動脈硬化を改善するための食事療法を栄養士が解説!

健康系雑誌・メディアなどで動脈硬化の恐ろしさについて取り上げられることも多い中、自分は大丈夫かしらと心配になる方も多いのではないでしょうか。

動脈硬化は「サイレントキラー」とも呼ばれ自覚症状はほとんどありませんが、放置してしまうと虚血性心疾患や脳梗塞に繋がる可能性が出てきます。

このように動脈硬化は放っておいてはいけないものですが、特別な治療や服薬をする前に、普段の生活習慣を見直す事でも予防・改善することができるのです。

今回はその基本となる食事療法に焦点を当て、動脈硬化を予防・改善する食べ方・食事について解説していきます。
※この情報は、2017年8月時点のものです。

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1.動脈硬化は食事で改善できるのか

まずは、動脈硬化の原因について理解しましょう。

 

動脈は必要な酸素や栄養素を全身に運ぶという重要な役割を担っており、通常は弾力性がありしなやかですが、様々な危険因子により血管が硬くなって弾力が失われた状態を「動脈硬化」と言います。

 

この危険因子には「男性であること」「加齢」などコントロールができないものと、「肥満」「高血圧」「高血糖」「高脂血症」「喫煙」「ストレス」など自身の意志で改善可能なものがあります。こうした危険因子を多く持つ人ほど動脈硬化が早く進行することが分かっています。

 

引用:国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス 循環器あれこれ [21]動脈硬化
 

 

つまり、この自分自身でコントロールできる危険因子を改善していけば、動脈硬化の予防・改善にも繋がるということですね。

この中で特に重要な危険因子は「高血圧」「高脂血症」「喫煙」の3つですが、食事で改善できる「高血圧」と「高脂血症」について次章より説明していきます。

 

2.動脈硬化の原因となる食生活・進行させる食生活スタイル

2-1 減量

まず、BMI25(ボディ・マス・インデックス:体重(kg)÷身長(m)²で求められる。)を超えている人、メタボリック症候群だと言われている人は、減量することで高血圧と高脂血症も一緒に改善される可能性が高いです。
減量によって高血圧と高脂血症を改善し、動脈硬化の改善にも繋げるためには普段の運動と食事を見直す必要があります。

 

まずは「運動」。
週2日以上、1回30分以上の軽く汗をかく程度の運動をすると良いと言われています。早歩や軽いジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は内臓脂肪を燃焼しやすく、高血圧や高脂血症の予防・改善に効果的です。


また、運動して筋力をつけ代謝を良くすることで、太りづらい体を作ることにも繋がります。
ただし病状によっては過度な運動は身体に負担がかかり危険な場合がありますので、医師に確認のうえ行うことをお勧めします。

 

そして「食事」です。
1か月に1kg~2kgの減量が、体に負担が少なくリバウンドしづらいとされています。急激に体重を落としてしまうと筋肉が痩せ、代謝が悪くなりリバウンドの危険性が高くなりますので、このペースで着実に体脂肪を減らしていくことをお勧めします。


1kgの脂肪を燃やすのに7,200kcal摂取量を減らしたり、消費量を増やす必要があります。


ですのでこれを30日(1か月)で割ってみます。
7,200kcal÷30日=約240kcal/日
240kcal今の生活から食事を減らしたり、運動で消費すれば1か月に1kg無理なく体脂肪を減らしていけるという事ですね。
コンビニのおにぎり1つが大体200kcal、20分歩くと自分の体重と同じくらいのカロリーを減らせます。

 

例えば、


夕食のご飯を普通盛りから小盛に少し減らして-100kcal
微糖缶コーヒー1本我慢して-70kcal
一駅分20分歩いて(体重70kgの人なら)-70kcal
=合計-240kcal


というように、少しずつカロリーを減らしたり消費したりするよう心掛けると無理なく健康的に減量することができます。

2-2 高血圧

高血圧は肥満、塩分過多、飲みすぎ、喫煙などが主な原因となります。
1日の塩分摂取量の目標は、男性で8g以下/日、女性で7g以下/日、高血圧がある方は6g以下/日と言われています。
普段食べている食事にどのくらい塩分が含まれているか、ご存じですか?

 

例えば、お味噌汁であれば1g強、うどん・蕎麦は約6g、ラーメンは8g程塩分を含んでいるものもあります。汁の部分に塩分が多く含まれていますので、麺類であれば汁を残すだけでも塩分量を半分程カットできます。


また、塩分が高い食品の代表である漬物や塩蔵品も、食べ過ぎには注意してくださいね。例えば梅干(大)1つで2g程塩分を含んでいるものもあります。
醤油やドレッシングなど調味料も塩分を多く含みますので、かけすぎないよう普段から意識していくことが大切です。

 

また、飲酒の適量は1日1合以下、休肝日は週2日以上です。
ビールですと500ml1缶で1合に相当します。休肝日がほとんどないと言う方はまず週1日から休肝日を作りましょう。ノンアルコール飲料や無糖の炭酸水を利用するのもお勧めです。

2-3 高脂血症

中性脂肪を増やす原因は肥満、糖分過多、遅い時間の食事、アルコール過多等。


そしてLDLコレステロール(悪玉コレステロールと呼ばれています)を増やす原因は、主に動物性脂肪です。脂肪の多い肉類(バラ肉、ひき肉、ベーコンなど)、乳脂肪の多い食品(チーズ、生クリームなど)、動物性油脂(バター、ラード、ヘッドなど)、内臓系などがこれにあたります。


できるだけ動物性脂肪の少ない食材を選び、食べ過ぎないよう注意してくださいね。

 

3.動脈硬化予防・改善のために摂るべき食材

今まで、まずは動脈硬化の原因となる「高血圧」と「血中脂質」の改善のために控えてほしい食品をお伝えしてきましたが、「じゃあ一体何を食べれば良いの?」と思う方、多いと思います。


ここからは、動脈硬化の予防・改善の為にお勧めの食材を紹介していきます。

3-1 野菜

まずは何といっても野菜です。

保健指導をしているとき、「朝はパン、昼は麺類で野菜はほとんどないけど、夜に自宅でたくさん摂っているので大丈夫です。」と言う方、多いです。
ですが、1日の野菜の目標摂取量は350g。両手にどっさり載る程の量になります。それだけの量を1食で摂るのは難しいですよね。実際に、国が行っている国民健康栄養調査の結果でも、20代~70代のどの世代でも野菜の摂取目標量に届いていないという結果が出ています。

 

少しずつでも毎食野菜を食べるように意識することが大切です。
野菜の種類はあまり気にしなくても良いですが、じゃがいもやさつまいも、かぼちゃ、れんこんなどはデンプンを多く含みカロリーも高めなので、そればかり食べ過ぎないよう気を付けてください。


できるだけ色々な種類のものを摂ることで様々な栄養素が摂れます。赤、緑、黄、とカラフルになるよう選ぶのもポイントです。

 

また、きのこや海藻類も食物繊維やミネラルを多く含むので、野菜と同様できるだけ毎日摂るよう意識してくださいね。

3-2 魚(特に青魚系)

肉の脂はLDLコレステロールを増やし動脈硬化を進行させる原因になりますが、逆に魚の脂にはLDLコレステロールを減らし、血液をサラサラにする効果があります。特に青魚系であるサンマ、イワシ、ブリ、サケなどがお勧めですので、できるだけ肉より魚を選ぶ事で動脈硬化の予防・改善に繋がります。

 

魚の摂取量が多い人ほど、心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患のリスクが下がるという研究結果も出ています。

 

話題の「オメガ3系脂肪酸」を多く含み、血液をサラサラにする効果を期待してエゴマ油やアマニ油を飲んでいるという方も多いですね。それも良いのですが、魚に含まれるオメガ3系脂肪酸であるDHA/EPAは脳や目の健康を保つために役立ちますし、魚を摂ることでたんぱく質やカルシウムも一緒に摂ることができます。

 

1日1食は主菜を魚にするよう心掛けましょう。

3-3 玄米・大麦・雑穀

肥満の解消、また動脈硬化の予防・改善のために、玄米や大麦、雑穀を取り入れることもお勧めです。ご飯を丸ごと変えなくても、いつものお米に少し混ぜ込むだけでも構いません。


白米のみより食物繊維を多く摂ることができますので、血糖値の上昇がゆっくりになり体脂肪に変わりづらくなる効果や、腸内環境改善効果、脂質の吸収を抑えて血中脂質の改善効果が期待できます。

3-4 大豆製品

豆腐、納豆、厚揚げ、豆乳などの大豆製品を摂取する事で、動脈硬化を進行させるLDLコレステロール改善効果が期待できます。
特に大豆に含まれるイソフラボンは、心筋梗塞の予防効果があると言われる女性ホルモン(エストロゲン)と似た構造を持つため、女性ホルモンの分泌量が減る閉経後の女性に摂っていただきたい栄養素です。


男性ではあまり効果が見られていないですが、40代以上の女性で大豆摂取量が多い方の方が脳梗塞・心筋梗塞の発症率や循環器疾患による死亡率が低下する可能性が示唆されています。

4.外食やコンビニでの食事の選び方

では自宅で食事ができず、外食する際やコンビ二で購入するときは何を選べば良いのでしょうか。ポイントをお伝えします。

4-1 外食編

外食の際は、できるだけ「定食系」を選びましょう。

定食であればご飯、肉か魚、野菜類とバランスよく食材を摂ることができます。上述した通り魚を食べることで動脈硬化の予防・改善効果が期待できますので、魚の定食を選ぶのがベストです。揚げ物の定食ですと一食で1,000kcal以上摂ってしまうこともありますので、できるだけ揚げ物でないものを選びます。揚げ物のときはご飯を少な目にする、というのもお勧めです。

麺類や丼ものですとどうしても野菜の量が少なく、脂質が多くなりがちです。このような一品物を食べるときは、できるだけトッピングで野菜やたんぱく質をプラスしたり、サラダをつけるようにしましょう。

また、お寿司は一見ヘルシーなようでほとんど野菜が摂れません。お浸しや酢の物などの惣菜や、サラダをプラスしましょう。

4-2 コンビニ編

ンビニで食事を選ぶ時のお勧めは、まずおにぎり。最近は雑穀入りのものもありますね。

茹で卵や今人気のサラダチキンでたんぱく質を摂り、サラダをプラスするとバランスがよくなります。豆腐やツナ、卵が入ったサラダを選べばたんぱく質と野菜が一緒に摂れます。具沢山の豚汁などもお勧めです。
また、豆乳や牛乳、ヨーグルトでたんぱく質を補ったり、野菜100%ジュースで野菜不足を補うのも良いですね。

幕ノ内弁当のようなおかずがたくさん入ったお弁当を選ぶことでも、バランスよく食べることができます。

野菜の量が少ないお弁当もありますので、サラダやカット野菜、具沢山のお味噌汁などをつけると更にバランスが良くなります。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。
動脈硬化の予防・改善のためには、まず食事・運動など生活習慣を改善することが必要です。
肥満の解消、そして動脈硬化の原因となる高血圧や高脂血症を改善するために、適度な運動とバランスの良い食事が大切ということをお伝えしてきました。
動脈効果を改善していつまでも若々しく健康でいられるよう、ご紹介したお勧めの食材や外食の選び方を少しでも普段の生活に摂り入れてみてくださいね。

 
執筆
管理栄養士:塚原 絵理
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