室内にいても要注意!脱水による症状のすべて

温暖化の影響によって、猛暑日や熱帯夜が連続すると、私たちの体は体温調節のために多くの汗をかき、気付かぬうちに脱水症状に陥っていることがあります。
近年、日本では夏場の脱水症状による死者も出ており、決して見過ごすことはできません。

体の中から水分が失われる脱水症状。ここでは、脱水症状のサインと症状、死に至るような重篤な合併症までを詳しく解説します。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

※この記事を読んでいただいている皆様へ

処方せんネット予約サービスの普及の為に皆様から利用したいと思う薬局をお答えいただいております。
60秒ほどのアンケートにお答えいただき、ご協力いただいた方には 全員に500円分のAmazonギフト券を必ずプレゼントさせていただいております。
(2017/12/25現在、224,000人にの方にご回答をいただいております。)
ぜひアンケートにご協力ください。

今すぐアンケートに答える>

株式会社フリービットEPARKヘルスケア一同

1.脱水症状とはどのような状態?

脱水症状は、体内の水分が不足した状態です。しかし、その発症メカニズムは複雑で、脱水症状は大きく分けて2つのパターンがあります。体内水分の役割と、それぞれどのような変化が体に起きているのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

1-1. 体の60%以上は水分でできている

私たちの体は、体重の60%以上が水分で占められています。成人の場合では60%ですが、小児では70%以上が水分であり、水分は私たちの体を作る大事な成分なのです。

 

体内の水分は2/3が細胞の中にあります。私たちの体は60兆個もの細かい細胞からできており、その細胞一つ一つに多くの水分が含まれるのです。細胞はエネルギーを作り出したり、遺伝子を維持するために重要な働きを行いますが、その働きを正常に遂行するためには水分が必要なのです。

 

残りの1/3の水分は細胞と細胞の隙間を埋める細胞間液や血液として存在します。血液は体中に酸素や栄養を運ぶ非常に重要な働きをするため、血液量が減少すると死に至ることも少なくありません。

 

このように、水分は私たちの命を維持するために非常に重要な働きを持っているのです。

 

1-2. 体の水分には電解質が含まれている

体内の水分にはナトリウムやカリウム、カルシウムなど様々な電解質と呼ばれる物質が含まれています。電解質は、神経や筋肉の働きを調整したり、体の水分バランスを整えるために必須の物質です。水分は濃度の薄い方から濃い方へ移動して、濃度を一定に保とうとする「浸透圧」が働きます。私たちの体内でも常に浸透圧が生じており、細胞内の濃度が高くなると、細胞間質や血液から水分が細胞内へ流入し、逆に細胞内の濃度が低くなると水分が流出するのです。

 

脱水症状は体内の水分が失われる病態ですが、水分のみが失われるのか、電解質と共に失われるのかによって症状が異なります。それぞれの特徴は以下の通りです。

 

 

①水分欠乏型脱水

長時間暑い場所にいたり、激しいスポーツなどを行うと、私たちの体では交感神経が作用して、多量の汗をかきます。汗は体にこもった熱を冷ます効果があり、これによって体温調節がなされているのです。

 

汗はまず細胞外の水分によって作られ、それでも足りない場合に細胞内の水分が利用して生成されます。その中には電解質成分も含まれますが、主に水分が失われる状態となります。

夏に問題となる脱水症状は主に水分がメインに失われるタイプの脱水症状を引き起こします。このため、のどの渇きや発熱、尿量の減少などが見られ、重度なケースでは精神的な興奮状態となることも少なくありません。

 

②ナトリウム欠乏型脱水

胃腸炎による頻回の下痢・嘔吐などは体内の水分のみならず大量の電解質が失われます。細胞外のナトリウムが大量に失われると、浸透圧の作用によって水分が細胞内へ流入し、細胞外の水分が不足する状態となります。

 

このため、血液量が減少し、めまいやたちくらみ、吐き気、頭痛などの症状が現れます。重度なケースでは血圧が低下して、ショック状態となることも多々あります。

 

2.脱水症状には段階がある?

このように、脱水症状には主に2つのパターンがあり、発症原因がそれぞれ異なります。

しかし、脱水症状が進行するにつれ、症状が変化していくのは共通しています。脱水症状は体内水分が失われた量によって症状が変化するのが特徴なのです。

脱水症状は、全体のうち何%の水分が失われたかによって軽度・中等度・重度の三段階にわけることができますが、それぞれの症状は次の通りです。

 

2-1. 軽度脱水症状:体重1~6%未満の喪失

体重の1%程度の水分が失われると、強い喉の渇きを自覚します。通常では、この段階で水分補給を行えば、体内に水分が満たされ脱水症状が進行することはありません。

 

しかし、小児や高齢者は喉の渇きを自覚しにくいことも多く、健康な成人であっても湿度が高い場所にいるときなどは喉の渇きを感じにくいこともあります。その結果、体内の水分が更に失われると、吐き気や食欲不振などの腹部症状、めまい、動悸などが現れます。

 

体の変化としては、尿量が減少したり、尿の色が濃くなるのが脱水のサインとして現れます。

 

2-2. 中等度脱水症状:体重6~9%未満の喪失

体重の3%以上の水分が失われると、汗の分泌が抑制され、体温の上昇や皮膚の紅潮が目立ってきます。脱力感や強い全身倦怠感、眠気などの症状に襲われ、何も考えられないような状態となる一方苛立ちや不安感などの精神的な変調も来たし始めます。

 

体の変化としては、呼吸数や脈拍数が増加し、手足の震えなどが重要なサインとして現れます。

 

2-3. 高度脱水症状:体重9%以上の喪失

高度な脱水症状に陥ると、非常に危険な状態となります。特に体重の10%以上の水分を失うと死に至る可能性が出てきます。この状態の脱水症状では、血液量が著しく減少することで、循環不全を生じ、呼吸困難や血圧低下などの重篤な状態となります。また、筋肉のけいれんや意識障害、錯乱・興奮といった神経症状も目立ってきます。

 

皮膚は見た目にも渇いてしなびた状態となり、手の甲など乾燥しやすい部位では皮膚のひび割れが見られることもあります。

 

3.脱水症状にはどんな合併症があるの?

脱水症状は体内の水分が過剰に失われることで様々な症状を引き起こします。しかし、脱水症状ではそれ自体の症状だけではなく、体の中では水分が急激に失われることで様々な変化が生じ、思わぬ重篤な合併症を引き起こすこともあります。中には、生命の危機や重い後遺症を遺す合併症を発症することもあるので注意しましょう。

 

3-1. 心筋梗塞

脱水症状は進行すると、血液量が減少します。血液には様々な成分が含まれていますが、その中には血液を固める作用を持つ物質もあります。血液中の水分が失われても、これらの物質は失われないため、脱水症状に陥っている状態の血液はドロドロと粘稠性が高い液体となるのです。その結果、血液は固まりやすくなり、血管内で細かい「血栓」を作ることがあります。

 

これらの血栓が心臓を栄養する重要な血管につまると、心筋梗塞を起こすことがあります。心筋梗塞を起こすと、心臓に栄養と酸素が届かなくなるため、心臓の筋肉が壊死し、非常に強い痛みを感じます。また、早期に治療を行わなければ死に至る可能性が高い重篤な病気です。

 

3-2. 脳梗塞

脱水によって生じた血栓が、脳の血管につまると脳梗塞を起こすことがあります。脳梗塞は、一時的に脳の一部に血液が届かなくなるため、脳にダメージが加わります。一度ダメージを受けた脳が回復することは難しく、その部位が司る運動や感覚が麻痺する後遺症が遺ってしまうのです。

 

また、大きな血栓ができると、脳や首の太い血管をつまらせ、意識障害や呼吸障害などの重篤な症状を引き起こすこともあります。

 

3-3. 急性腎不全

腎臓は、血液をろ過して老廃物と体内の余分な水分から尿を生成します。脱水症状が進行すると、血液の減少によって腎臓への血流量が低下し、尿量が少なくなる急性腎不全を引き起こします。また、早期に適切な処置を行わないと、腎臓自体にも栄養や酸素が十分に行きわたらなくなり、腎臓の重要な構造がダメージを受け、腎機能が急激に悪化する急性腎障害を引き起こすことがあります。

 

4.まとめ

脱水症状は、体から水分が失われた状態です。失われた水分の量によって症状は異なり、場合によっては死に至ることもあり、決して軽く考えてはならない病態です。

 

また、脱水症状が進行すると、心筋梗塞などの重篤な合併症を起こすことも少なくありません。このような状態を避けるためにも、夏場は十分な水分補給を心がけ、胃腸炎によって頻回な下痢や嘔吐がある場合には病院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

 

 

執筆
医師:ママさん女医あっきー
この執筆者の記事をもっと見る