口内炎はビタミンで本当に改善する?専門医の診断が必要なことも

口内炎には、「ビタミンが良い」と勧められて飲んでいるものの、一向に症状がおさまらないと悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?

実は、ビタミン不足は口内炎の原因のひとつにすぎず、すべての方が、ビタミン不足が原因というわけではありません。その場合は、ビタミンを摂っていても口内炎の症状が改善されない可能性が高くあります。

口内炎の種類は非常に多く、原因も様々です。市販薬を使用し、すぐに症状がおさまるようであれば問題ありませんが、症状を繰り返したり、長く続いている場合には、思わぬ原因が潜んでいる可能性もあります。

今回は、口内炎の種類・原因を解説するとともに、ビタミンの効果についても説明します。また、口内炎に用いられるお薬についても解説しますので、是非とも、参考にしていただけますと幸いです。
※この情報は、2017年8月時点のものです。

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1.口内炎はビタミンで改善する?

「口内炎=ビタミン不足」というイメージがあり、特にビタミンB群の摂取を積極的にされている方も多いのではないでしょうか?口内炎とビタミンとの関連についても合わせて説明していきます。

1-1 口内炎の種類は非常に多い

口内炎とは、頬(ほお)の内側や下、歯茎(はぐき)、唇(くちびる)の裏側など、口の中の粘膜に起こる炎症のことをいいます。
実は、ひとくちに口内炎と言っても、非常に多くの種類があり、原因も様々あります。

一般的によくみられる口内炎が、「アフタ性口内炎」になります。
円形状の白っぽい出来物が口の中にでき、食事の度に痛みが出たり、しみたりします。
原因としては、栄養不足や身体の疲れ、ストレス、免疫力が低下することによって起こると考えられていますが、全ては解明されていません。繰り返し発症する場合には、「再発性アフタ」と呼ばれます。

その他にも、
物理的な刺激(矯正器具や親知らず、異物など)により、粘膜を傷つけることによって起こる「カタル性口内炎

単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスなどウイルスが原因となって起こる「ウイルス性口内炎

真菌が感染することによって起こる「カンジダ症

タバコが原因で起こる「ニコチン性口内炎

特定の食べ物・お薬などのアレルギーで起こるとされる「アレルギー性口内炎

など、その他にも多くの口内炎の種類と原因があります。

このように口内炎の種類は非常に多く、診断も難しく、それぞれ治療法も異なってきます
そのため、症状を繰り返したり、長く続いている場合には、思わぬ原因が潜んでいる可能性もあるため、早めに医療機関を受診し、医師に診断を仰ぐ必要があります。

1-2 口内炎へのビタミンの効果は?

たしかに、口内炎のひとつの原因としてビタミンB群などの栄養素の不足が挙げられています。そのため、ビタミンB群などの栄養素の不足が原因で口内炎が起きている場合には、効果が期待できます。
但し、注意すべきことは、口内炎の原因は様々で、ビタミン不足で口内炎が起きている方が全てではありません。ビタミンを補っても症状が変わらない場合には、その他に原因があると考えるようにしましょう。

 

参考として、次のような報告もあります。
過去12ヶ月間に少なくとも3回以上のアフタ性口内炎の発症を起こしたことがある成人160名の方に対して、マルチビタミン(推奨用量)を投与するグループ(83名)、プラセボ(偽のお薬)を投与するグループ(77名)に分けて、1年調査して、口内炎の再発の有無を比較しました。
すると、両者において、口内炎の再発の回数、期間に差がなかったという結果となりました。つまり、ここで行われた試験では、マルチビタミンを推奨されている量補給しても、補給していなかった方と口内炎の頻度が変わらなかったということです

Lalla RV, et al. Multivitamin therapy for recurrent aphthous stomatitis: a randomized, double-masked, placebo-controlled trial. J Am Dent Assoc. 2012 Apr;143(4):370-6.

ここから言えるのは、ビタミン不足が原因で口内炎が起きている方にとっては効果が期待できますが、そうでない場合は、闇雲にビタミンを摂取しても有効でない場合もあるというご理解をしておいたほうが良いでしょう。
やはり、症状が改善されなかったり、繰り返すような場合には、早い段階で医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切だといえます。

口内炎の発症とストレスの関係:
口内炎の発症とストレスの関係を示すような参考となる報告もあるので、ご紹介します。
アフタ性口内炎を過去に発症したことがある160名に対して、1年間(最大)、ストレスを受けた出来事を調査しながら、アフタ性口内炎の発症の記録をつけた、というものです。この結果、ストレスを感じる生活習慣を経験すると、アフタ性口内炎の発症がほぼ3倍に増加したということです。

Huling LB, et al. Effect of stressful life events on the onset and duration of recurrent aphthous stomatitis. J Oral Pathol Med. 2012 Feb;41(2):149-52. doi: 10.1111/j.1600-0714.2011.01102.x. Epub 2011 Nov 12.

やはり、ストレスが原因となって口内炎を発症することもありますので、精神的なストレスを感じているような場合には、十分に休養することが大切になります。

2.口内炎に用いられるお薬

続いて、一般的な口内炎の治療に用いられる代表的なお薬をご紹介します。これらのお薬と合わせてビタミンを主成分とするお薬が処方されることもあります。

口内炎に用いられる市販薬についてはこちらの記事をご参考ください。
【薬剤師が解説】口内炎はお薬で治る?効果的な市販薬タイプ別15選

2-1 口の中を清潔にする薬

口内炎の原因となるような菌に対して、口の中の感染予防や口の中の消毒として用いるうがい薬などがあります。
代表的な成分としては次のようなものがあります。()内は医療用医薬品例。

・ポピドンヨード(イソジンガーグルなど)

・ベンゼトニウム塩化物(ネオステリングリーンうがい液など)

・ドミフェン臭化物(オラドールトローチなど) など

2-2 ステロイド塗り薬

抗炎症作用があり、口の中の炎症を抑え、口内炎による痛みを和らげる効果を期待することができる口腔用の塗り薬や貼り薬、噴霧剤があります。
代表的な成分としては次のようなものがあります。()内は医療用医薬品例。

・トリアムシノロンアセトニド(ケナログ、アフタッチなど)

・デキサメタゾン(デキサルチン、アフタゾロンなど)

・ベクロメタゾン(サルコートなど)

2-3 炎症をおさえる薬

ステロイド成分と比較すると抗炎症作用は劣りますが、口内炎の炎症を鎮め、痛みを和らげる作用が期待できる飲み薬、うがい薬、トローチなどのお薬もあります。
代表的な成分としては次のようなものがあります。()内は医療用医薬品例。

・トラネキサム酸(トランサミンなど)

・アズレンスルホン酸ナトリウム(アズノール、含嗽用ハチアズレなど)

2-4 その他

その他については、口内炎の種類に応じて様々なお薬があります。診断に合わせて、適切なお薬が処方されます。

例えば、
ガンジダ症であれば、イトラコナゾール、フルコナゾールなどの「抗真菌薬

ウイルス性であれば、アシクロビル、ビタラビンなどの「抗ウイルス薬

これらのお薬は、市販では購入できず、専門の医師の判断によって処方されます。

3.口内炎が続く場合は、早めに病院へ

第1章で説明しましたとおり、口内炎といっても様々な原因があります。「口内炎=ビタミン不足」のイメージを強く持っている方も多く、ビタミンを摂取しようとする方も多いかもしれません。不足している栄養素を補うことは大切ですが、すべての方が、ビタミン不足が原因で口内炎になっているとは限らないので注意が必要です。ビタミンを摂取していても症状が改善されない場合には、他の原因を疑うようにしましょう。

また、生活習慣として心がけられることとしては、
・睡眠を十分にとる

・規則正しくバランスのとれた食事をとる

・ストレスをためないようにする、発散する
などがあります。

それでも、
・口内炎が繰り返し続く

・同じ部位に長期間にわたって口内炎がある

・食事がとれないほど痛みがひどい

・熱など全身症状がみられる

上記のような症状が出る場合には、ご自身での判断、市販薬での治療は難しいため、必ず、専門の医師に相談するようにしましょう。細菌性やウイルス性である可能性や、思わぬ深刻な病気が原因で口内炎を引き起こしている可能性もあるかもしれません。

4.おわりに

今回は、口内炎の種類・原因を解説するとともに、口内炎に対するビタミンの効果についても説明しました。確かにビタミンなどの栄養不足で口内炎を引き起こす場合もあるため、足りない栄養素を補うことや食生活を整えることは大切です。

しかし、それが全てではなく、口内炎には、ここでは説明しきれていないほど、非常に多くの種類や原因があります。自己判断は難しく、専門の医師の診断が必要となり、それぞれ治療法も異なってきます。そのため、症状を繰り返す、長く続いている場合には、思わぬ原因が潜んでいる可能性もあります。早めに医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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