【OTCの抗真菌薬】カンジダは市販薬で治療できる?その成分・特徴、注意点を解説

カンジダ症は女性に多い真菌感染症の一つで、再発を繰り返すことを特徴とします。

カンジダ症は膣部など性器周辺に症状が出やすいため、クリニックの受診をためらわれる方が多い疾患でもあります。カンジダ症の治療薬は外用薬であればドラッグストアなどでも市販されており、再発の方に限って使用することができるとされています。

そこで、この記事ではカンジダ症を治療できる市販薬や治療する際の注意点について解説していきたいと思います。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.カンジダとは?

カンジダは真菌(カビ)の一種で、病気の人だけでなく健康な人の皮膚や粘膜にも生育しており常在菌とも呼ばれています。

 

カンジダは普段はおとなしくてそれほど害のない菌ですが、免疫力の低下などによってひとたび異常増殖してしまうと、カンジダ症と呼ばれる不快な症状を引きおこしてしまいます。

 

カンジダは膣などの女性器に多く生育しているため、カンジダ症の多くは女性に発症し、膣カンジダと呼ばれます。膣カンジダは女性の実に5人に1人が発症すると言われるほどメジャーな疾患です。、膣の中でカンジダが増殖することでおりものや痒み、ヒリヒリ感、排尿時の痛みなどの様々な症状が起こります。

 

また、カンジダは性交などによって配偶者やパートナーなど身近な人にも被害が拡大する可能性もあります。

 

カンジダは抗真菌薬を用いて治療しますが、カンジダ菌は常在菌であるため、症状が治まった後も免疫力の低下やホルモンバランスの乱れなどを原因として再発する可能性もあります。カンジダは、初回の発症時にはクリニックを受診して治療する必要がありますが、再発の場合は薬剤師のいるドラッグストアなどで購入できる外用薬を使って治療することもできます。

2.カンジダに効果が期待できる市販薬

2-1. カンジダの市販薬は再発の場合しか使えない、その理由

カンジダの市販薬を使うことができるのは再発した方限定となっています。つまり、以前に病院やクリニックでカンジダ症と診断され、治療を受けたものの間をおいて再びカンジダ症が発症してしまったという方のみが市販のお薬を購入することができるのです。

 

このような一見すると面倒なシステムになっている理由は、カンジダ症の判断の難しさにあります。自分の症状がインターネットなどで調べたカンジダ症の症状とよく似ている場合でも、実は全く別の原因により発症している場合も多くあります。こうした状態で、カンジダの市販薬を使っても症状が良くならないばかりか悪化してしまう危険性もあるのです。

 

こうした事態を防ぐためにも、最低一度は医師の確定診断を得る必要があり、初回の発症時には医療機関を受診しなければならないのです。一方、カンジダの治療を受けた人で2度目に同様の症状が出た場合にはカンジダの再発である可能性がかなり高いため、薬剤師と相談したうえで、市販薬で治療することが認められています。

 

2-2. カンジダの市販薬に含まれる成分・特徴

カンジダの市販薬には主にアゾール系抗真菌薬と呼ばれる種類の有効成分が含まれており、カンジダ菌や白癬菌などの真菌類(カビ)を殺す働きをします。

 

アゾール系抗真菌薬には、真菌の細胞膜に含まれるエルゴステロールと呼ばれる成分の生合成を阻害する作用があり、これにより真菌の増殖を防ぎます。エルゴステロールは人の細胞膜には存在しない成分のため、アゾール系抗真菌薬は真菌のみを傷害し、人の細胞には無害であるという特徴をもちます。

 

市販のアゾール系抗真菌薬の成分としては、ミコナゾール硝酸塩、イソコナゾール硝酸塩、オキシコナゾール、クロトリマゾールなどがあります。

 

カンジダ市販薬には主に「クリームタイプ」と「膣錠タイプ」とがあります。症状が皮膚表面や外陰部のみの場合はクリームタイプを使いますが、膣内部にまで及んでいる場合には膣錠が適しています。ただし、症状が外陰部にしか見られない方でも、膣内にもカンジダ菌が増殖している可能性があるため、クリームと膣剤を併用することが推奨されています。

 

病院で処方される薬と市販薬の効き目の違いは?

 

病院で処方されるカンジダ治療薬と市販薬との間に効き目の違いはあるのでしょうか?現在、カンジダ症の治療には外用のアゾール系抗真菌薬を用いるのが一般的であり、こうした標準的な治療においては病院のお薬と市販薬の効き目には大差がないと言えるでしょう。ただし、病院では重症例の方に対して内服の抗真菌薬を用いたり、アゾール系以外の抗真菌薬が処方されたりする場合もあり、市販薬では対処できない症例に対しても効果を発揮することができます。

 

また、病院では薬の処方以外にもカンジダ菌の培養検査や膣洗浄を実施してもらえるなど市販薬にはないメリットもあります。このような点から、難治性のカンジダの方や頻繁に再発を繰り返す方の場合は、病院を受診する方が良いと言えるでしょう。

2-3. おすすめの市販薬

カンジダ市販薬には様々な種類のものがあるため、どれを使えばいいか迷われる方も多いかもしれません。ただし、実際にはどの商品を使っても効果に大差はありませんので、使い慣れた商品があるという方以外は以下にご紹介するような売れ筋の商品の中から気に入ったものを選べばよいでしょう。

 

次のような市販薬があります。

 

・『メディトリート クリーム』 大正製薬

・『メディトリート 6錠』 大正製薬

・『フレディーCC クリーム』 ロート製薬

・『フレディCC 膣錠A』ロート製薬

・『フェミニーナ 腟カンジダ錠』小林製薬

・『エンペシドL』 佐藤製薬

 

2-4. カンジダ市販薬の購入方法

カンジダ市販薬は基本的に第1類医薬品となるため、購入時には薬剤師による情報提供や使用状況の確認が必須となります。

 

ドラッグストアなどの実店舗で購入される場合は、第1類医薬品の取り扱いのあるお店を選ぶようにしましょう(営業時間中であっても薬剤師が不在の時間帯は購入できませんので事前に電話などで問い合わせておくと安心です)。

 

また、カンジダ市販薬はインターネット通販で購入することも可能です。この場合もやはり、購入サイト上のフォームに年齢や他の薬の服用状況などを入力したうえで薬剤師による確認が必要となるのでご注意ください。

 

ドラッグストアで女性薬剤師を指名しても良い?いない場合には?

 

ドラッグストアなどでカンジダ市販薬を購入する場合は薬剤師からの情報提供が必須となります。

膣カンジダはただでさえ人には知られたくない疾患であるため、情報提供はできることならば女性薬剤師にお願いしたいと考えている方も多いことでしょう。では、女性薬剤師に販売を担当してもらうことはできるのでしょうか?

 

これについては、お店側もお客さんのそうした心情を心得ているため、女性薬剤師が勤務しているお店であればほとんどのところが快く応じてくれます。

実際、私の勤めている薬局でもカンジダ市販薬や排卵日検査薬などのデリケートな薬についてはできるだけ女性薬剤師が販売・情報提供をするように心がけています。このため、カンジダ市販薬を購入する際にはお店のスタッフに遠慮なく「女性の薬剤師さんに説明をお願いしたいのですが?」とお声がけいただくことをお勧めします。

 

ただし、お店によっては男性の薬剤師しか勤務していないところもあります。こうしたお店で購入したい場合は、スタッフに女性薬剤師が勤務している曜日や時間帯を確認してから出直すという手段もあります。お店によっては薬剤師名と勤務時間帯を店内に掲示しているところもあるので、それによって確認することもできます。

 

また、第1類医薬品には薬剤師による情報提供が義務付けられていますが、これには免除規定があり、同じお薬を継続的に使用する場合であって薬剤師が説明不要と判断したときは情報提供を省略できるとされています。カンジダ市販薬を初めて購入する方では無理ですが、同じ薬を再度購入する場合は薬剤師に「以前購入した際に使い方の説明を受けたので今回は不要です」と伝えることで、情報提供無しで購入することができることがありますので参考にしてください。

 

3.カンジダ市販薬服用の注意点

3-1. カンジダ市販薬の副作用

カンジダ市販薬は局所作用をもつ外用薬のため、全身性の副作用の心配はほとんどありません。

 

カンジダ市販薬の有効成分であるアゾール系抗真菌成分は真菌のみを傷害し、人の細胞には害を与えない成分ですので、安心してお使いいただくことができます。ただし、人によっては、カンジダ市販薬を使用した部位にかゆみ、発赤、痛み、熱感、刺激感などの症状が起こる可能性があります。

 

こうした症状がいつまでも続いたり、次第に強くなっていくようであれば使用を中止して医師や薬剤師に相談するようにしてください。また、ワルファリンなどの血液をサラサラにするお薬を飲まれている方は一部のカンジダ市販薬との間で相互作用を起こす可能性があるため、使用前に必ず主治医に相談する必要があります。

 

3-2. 授乳中でも使用できる?

カンジダ市販薬は外用薬であり、薬の成分が母乳中に移行する量はごくわずかであるため、基本的には授乳中の方でも問題なくお使いいただくことができます。授乳中は薬の使用に神経質になられる方もいらっしゃいますが、カンジダ市販薬についてはそうした心配は無用ですので、疾患を治療することを優先させる方が良いでしょう。

 

また、どうしても授乳中の使用が気になるという方は購入時に薬剤師に相談してみると良いでしょう。

3-3. こんなときは早めに病院へ

以下に該当する方は市販薬での治療が不適当な可能性があるため、まずは医療機関を受診される方が良いでしょう。

 

・患部に初めてかゆみや不快感などの症状が生じた場合

・前回のカンジダ発症から2ヵ月以内に発症した場合、または6ヵ月以内に2回以上発症している場合

・カンジダ市販薬を決められた期間使用しても症状が良くならない場合

・おりものににおいがある場合(カンジダ以外の感染症の疑いがあります)

・糖尿病を合併している場合(免疫力が弱っているため頻繁に再発する可能性があります)

 

4.まとめ

カンジダ市販薬は再発の方であれば受診に係る手間や費用、精神的負担を省くことのできる大変便利な薬であるといえます。今までカンジダは病院でしか治療できないと思われていた方は、一度、最寄りのドラッグストアなどに足を運ばれてみると良いでしょう。

 

ただし、カンジダの治療にはお薬の使用だけでなく、患部を清潔に保ったり生活習慣を改善したりすることも必要になります。病気に対する正しい知識を身に着け、再発を防ぐための努力を継続することも心がけてください。

執筆
薬剤師:おくすり スペシャリスト
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