お尻から出血がみられたら切れ痔かも。切れ痔の症状と原因を解説

大見 貴秀

お尻を拭いたときに血が付いているとびっくりしてしまいますよね。肛門からの出血が見られた場合、切れ痔の可能性があります。

 

切れ痔の初期段階ではまだ痛みは少ないですが、悪化すると強い痛みを生じるようになります。切れ痔は、実は女性に多いある体の不調と密接な関係があります。切れ痔の症状や切れ痔の原因にはどのようなものなのでしょうか?


今回は、お尻からの出血について解説するとともに、切れ痔の症状や原因を詳しく説明していきます。

※この情報は、2017年12月時点のものです。


1. 切れ痔の特徴的な症状は出血と痛み

切れ痔の特徴的な症状に肛門からの「出血」があります。

 

ただし、出血と言っても、便器が真っ赤になるような量が出るわけではありません。切れ痔の出血は裂傷部からごくわずかな量だけ生じるため、排便後、お尻を拭くときに少しだけトイレットペーパーに付着する程度です。ただし稀に、便器が赤くなる程度の出血が生じることもあります。

 

また、切れ痔の症状の一つとして、肛門部の痛みがあります。主に排便時に痛みが生じますが、切れ痔の症状の度合いによっては排便後も痛みが続くこともあります。特に切れ痔が進行して裂傷が深くなると、肛門括約筋がけいれんして、痛みが強くなったり長く続いたりするようになります。

 

2.腸内?肛門?切れ痔はどこから出血を?

切れ痔は、「肛門付近の皮膚が裂けてしまっている状態」です。肛門付近の皮膚は肛門上皮という名前で、痛覚があることが特徴で、切れ痔になると強い痛みを生じる可能性があります。切れ痔の出血はこの裂傷部から生じます。

 

切れ痔の痛みは主に排便時に発生しますが、症状が進行していくと排便からしばらくの間、痛みが生じるようになります。痛みの度合いは基本的に症状が進めば進むほど痛くなります。最初のうちは違和感がある程度でも、切れ痔の裂傷が大きくなると痛みは強くなっていきます。

 

切れ痔の初期の痛みは人によってはほとんど感じないこともあります。切れ痔の裂傷がほんの小さいものならば、2-3日で治ってしまうため放置してしまいがちです。しかし治りかかっている傷に再度、排便により負荷が掛かると同じ部分により大きく、深い裂傷が生じます。その結果、切れ痔が慢性化することもあります。

 

慢性化した切れ痔は潰瘍やイボになり、肛門の狭窄(狭くなること)を引き起こすことがあります。肛門が狭くなることで排便しづらくなり、傷ついている肛門にさらに負担がかかり、裂傷が悪化するという悪循環を生じることもあります。慢性化して潰瘍やイボができると薬物治療だけでは改善せず、手術による治療を施す可能性もあります。

 

切れ痔の治療は基本的に薬物治療になります。座薬や軟膏を使用して炎症を抑えたり、止血をしたりします。また同時に便を柔らかくする薬も使用し、排便時の肛門への負担を軽減させます。切れ痔の症状が進行していなければ薬物治療で治すことができますが、肛門に狭窄が生じている場合は手術による治療が必要になることがあります。

3.切れ痔の原因と予防法

切れ痔は男性に比べて20-40代の女性に多いものとなっています。その原因は便秘です。若い女性はダイエットを行うことが多く、食事制限をしがちです。しかし食事制限を行うことで、食物繊維をはじめとする便のかさとなるものが不足し、便の量が減ってしまいます。

 

便は腸内のぜん動運動(便を肛門のほうへ送る運動)により排泄されます。しかし便の量が減り大きさが小さくなるとなかなか押し出されず、長時間腸の中に留まります。

 

便が長時間腸内に留まると、水分がどんどん吸収されて硬くなってしまいます。硬い便は排泄するときに肛門に負担をかけ、裂傷ができる原因となります。普段から便秘がちの人は特に切れ痔になりやすく、同時に切れ痔が悪化しやすくなります。

 

切れ痔の予防には便秘の改善が効果的です。まず極端な食事制限はしないようにしましょう。白米やパンなどの主食は意外にも食物繊維の供給源となります。どうしても食事制限したいときは夕食の1食分だけを抜く、というように少しだけにしましょう。

 

また水分の摂取も重要です。水分を十分に取れば便が柔らかくなり、肛門への負担が少なくなります。1日の水分の摂取量の目安は1.5Lから2Lほどです。こまめに水分補給することを忘れないようにしましょう。

 

長年便秘に悩んでいる場合は便秘外来がある病院で診察を受けることもお勧めです。的確な診察のもと、適切な治療を施してくれます。便秘だけではなく、切れ痔を予防する結果にも繋がるため便秘がちの方は、ぜひ検討してみてください。

4.まとめ

切れ痔は肛門付近の皮膚に裂傷が起こっている状態です。切れ痔の出血はこの裂傷部から生じるわずかな量です。そのため、トイレットペーパーに軽く血が付く程度ですが、痛みはとても強いものになる可能性があります。

 

大したことないと放置してしまうと、肛門付近に潰瘍やイボができて、肛門が狭窄することもあり得ます。狭窄が起きると薬物治療だけでは治すことができず、外科手術が必要となることもあります。


切れ痔は便秘と密接な関係があります。そのため食事制限などにより便秘になりやすい女性に多く発生します。極端な食事制限などはせず、しっかりと水分を取って便秘の改善をすることが切れ痔予防にとても効果的です。

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