子供の市販の風邪薬の選び方と注意点など知っておくべきこと

子供に風邪薬を飲ませる時って、ご自身が飲む時以上に気を使いませんか?

市販の風邪薬を飲ませておくだけでいいのか、発熱はまだないけど、今のうちに病院に連れて行ったほうがいいのかなど判断に迷います。

また、市販の風邪薬や病院でもらった薬を飲ませるにしても、飲むのを嫌がりはしないかとか、副作用とか安全性とかも気になります。

その上、好奇心いっぱいの赤ちゃんは手の届くところにあるものは、何でも触れようとします。触れるだけならいいですが、甘い匂いにつられて誤って飲んでしまったら……。

子供を御世話される人たちのこのような悩みの解決方法を、これから解説いたします。
※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.子供が風邪を引いたときは市販の風邪薬?即、病院へ?

子供は突然、熱を出したり、吐いたりして周囲を驚かせます。親も子供の激しい症状に冷静になることを忘れてとりあえず、病院に連れて行けば何とか解決するだろうと考えます。

しかし、ここでよく子供を観察してください。

 

まずは、病院に連れて行くほどの症状かどうかをみます。また、風邪が流行っている時期であれば、病院の待合室には色々なウイルス、細菌が浮遊していることを考えましょう。

 

発熱でしんどがる子供を病院に連れて行こうと無理に車(救急車は別)にのせて体力を消耗させるぐらいなら自宅で体力を温存しながら、市販の風邪薬で発熱のピーク時が過ぎ去るのを待つという選択肢もあります。

 

かといって、発熱はないけれどぐったりしているからと、市販の風邪薬を飲ませて様子を見るのも何となく、不安です。

そこで、市販風邪薬にどこまで頼ればいいのか、何を決め手に病院に連れて行ったらいいのでしょうか?

 

1-1. 子供の市販の風邪薬の可能性と限界

子供の風邪薬だけでなく、どんな風邪薬にもたくさんの薬効成分が含まれています。

それは風邪をひくと、鼻水、咳、のどの痛みなどの症状が一度に出ることが多く、風邪をひくと予測できる諸症状に対応するためです。

そのかわり、熱はないのに、鼻水と咳が出るからと風邪薬を飲み、発熱を抑える成分まで体内に入れてしまうことになります。

 

では、子供が風邪をひいたと思って、病院に行った場合、どんな薬を処方してもらえるでしょうか?

 

発熱がなく、咳や鼻水であれば、咳や鼻水に極力、限定された薬が出ます。そこに発熱の危険性があれば、「熱が○○以上になったら飲むように」と頓服の解熱剤が処方されます。

すでに咳や鼻水に加えて発熱もあれば、市販と同じような総合感冒薬(PLなど)が処方されることもあります。

 

 

要するに、病院でも風邪そのものを治すというよりは出現した症状、予測される症状に対応していくということになるのです。

ならば、風邪をひいたからといって、やみくもに病院に連れて行くのではなく、市販の風邪薬で様子を見ることも十分、可能です。

 

 

そして、市販の風邪薬の限界も知っておきましょう。

それは、風邪の症状ではないかもしれない場合や二次感染を起こしている場合。市販の風邪薬では対処できないことが多いです。

重篤な病気の中には風邪とよく似た症状をもつ病気も少なくありません。医師でさえも検査しなければ見分けがつかない病気もあります。

 

 

また、市販の風邪薬には感染症に効く薬は、含まれていません。

風邪の原因はウイルスが主体です。色々なウイルスがありますが、現在、風邪を発症させるようなウイルスに効く薬はないと言われています。

ではどうしたらいいか、本人の免疫力に頼るしかありません。

ただ、免疫力は体力低下と共に減少していきますから、咳や発熱で体力を消耗させないように風邪薬で症状を緩和させることは有効です。

 

風邪で病院に行くと、たまに抗生物質が処方されることがあります。これは風邪を改善させるというよりも、肺炎などの感染症にならないようにするためのものです。

市販の風邪薬にはもちろん、抗生物質は含まれていませんから、風邪による二次感染を想定した場合は、病院でなければ治療できないということになります。

 

では、風邪らしい症状の子供を病院に連れて行く決め手になるものは何でしょうか?

 

1-2. 病院を受診すべき決め手になるものは?

生後3カ月未満の乳児は発熱があれば、病院に即行です。病院でなければ、治療できない細菌による感染症に罹患している可能性があるからです。

1歳前後ぐらいになると、発熱があっても普段と変わらず、食欲も元気もある場合は自宅で様子見もできます。

乳幼児は高熱を発すると、熱けいれんを起こすことがあります。これまでに熱けいれんの経験があり、医師から熱けいれんの時に使用する薬を渡されているのであれば、それを使って、様子をみます。

 

病院に連れていくか行かないかは体温の高さではなく、子供の体の状態が決め手となります。

たとえば、平熱なのに食欲がなく、じっとしていられない年齢なのにすぐに横になりたがるといった症状の時は、風邪薬などは飲ませず、病院に即行しましょう。

また、初めての熱けいれんやいつもとは違うけいれんがおきた場合も同様です。

 

2.子供の市販の風邪薬について

子供は大人と比べ、身体の全ての組織が未熟であるため、市販の風邪薬も子供用は別に作られています。

たまたま、子供の風邪薬がきれていたからと、大人の風邪薬を半量程度、飲ませておけばいいというものではありません。

子供には使用できない成分があります。

 

2-1. 子供の風邪薬の選び方:使っていい成分といけない成分

子供用と書かれたほとんどの風邪薬の薬効成分に、「アセトアミノフェン」が表示されています。

 

これはアメリカの疫学調査から水痘やインフルエンザに罹った小児に解熱の目的でアスピリンを飲ませた場合、ライ症候群の発症との関連性が示唆されたことによるものです。

アセトアミノフェンなら確実に大丈夫というわけではありませんが、アスピリンのようなNSAIDsとは違う作用機序で熱を下げることから、子供用の市販薬にはアセトアミノフェンが使われています。

 

従って、大人の風邪薬や解熱鎮痛剤を子供には、少量でも飲ませないようにしてください。

 

ライ症候群

 

原因不明の感染症です。特に小児がインフルエンザや水痘に罹患した後、発症することがあります。

インフルエンザなどによる発熱を下げようとアスピリンを使用した場合、ライ症候群の発症リスクが35倍にもなるといわれています。脳などに重篤な障害を与え、最悪の場合、死亡することも。

 

2-2. 子供の風邪薬の副作用・注意点

子供の風邪薬は安全性にかなり配慮されているのですが、それでも副作用が出ることもあり、注意が必要です。

 

大人であれば、30歳と33歳は同レベルで考えても大丈夫ですが、1歳未満と3歳では臓器の状態に違いがかなりあります。

そのため、市販の子供用風邪薬には、「生後3ヵ月以上でまだ2歳にもなっていない乳幼児には医師の受診が最優先であり、やむを得ない場合のみ飲ませる」というような主旨がかかれています。

 

この時期は1ヵ月単位で成長が変わってくるため、副作用の出現に予測がつかないことがよくあります。

そこでこの年齢の子供に対しては、やむを得ない場合、たとえば、夜間や休日など医師の診察が受けられないといった状況の時に、風邪薬を飲んでしばらく様子を見ましょうというものです。

全く改善が見られなく、症状が重くなる一方であれば、速やかに救急車を呼ぶか、救急病院に直接行くといった判断をしなくてはいけません。

 

2-3. 風邪薬に新たな使用上の注意の改訂(アセトアミノフェン)

アスピリンなどのNSAIDsよりは安全性が高いとされたアセトアミノフェンですが、

平成26年、厚生労働省からアセトアミノフェンに対する「使用上の注意」の改訂が通知されました。

 

国内の病院からアセトアミノフェンの副作用と考えられる症例が報告されました、そのため、アセトアミノフェン単一の製剤、アセトアミノフェンを含む医薬品の説明書に重篤な副作用の項目に

 

「間質性肺炎」や「急性汎発性発疹性膿胞症」などを書き加えることになりました。

 

2-4. 困った時はこの市販薬

子供は小さい大人ではありません。大人とは臓器の状態が違います。そのため、大人用の市販薬を少量飲ませておけばいいと、考えないでください。

市販薬のパッケージに「子供用」と表示されていることをまずは確認します。

そして、子供の症状に合ったものを選びます。

 

たとえば、発熱、鼻水、咳、のどの痛みといった広範囲にわたって症状がある場合は、総合風邪薬です。

鼻水がズルズル、逆に詰まっているだけで他に症状がなければ、鼻炎薬を。咳だけで他に症状がなければ咳止めを。

症状が鼻だけに限定されているのに総合風邪薬を飲んでしまったら、不要な成分も飲んでしまうことになります。

また、症状は鼻だけなのに、総合風邪薬を飲んだ後に熱が出たりしても、飲んで5~6時間以内であれば、解熱鎮痛剤を飲むことができません。何故なら、総合風邪薬の中にも解熱鎮痛剤が含まれているからです。

 

その他、のどに違和感があるだけで、すぐに総合風邪薬を使用する人がいますが、まずはトローチなどで様子を見て、それでも症状が治まらなければ、総合風邪薬の使用を考えてもいいかもしれませんね。

総合風邪薬はとても便利ですが、症状の出現の状態を見極めることが大切です。

 

3.乳幼児への風邪薬の飲ませ方

乳幼児に薬を飲ませるのは大変。だからといって飲ませないわけにはいきません、

ちょっとの工夫で難なく、飲ませる方法もありますので、ぜひ、トライしてみてください。

 

まずは、横になったまま飲ませると、誤嚥しやすいので必ず、起こしてから飲ませます。

粉薬は上を向くのではなく、下を見るようにして水と一緒に飲ませます。

この時、必ず常温の水で飲ませます。高温だとやけどするということだけでなく、薬の成分が変質しやすくなります。

飲んだ直後に吐いてしまった場合は再び飲ませなくてはいけませんが、飲んでから一時間以上、経過した後で吐いてしまった場合は、薬はすでに体内に吸収されていると考え、飲ませずにそのまま様子を見ていましょう。

 

ミルクに混ぜるのはご法度。ミルクの味が変わったりして全部飲まなかった場合、治療量に達しないため、十分な薬の効果が出ないことがあります。

 

少量の水や湯冷ましで溶き、スプーンで飲ませる方法もありますが、それも嫌がるようであれば、粉薬をごく少量の水で溶き、団子状にしてから、頬の内側、上顎に塗り付け、水を与え、奥に流し込ませるという方法もあります。

舌の先は、非常に敏感に味を感じる部位なので避けましょう。

ドラッグストアでは薬を包み込んで飲ませるゼリーオブラートがあります。

 

4.子供が薬を誤飲しないようにするには?

子供は何にでも興味をもつます。また、子供のような風邪薬の瓶にはアンパンマンなど子供が大好きなキャラクターの絵がカラフルに描かれています。

忙しいと、つい、風邪薬をしまわず、子供の近くに置いたまま、次の用事にとりかかってしまうことがよくあります。その間に子供が薬に手を出し、甘い匂いにつられて飲んでしまうことも。

 

このよう場合に備えるため、少し面倒ですが、ハカリを用意しておいて、飲ませた後の容器を測り、外箱などにでも測った量を記入しておきます。

そうしておくと、子供がどれぐらい自分で飲んでしまったか分かりますし、病院に連れて行っても、誤飲した量を伝えることで医師も処置がやりやすくなります。

 

とにかく、薬を飲ませたら、すぐに子供の手の届かないような所に収める習慣を身につけることが大事です。

子供も成長して知恵がつくと、椅子などを持ち込んで手の届かないところにある物をとることができるようになるため、子供の視野には入らないようなところにしまい込みましょう。

 

5.まとめ

子供は大人以上に予期しない症状が出たりするため、非常に気を使います。その配慮しなくてはいけない部分にも医学、科学の発達で対処方法が変化していきます。

このような情報の変遷に、薬の相談室は感度よくキャッチしていきますので、御参考にしていただければと思います。

執筆
薬剤師:村田 直子
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