ニキビ跡にも効果あり?ビタミン剤『シナール』の効果・市販薬などについて

肌トラブルや妊娠中のビタミンC不足などに処方されるビタミン剤に「シナール」があります。

シナールには美白効果やシミ・そばかすを予防する作用があり、またニキビ治療にも使用されることもあります。中にはニキビ跡の改善を期待して服用している方もいるのではないでしょうか?

今回は、そんなシナールの効果や注意点、市販薬について徹底解説します!
※この情報は、2018年6月時点のものです。

※この記事を読んでいただいている皆様へ

処方せんネット予約サービスの普及の為に皆様から利用したいと思う薬局をお答えいただいております。
60秒ほどのアンケートにお答えいただき、ご協力いただいた方には 全員に500円分のAmazonギフト券を必ずプレゼントさせていただいております。
(2017/12/25現在、224,000人にの方にご回答をいただいております。)
ぜひアンケートにご協力ください。

今すぐアンケートに答える>

株式会社フリービットEPARKヘルスケア一同

1.シナールについて

1-1. 有効成分

シナールの有効成分は、「アスコルビン酸」と「パントテン酸カルシウム」という2種類のビタミンで構成されています。

「アスコルビン酸」の別名は「ビタミンC」で、「パントテン酸」はビタミンB群の一種のビタミンです。

 

アスコルビン酸(ビタミンC)の主な作用は「抗酸化作用」で、活性酸素から細胞を守る働きがあります。

その他にもアスコルビン酸(ビタミンC)には以下のような作用が報告されています。

 

ビタミンCの作用

・コラーゲンの生成を促す作用

・メラニン生成を抑制する作用

・皮脂の分泌を抑制する作用

・免疫機能を高める作用

・毛細血管を拡張する作用

・鉄(Fe)の吸収を高める作用

・アレルギー反応を抑制する作用

・アルコールの分解を促進する作用

・タバコの無毒化を促進する作用 など

 

パントテン酸は「コエンザイムA」の原料となり、糖、脂質、タンパク質の代謝に関わるさまざまな酵素の働きを助ける作用や腸の働きを活性化させる作用、皮脂の分泌を抑制する作用などがあります。

 

また、パントテン酸はアスコルビン酸(ビタミンC)と同時に服用すると、血中のビタミンC濃度を高める作用もあります。

 

 

1-2. シナールの剤形(処方薬)

シナールは次の処方薬が発売されています。

 

・シナール配合錠

・シナール配合顆粒(1g/包)

 

シナール配合錠1錠・配合顆粒1gあたりの配合量

アスコルビン酸(ビタミンC):200mg

パントテン酸カルシウム:3mg

 

 

1-3. どんな症状に使われる?

アスコルビン酸(ビタミンC)・パントテン酸にはさまざまな効果が期待できますが、処方薬として使用される場合には通常、適応症の場合にのみ使用することになっています。

 

シナールの適応症

・消耗性疾患、妊産婦、授乳婦など、アスコルビン酸(ビタミンC)及びパントテン酸が不足し、食事からの摂取が難しい場合の補給

・炎症後の色素沈着

 

また、美白効果・シミの予防など美容目的での使用や鉄(Fe)の吸収促進のため、ニキビ治療などに使用される場合がありますが、適応症以外での処方は健康保険が適用できないため、原則全額自己負担での治療になります。

 

 

ニキビ跡も消してくれる?

 

ニキビ跡の改善を期待してシナールを服用している方もいるかもしれません。

しかし、残念ながら既にできてしまっているニキビ跡を消してくれる可能性はかなり低いと考えられます。

 

ニキビ跡は、ニキビに伴う炎症による過剰なメラニン色素の生成によって形成されますが、出来てしまったニキビ跡を改善するにはメラニン色素を肌のターンオーバーにより排出するか、メラニン色素を還元するしかありません。

ビタミンCには肌のターンオーバーを促進する作用はありませんが、メラニン色素の生成を抑制する作用とメラニン色素を還元する作用(美白作用)があります。

 

ではなぜ、ニキビ跡にあまり効果が期待できないのでしょうか?

 

理由は2つあります。

1つは、ビタミンCはメラニンを還元する作用よりも、メラニンの生成を抑制する作用が強いことです。ニキビ跡の改善よりも、日々受ける紫外線によるメラニンの生成(シミやそばかす)を抑制するために使われるということです。

もう1つは、体内でビタミンCが必要とされる部位の優先順位が関係しています。

 

体内でビタミンCが最も必要とされる部位は脳、次いで副腎、白血球です。これらの部位で殆どのビタミンCが消費されています。

ビタミンCに限らず栄養素は、生存するために重要な場所で優先的に消費されるため、肌での作用は後回しにされてしまうのです。

そのため、既にできてしまったニキビ跡を改善するには高用量のビタミンCを長期的に摂取しなければなりません。それでも、完全に消すのは難しく、薄くなる程度でしょう。

 

 

3.服用方法と注意点

3-1. 服用方法

通常、成人には シナール配合錠を1回1~3錠、またはシナール配合顆粒を1回1~3gを1日1~3回服用します。

 

1か月間服用しても効果がみられない場合には、服用を漫然と継続するべきではないとされており、医師により服用を継続しても良いかどうかが判断されます。

 

 

3-2. 服用に注意が必要な人

身体に必要なビタミンで構成されているため、服用することができない方はいません。妊婦さん、授乳中の方、お子さんも服用することができます。

 

 

3-3. その他の注意点

・効果を実感できるまでに時間がかかる場合があります。自己判断では中止せず、医師から中止の指示があるまでは服用を継続しましょう。

 

・ビタミン剤ですので大きな副作用はありませんが、まれに胃不快感、悪心・嘔吐、下痢等がみられる場合があります。

 

・尿検査と検便の結果に影響を及ぼすことがあるので、検査を受けられる際にはシナールを服用中の旨をお伝えください。

 

 

ビタミンCの摂り過ぎは大丈夫?

 

身体に良い効果がたくさんあるビタミンCは、摂れば摂るほど健康になるのでしょうか?答えはNOです。

 

身体の需要量よりも過剰なビタミンCが摂取された場合、余ったビタミンCは体内で「シュウ酸」に変換され、尿と一緒に排出されます。

そのため、ビタミンCを大量に摂取したからといって効果が増大する訳ではありません。言い換えれば、過剰症が起こりにくいともいえます。

 

しかし、大量に摂取すると、ビタミンCが消化管を刺激することによる吐き気や下痢などの消化器症状やシュウ酸による腎結石・尿路結石を引き起こす可能性があります。

またいくつかの研究では、ビタミンCを大量に摂取した場合、普段は活性酸素を無毒化しているビタミンCが、逆に活性酸素を発生させてしまう可能性を示唆しています。これを「プロオキシタント効果」といいます。

 

何事にもほどほどにが大切です。ビタミンCに限らず、身体に良いからといって極端に特定の栄養素を大量に摂取するのはオススメしません。

厚生労働省が推奨してるビタミンCの摂取量は100mgです。個人差はありますが、1日1000mg以上を摂取すると軟便や下痢、吐き気が見られることがあります。

 

4.シナールに市販薬はある?

処方されたシナールを服用して肌の調子が良くなり、継続したいけれども受診する時間がなくて困っている方もいるのではないでしょうか?
そんな時には次に紹介する市販薬のシナールを服用するのもいいかもしれません。

 

4-1. 市販されている商品

シナールには以下の市販薬が販売されています。

 

・シナールLホワイト錠

・シナールLホワイト2

・シナールEX顆粒

・シナールEXチュアブル

・シナール イクシ

 

では、処方薬と市販薬のシナール何が違うのでしょうか?次でご説明します。

 

4-2. 処方薬との違い

処方薬のシナールと市販薬のシナールには、有効成分の種類と配合量に違いがあります。

 

【各商品の有効成分と配合量】

 

ビタミンC

パントテン酸Ca

L-システイン

リボフラビン

酪酸エステル

酢酸d-α

-トコフェロール

シナール配合錠/顆粒

1800mg

27mg

シナールLホワイト錠/2

1000mg

24mg

240mg

シナールEX顆粒/チュアブル

2000mg

12mg

30mg

シナール イクシ

1000mg

24mg

40mg

 

L-システインの作用

肌のターンオーバーの正常化、紫外線やストレスによる活性酸素の影響を防ぐ、メラニン色素の生成を抑制する、メラニン色素の還元作用、コラーゲン生成を促す など

 

リボフラビン酢酸エステルの作用

糖・脂質・タンパク質の代謝に関わるさまざまな酵素の働きを助ける、肌・髪・爪などの細胞の再生を促す など

 

酢酸d-α-トコフェロールの作用

紫外線やストレスによる活性酸素の影響を防ぐ、血行促進作用、細胞分裂を活性化させる など

 

5.おわりに

今回は肌に良い効果がたくさんあるシナールについて解説しました。

ビタミン剤なので大きな副作用はありませんが、過剰摂取には注意が必要です。サプリメントでビタミンCを摂られている場合は特に気をつけましょう。

ちなみに、名前の由来は、ビタミンCの「C」と「肌が白くなーる」から、「シナール」と名付けられました。

 

 

執筆
薬剤師:篠ケ瀬 蒼惟
この執筆者の記事をもっと見る