長引く咳がもし喘息だったら……市販薬でも効く?それとも無効?

「喘息の薬って、ドラッグストアとか薬局においてある?」長引く咳を喘息と自己判断したり、病院でもらう喘息の薬がなくなったとき、市販薬で何とか対処できないかなと考える人は少なくありません。

しかし、長引く咳の全てが喘息というわけではありません。他の病気でも喘息に似た症状がある場合も。

そこで喘息の基本情報をお伝えした後で、喘息に効く薬がドラッグストアにあるのか、また、病院でもらう喘息の薬はどんなものかを解説いたします。喘息に似た他の病気の情報も入れてあるので、お見逃しなく!
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.喘息(気管支喘息)とは?

喘息はどちらかというと、子供が罹患するイメージが強いですよね。幼少の頃、喘息であって、成長に従って治っていくというのがよくあるパターンです。

その一方で大人になって初めて喘息になるケースもあれば、子供の頃、罹患した喘息が大人になって再燃することもあります。

 

ところで、なぜ、喘息になるのでしょうか?

簡単に言うと、鼻から肺までの空気の通り道である気道に炎症がおきることが原因です。

よく喘息というと、アレルギー関連の言葉が思い起こされますが、必ずしもアレルギ―が原因とは限らず、大気汚染、喫煙、風邪などの上気道炎などでも喘息を誘発することがあります。

 

最近、咳喘息という言葉をよく耳にしませんか?

風邪ひいた後、咳だけが長引きなかなか治らず、病院に行くと、咳喘息と診断された人も結構、います。

 

咳喘息もまた、風邪だけでなく、喫煙やストレス、運動などが引き金になりやすいようです。

そこで、喘息と咳喘息の違い、喘息と症状が似ている気管支炎についても説明します。

 

1-1. 喘息と咳喘息の違い

喘息の人の気道周辺には、炎症細胞といわれる好酸球やTリンパ球などが見られ、炎症をおこしていると考えられています。

もう一方の咳喘息ですが、咳はひどくても、喘息のような喘鳴や呼吸困難はありません。それでも喘息同様、好酸球などの炎症細胞の存在は確認できるようです。

また、喘息も咳喘息も気管支の内腔が狭くなることもあり、非常に似通っています。実際のところ、咳喘息の約3割が本命の喘息に移行しやすいといわれています。

咳喘息の治療は喘息の治療に準じており、喘息の治療薬である吸入ステロイド薬を使用することが多いです、吸入ステロイド薬の使用で咳喘息から喘息への移行を防止できたという報告がたくさんあります。

 

1-2. 喘息と気管支炎の違い

気管支炎は感染が原因です。発熱、鼻水といった風邪と同じような症状を呈しながら、ひどい咳を伴います。通常、2週間程度で改善します。

感染原因はウイルスであるため、抗生物質の投与は基本的にありません。

 

しかし、症状がひどくなって二次感染をおこし、肺炎に罹患する可能性が高い場合は抗生物質が処方されることもあります。

気管支炎は風邪と同じように免疫力向上を目指すことで、予防も可能になります。

 

2.喘息の症状改善に市販薬は対応可能?

喘息や咳喘息の場合、基本的に吸入ステロイド薬が処方されるケースがほとんどです。吸入ステロイド薬は医師が処方する薬で、市販されていません。

ただ、咳はひどくても、喘息、咳喘息と診断されたことがない場合、まず、市販の咳止め薬を飲んで、これで効果なければ、病院に行こうと考える人も多いことでしょう。

また、咳喘息の診断基準の一つに「8週間以上続く喘鳴のない慢性の咳」という項目があります。だけど、ひどい咳は8週間どころか1週間でも辛いものです。

 

そこで、ハンパない咳が出始めたとき、「この薬を飲んで効果が無ければ、病院に行こう」と考えられる良質な市販の咳止め薬に含まれる薬効成分をご紹介します。

市販薬に含まれている薬効成分は当然、厚生労働省が認可しているものに限られているため、そんなに種類はありません。そのため、製造元メーカーは個性を出すため、品質だけでなく成分の組み合わせにも配慮しています。

 

この記事では商品名ではなく、含まれる代表的な薬効成分をいくつかご紹介します。自分の症状に適応した成分名をメモしてドラッグストアに行き、パッケ―ジに書かれた成分と照らし合わせてみてください。

面倒であれば、店内にいる薬剤師、販売登録者に尋ねれば、すぐに探し当ててもらえるでしょう。それも一つではなく、数個……。その後、さらにあなた独自の症状を訴えることで、薬剤師があなたの体質、症状にあった薬を選び出すはずです。

 

風邪は治りかけている、あるいは鼻水などの風邪の症状はないのになぜか、咳だけがたくさん出る、このような症状が出始めて2週間以内のあなたを想定して、以下に咳止めの成分を選択してみました。

 

2-1. 市販薬の成分から分析

下記の薬効成分はドラッグストアにおいてある咳止め薬に大体、入っています。パッケージに書かれた表示をしっかり読み、お目当ての成分が入っている商品を選びましょう。

 

まず、乾いた咳なのか、痰が絡んだ咳なのかを判断します。

 

・乾いた咳(コンコン):ジヒドロコデインリン酸塩がよく効きます。

 

脳にある咳中枢が刺激されておきる咳です。ジヒドロコデインリン酸塩が脳の中に入り、中枢に作用して咳を鎮めます。とても効果がある成分ですが、便秘、眠気が起きやすいので要注意です。

 

また、この薬は気道からでる分泌液を抑える作用があります。そのため、痰がねばくなり、痰を吐きだすことが困難になることもあり、喘息の人は使えません。

 

ジヒドロコデインリン酸塩以外を使う場合は少し効果がおちますが、副作用はかなり抑えられるデキストロメトルファン、ノスカピンなどがおすすめです。

便秘がち、いつも車を運転する人はこちらがいいかもしれませんね。

 

・湿った咳(ゴホゴホ):エフェドリン、カルボシステイン、ブロムヘキシンなどが効果的です。

湿った咳が出る場合は、気道が狭くなり、痰の吐きだしが困難になっています。そのため、気管支を拡げる成分や痰を吐きだしやすくする成分が有効になります。

 

 

3.医師が処方する喘息の薬はどんな薬?

風邪のときに出る咳。治りそうだけど、治りきらないような咳であれば、市販の咳止め薬で十分、対応できると思われます。

しかし、喘息となると、市販の咳止め薬ではなく、医師が処方する薬が必要になってきます。

そこで、医師はどのような薬を用いて喘息の治療を行うのかを説明しましょう。

医師は吸入薬、飲み薬、貼り薬を使って、患者さんの体質や症状に合わせ、治療します。

 

3-1. 吸入薬

以前の喘息治療薬といえば、気管支拡張剤(β₂刺激剤:LABA)が主流でしたが、喘息は気道の慢性疾患と考えられるようになってからは、強い抗炎症作用を持つステロイド薬を吸入の形で投与する治療法が行なわれるようになりました。

 

吸入ステロイド薬(ICS)で長期間治療が行なわれるようになったことで、発作を起こして救急搬送されるとか、入院加療などが優位に減少したといわれるようになりました。

 

喘息の患者さんは増加傾向ですが、死亡率は、吸入ステロイド薬の長期使用で明らかに低下しているようです。

 

そして、治療はさらに進化して、前出の気管支拡張剤とステロイド薬を配合した吸入薬ができました。吸入ステロイド薬だけでは効果不十分な患者さんなどに用いられ、高い治療効果を示しています。

 

・吸入ステロイド剤(ICS):フルタイド、バルミコートなど

・配合剤(ICS/LABA):アドエア、シムビコート、フルティフォームなど

 

3-2. 飲み薬・貼り薬

まずは主な飲み薬を紹介します。

 

・ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA):キプレス、オノン、シングレアなど

気道の炎症を抑え、気道を拡げる働きがあります。ただ、効果が現われるまで1カ月近くかかるため、発作を抑えるための使用は期待できません。

 

・気管支拡張剤(テオフィリン製剤):テオドール、ユニフィル、テオロングなど

大きくいえば、コーヒーなどに含まれるカフェインと同類の薬剤です。

この薬の歴史は非常に長く、喘息治療の主流をなしていました。治療効果は高く、また、医師も使い慣れているということもあって現在も喘息の治療によく使われています。

 

その他、アレグラ、ザジテン、アレジオンといった抗アレルギー薬が併用されたり、場合によってはステロイド内服薬を短期に投与することもあります。

 

次は貼り薬です。ホクナリンテープという喘息治療用の貼り薬があります。貼る回数は一日一回でOK、子供からお年寄りまで使えます。

ホクナリンテープを皮膚に貼ると、テープの成分「ツロブテロール」という気管支拡張剤(β₂刺激剤)が皮下の血管に入り、血液を介して気管支にたどりつきます。気管支には交感神経のβ₂受容体が存在しており、ツロブテロールが刺激し、気管支が拡がります。よって、空気の通りがよくなり、呼吸が楽に、咳も鎮まるというわけです。

 

4.喘息とよく似ている他の病気

前出の咳喘息や気管支炎も喘息によく似た病気ですが、ここに取り上げたいのがCOPDという慢性閉塞性疾患です。約9割が長期間の喫煙が原因といわれています。

 

肺胞が壊れていく病気で、壊れた肺胞は元通りにはなりません。初期は軽い咳、痰といった風邪に似た症状から始まるため、早期発見が難しく、進行して喘息と同じような症状が出て、やっと病院に行くということも少なくありません。

 

COPDの患者さんは「いつもおぼれているような」と口を揃えて言われます。

会社の定期健診などで発見されることもよくあるので指摘されたら、すぐに専門医に罹りましょう。

 

5.まとめ

近年の医学や科学の発展で、喘息の症状のコントロールがしやすくなりました。しかし、喘息の第一選択薬といわれる吸入ステロイド薬をはじめとする高度な治療薬は市販品の中にはありません。

 

これは、私たちの身体を守るための対応であるということを知っておいてください。

 

知識と技術をもった専門医のところで安全な、効果的な診察をうけるようにという国からのメッセージ、つまり法律ということです。

 

執筆
薬剤師:村田 直子
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