アトピー性皮膚炎を改善したい!食事で気をつけるべきポイントを栄養士が解説

塚原 絵理

アトピー性皮膚炎による肌の乾燥や痒み、少しでも症状を緩和させたいですよね。

食事によって即効・劇的に症状を改善させることは難しいかもしれませんが、私たちの体は日々食べたもので作られています。普段の食習慣を見直すことで、長い目で見て少しずつでも症状を和らげていくことを目指しましょう。

今回はアトピーの症状を改善するために避けた方が良い食べ物・お勧めの食べ物や、食事バランスのとり方について解説します。

 

 ※この情報は、2018年5月時点のものです。

1.アトピー性皮膚炎の原因と症状

アトピー性皮膚炎は、アレルギーを起こしやすい体質や皮膚のバリア機能が低下した状態など「体質的要因」と、アレルゲン(アレルギー症状を引き起こす物質)や外的刺激、ストレスなどの「環境的要因」が重なることで起こると考えられています。

アトピー性皮膚炎の症状や悪化する原因は人によって様々で、いくつもの要因が重なって症状があらわれます。

 

症状として最も多いのは痒みのある湿疹で、掻くことにより皮膚が厚くゴワゴワした状態になったり、かさぶたができたりします。

個人差がありますが顔や首まわり、ひじの内と外、ひざの表と裏などに湿疹が出やすい特徴があり、多くは乳幼児期に発症し、成長と共に改善していく傾向にあると言われています。

 

2.避けた方が良い食べ物・お勧めの食べ物

アトピー性皮膚炎の症状を改善する方法としては皮膚を清潔にすること、保湿、薬物療法などがありますが、ここでは食事面からできることについて触れていきます。

 

■避けた方が良い食べ物

インターネットなどメディア上では、「〇〇を摂らないと症状が改善する」など特定の食品の除去を勧める情報が見受けられます。しかし、基本的には食物アレルギーのある方・もしくは医師より指示を受けた方以外は何か特定の食品を全く摂らない方が良いということはありません。

原因になりそうな食品を自己判断で排除するよりも、まずは食事のバランスを見直してみることをお勧めします。また次項で詳しく説明していきます。

 

乳幼児の場合、食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の発症に関与している場合があります。

 

食物アレルギーの関与が明確になった場合には、薬物療法の補助療法としてその特定の食物アレルゲンを除去した食事を実施することで症状が軽減する可能性がありますが、自己判断でむやみに原因となりうる食品を制限してしまうと、必要な栄養素が摂取できなくなり発育障害等に繋がる可能性があります。

 

必ず医師の指示に従って行ってください。

 

■お勧めの食べ物

何か一つの食品だけを食べることでアトピー性皮膚炎が改善するということは考えづらいです。基本的にはバランスよく食べることが大切ですが、乳酸菌を継続して摂ることで症状が改善したという研究結果があります。

 

例えば、カルピス()が出しているL-92乳酸菌の摂取によりアトピー性皮膚炎の症状が緩和したという研究。

www.asahigroup-holdings.com/research/report/kins/pdf/kinsvol16view.pdf

 

また、フジッコ()によるカスピ海ヨーグルトの乳酸菌がアトピー性皮膚炎を改善したという研究など。

https://www.fujicco.co.jp/cms_news/news/upload/rd_20140820.pdf

 

乳酸菌を含め体に合う食品は人により様々ですので、症状や体調を見ながら試してみることをお勧めします。また、腸内環境を良好に保ち免疫力を上げることでアレルギー症状が緩和する可能性があると考えられているので、乳酸菌の摂取だけではなく食物繊維も不足しないように摂るなど全体的な食事のバランスを見直しましょう。

 

3.食事のバランス、摂れていますか?

3-1. 栄養不足

例えば、朝は菓子パンのみ、昼は丼もの、夜はカップラーメンこのような食事では、肌を作るためのたんぱく質や、新陳代謝を促すビタミン類などの不足に繋がってしまいます。

 

食事の基本は、主食(炭水化物)・主菜(たんぱく質)・副菜(野菜類)の3つを揃えることです。この3つを揃えることで、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素が摂れるようになるのです。毎食揃えることが難しくても、「今日の昼食は野菜が少なかったから、夜は多めに食べよう」など前後でバランスをとればokです。

 

野菜は1日350g摂ることが推奨されています。生野菜だと両手を広げた上にどっさり乗るくらい、お惣菜の小鉢なら5つ分ほどの量が目安になります。普段どのくらいとれているのか確認し、少ない方はサラダをプラスする、味噌汁やスープに野菜をたっぷり入れるなど少しずつ野菜を摂る工夫をしてみてくださいね。

 

3-2. 栄養過多

油ものや糖質を摂りすぎていませんか?

 

食事のバランスに気を付けていても、揚げ物が多い、ポテトチップスをよく食べる、肉の脂身が好き、など脂質の多い食事になっていないでしょうか。

 

マーガリンやドレッシング、スナック菓子などに多く含まれるn-6系脂肪酸の摂りすぎはアトピー性皮膚炎の症状を悪化させると考えられています。ですが脂質も体に必要な栄養素なので、全く摂らないことが良いわけではありません。

 

大切なのは魚などに含まれるn-3系脂肪酸とのバランスなのです。日本人の食生活は魚離れによりn-3系脂肪酸の摂取が減り、n-6:n-3のバランスが崩れてきていると言われています。

揚げ物やスナック菓子などの食べ過ぎに注意し、n-3系脂肪酸摂取のためにも週に3,4回は魚を食べることがお勧めです。

 

また、甘いものが好きで毎日お菓子を食べている、毎日砂糖入りのコーヒーやジュース類を飲んでいる、など糖質を摂りすぎていないでしょうか。

 

糖質の過剰摂取は腸内で悪玉菌を増やす原因となります。前述の通り、善玉菌を増やし腸内環境を良好に保つことがアトピー性皮膚炎の緩和に役立つと考えられているので、甘い飲みもの・食べものを摂りすぎないよう注意しましょう。

 

 

4.おわりに

いかがでしたでしょうか。アトピー性皮膚炎の治療は薬物療法やスキンケアが基本ですが、私たちの体を作っている食事のバランスを見直し腸内環境を整えておくことも大切です。

また、胃腸の機能が弱ると栄養を吸収しづらくなり、新陳代謝が悪くなったり皮膚の栄養不足を起こす可能性がありますので暴飲・暴食も控えましょう。

できるところから少しずつでも良いので食習慣を改善し、きれいな肌を目指しましょう!

 

 

 

 

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