【薬剤師が解説】便秘に用いられるお薬の種類と市販で購入できる便秘薬【医師監修】

便秘症状で悩む毎日・・・。今飲んでいる便秘薬がどういったものなのか、又、市販で同じものを購入することはできないのか?と真剣にお悩みの方もいるのではないでしょうか?

便秘になる原因としては腸全体の運動が低下することが原因の「弛緩性便秘」、便が直腸に下りてきても大脳にサインが届きにくいために排便がおきにくい「直腸性便秘」、腸が過敏になることで起こる「痙攣性便秘」などがあります。

このような原因に対応して便秘に用いられるお薬には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。又、便秘薬の中には、病院の受診を必要とするもの(処方薬)もありますが、多くの場合、市販で購入することができます。

今回は、便秘に用いられるお薬の種類を分かりやすく説明するとともに、市販で購入できる便秘薬を合わせて解説していきます。但し、便秘症状はお薬だけに頼るのではなく、毎日の食事や運動など生活習慣の改善を合わせて行っていくようにしましょう。
※この情報は、2017年6月時点のものです。

※この記事を読んでいただいている皆様へ

処方せんネット予約サービスの普及の為に皆様から利用したいと思う薬局をお答えいただいております。
60秒ほどのアンケートにお答えいただき、ご協力いただいた方には 全員に500円分のAmazonギフト券を必ずプレゼントさせていただいております。
(2017/12/25現在、224,000人にの方にご回答をいただいております。)
ぜひアンケートにご協力ください。

今すぐアンケートに答える>

株式会社フリービットEPARKヘルスケア一同

1.便秘に用いられる代表的なお薬の種類

便秘に用いられるお薬には多くの種類がありますので、分かりやすく説明するために、「機械性下剤」「刺激性下剤」「その他」の3つのタイプに分けて解説していきます。

それぞれのお薬に特徴があり、医師が患者さんの年齢・体質などの背景や症状に合わせて、適したお薬を選択します。

処方薬(医療用医薬品)の場合は、患者さん自身では選ぶことはできませんが、自分が今どんなお薬を飲んでいるのかを理解しておくことは大切です。

また、市販薬でも、処方薬と同様の成分を含んでいるものがあり、薬局やドラッグストアなどで購入することが可能です。

 

次に、便秘薬3つのタイプについて詳しく説明していくとともに、市販で購入できるか否かについても合わせて解説していきます。

 

※便通改善には、以下のサプリがおすすめです。
快腸サポート

2.便自体に作用して排泄を促す:機械性下剤

機械性下剤(きかいせいげざい)とは、腸を刺激するわけではなく、便自体に作用して、便の水分量を増やして柔らかくしたり、カサを増やすことによって排泄を促すお薬です。

機械性下剤の中でも、塩類下剤」「膨張性下剤」「糖類下剤などのタイプがあります。

2-1. 昔から広く使用される一般的なお薬:塩類下剤

塩類下剤(えんるいげざい)は、便に含まれる水分の量を増やし、便を柔らかくする作用があります。昔からあるお薬で広く使用されています。基本的に習慣性はなく、安心して服用できます。

ただしマグネシウムを含んでおり、高齢者や腎臓の障害のある患者さんでは、漫然に使うと高マグネシウム血症をきたすことがあるので注意が必要です。

 

<代表的なお薬>

・マグラックス(酸化マグネシウム)
・マグミット(酸化マグネシウム)

 

<市販で購入できるか否か?>

購入することができます。


(例)
・スラーリア便秘薬【第3類医薬品】
 ロート製薬 / 主成分:酸化マグネシウム


・3Aマグネシア【第3類医薬品】
 フジックス / 主成分:酸化マグネシウム

 

2-2. 最も自然排便に近い作用が期待できる:膨張性下剤

膨張性下剤(ぼうちょうせいげざい)は、薬自体が水分を吸収し、便のカサを増やすことによって腸の運動を促す作用があります。食物繊維と同様の働きで、効果は穏やかですが、安全性が高く、習慣性がないことや、より自然排便に近い効果が期待できます。

 

<代表的なお薬>

・パルコーゼ(カルメロース)

 

<市販で購入できるか否か?>

全く同じ成分ではありませんが、膨張性下剤と同様のはたらきを期待できる食物繊維を含む市販薬を購入することができます。単独ではなく、下剤成分も合わせて配合されていることが多いです。


(例)
・新ウィズワン【指定第2類医薬品】
 ゼリア新薬 / 主成分:ブランタゴ・オバタ種皮末 +刺激性下剤
・コーラック ファイバー【指定第2類医薬品】
 大正製薬 / 主成分:ブランタゴ・オバタ種皮末 +刺激性下剤

2-3. 透析患者の方に使用されることもある:糖類下剤

糖類下剤(とうるいげざい)は、塩類下剤と同じように、便に含まれる水分の量を増やし、便を柔らかくする作用があります。

塩類下剤と違って、長く投与しても高マグネシウム血症などになるリスクを心配しなくて良いため、透析をしている患者さんなどに使用されることもあります。

安全性が高く、習慣性はありません。小児の便秘症にも使用されます。

 

<代表的なお薬>

・D-ソルビトール
・モニラック(ラクツロース)

 

<市販で購入できるか否か?>

全く同じ成分ではありませんが、糖類を成分とした市販薬を購入することができます。

便秘治療剤及び乳幼児の発育不良の栄養補給剤として使われるマルツエキスが代表的です。
(例)
・マルツエキス【第3類医薬品】
 和光堂 / 主成分:麦芽糖

3.直接作用し下剤としての効果が高い:刺激性下剤

刺激性下剤(しげきせいげざい)とは、大腸や小腸などに直接作用することで刺激し、腸の運動を高めることで、排便作用を促します。

特に、腸の運動が低下しているような「弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)」に向いています。

下剤としての効果が高く、病院でもよく処方されますが、長期で飲むと耐性ができる可能性があり、服用には注意が必要です。
刺激性下剤の中でも、「大腸刺激性下剤」「小腸刺激性下剤」「坐薬」などのタイプがあります。

3-1. 処方薬、市販薬でもよく使われている:大腸刺激性下剤

大腸刺激性下剤(だいちょうしげきせいげざい)は、大腸に対して主に作用し、刺激を与えることで、腸の運動を高め、排便を促します。

大腸のはたらきが弱まり便秘に悩まれているようなご高齢の方が飲まれているケースが多いです。

 

<代表的なお薬>

・プルゼニド(センノシドA・B)
・アローゼン(センナ)
・アジャストAコーワ(センナエキス)
・ラキソベロン(ピコスルファートナトリウム水和物)

 

<市販で購入できるか否か?>

購入することができます。
(例)
・コーラックハーブ【指定第2類医薬品】
 大正製薬 / 主成分:センノシドA・B
・スルーラックS【指定第2類医薬品】
 エスエス製薬 / 主成分:センノシドA・B +大腸の運動を高める成分
・ビオフェルミン便秘薬【指定第2類医薬品】
 ビオフェルミン製薬 / 主成分:ピコスルファートナトリウム水和物

3-2. 現在はあまり使われない:小腸刺激性下剤

小腸刺激性下剤(しょうちょうしげきせいげざい)は、小腸に対して主に作用し、刺激を与えることで、排便を促します。

現在は、ほとんど使われず、食中毒や食あたりなどのときに使用されることがあります。

 

<代表的なお薬>

・ヒマシ油

 

<市販で購入できるか否か?>

購入することができますが、下剤として内服するものの他にも、内服用ではなく、肌に塗布するなど美容目的で販売されているものもあるため、注意が必要です。


(例)
・加香ヒマシ油【第2類医薬品】
 健栄製薬 / 主成分:ヒマシ油

3-3. 即効性が期待できる、お薬が飲めないとき:坐薬

坐薬(ざやく)は、主に直腸の肛門に近い部分に作用し、腸に刺激をあたえることで、詰まった便を排便させる作用があります。

そのため、特に直腸で便が詰まっている場合や飲み薬が飲めないときなどに使用されます。

例えばレシカルボン座薬は二酸化炭素を発生し、腸内を刺激します。即効性が期待できますが、自然な排便が難しくなるため、連用は避けるようにします。

 

<代表的なお薬>

・新レシカルボン坐剤(炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム)
・テレミンソフト坐薬(ビサコジル)

 

<市販で購入できるか否か?>

購入することができます。


(例)
・ウィズワン坐剤【第3類医薬品】
 ゼリア新薬工業 / 主成分(炭酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム)
・ベンツナール坐薬【第2類医薬品】
 大木製薬 / 主成分:ビサコジル

4.従来の便秘薬にはなかった新しいお薬も:その他

その他にも、便秘症状に用いられるお薬があります。ここでは、「腸液分泌促進液」「浣腸」「整腸剤」について解説します。

4-1. 新しいタイプの便秘薬:腸液分泌促進薬

2012年に新しく販売された「アミティーザ」とよばれる便秘薬があります。
小腸に作用し、腸管内への水分の分泌を増やすことによって便を柔らかくし、排便作用を促します。小腸に作用することによって、下痢になりにくく、より自然な排便ができることを期待できます。頓服で用いられるわけではなく、定期的に服用することで、自然排便を促し、便秘を改善していきます。

 

<代表的なお薬>

・アミティーザ(ルビプロストン)

 

<市販で購入できるか否か?>

購入することはできません。

4-2. 効き目が1番はやい:浣腸

浣腸(かんちょう)は、直腸(肛門近く)で便が固まっている場合で、出ないときなどに使用します。

腸のすべりを良くしたり、腸を刺激することによって排便を促します。即効性があり、10分ほどで効果が見られることが多いです。

ただし高齢者に夜間用いるのは気をつけましょう。急激な排便に伴って血圧低下を起こすことがあります。

 

<代表的なお薬>

・グリセリン浣腸
 ※規格やメーカーが多数あります。

 

<市販で購入できるか否か?>

購入することができます。


(例)
・ケンエー浣腸【第2類医薬品】
 建栄製薬 / 主成分:グリセリン
・イチジク浣腸【第2類医薬品】
 イチジク製薬 / 主成分:グリセリン
・コトブキ浣腸【第2類医薬品】
 ムネ製薬 / 主成分:グリセリン

4-3. 日頃から腸内環境を整えたい:整腸剤

整腸剤(せいちょうざい)は、腸内細菌のバランスを整えることによって、便秘や下痢などの症状を改善させる効果が期待できます。

効果は即効性があるというわけではなく、腸内環境を少しずつ整えることによって、効果を表します。

体への負担はなく、副作用は基本的にありません。日頃から腸内環境を整えるために飲んでも問題ありません。

 

<代表的なお薬>

・ビオフェルミン錠剤・散
・ビオスリー散
・ビオフェルミンR錠・散(抗生物質と一緒に用いられます)
・ミヤBM細粒・錠

 

<市販で購入できるか否か?>

購入することができます。


(例)
・新ビオフェルミンS錠・細粒【指定医薬部外品】
 ビオフェルミン製薬 / 主成分:3種の乳酸菌
・ザ:ガードコーワ整腸錠α3+【第3類医薬品】
 興和 / 主成分:納豆菌、ラクトミン、ビフィズス菌、他生薬など
・パンラクミン錠【指定医薬部外品】
 第一三共ヘルスケア / 主成分:乳酸菌、他消化酵素など

 

※便通改善には、以下のサプリがおすすめです。
快腸サポート

5.生活習慣の改善が第一。こんなときは病院へ

便秘症状が続くために、便秘薬に頼ってしまうと、本来体に備わっている排便の力がしだいに弱まってしまい、さらにお薬を必要としてしまうという悪循環に陥る可能性もあります。また、お薬によっては、長期で服用すると、しだいにお薬が効かなくなってしまうこと(耐性)があります。

そのため、お薬だけに頼るのではなく、毎日の食事や運動など、まずは生活習慣の改善を合わせて行うことが非常に重要です。

・こまめに水をとる
・食事の量をしっかり摂る(過度なダイエット×)
・朝食を抜かない
・食物繊維を多く含む食品を摂る
・運動を適度に行う    など

とりわけ運動が足りない人は、とくに体を動かすことは大事です。「体を動かせば、腸も動く」と考えてください。
また、便秘症状といっても、様々な原因が考えられ、その症状や原因にあった対処が必要です。

別のお薬の副作用で症状を起こしていたり、他の病気が原因となり症状を起こしている可能性も十分にあります。

例えば近年増加している大腸がんのサインであったりすることもあるのです。

 

症状が続いている、ひどくなっている場合や、しばらく市販薬を服用していても症状が改善されない場合には、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

6.おわりに

今回は、便秘に用いられるお薬の種類を分かりやすく説明するとともに、市販で購入できる便秘薬を合わせて解説しました。

病院を受診しなければもらえない便秘薬もありますが、多くの場合は、市販で購入することもできます。ご自身に適切なお薬を選ぶには、今回の記事を参考にし、店舗で薬剤師の方に相談して購入するようにしましょう。

 

また下剤をのんでかえって便がゆるくなりすぎることもあるでしょう。このようなときには医師や薬剤師とも相談しつつ適宜量を調節しましょう。

お薬の説明はしましたが、便秘症状はお薬だけに頼るのではなく、毎日の食事や運動など生活習慣の改善を行うことが重要ですので、合わせて行っていくようにしましょう。

執筆
薬剤師:竹中 孝行
この執筆者の記事をもっと見る