風邪のひきはじめに飲むと良い?漢方「葛根湯」の効果と飲み合わせなど注意点

漢方薬で、風邪のときに飲むというと「葛根湯」をイメージされる方は多いのではないでしょうか?薬局でも、葛根湯は、風邪のひきはじめのときに出すことが多く、代表的な漢方薬のひとつです。

ただ、漠然と「風邪=葛根湯」と考える方も多くいらっしゃり、適していないタイミングでも服用している方を見受けることもあります。漢方薬では、その人の年齢や体型、体力、体質、その時の状態などによって、その人にあった漢方薬が変わってきます。

今回は、葛根湯とはどんなお薬か、効果について解説するとともに、飲み合わせや副作用などの注意点についても合わせて説明します。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.漢方薬「葛根湯」とは?

葛根湯は、風邪のひきはじめに効果が期待できる漢方薬です。

ここでは、なぜ、風邪のひきはじめに飲むと良いのかについて説明していきます。

 

1-1. 葛根湯ってどんな薬?

そもそも葛根湯とはどんなお薬でしょうか?

 

葛根湯の歴史は、なんと紀元前にまでさかのぼり、伝統的な医学の古典である「傷寒論(しょうかんろん)」や「金匱要略(きんきようりゃく)」に収載されており、現代まで非常に長く親しまれている漢方薬です

 

漢方薬とは、植物、動物、鉱物などの天然物である生薬を2種類以上組み合わせて作るお薬です。漢方薬には、証(しょう)という考え方があり、その人の年齢や体型、体力、体質、その時の状態などによって、その人にあった漢方薬が処方されます。

 

1-2. 葛根湯の成分

葛根湯の成分は、

 

・葛根(カッコン)

・大棗(タイソウ)

・麻黄(マオウ)

・甘草(カンゾウ)

・桂皮(ケイヒ)

・芍薬(シャクヤク)

・生姜(ショウキョウ)

 

です。7つの生薬の成分が含まれており、成分を組み合わせることによって、相乗効果が期待できます。1包当たりに含まれている成分量は、お薬によって違いがあります。服用する際の量なども変わってきますので、お薬を受け取る際にご確認下さい。

 

1-3. 葛根湯の効果と服用が適する方「証(しょう)」

葛根湯は、体をあたため、発汗を促し、熱を下げる作用があることから、通常、汗をかいていないようなかぜの初期の発熱、鼻かぜ、鼻炎、頭痛に用いられることが多く、また、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛みなどにも用いられます。

 

漢方薬では、「証(しょう)」という考え方があり、その人の年齢や体型、体力、体質、その時の状態などによって判断されます。証の分け方のひとつとして、「実証(じっしょう)」と「虚証(きょしょう)」というものがあります。

 

実証・・・・筋肉質、血色が良い、抵抗力があるなど、比較的体力がある方

虚証・・・・痩せ型、疲れやすい、抵抗力がおちているなど、比較的体力がない方

 

この証の分け方によって、その人に適した漢方薬が変わってきます。

 

葛根湯については、「実証」の方向けの漢方薬です。そのため、どちらかというと体力がある若者や中年の方のかぜの初期症状に向いており、冷え性や虚弱体質の若者、体力がおちているご高齢の方では正しい効果が期待できないということがあります。

 

 

その他、風邪などに用いる漢方薬

 

証の説明をしましたが、「風邪=葛根湯」というイメージが強い方も多いですが、同じ風邪でも、証に合わせて適切な漢方薬を選択することが大切になってきます。詳しくは、医師や薬剤師に相談されて処方、又は購入されることをお勧めします。

風邪などに用いる漢方薬として実証、虚証に分けて一例をご紹介します。

 

(実証)

・葛根湯(かっこんとう)

・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

・麻黄湯(まおうとう)

など

 

(虚証)

・真武湯(しんぶとう)

・麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)

・桂枝湯(けいしとう)

など

 

2.葛根湯を飲む際の注意点

2-1. 解熱剤や風邪薬との飲み合わせについて

そもそも、風邪を引いて体温が上がる(発熱)のは、体内の免疫力を高め、早く病原菌を排除しようとする体のはたらきによるものです。

 

葛根湯は、風邪のひきはじめに飲むことによって、熱産生をより高め、免疫力を高める作用があります。一方、解熱剤は熱を下げる作用ですので、葛根湯とは逆のはたらきとなります。そのため、葛根湯と解熱剤は相性としてはあまり良くない組み合わせと考えられます。

 

但し、高熱が見られる場合、もしくは熱が上がり、体がぐったりしているような状態では、葛根湯は服用せずに、解熱剤を服用し、熱を下げ、体を楽にし、休養させることも大切です。

このように葛根湯、解熱剤は、症状やその経過に応じて、適切に使い分ける必要があります。

 

また、市販の風邪薬には、葛根湯に含まれている「麻黄(エフェドリン)」や「甘草(グリチルリチン)」を含むものが多くあります。成分が重複すると効果や副作用が強く出過ぎたりすることもあり、飲み合わせには注意が必要です。

 

飲み合わせが心配な場合には、購入時に必ず薬剤師や登録販売者に確認・相談するようにしましょう。

 

2-2. 該当する方は服用注意

次に該当する場合には、副作用のリスクが高まったり、症状が悪化する可能性があるため、服用に注意が必要です。必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

 

・病後で衰弱している方、体力が衰えている方

・胃腸が弱い方

・食欲がない、悪心・嘔吐がある方

・発汗が著しい方

・狭心症、心筋梗塞などの循環器の病気や既往歴のある方

・重度の高血圧の方

・腎障害がみられる方

・排尿障害がある方

・甲状腺機能亢進症のある方

 

2-3. 副作用について

基本的には副作用は少ないお薬ですが、主な副作用としては、吐き気、食欲不振、胃の不快感などがあります。また、過敏症として、発疹・発赤、かゆみなどの症状があります。

 

また、非常に稀ですが重大な副作用としては、下記の症状がでる場合があります。

 

・偽アルドステロン症
血圧上昇、低カリウム血症、ナトリウム・体液の貯留、浮腫、体重増加等の症状があります。

 

・ミオパチー
脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・麻痺、CK(CPK)上昇、血中及び尿中のミオグロビン上昇等の症状があります。

 

・肝機能障害、黄疸
体や目が黄色くなる、だるさ、食欲不振などの症状があります。

 

服用後、いつもと違うような気になる症状が見られた場合にはすぐに服用を中止し、医療機関を受診するようにしましょう。

 

3.市販で購入できる葛根湯でも効果ある?

病院で処方される漢方薬と市販で購入できる漢方薬は、含まれている生薬の成分自体は同じです。

 

但し、市販で購入できる漢方薬は、医師の処方ではなくご自身で購入しますので、安全性が考慮されており、処方薬に比べて1日の服用量が少ないなど量が調整されている場合があります。

 

そのため、市販で購入できる漢方薬でも効果はもちろん期待できるのですが、処方薬と比較すると量が多少少ない場合もあり、効果の面だと劣ることもあるといえます。

 

4.こんなときは早めに病院へ

葛根湯は、風邪のひきはじめに効果が期待できる漢方薬です。しばらく服用しても、効果がみられない、症状が悪化する場合には、服用を中止し、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

 

また、そもそも葛根湯がご自身の状態に適しているか、証に適した漢方薬を飲みたいなどの場合には、早めに専門の医師や薬剤師に相談されることを推奨します。

 

5.おわりに

今回は、葛根湯とはどんなお薬か、効果について解説するとともに、飲み合わせや副作用などの注意点についても合わせて説明しました。

 

風邪=葛根湯というイメージをお持ちの方も多いですが、すべて葛根湯が適しているというわけではなく、症状や時期によっては、別の漢方薬が適することがあります。葛根湯は、実証といって体力が比較的ある方に適し、風邪のひきはじめ、特に汗をあまりかいてない場合に効果を発揮します。

 

症状に葛根湯が適しているかどうか、解熱剤や風邪薬との飲み合わせや副作用など服用に注意すべき点もあることから、葛根湯を購入されるような場合には、薬剤師や登録販売者に相談されることをおすすめします。

 

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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