【糖尿病のお薬】アマリール錠®(スルホニル尿素系)の作用・副作用、服用の注意点などを解説

糖尿病治療薬の1つであるスルホニル尿素(SU)系の糖尿病治療薬。SU系の糖尿病治療薬は古くから臨床現場で使用されています。
代表的なお薬としては、アマリール錠®があります。古いお薬ですが未だに現場では現役バリバリのお薬でもあります。

そして、SU系の糖尿病治療薬には様々な特徴や低血糖などの注意点があります。
そんなSU系糖尿病治療薬について、作用・副作用や服用の注意点について詳しく解説をしていきたいと思います。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.スルホニル尿素(SU)系の特徴

スルホニル尿素系は主に2型糖尿病に用いられます。元々は抗生物質として開発されていましたが、臨床実験の際に低血糖の症状が見られることから糖尿病治療薬として開発が進んだ経緯があります。

 

1-1. SU系の作用機序

スルホニル尿素系は体内の血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促進する働きがあります。

 

インスリンは脾臓のランゲルハンス島β細胞から指令が下り、体内に分泌されます。スルホニル尿素系はランゲルハンス島β細胞に作用し、インスリンの分泌を促進する事で血糖値を下げる働きがあります。インスリン依存で作用するため、インスリンの分泌が出来ない1型糖尿病の患者やインスリンの分泌が悪い、インスリン抵抗性が見られる患者には用いられないです。

 

1-2. SU系の種類

商品名

成分名

世代

オイグルコン錠®、ダオニール錠®

グリベングラミド

第2世代

グリミクロン錠®

グリクラジド

第2世代

アマリール錠®

グリメピリド

第3世代

の4種類(3成分)が医療現場で用いられています。

 

トルブタミドを主成分としたブタマイド錠®とヘキストラスチノン錠®がスルホニル尿素系として初めて販売されました。その後、研究開発が進み、第2世代のオイグルコン錠®、ダオニール錠®、グリミクロン錠®、更に改善された第3世代のアマリール錠®が販売されました。

 

スルホニル尿素系は服用を続けていくと作用が弱まっていってしまうことがあります。脾臓のランゲルハンス島のβ細胞に継続的に作用するため、このβ細胞が疲弊してしまうことがあるのです。

 

インスリンは体内で分泌が続くと細胞間での糖の取り込みが悪くなっていく事があります。これをインスリン抵抗性と言います。スルホニル尿素系はインスリン分泌を高める薬であるため、インスリン抵抗性が出やすい薬です。インスリン抵抗性の状態が続くとスルホニル尿素系が効かなくなってしまう事があります。第3世代のアマリール錠®ではこのインスリン抵抗性を改善する効果があります。そのため、第2世代のスルホニル尿素系より効果が出る医薬品となっています。

 

スルホニル尿素系は近年の研究データから、比較的軽度の糖尿病患者や重度の糖尿病患者には用いられないケースがみられます。中程度の糖尿病患者に用いられる事が多いです。

 

軽症の糖尿病患者の場合、インスリン依存で治療を行うより、食事療法や運動療法の継続やインスリン依存でない糖尿病治療薬であるビグアナイド系やDPP-4系などを第1選択薬として用いる事が増えています。ビグアナイド系やDPP-4系の糖尿病治療薬はインスリンを介した血糖降下作用で無いため、低血糖のような副作用が出にくい糖尿病治療薬であるからです。

 

重度の糖尿病患者ですと、体内での高血糖状態が維持されたままであるため、脾臓のランゲルハンス島β細胞が常に稼働してしまっている状態です。フル稼働している状態に更にインスリンの分泌を促すスルホニル尿素系を投与してしまうと、ランゲルハンス島β細胞が正常に機能しなくなってしまいます。最悪、ランゲルハンス島β細胞が破壊されてしまう事もあります。

 

スルホニル尿素系はそれらの理由から中程度の糖尿病患者に用いられる事が多いです。

 

1-3. SU系の副作用、その対処方法

スルホニル尿素系の主な副作用は低血糖症状です。冷や汗や倦怠感、悪心嘔吐、意識消失などの症状が現れます。インスリンの分泌が促進されるため、体内の糖分が不足し、低血糖の症状が出やすくなります。

 

低血糖の対処法は糖分の摂取です。飴や飲料などで糖分を摂るようにして下さい。ここで気をつけてもらいたいのがノン・カロリー、ノン・シュガーの飲食物は低血糖の症状を改善しません。人工甘味料で甘みが出ているだけで糖分が入っていない事が多いためです。糖尿病を治療中の患者さんはノン・カロリーやノン・シュガーの飲食物を摂取していたり常備している事が多いです。

 

医療機関や調剤薬局で貰えるブドウ糖が低血糖の症状には1番良いです。糖尿病治療薬を揃えている医療機関や調剤薬局には必ず常備されています。無料で貰えます。以前は医薬品メーカーから無料で医療機関や調剤薬局にブドウ糖を配布していたため、ブドウ糖は多めに貰えたりしていたのですが、最近では数に限りがある事が多いので注意して下さい。

 

スルホニル尿素系の副作用として、体重増加、中性脂肪値の増加があります。インスリンの分泌が増加する事で体内での糖の処理機能が増えます。糖は体内で中性脂肪として蓄えられます。そのため、体重増加や中性脂肪値が増えてしまう事があります。

 

1-4. SU系の注意点、飲み合わせについて

スルホニル尿素系にはいくつか注意点、飲み合わせの悪い医薬品があります。

 

注意点としてスルホニル尿素系を続けているとインスリンの分泌が低下する事があります。これをインスリン抵抗性といいます。脾臓のランゲルハンス島β細胞の受容体へ上手く作用しにくくなってしまう事があります。そうなってしまうと薬としての効果が無くなってしまいます。

 

食事を規則正しく取れていないと低血糖の症状が出やすくなってしまいます。炭水化物を抜いたり、糖分を全くとらないでスルホニル尿素系の糖尿病治療薬を服用すると逆に低血糖の症状が出やすくなってしまいます。糖尿病の治療は食事療法が基本です。規則正しい食事を行う事が大切です。

 

また、下痢や嘔吐など胃腸障害が続いている患者さんがスルホニル尿素系の糖尿病治療薬の服用を続けると低血糖の症状が出やすくなってしまいます。胃腸障害の症状が続いていると体内に十分な糖類が摂取出来ていないためです。そのような胃腸障害が続いている場合は医療機関に相談するようにして下さい。

 

スルホニル尿素系は速効型インスリン分泌促進薬であるファスティック錠®やスターシス錠®、グルファスト錠®、シュアポスト錠®とは併用が出来ません。速効型インスリン分泌促進薬もランゲルハンス島β細胞を介したインスリン分泌を促進するためです。

 

オイグルコン錠®やダオニール錠®には飲み合わせの悪い医薬品があります。トラクリア錠®(一般名:ボセンタン水和物)という肺高血圧症の治療薬です。同時に服用してしまうと。肝機能の悪化が誘発してしまうため、禁忌となっています。

 

他の糖尿病治療薬と併用する場合も低血糖のリスクが増加してしまうので注意する必要があります。

 

1-5. SU系のジェネリック医薬品

スルホニル尿素系はジェネリック医薬品があります。古くからある糖尿病治療薬であるため、様々なメーカーからジェネリック医薬品が販売されています。

 

 

2.SU系の小話

一昔前までアルマール錠®という高血圧の医薬品が販売されていました。

 

現在はアロチノロール塩酸塩錠5mg「DSP」®、アロチノロール塩酸塩錠10mg「DSP」®と名称を変更して販売されています。それはアマリール錠®と名前が似ているため、医療現場で取り間違いの医療過誤や事故が起きてしまったためです。

アルマール錠®は高血圧、アマリール錠®は糖尿病。それぞれ効能効果が全く違う医薬品であるため、アルマール錠®は名称を変更せざる追えなくなってしまったのです。

 

3.まとめ

スルホニル尿素系は昔からある医薬品ではありますが、品種改良され、現在でも使用されている医薬品となります。インスリン依存の糖尿病治療薬であり、注意しなければならない事がいくつかあります。低血糖症状が出やすい、連用によっては効果が落ちてしまうなどです。スルホニル尿素系を服用していて冷や汗や倦怠感、悪心嘔吐などの低血糖の症状が出たら糖分が含まれている飲食物を取るように注意して下さい。

 

執筆
薬剤師:えりんぎの薬剤師
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