夏場の長引く発熱にはご注意を!デング熱の恐怖

デング熱とは、デングウイルスによって引き起こされる感染症の一つです。感染経路はネッタイシマカをはじめとする「蚊」に刺されることで、デングウイルスを持った蚊が生息する地域の人は誰でも感染する恐れがあります。

デング熱は元来、海外から持ち込まれる感染症と考えられてきました。しかし、2014年には東京都の公園を皮切りに国内での感染が多数報告され、大きな社会問題となりました。今や、日本にいてもデング熱にかかる可能性は0ではありません。

蚊が増えるこれからの季節。私たちはどのようにデング熱対策を行えばよいのでしょうか。ここでは、デング熱の特徴と注意すべき点、対策法を詳しく解説します。
※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.デング熱ってどんな病気?

デング熱は、蚊によって媒介されるデングウイルス感染症です。症状は、発症に気づかないほど軽度なものから重症化してデング出血熱に進行するものまで様々です。

では、デング熱にはどのような症状があり、重症化するとどうなるのか、治療法も含めて詳しく見てみましょう。

 

1-1. 潜伏期間

デングウイルスの潜伏期間は、3~7日とされています。しかし、半数以上は感染したとしても症状がほとんど現れない不顕性感染といわれており、感染に気付かずに日常生活を送る人も多くいるのが現状です。

 

1-2. 症状

デング熱の3大徴候は、発熱、発疹、筋肉痛・関節痛です。

 

3~7日の潜伏期間を経ると、突然の発熱と頭痛が生じ、多くは39~41度の高熱となります。高熱になると全身の筋肉痛や関節痛が出現し、感染者は非常に強い苦痛を感じるといわれています。また、食欲の低下や腹痛などの消化器症状が生じることも少なくありません。

 

発熱は1、2日で一旦下がり、半日から1日経つと再び上昇する「二峰性」のパターンが特徴です。

 

このような高熱が3~4日続いた後に、胸部や腹部などに細かく赤い皮疹が現れ、徐々に全身に広がっていきます。皮疹の出始めははしかと類似しており、しばしばはしかが疑われることがありますが、デング熱の皮疹は、皮疹同士が癒合せず、皮疹を押すと細かい皮下出血を生じるのが見分けるポイントとなります。

 

通常は、一週間ほどで全ての症状が後遺症もなく改善します。

 

 

1-3. 重症化すると…

デング熱は発症すると約5%の人が重症化するといわれています。血が止まりにくくなって、多臓器不全、ショック状態に陥ることも少なくありません。このような重症化したデング熱を「デング出血熱」と呼び、目の充血や、胃や腸などの消化器からの大量出血が生じます。

 

また、頻度は非常に低いですが、稀にデングウイルスによる脳炎を発症することもあり、意識障害やけいれんなどが引き起こされます。

 

1-4. 治療

デングウイルスに対する抗ウイルス薬は残念ながら開発されておらず、デング熱の治療は、脱水予防のための点滴や解熱鎮痛薬などの対症療法のみとなります。

特に、小児や高齢者では高熱が続くと容易に脱水症を生じるため、早めの病院受診と治療が必要です。

 

2.デング熱はどこでうつるの?

このように、デングウイルスへの感染は、半数以上が不顕性感染であるものの、死に至るような重篤な症状を引き起こすことが知られています。また、発症した場合でも諸症状に対する対症療法を行うことしかできません。このため、デング熱は適切な予防対策が望まれるのです。

では、デングウイルスはどのような場所で感染するのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

2-1. デング熱の感染経路

デングウイルスは、「蚊」によって媒介されますが、主にネッタイシマカやヒトスジシマカと呼ばれる種類のものがあり、日本国内ではヒトスジシマカで生息する地域での国内感染が報告されています。

これらの蚊は人や動物の血を吸って生きていますが、この過程で、蚊の中のウイルスが人の体内に送り込まれるのです。このため、通常は人から人への感染は生じません。

 

2-2. デング熱の流行地域

デング熱は、主に赤道付近の熱帯地方で流行します。しかし、近年、地球温暖化の影響で、流行地域が広がりつつあり、これまで国内感染が報告されていなかった国でも流行することがあります。

 

日本では、長く国内での感染は報告されていませんでしたが、2014年に戦後初めて国内感染が報告され、日本国内にもデングウイルスを保持した蚊が生息することが分かりました。国内感染は主に水環境のある公園で発生しており、これはヒトスジシマカが水辺に多く生息するためであると考えられています。

 

2-3. どのような症状が出たらデング熱を疑う?

2014年の国内感染報告以来、デング熱は日本国内でも感染する可能性があることがわかっています。このため、蚊に刺された後に発熱などの症状があると、デング熱にかかったのかと不安になる人も多いと思います。また、中には発熱があると、蚊に刺されたことに気づかず、デングウイルスに感染したのではないかと過度な心配をする人もいるでしょう。

 

しかし、蚊に刺された後に発熱があったからといって必ずしもデング熱を発症しているわけではなく、むしろデング熱は日本国内では未だ非常に珍しい感染症の一つですので、過度な不安や心配は必要ありません。

 

①デング熱を疑う目安

デング熱を疑う目安は、熱帯地方から帰国したり、蚊に刺されてから一週間以内に高熱や関節痛・筋肉痛などの症状が現れ、数日後に皮疹が全身に広がることです。また、国内での感染は、7月~10月頃の蚊がいる時期のみに報告されていますので、発症時期も参考になるでしょう。

 

②皮疹が出ないことも…?重症化の目安は?

デング熱の三大徴候の一つに皮疹がありますが、皮疹は発症者の80%で見られるといわれており、必ずしも皮疹が現れるわけではありません。このため、高熱や関節痛・筋肉痛のみが生じて、「重い風邪」と診断されているケースも多々あるのではないかと考えられています。

 

通常であれば、デング熱は一週間で後遺症を遺さずに治る上、人から人に感染させることはないので感染対策も必要なく、正確な診断が下されなくても特に問題はありません。しかし、発症者の5%は重症化し、死に至ることもあるため、高熱や筋肉痛・関節痛が数日続き、次のような症状が現れた場合は要注意です。

 

・腹痛がある

・嘔吐が頻回にある

・鼻血や吐血がある

・肝臓が腫れて触れる

 

このような場合には、早急に適切な治療を受ける必要があります。早めに医療機関を受診して検査・治療を受けましょう。

 

3.デング熱の予防

デング熱は人から人へ感染することはなく、蚊に刺されることによってしか感染することはありません。このため、デング熱の予防は「蚊に刺されないこと」につきます。

蚊に刺されないためにはどのような対策を行えばいいのでしょうか?詳しく見てみましょう。

 

3-1. 蚊を避ける対策

日本国内でデングウイルスを媒介する蚊はヒトスジシマカです。ヒトスジシマカは水辺の環境で繁殖しやすく、小さな水たまりの中で大量に繁殖することも少なくありません。

 

このため、自宅の庭などではなるべく雨水が溜まるような空の植木鉢などの容器は置かないようにしましょう。また、公園や川などで遊ぶ際にも、極端に蚊が多い時は避けた方が無難です。

 

さらに、蚊取り線香や虫よけスプレーなども蚊を撃退できますので可能な限り使用しましょう。

 

3-2. 蚊に刺されない対策

蚊は自然界に広く生息する生物のため、対策を行っても完全に避けることはできません。ですから、蚊に刺されないための対策も非常に重要となります。

 

蚊が多い時期の外出はなるべく、長袖長ズボンなどの服装で肌の露出を抑えましょう。しかし、夏場の暑い時期ですので熱中症には注意が必要です。

 

4.まとめ

デング熱は、重症化すると非常に重篤な症状を引き起こすこともあり、感染を防ぐには蚊に刺されないように適切な対策を講じる必要があります。

 

2014年には日本国内での感染が報告されており、今や熱帯地方からの帰国者や入国者のみが発症する感染症ではなく、国内にいても感染する機会があるのです。また、万が一感染したとしても、重症化が疑われる症状が出た場合は速やかに医療機関を受診し、早めに正しい治療を受けましょう。

 

執筆
医師:ママさん女医あっきー
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