【薬剤師が解説】咳喘息に効果が期待できる「市販薬と病院の薬」

自分の意に反してゴホゴホと咳が出る咳喘息。仕事や学校で、いつ咳が出るか常に不安を抱えている、という方も多いのではないでしょうか?

咳喘息に備えて市販薬を購入しようと思っても、
「そもそも咳喘息に効果があるお薬は市販でも買える?」
「咳止め薬がたくさんありすぎて選べない」
「病院に行った方が良いのはどんなとき?」
など疑問や不安があるかと思います。

今回は、咳喘息に効果があるお薬は市販でも購入できるのか?又、病院では、咳喘息にどのようなお薬の治療が行われるかを解説するとともに、病院に行った方が良い場合についても解説します。咳喘息について正しく理解していただき、体調管理に少しでも役立てていただければ幸いです。
※この情報は、2017年3月時点のものです。

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1.咳喘息の症状とは?

咳喘息は、慢性的に咳が続くような場合に、診断される可能性がある疾患です。

特徴としては、


・8週間以上慢性的なゴホゴホといった空咳(からぜき)が続いている
・胸に耳をあてても、ヒューヒュー、ゼーゼーという音(喘鳴)が聞こえない
・呼吸困難を伴わない
・気管支が過敏になっている


などがあげられます。

「ゴホゴホ」とした空咳(からぜき)が続き、風邪が治っているのにも関わらず、数週間も治らない場合、咳喘息の可能性が考えられます。
また、吸入薬(気管支を拡張するお薬)で改善がみられることも咳喘息の特徴のひとつです。

 

喘息と咳喘息の違い


喘息の場合は、胸に耳をあてると、ヒューヒュー、ゼーゼーという音(喘鳴)が聞こえることや、呼吸困難を伴うことが特徴です。咳喘息では、これらを伴いません。似ている点としては、胸部のレントゲンをとっても異常がないことや、炎症をおさえる吸入ステロイド薬を第一選択薬として用いる点です。また、咳喘息は、適切な治療を受けなかったり、治療が十分でない場合に、喘息に移行することがあるため、注意が必要です。

 
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2.咳喘息に効果が期待できる市販薬はあるの?

実は、市販薬ではごく限られたものしか販売されておりません。

というのも、市販では病院での治療の第一選択薬となる、吸入ステロイド薬が販売されていないためです。

 

市販の薬は限られているため、咳喘息の症状がみられる場合には、必ず医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。市販薬は、症状が一時的かつ軽症の場合で、あくまでも一時しのぎ用として服用することを前提として下さい。以上のことをふまえて、どのようなお薬があるのか解説していきます。

 

市販薬に含まれている気管支拡張薬の成分としては、大きく2つのタイプがあります。「β刺激薬」と「キサンチン系気管支拡張薬」の2つです。

 

市販薬における成分では、両者を比較したものがなく判断がつかないため、それぞれの特徴を解説します。詳しくは、店頭の薬剤師、登録販売者にご相談の上、ご判断下さい。

 

2-1. 自律神経にはたらき、気管支を拡げる成分(β2刺激薬)

気管支に存在している自律神経、β受容体をお薬で刺激することで、気管支を拡げ空気の通りをよくし、咳を抑えるはたらきがあります。ただし、病院では内服β2刺激薬はもはや処方されることはほとんどありませんので、以下の薬剤を服用する医学的根拠はほぼないと言ってよいでしょう。

 

代表的な成分としては次のようなものがあります。
メトキシフェナミン塩酸塩メチルエフェドリン塩酸塩など

 

これらの成分を含む市販薬としては次のようなものがあります。

 

アスクロン

タイプ:第2類医薬品
メーカー:大正製薬
参考小売価格:1850円

 

ポイント:
気管支を広げ、咳をしずめる成分「メトキシフェナミン塩酸塩」を含んでいます。他にも、咳をしずめる効果があるノスカピン、たんの排出をスムーズにするカンゾウ粗エキス、アレルギー症状を和らげる抗ヒスタミン作用をもつ成分なども含み、6つの有効成分を配合する鎮咳去痰薬です。8歳以上の方で服用することができます。

 

効能・効果:
せき、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅー)を伴うせき、たん

 

2-2. 昔から使用されている成分(キサンチン系気管支拡張薬)

かつては喘息治療によく用いられていたお薬のタイプです。狭くなっている気管支を拡げることで、咳喘息症状を抑える作用があります。

 

代表的な成分としては次のようなものがあります。
ジブロフィリン、テオフィリンなど

 

これらの成分を含む市販薬としては次のようなものがあります。

 

アスゲン錠EX

タイプ:指定第2類医薬品
メーカー:日邦薬品工業
参考小売価格:45錠1300円 90錠2500円

 

ポイント:
収縮した気管支を広げる成分である「ジプロフィリン」を含んでいます。その他、生薬マオウ、カンゾウエキスやアレルギー症状を和らげる抗ヒスタミン作用をもつ成分を含んでいます。5歳以上の方で服用することができます。

 

効能・効果:
せき、たん、ぜんそく

2-3. 2つの成分を含んでいる市販薬

前述のβ2刺激薬とキサンチン系気管支拡張薬を両方配合している市販薬があります。どちらの成分が良いのか分からないときはこちらの市販薬を選ぶと良いでしょう。

 

①ミルコデ錠A


タイプ:第一類医薬品
メーカー:佐藤製薬
希望小売価格:24錠980円 48錠1700円

 

ポイント:
気管支を広げてせきを鎮める作用がある「テオフィリン」と「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」を含んでいます。その他、たんを出しやすくする成分や生薬キキョウ、セネガ、カンゾウを含んでいます。15歳未満の方は服用することができません。

 

効能・効果
せき、喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅー)を伴うせき、たん

 

②アストフィリンS


タイプ:指定第2類医薬品
メーカー:エーザイ
参考小売価格:1580円

 

ポイント:
収縮した気管支を広げる成分である「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」と「ジプロフィリン」を含んでいます。他にも、せきをしずめる効果があるノスカピン、アレルギー症状を和らげる抗ヒスタミン作用をもつ成分も含んでいます。15歳未満の方は服用することができません。

 

効能・効果:
喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅー)を伴うせき、せき、たん

 

③アドレニンエース錠


タイプ:指定第2類医薬品
メーカー:三宝製薬
参考小売価格:1350円

 

ポイント:
収縮した気管支を広げる成分である「dl-メチルエフェドリン塩酸塩」と「ジプロフィリン」を含んでいます。その他、アレルギー症状を和らげる抗ヒスタミン作用をもつ成分、ナンテンジツ、ゴミシの生薬成分も含んでいます。5歳未満の方は服用することができません。

 

効能・効果:
喘鳴(ぜーぜー、ひゅーひゅー)を伴うせき、せき、たん

 

喘息発作で飲んではいけない市販薬の咳止め成分

 

市販薬で、一般的によく含まれている咳止めの成分で、延髄にある咳中枢に作用して咳を抑えるタイプの「麻薬性鎮咳成分」とよばれる咳止めのお薬があります。麻薬というと驚くかもしれませんが、通常の量で服用する分には心配はいらず、一般的に使用される咳止めのお薬です。

・麻薬性鎮咳成分
コデインリン酸水和物、ジヒドロコデインリン酸塩など

麻薬性鎮咳成分のお薬は、気管支喘息の発作に対して禁忌(飲んではいけない)となっています。咳を鎮める効果は高いのですが、気道分泌の抑制作用があり、たんをうまく排出することが出来ず、喘息発作の症状を悪化させる可能性があるためです。咳喘息においても、基本的には、喘息と同様と考えてください。

3.咳喘息の治療薬について

次に、病院で処方される咳喘息の代表的なお薬について説明します。

 

市販薬としては販売されていない吸入薬が主流です。それぞれのお薬の特徴をふまえて、症状に応じてお薬が処方されます。複数のお薬を組み合わせて処方されることもあります。

 

3-1. 喘息の第一選択薬(吸入ステロイド薬)

吸入ステロイド薬は、気管支の炎症をおさえ、咳症状を鎮める作用があります。通常は、今出ている発作をおさえるというわけではなく、長期管理薬として用いて吸入を続けることによって、咳喘息の症状を抑える作用があります。症状が軽い場合から用いることが一般的で、症状がひどくなった場合は、ステロイドの量をより多く含む吸入薬を使用していきます。

 

ステロイドというと副作用が強いというイメージをお持ちの方も多くいらっしゃいますが、吸入ステロイド薬は体内に悪影響を与えることはほとんどありません。指示された用法・用量しっかり守って使用することが大切です。

 

代表的なお薬としては、


・パルミコート(ブデソニド)
・オルベスコ(シクレソニド)
・キュバール(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル)
・フルタイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル)


などがあります。

3-2. 気管支を拡げ発作時にも使用(β2刺激薬)

β2刺激薬は、気管支を拡張することで咳喘息症状をおさえる作用があります。

 

気管支に存在しているβ受容体をお薬で刺激することで、気管支を拡げ空気の通りをよくし、咳を抑えます。発作時に用いるβ2刺激薬は単独使用で問題ありませんが、長期的にコントロールするために用いる場合、吸入ステロイド薬と併せて処方されることがほとんどで、単独では使用されません。

 

発作時に使用するお薬には

・メプチン(プロカテロール)
・サルタノール
・ベネトリン(サルブタモール)


などがあります。

 

吸入ステロイド薬と合剤になっているお薬には


・アドエア(フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロール)
・シムビコート(ブデソニド/ホルモテロール)
・フルティフォーム(フルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロール)
・レルベア(フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロール)


があります。

 

3-3. 気管支を拡げ喘息を抑える(テオフィリン徐放製剤)

市販薬でも販売されている成分で、「キサンチン系」とよばれるタイプの気管支拡張薬ですす。狭くなっている気管支を拡げることで、呼吸器症状を抑える作用があります。

代表的なお薬としては、



・テオドール
・テオロング・スロービット (テオフィリン)



などがあります。

3-4. アレルギー症状をおさえる(ロイコトリエン受容体拮抗薬)

気管支が過敏になっている、アレルギー症状をおさえるのが抗アレルギー薬とよばれるタイプです。気管支の収縮などのアレルギー症状に関わっているのが「ロイコトリエン」とよばれる物質です。ロイコトリエンの作用をおさえることによって、アレルギー症状を鎮め、咳喘息の症状を改善する効果が期待できます。

代表的なお薬としては、

・オノン(プランルカスト)
・キプレス、シングレア(モンテルカスト)

などがあります。

 

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4.病院に行った方が良いのはどんなとき?

咳が続いていても、「仕事で忙しく、特にひどいわけでもないし、我慢したい」と考える方もいらっしゃるかと思います。
しかし、咳喘息は適切な治療をせずに放置していると、喘息の症状に移行する可能性がありますので、充分に注意が必要です。

 

下記の症状がみられる場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。



・風邪は治っているにも関わらず、咳が続いている

・ゴホゴホとした咳が1ヶ月以上続いている
・季節の変わり目などに、いつもは出ない咳が出る
・市販薬を2-3日服用しても効果がない、症状が悪化している

 

咳が出る場合には、様々な原因が考えられます。咳喘息かどうかの判断はひとまず置いといて、たかが咳だと甘くみることはせず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。原因を早い段階でみつけ、適切な治療を受けることが大切です。

5.おわりに

今回は、咳喘息の治療薬や咳喘息に効果が期待できる市販薬、又、病院に行ったほうが良い場合について解説しました。

 

度々、お伝えしましたが、咳症状が続く場合には、市販薬は一時しのぎと考え、できるだけ早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

 

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執筆
薬剤師:竹中 孝行
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