【呼吸器内科医が解説】たばこが原因で起こりうるCOPDの診断と治療

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、たばこによって起こる肺の病気です。COPDがある状態で老化がすすむと、周囲よりも早く肺が弱ってしまい、晩年酸素療法を必要とすることがあります。

ここではCOPDの一般的な内容について記載したいと思います。
※この情報は、2017年7月時点のものです。

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1.たばこが原因で起こりうるCOPDとは?

COPDのことを、昔は「肺気腫(はいきしゅ)」と呼んでいましたが、現在は「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼びます。アルファベットばかりで覚えにくく、患者さんにもまだまだ浸透していません。

COPDは、たばこの煙が肺を傷害することで発症します。肺は酸素を取り込むために重要な臓器ですが、これがたばこの煙で破壊されてしまうと、酸素を体に取り込む入口が少なくなってしまうのです。そのため、息がしんどくなってしまいます。

基本的にCOPDは喫煙歴のある40歳以上の人にしか発症しませんが、まれに遺伝性疾患で非喫煙者にも発症することがあります。

2.息切れに要注意!COPDの症状

COPDの症状は、息切れです。また頻度は高くありませんが、痰や咳を訴える患者さんもいます。息切れを自覚せず、健康診断などで胸部レントゲン写真や胸部CT写真に異常を指摘されて発見されるCOPD患者さんもいます。

たばこを長年吸っている人で、「なんだか呼吸器系の症状が気になる」という人はCOPDにかかっていないか、近くの病院で検査を受けた方がよいでしょう。

3.COPDの診断、肺機能検査とは?

COPDの診断で最も重要なのは、「肺機能検査」です。肺機能検査というのは、口に筒などをくわえて大きくハーッ!吐いてもらい、機械で息の吸い方や吐き方を調べる検査です。COPDの患者さんでは、吐く力が減っています。吸えるけどうまく吐けない、これがCOPDという病気の特徴です。

重要なのは、この減ってしまった吐く力がなかなか戻らないという点です。喘息のような病気の場合、吐く力が減ってしまいますが、しかるべき治療によって健常人と変わらないくらい吐く力が戻ることがあります。しかし、COPDの場合、どのような治療を行っても肺機能は元通りには戻りません。たばこのおそろしい点はココなのです。

胸部レントゲン写真や胸部CT写真で、肺が風船のように膨らんでいるかどうかをみます。肺機能検査で今のところ大きな異常がなくても、そういう画像検査結果が得られた場合、将来、肺機能が低下する可能性が高いでしょう。

4.根治的な治療法はない?COPDの治療

COPDの治療は、根治的な治療法ではありません。先ほど申し上げたように、たばこの煙によって壊れてしまった肺は元通りには戻らないからです。そのため、主に「これ以上悪くならないようにすること」と「肺炎や肺がんなどの併発を防ぐこと」が目標になります。

COPDによる肺機能の低下をこれ以上防ぐために、「吸入薬」が用いられます。吸入薬を用いることで、肺機能が少し底上げされるので、呼吸器症状がマシになるとおっしゃる患者さんもたくさんいらっしゃいます。

吸入薬の種類は、チオトロピウム(スピリーバ®)やグリコピロニウム(シーブリ®)など何種類もあります。あなたに合った吸入薬を主治医から処方してもらうとよいでしょう。(薬によって操作方法がまちまちなので、試してみないと分からないこともしばしば)

COPDがある程度進行していると、身体の中の酸素(酸素飽和度)が足りなくなっているので、「在宅酸素療法」が必要になることがあります()。街中を酸素ボンベを持って歩いている人がいますが、その原因疾患の多くがCOPDと言われています。酸素飽和度が低い状態が続くと、肺だけでなく脳などの重要な臓器にも悪影響が出てしまうので、重症COPDの患者さんではこの治療法は欠かせません。

 

(図)出典:http://www.irasutoya.com

ただ、見た目がどうしても気になるとおっしゃる方も多く、また酸素業者から機器をレンタルするといくらかお金がかかってしまいます。そのため、たばこを吸っているCOPD患者さんを目の前にしたら、将来の在宅酸素療法を回避するために私たち呼吸器内科医は強く禁煙をお願いしています。

5.今すぐはじめられるCOPDの予防

COPDの予防は、「たばこを吸わないこと」、この1点のみです。自分でたばこを吸っていなくても、横でずっとたばこを吸っている人と一緒にいればCOPDになってしまいますから、受動喫煙を回避することも大事です。

最近は、電子たばこなど「有害な煙を含まない」という謳う商品が登場しています。これらをCOPD回避のために用いることは、2017年6月時点では積極的には推奨されていません。

6.まとめ

・COPDはたばこの煙によって発症する「慢性呼吸器疾患」である。

・COPDの主症状は「息切れ」である。

・COPDの治療法として、「吸入薬」や「在宅酸素療法」がある。

・COPDを予防する方法は、「たばこの煙を避けること」である。