【薬剤師が解説】ファイチとマスチゲンの違いやどちらが良いとかある?貧血の薬の正しい選び方

ファイチ、マスチゲン、エミネトン、ヘマニック……市販の貧血の薬は色々あるけど、結局自分にはどれがいいの?どの貧血の薬が良いのかと選び方を教えて欲しいとお悩みの方もいるのではないでしょうか?

実は、同じような貧血のお薬でも違いがあります。また、人によっても、どのお薬が良いのかは変わってきます。

今回は、市販で代表的な貧血のお薬の特徴を解説するとともに、薬剤師の視点から、貧血の薬の選び方をシェアします。
※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.ファイチ、マスチゲン、エミネトン、へマニック……市販の貧血の薬はどれがいい?

1-1. 効果重視ならエミネトンがおすすめ!鉄の種類が唯一ちがう

市販の貧血の薬では、ファイチ、マスチゲンあたりが一般には有名ですが、効果重視なら私のイチオシはエミネトンです。エミネトンは原料として使われる鉄の種類が、他の市販されている貧血の薬と違います。

 

エミネトンで使われている鉄は、単位重量あたりの鉄含有量が多いんです……と言っても、ちょっとよくわかんないですよね。

 

エミネトンの説明書をみると、「1錠あたりフマル酸第一鉄90mg」って書いてあります。でもこれは原料としての量。じゃあ実際の鉄分に換算するとどれくらいなの?ってのが大切になります。

 

メーカーさんに確認したところ、エミネトンは1錠あたり鉄換算で30mg。一方、マスチゲンは1錠あたり鉄換算で10mgです。このようにエミネトンは、鉄の含有量が他の貧血の薬に比べ多いのです。

 

私見ですが、貧血の薬は基礎症状として胃痛がないのであれば、鉄の含有量を重視するといいかなと思います。ただエミネトンの場合は他の貧血の薬に比べコストがややかかります。

 

 

1-2. 胃が弱いなら腸で溶ける設計のファイチとへマニックがおすすめ

もともと胃が弱くて、鎮痛剤なんかでも胃痛が起こるという方もいるでしょう。貧血の薬はそもそも薬の特性から、胃痛の副作用が起こりやすい薬といえます。

 

そんな胃痛が起こりやすい方には、「ファイチ」と「へマニック」がおすすめです。ファイチとヘマニックは薬の剤型が特殊で、腸で溶けるような設計がされています。

 

腸まで届いてから溶けるため、胃を荒らさずに済むというわけです。ファイチとヘマニックの違いは特にないので、両者の選択は好みです。

 

 

1-3. エミネトンとマスチゲンはビタミンCが含有されている

貧血の薬の主成分は鉄。鉄は吸収しにくい物質として知られ、吸収を助ける物質と一緒に摂るとより効果が期待できます。

 

吸収を考慮した設計がなされているのが、「エミネトン」と「マスチゲン」です。鉄の吸収はビタミンCによって促進され、エミネトンとマスチゲンにはビタミンCが含まれています。

 

さらにエミネトンは前述したように鉄含有量が多く、胃痛を軽減する成分も含んでいます。まさに至れり尽くせりといった貧血の薬で、コストがかかるのも納得できるなと思います。

 

1-4. マスチゲンは錠剤以外の選択肢がある

錠剤が嫌だという方は、「マスチゲンS内容液」という選択肢もあります。ただ1本あたりの鉄含有量は3mgと少なめです。また糖分を含んでいるので、継続的に摂取するには少々気をつけたいところです。

 

1-5. 処方薬の貧血の薬と市販薬の違いは?

処方薬である貧血の薬には、「フェロミア」「クエン酸第一Na」、「フェログラデュメット」、「フェルムカプセル」、などがあります。

 

処方薬の貧血の薬と市販薬とでは、使用している鉄成分、剤型などに違いがあります。中でも特徴的な違いは、剤型にあります。

 

フェロミアやクエン酸第一鉄など、処方薬の鉄剤は胃で溶ける設計になっています。しかし、これだと人によっては胃痛が発現してしまうんですね。そのため、フェログラデュメットやフェルムカプセルなどは、胃痛が起きにくいよう徐々に溶け出す工夫がされています。

 

一方、市販の貧血の薬である、ファイチやヘマニックは胃痛の副作用軽減の目的で、薬が腸で溶けるような工夫がされています。

 

 

2.市販の貧血の薬選びで迷っているあなたへ、薬剤師からのアドバイス

2-1. ファイチとマスチゲンの違いはビタミンC

市販されている貧血の薬で有名なものといえば、ファイチとマスチゲンかな?と思います。違いは、下記の点です。

 

ファイチ:腸で溶ける剤型設計

マスチゲン:ビタミンC含有

 

吸収性の観点からはビタミンCを併用するのが理想的です。ただ吸収については個人差があり、それぞれの吸収能力については誰にもわかりません。

 

ファイチかマスチゲンかの2択であれば、吸収へのこだわりと胃痛の有無で決めるといいと私は思います。胃痛があるならファイチがおすすめで、吸収性が気になるならマスチゲンがおすすめです。

 

2-2. 鉄剤は吸収と継続を考えることが大切

痛み止めと違い鉄剤は、ちょっと使ってすぐ終わりというものではありません。基本的にある程度は継続して使用する必要があります。一定期間は毎日飲み続けるものなので、やはりコストも大切。さらに鉄そのものの吸収性が悪いため、吸収も考えたいところ。

 

効果重視なら私はエミネトンがおすすめですが、効果性とコストを考慮し継続性も考えるなら、マスチゲンを選択するといいかなと思います。

 

 

2-3. 鉄を極めるなら理想はヘム鉄

鉄の吸収を考えるはいいけど、最初から吸収のいい鉄はないのか?そう疑問が生じるかもしれません。吸収のいい鉄にはヘム鉄というものがあります。レバーなどに含まれる動物性の鉄分です。

 

市販の貧血の薬には、ヘム鉄を使ったものはありません。しかし、サプリメントならヘム鉄のサプリメントは存在します。

 

もし信頼しているメーカーでヘム鉄のサプリメントがあるならば、貧血の薬でなく、ヘム鉄のサプリメントを使ってもいいと思います。

 

 

3.貧血治療の終わりはフェリチンをあげること

貧血の治療で大切なのは、だるさや疲れやすいなどの鉄不足からくる症状の改善ではないんです。症状がなくなった段階で、健康診断における血液中の鉄項目は改善していることでしょう。

 

しかし、鉄は次の順に減少するんですね。

 

鉄の貯金であるフェリチン(貯蔵鉄)

血液検査の鉄に関する項目

 

つまり、貧血の薬で鉄を補充して、貧血の症状がなくなった段階では、フェリチンはまだ補充されていないことがあります。

 

フェリチンをきちんと補充するためには、半年から1年くらい貧血の薬を飲み続ける必要があるといわれています。

 

 

4.まとめ

おすすめの貧血の薬は、あなたの立場によって変わるものといえます。私の意見をまとめると、次のようになります。

 

【おすすめの貧血の薬】

・胃痛が起こりやすい方:ファイチ、ヘマニック

・効果重視で胃痛がない方:エミネトン

・コスパ重視で効果性も期待したい方:マスチゲン

フェリチンを補充するには半年程度は飲み続ける必要がありますが、だるさや疲れやすさは、3週間程度飲み続ければ改善するはずです。

 

継続したにもかかわらず、症状が改善しない場合は貧血以外の可能性も考えられるので、服用を続けず婦人科や内科で相談しましょう。

 

また抗加齢医療を行っている病院であれば、フェリチンを継続的に追う検査もしてもらえるので、抗加齢医療を行っている病院で相談してみるのもいいと思います。

 

  • 抗加齢医療について相談できる病院はこちら

http://www.anti-aging.gr.jp/members/nintei/list1.phtml

 

【参考】

マスチゲン錠の特徴

https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3544.html

 

一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報

http://www.info.pmda.go.jp/osearch/html/menu_tenpu_base.html

 

愛知県薬剤師会HP

https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3544.html

 

 

執筆
薬剤師:植松 透
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