アトピーは治る?アトピーの治療の目標と3つの治療の柱

清益 功浩

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アトピーって治らないの?という不安があるかもしれません。子どものアトピーは比較的治りやすく、大人のアトピーは治りにくいことがあります。ただ、しっかりと原因、悪化因子を検索し、スキンケアと治療することで良くなります。

今回は、アトピーの治療の目標について解説するとともに、アトピーの治療で考えるべき3つの柱について詳しく説明していきます。

※この情報は、2018年4 月時点のものです。

1.アトピーの治療の目標

アトピーの治療の最終目標は、症状がないこと、あっても非常に軽く、日常生活に支障がないこと、薬物による治療もあまり必要としない状態であること、こうした状況を維持することになります。少なくとも日常生活に支障のないようにしたいものです。

 

アトピーのかゆみによって睡眠不足や集中力が無くなることがないようにしっかりと治療していくことと、長期にわたり、湿疹やかゆみをコントロールしていくことが必要です。逆にいえば、しっかりと治療を行うことで、アトピーの状態が落ち着きます。

 

では、アトピーの治療とはどんな治療でしょうか?

 

アトピーの治療として3つの柱があります。

 

・外用薬や内服薬などによる薬物療法

・皮膚のバリア機能を保つ…スキンケア

・アトピーの原因または悪化因子の検索とその対策

 

の3つです。次に詳しく説明していきます。

2.外用薬や内服薬などによる薬物療法

2-1. ステロイド外用薬が中心

アトピーがアレルギーの炎症であることから、炎症を抑える治療が中心になります。特に皮膚の炎症ですから、抗炎症薬の外用薬が中心で、ステロイド外用薬と免疫抑制薬の外用薬があります。

 

ステロイド外用薬は、子どもから大人までアトピーの治療において最初に使用される薬剤です。湿疹の程度、場所に応じて、ステロイド外用薬の強さは異なってきます。

程度が軽度であれば、弱いステロイド外用薬、重症であれば、強いステロイド外用薬が使用されます。

 

ステロイド外用薬は、その強さによって、ストロンゲスト、ベリーストロング、ストロング、ミディアム、ウィークの5段階に分かれています。それぞれの湿疹に応じた強さのステロイド外用薬が使用されます。

 

強い湿疹にウィークのステロイド外用薬を使用しても症状は治らないばかりか、ステロイド使用期間が長くなり、湿疹がひどくなることで、時にとびひ(伝染性膿痂疹)と呼ばれる皮膚の感染症を合併することにもなります。しっかりとアレルギーの炎症を抑える治療が望ましいです。

 

一方、外用薬の副作用を恐れて、つい薄く塗ってしまうことがあるかもしれませんが、その場合、効果に乏しいと判断されてしまい、ステロイド外用薬の強さが強くなったり、長期間使用しないといけなくなることもあるので、適切な量を使用することが重要です。

 

ステロイドの塗り方

1 Finger Tip Unitと言って、第2指(人差し指)の指先から第1関節部まで口径5mmのチューブから押し出された量が約0.5gで、英国成人の手掌で2枚分すなわち成人の体表面積のおよそ2%に対する量であることが示されています。

 

外用薬は基本的に1日2回です。ステロイド外用薬は、急に中止するのではなく、良い状態を保ちながら、ゆっくりと減らしたり、1日おき、2日おきに塗布するような形で使用頻度を減らすことが望ましいです。

 

アトピーの湿疹が繰り返し出てくる場合は、湿疹が出ないように、1日おき、2日おきになどと言った一定の間隔でステロイド外用薬を使用するプロアクティブ療法が行われます。

2-2. 気になるステロイドの副作用は?

外用薬であれば、高血圧、肥満、低身長、感染しやすくなるなどのステロイド特有の全身副作用は少ないかほぼありません。外用薬ですので、多くは、皮膚に対する副作用で、皮膚がうすくなる、皮膚にある血管が拡張する、にきび、赤くなる、多毛、皮膚の感染症の悪化がありますが、外用薬の中止や適切な処置で良くなることが多いです。

 

顔に使用していると、問題になるのが、目に対して、目の水晶体というレンズが白く濁る白内障、眼球の圧力が上がって失明の原因になる緑内障です。ただ、この合併症は、アトピーのかゆみによって目および目の周りをこすったり、叩いた結果で起こりますので、アトピーの合併症でもあります。このように、顔のアトピーでは、眼科受診も必要になることがあります。

 

2-3. ステロイド外用薬以外の薬物療法

免疫抑制薬の外用薬であるタクロリムスは、ステロイドとは違ったメカニズムで効果を発揮します。薬剤は正常な皮膚からはほとんど吸収されませんので、薬剤中止後に再び悪化することが少なく、顔や首などの湿疹に効果があります。しかし、塗布してから、しばらく熱く感じたり、ほてり感がありますが、徐々によくなっていきます。

 

非ステロイド系抗炎症薬は、ステロイドに比べると効果に乏しく、その効果については疑問視されており、さらに接触性皮膚炎という副作用もあることから、最近は使用されなくなっています。

 

かゆみの原因の1つにヒスタミンが関与していることから、アトピーのかゆみを抑える薬として、抗ヒスタミン薬があります。ヒスタミンは、脳内では記憶や覚醒に関わっているために、抗ヒスタミン薬の副作用として、眠気が問題になってきます。しかし、最近開発された抗ヒスタミン薬は、脳への移行が少ないため、非鎮静性と呼ばれています。

 

大人では、移植で使用される免疫抑制薬であるシクロスポリン内服、ステロイド薬の内服などがあり、さらに漢方薬なども使用されます。

 

3.皮膚のバリア機能を保つ…スキンケア

アトピーでは、皮膚のバリア機能と保湿に関わる因子が低下しています。そのために、角質層内の水分が減少し、いわゆるドライスキンになります。

 

皮膚のバリア機能の低下のために、ちょっとした刺激でも皮膚のかゆみにつながります。さらに、皮膚からのアレルギーを起こす物質であるアレルゲンの侵入が容易になります。

 

そこで、保湿外用薬を使用することで、角質層内に含まれる水分量を改善させると、皮膚バリア機能が回復し、皮膚からのアレルゲンの侵入を防ぎ、湿疹の再燃予防やかゆみを抑えることができます。

 

保湿剤としては、ヘパリン類似物質含有製剤、尿素製剤、白色ワセリン、亜鉛華軟膏などがあります。アトピーでは、皮脂の汚れ、汗などの付着、皮膚へのブドウ球菌などの定着がみられ、湿疹の悪化につながります。そこで、皮膚を清潔に保つために、入浴やシャワー浴が望ましいです。その入浴、シャワー温度も36~40℃が推奨されています。石鹸については、使いすぎると皮膚を乾燥させることもありますが、一般的には清潔に保つために、自分に合った石鹸が良いとされています。

 

4.アトピーの原因または悪化因子の検索とその対策

アトピーの原因で説明しましたが、アトピーの湿疹が悪化した時には、アトピー悪化因子を検索し、普段の日常生活を見直すことが大事です。

 

自分の原因となっているアレルゲンとの接触を防ぐこと、刺激物を避けることなどです。さらに、規則正しい生活、バランスの取れた食事を心がけ、良い睡眠リズムを心がけたいものです。温熱、汗、ウール繊維、精神的ストレス、飲酒、感冒などでアトピーが悪化しますので、これらを避ける、控えることが大事です。感冒などにかからないためには、免疫を保つ必要がありますので、不規則な生活とアンバランスの食生活、ストレスが免疫を低下させてしまいます。

 

5.まとめ

アトピーの治療には、3つの柱があって、薬物療法、スキンケア、悪化因子対策になります。アトピーは、しっかりと治療していくことで、日常生活に支障なく過ごすことができます。多くの原因がアトピーの原因であるために、総合的な治療をしていく必要がありますし、湿疹が良くなったり悪くなったりしますので、継続的な治療が望まれます。

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