狭心症は治せる病気?狭心症の症状の度合い別治療法

大見 貴秀

狭心症は心臓の血管が「狭窄(きょうさく 狭くなること)」を起こし、心筋への血液の供給量が低下する病気です。
心筋の細胞は血液から酸素と栄養素を供給されるため、血液量が低下すると酸欠を起こしてしまいます。狭心症は、可逆的な病気であるため治療することが可能です。狭心症になったらどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?


今回は、狭心症がどのような病気かについて解説するとともに、症状の度合いによって変わる治療法についても説明していきます。

※この情報は、2017年10月時点のものです。

1.狭心症とはどのような病気?

1-1. 狭心症の症状

人間の心臓には「冠動脈」という血管があります。冠動脈は心筋に血液を供給する役割をもつ血管で、心臓がその機能を発揮するために非常に重要な血管です。

しかし、冠動脈に何らかの異常が生じ、血管が狭窄してしまうと血液の供給量が低下します。心筋の細胞は血液から酸素と栄養素を供給されるため、狭窄が発生すると酸欠状態となります。
すると、心筋がアラートを鳴らし、強い痛みが生じるようになります。


狭心症の症状としては胸部への圧迫されるような痛みが特徴です。胸部から痛みが放散することでみぞおちやあごに痛みが生じることもあります。痛みの程度は症状によって差があり、非常に強い痛みを感じるものからちょっと違和感が生じる程度のものもあります。

狭心症は主に2つの種類に分けることができます。「安定型狭心症」と「不安定型狭心症」があり、それぞれの特徴は以下のようになっています。

1-2. 安定型狭心症

狭心症の発作の現れ方が、ほぼ一定になっているタイプの狭心症です。

狭心症は血管が狭窄することで心筋への酸素の供給量が低下し、発作が現れます。運動を行った時や階段を上った時は心臓の負担が増え、胸がバクバクすることがあります。このようなタイミングで酸素不足に陥ると狭心症の発作が現れます。安定型狭心症の発作は運動をしたり、早歩きをしたり、階段を上ったりと心臓に負担が増えたときに現れます。また寒暖の差によっても現れることがあります。

 

1-3. 不安定型狭心症

不安定型狭心症は安定型狭心症と異なり、狭心症の発作の現れ方が一定になっていません。


運動をした時でも、安静にしている時でも発作が現れる可能性があります。毎日のように続いたり、1日に何回も発作が現れたりすることもあり、血管の狭窄の度合いは高い状態となっています。不安定型狭心症は、心筋梗塞に症状が進行する可能性が高い非常に危険な状態です。適切に治療を行うことで、心筋梗塞を引き起こさないことが重要です。

※参考※ 致死率が高い怖い病気「心筋梗塞」その症状と治療法を解説

2.狭心症は治せる病気

狭心症が進行することで発症する心筋梗塞は、血管に閉塞が発生して完全に詰まってしまいます。詰まってしまった先の心筋には酸素や栄養素が供給されなくなるため、心筋は壊死してもとに戻ることはありません。

一方で、狭心症は血管に狭窄が生じるだけで留まるため、酸素の供給は完全には止まりません。そのため、心筋が壊死することはありません。心筋梗塞は壊死した部分は元に戻らない不可逆的なものなのに対し、狭心症は可逆的なものなので治療することができます。


狭心症自体では命の危険が起こることがありません。症状が進行して心筋梗塞が発症したときに命の危険が起こります。狭心症の段階で適切な治療を行うことで、心筋梗塞の発症を予防することが重要です。

3.狭心症の治療法とは?

狭心症の治療法は、症状の度合いによっても異なります。

 

<軽症>
軽度の狭窄で軽い狭心症ならば薬物治療のみでも問題ないケースがあります。

薬物治療では抗血小板薬を用いて血液をサラサラにする治療を行います。そのほか血管を拡張させ血流量を増やすカルシウム拮抗薬や硝酸薬を使用することもあります。

薬物治療を行う際は並行して狭心症や心筋梗塞のリスクを高める高血圧、高血糖、脂質異常症、肥満の改善も行います。これらの治療するための薬物を用いることもありますし、運動や食生活などを改善させることもあります。

<中程度>
狭窄の度合いが中程度ならば冠動脈カテーテル治療を行います。

心臓の冠動脈にカテーテルという細い管を挿入し、狭窄が起きているところでバルーンを膨らませます。カテーテルを用いた治療は体への負担が少なく、狭窄を改善させることにあります。

<重症>
狭窄の度合いが強い場合は冠動脈バイパス治療を行います。

狭窄が起きている血管に別の血管をつなぐことで血液の迂回路を形成し、血流量を維持するための治療です。強い狭窄でも治療することができます。ただし、全身麻酔をする必要があり、体への負担が大きめのことには注意が必要です。

4.まとめ

狭心症は心臓に負担のかかる運動時や階段を上っている時に発症しやすいです。そのようなタイミングで胸部に痛みを感じる場合は狭心症の可能性があります。狭心症は心筋梗塞とは異なり、可逆的であり適切な治療を施すことで完全に治すことができます。そのため胸部に異常を感じたら早期発見、早期治療のため医療機関で診察を受けるようにしましょう。

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