長い歴史を持つ解熱鎮痛剤カロナール(アセトアミノフェン)のまとめ

頭が痛い・・・、熱が出てしんどい・・・。そんなときに病院でもらった解熱鎮痛剤を使用することも多いのではないのでしょうか?病院でもらう解熱鎮痛剤には色んな種類があります。よく効くものとして知られているのはボルタレン®︎やロキソニン®︎かもしれませんが、カロナール®︎という薬ももらったことがある人が多いと思います。カロナール®︎も非常によく使われる解熱鎮痛剤なのですが、ロキソニン®︎等とはちょっと違った特性を持っています。今回はカロナール®︎についてまとめてみます。

今回はカロナールについてまとめてみます。
※この情報は、2017年9月時点のものです。

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1.カロナール®︎(アセトアミノフェン)の作用

1-1. カロナール®︎はどんなときに使う?

カロナール®︎の成分であるアセトアミノフェンは解熱鎮痛剤と呼ばれる薬の一種です。

その名前の通り、熱を冷まし、痛みを緩和する効果があります。カロナール®︎の添付文書を見てみると、医療保険上認められている効果は以下の通りです。

 

①下記の疾患並びに症状の鎮痛

頭痛,耳痛,症候性神経痛,腰痛症,筋肉痛,打撲痛,捻挫痛,月経痛,分娩後痛,がんによる疼痛,歯痛,歯科治療後の疼痛,変形性関節症

②下記疾患の解熱・鎮痛

急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)

③小児科領域における解熱・鎮痛

 

大きく3つに分けられていますが、簡単にまとめると、

①一般的な痛み

② 急性上気道炎による痛みや熱
小児の痛みや熱

ということになりますね。

1-2. アセトアミノフェンの働き

熱冷まし・痛み止めといえばどんな薬を思い出しますか?

 

医療用で言えば、ロキソニン®︎やボルタレン®︎。市販薬で言えば、バファリン®︎やイブ®︎といったところではないでしょうか?

 

今あげた薬は全てNSAIDs(非ステロイド性抗炎症:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)と呼ばれる消炎解熱鎮痛剤で、痛みの原因となる物質が作られるのを邪魔することで痛みや熱や炎症を抑える薬ですが、カロナール®︎(アセトアミノフェン)はこれらとは異なる作用により効果を発揮します。

 

NSAIDsは炎症部位で痛みの元になる物質を作るCOXという酵素を阻害することで効果を発揮しますが、消化管内で粘膜を作る働きを持つCOXも阻害してしまうことで胃腸障害の原因になってしまいます。

 

また、ウイルス性疾患にかかっている子供にNSAIDsを使用すると脳症を起こす危険がありますが、カロナール®︎の場合、安心して使用することが可能です。

 

カロナール®︎が解熱鎮痛剤として働く仕組みですが、実はまだ詳細が解明されていません。脳内に作用することで痛みや熱が緩和される方向に働くことはわかっています。

 

詳細が解明されていない薬というと怖いと感じる人も少なくないかもしれませんが、カロナール®︎の成分であるアセトアミノフェンは古くから使用され続けている薬で非常に長い歴史を持ちます。

その結果、解熱鎮痛剤の中でも安心して使用できるものとして知られています。

 

ズツノンDr.

2.カロナール®︎の種類と使用方法

ここまではカロナール®︎の作用について説明してきました。

 

ここからはカロナール®︎という名前の医薬品にはどんな種類があるか、またそれぞれの飲み方はどうなっているか、カロナール®︎のジェネリック医薬品にはどのようなものが存在するかについて解説していきます。

 

2-1. どんな剤型がある?

カロナール®︎は様々な剤型で発売されています。剤型によって使える年齢が異なります。

 

①大人から子供まで使用できる剤型

まず、小児から成人まで使用できる剤型として、錠剤、粉薬(細粒、原末)があります。

 

錠剤には以下の3種類があります。

・カロナール®︎錠200

・カロナール®︎錠300

・カロナール®︎錠500

 

粉薬は以下の3種類です。

・カロナール®︎細粒20%

・カロナール®︎細粒50%

・カロナール®︎原末

 

アセトアミノフェン自体に苦みがあるため、原薬をそのまま粉末にしているカロナール®︎原末は苦いです。細粒はアセトアミノフェンを薄めてオレンジ風味にしていますが、やはり後味に苦味が少し残ります。

 

②子供用の剤型

さらに、小児用の剤型としてシロップと坐薬(座薬)があります。

シロップは飲みやすいようにオレンジ風味をつけていますがやはり少し苦味があります。

・カロナールシロップ®︎2%

 

座薬には以下の4種類があり、年齢・体重や症状に応じて使い分けます。

・カロナール®︎坐剤小児用50

・カロナール®︎坐剤100

・カロナール®︎坐剤200

・カロナール®︎坐剤400

 

2-2. カロナール®︎の使用量

カロナール®︎は医療保険のルールの中で、目的とする効果ごとに使用量が定められています。

また、どの効果に使用する場合も、空腹時は避けて何か食べてから飲む方が良いとされています。

 

①一般的な痛みに使う場合

成人の場合は「アセトアミノフェンとして1回300~1000mgを服用する」ようになっており、続けて服用する場合は間隔を4~6時間以上開ける必要があります。また、1日に服用できる限度は合計4000mgまでになっています。

 

②急性上気道炎による痛みや熱

成人の場合は「アセトアミノフェンとして1回300~500mgを服用する」ようになっています。ただ、基本的に1日2回までの使用となっており、1日に服用できる限度は合計1500mgまでになっています。

 

③小児の痛みや熱

乳児や小児の場合は「アセトアミノフェンとして体重1kgあたり1回10〜15mgの量を服用する」ようになっており、続けて服用する場合は間隔を4~6時間以上開ける必要があります。また、1日に服用できる限度も体重ごとに定められており、1日合計で体重1kgあたり60mgまでになっています。

 

2-3. カロナール®︎にはジェネリック医薬品が存在するの?

カロナール®︎が処方されている患者さんから「ジェネリック医薬品(後発医薬品)に変更したい」と言われることがあるんですが、実は、カロナール®︎という名前を持つ医薬品のほとんどはすでにジェネリック医薬品なんです。

 

①錠剤・細粒・シロップには先発・後発の区別がない

カロナール®︎はアセトアミノフェンを成分とする医療用医薬品の代表と言っても過言ではありません。

でも、実は、カロナール®︎の錠剤・細粒・シロップはジェネリック医薬品なんです。

じゃあ、「カロナール®︎の先発医薬品は何なの?」って話になるのですが、カロナール®︎錠・細粒・シロップには先発医薬品は存在しないんです。

 

カロナール®︎の有効成分であるアセトアミノフェンの歴史はかなり古く、1949年ごろから解熱鎮痛剤として使用されています。(発見自体はさらに古いです)

 

カロナール®︎(最初は錠剤)が発売されたのは1996年です。ですが、元々、古くから使用されている医薬品であるため、カロナール®︎が発売された時点で、すでに先発医薬品・後発医薬品の区別がなくなっていました。

 

そのため、医薬品の規制上、カロナール®︎は後発医薬品として登録・販売されることになったんです。

 

以下にカロナール®︎錠・細粒・シロップのジェネリック医薬品の一覧をまとめます。薬の値段(薬価)は今後毎年改定される可能性があるため、ここに掲載しているデータは平成30年4月1日〜平成31年3月31日のものになります。

 

カロナール®︎錠



カロナール細粒


カロナールシロップ

 

②カロナール®︎原末・坐剤は先発医薬品なのでジェネリック医薬品が存在する

同じカロナール®︎でも原末と坐剤は規制上の先発医薬品になっています。が、その全てに後発医薬品があるわけでもありません。坐剤の一部にはジェネリックが存在しますが、元々、値段が安いのでそこまでの差はありません。

 

カロナール原末



カロナール坐剤


3.カロナール®︎の副作用や注意点

カロナール®︎の成分であるアセトアミノフェンは非常に長い歴史を持ち、解熱鎮痛剤の中でも安心して使用できると紹介しましたが、やはり注意点は存在します。

 

3-1. 肝臓の悪い人は注意

カロナール®︎の添付文書には次のような警告が記載されています。

 

本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し,1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には,定期的に肝機能等を確認するなど慎重に投与すること。

1500mgとなると500mg錠を1日3回の量で、それを長期投与する場合ですから、強い痛みが慢性的に続く場合などが該当する可能性があります。風邪等での発熱で該当することは少ないかと思います。

 

実は、アセトアミノフェン自体は肝臓に対する毒性は持っていないのですが、アセトアミノフェンが肝臓で代謝を受けることで作られる「N-アセチルパラベンゾキノニミン」という物質が肝臓に対する毒性を持っています。

 

通常、少々の「N-アセチルパラベンゾキノニミン」が作られても、肝臓で代謝され無毒化されるため問題ないのですが、その量が増えてしまうと肝臓での代謝が間に合わず、肝臓に対する毒性が出てしまうというわけです。

 

また、アセトアミノフェンを「N-アセチルパラベンゾキノニミン」に代謝する酵素はアルコールの代謝に関わっている酵素と同じです。この酵素はアルコール摂取により増えていくので、普段からアルコールと摂取する人はアセトアミノフェンをN-アセチルパラベンゾキノニミンに代謝しやすく、肝障害が発生しやすくなってしまうことがあります。

 

以上をまとめると、カロナール®︎を大量に服用し続けている方は肝臓に注意が必要で、さらに普段からお酒を飲む人はそのリスクが少し上昇するということになります。

3-2. あの薬にもアセトアミノフェンが?

カロナールの添付文書には次のような警告も記載されています。

 

本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により,アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから,これらの薬剤との併用を避けること。

 

カロナール®︎の有効成分であるアセトアミノフェンは様々な医薬品に使用されています。カロナール®︎とその類薬については上にまとめた通りですが、医療用医薬品だけを見ても以下のような医薬品が挙げられます。

 

 ・PL®︎配合顆粒

 ・ピーエイ®︎配合錠

 ・ペレックス®︎配合顆粒

 ・SG®︎配合顆粒

 ・カフコデ®︎N配合錠

 ・トラムセット®︎配合錠 など

 

また、市販の風邪薬(総合感冒薬)や解熱鎮痛剤にはアセトアミノフェンを含んでいるものが多く存在します。それだけ、アセトアミノフェンの安全性が高いということではあるのですが、だからこそ、知らないうちに重複して飲んでしまう可能性が高くなります。上にも書いたように、アセトアミノフェンの摂取量が多くなると肝障害が起こるリスクが高まります。こういった重複が起こらないように、お薬手帳を活用するなどして飲みあわせのチェックをしてもらうようにしていきましょう。

 

ズツノンDr.

4.まとめ

今回は解熱鎮痛剤として広く使用されているカロナール®︎についてまとめました。

 

解熱剤や小児の痛み止めとしての印象が強かったカロナール®︎ですが、最近はその効果や安全性が見直され、高用量での使用が可能になっています。通常の痛み止めでは効果が不十分なケースなどカロナール®︎を使用する機会が増えてきています。そのため、小児から大人まで、風邪による発熱から癌による痛みまで幅広く使用されています。

 

また、他の解熱鎮痛薬と比較して、胃腸や腎臓に対する負担が少なく安全性の高い薬として評価されています。ですが、全く副作用がない薬というのは存在せず、カロナール®︎の場合、大量・長期の服用で肝機能に対して障害を引き起こしやすくなります。安全性が高い薬だけに様々な医薬品に含まれていることが多い成分になるので、気づかないうちに重複して飲んでいたということにならないように注意が必要です。自己判断で服用することなく医師や薬剤師の指示に従って服用するよう心がけてくださいね。

 

参考資料


・カロナール錠200/カロナール錠300/カロナール錠500 添付文書 あゆみ製薬株式会社
・カロナール細粒20%/カロナール細粒50% 添付文書 あゆみ製薬株式会社
・カロナール原末 添付文書 あゆみ製薬株式会社
・カロナールシロップ2% 添付文書 あゆみ製薬株式会社
・カロナール坐剤小児用50添付文書 あゆみ製薬株式会社
・カロナール坐剤100/カロナール坐剤200添付文書 あゆみ製薬株式会社

薬剤師竹中さん
医師監修

ロキソニンは、のどの痛みに効く?飲み方と注意点を解説

医師:倉原 優
2017.02.24
くすり
執筆
薬剤師:ぺんぎん薬剤師
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