃみや咳のしずくにもウイルスがふくまれており、それを他者が吸い込むことで感染することもあります。

 

3-2. アデノウイルス対策

アデノウイルスへの感染を予防するには、手洗いや消毒を徹底し、身近なものからウイルスを排除することが必要です。

 

アデノウイルスは一般的に広く使用されるアルコール消毒が効きにくい性質があるため、消毒にはハイターなどの次亜塩素酸を薄めたものを使用するようにしましょう。ドアノブや電気スイッチなど、特に、多くの人の手が触れやすい場所は次亜塩素酸でこまめに消毒するとよいです。

 

また、家族が感染した場合は、タオルや寝具の共用で感染することがあるため、症状が落ち着くまでは手間がかかってもその都度消毒・洗濯するようにしましょう。

 

3-3. アデノウイルス感染症は学校に行けないの?

プール熱を始めとするアデノウイルス感染症は、学校保健法によって「発症した場合、主要症状(発熱、咽頭痛、結膜炎など)が消えた後2日を経過するまで幼稚園や学校を休まなければならない」と定められています。

 

アデノウイルスは発症してから5日ほどはウイルスの排出量が多く、他者に感染を広げやすいとされているため、このような出席停止措置が行われます。症状がなくなったからといって安心せず、感染の広がりを防ぐためにも決められた基準はきちんと守りましょう。

 

4.まとめ

アデノウイルスは子どもの間で流行しやすい感染症です。

 

ウイルスのタイプによって症状の現れ方は異なりますが、感染力が非常に強いため、流行時にはしっかりと予防対策をしましょう。また、多くは数日で自然に治りますが、子どもは重症化することもあるため、重症化のサインを見逃さないように様子を見ていくことが大切です。

 

医師執筆

【医師執筆】これだけは知ってほしいアデノウイルスの基礎知識、予防策【大人も注意】

医師:清益 功浩
2017.06.21
病気

 

 

執筆
医師:ママさん女医あっきー
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