友人、家族、同僚がうつ病に。接し方で気をつけるべきポイントを解説

家族が、大切な友人が、同僚がうつ病になったとき、どのように接すれば良いのか分からず、悩みを抱えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?何かしてあげたいと思っても「かえって相手を傷つけてしまうかもしれない」と、何もできないはがゆさに悔しくなってしまうこともあるのではないでしょうか?

今回は、うつ病の症状や経過について解説するとともに、具体的に、うつ病の方との接し方、家族、友人、同僚としてどういったことに気をつければよいかなども合わせて解説していきます。
※この情報は、2018年3月時点のものです。

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1.うつ病の症状の特徴

うつ病は、生きていくための活力となるエネルギーが枯渇した状態です。

活力エネルギーが枯渇したことによって、気分も意欲も低迷し、また、ホルモン分泌や自律神経のバランスも悪くなり、こころとからだの両方に様々な症状が現れてきます。

実際、どのような症状が現れるのか?うつ病の代表的な症状について具体的に説明していきます。

 

1-1. 心の症状

・抑うつ気分

 憂鬱な気分が毎日一日中続きます。

 朝方に症状が強く、夕方になると少し気分が軽快する日内変動が見られることも多いです。

 

・意欲の低下

 何に対しても興味ややる気が起こらなくなり、今まで楽しめた趣味でさえ、つまらないと感じるようになります。

 

・不安・焦燥

 常に不安で落ち着かず、じっとしていることが出来なくなります。

 特に、高齢者のうつ病で多くみられます。

 

・思考力の低下

 脳の情報伝達がスムーズに行かなくなるため、物事の判断がなかなか出来なくなったり、物忘れするようになります。

 

・自責感

 とにかく「自分が悪い、自分のせい」と自分を必要以上に責めてしまいます。

 

1-2. 体の症状

・睡眠障害

 夜、ぐっすり眠ることが出来なくなります。

 特に、朝早くに目が覚めてしまう早朝覚醒がうつ病では起こりやすいです。

 

・食欲低下

 食欲欲求が低下するために、何も欲しくなくなり、食べても美味しいと感じなくなります。

 

・倦怠感

 活力エネルギーが枯渇しているため、体が重だるく、疲れやすくなります。

 

・月経不順

 ホルモンの分泌バランスが崩れることで、月経が止まってしまったり、不順になったりします。

 

・自律神経失調症状

 交感神経と副交感神経のバランスが悪くなるために、微熱、頭痛や動悸、めまい、体の痛み、便秘や下痢など多彩な体の症状が起こります。

 

2.うつ病の治療の経過は?

うつ病の治療は、急性期・回復期・維持期の3段階に大きく分けられます。

そして、それぞれの段階で治療が異なってきます。

 

・急性期

活力エネルギーが枯渇し、様々なうつ症状が出現している時期です。

この時期は、抗うつ薬を主体とした投薬治療に加えて、枯渇したエネルギーを回復させるために十分な休養を取る必要があります。

治療としては、投薬治療だけでなく、休職を勧めたり、配置転換を職場に求めるなどストレスを軽減し、休養できる環境づくりも同時に行っていきます。

 

・回復期

活力エネルギーが少しずつ溜まりはじめてくる時期です。

日によっては、うつ症状が軽快する日も出てきます。

ただ、症状は日を追うごとに良くなるのではなく、良くなったり悪くなったりを繰り返します。

治療としては、投薬治療を継続しながら、生活リズムを整えたり、気分の良い日は散歩や趣味活動をするなど日中の活動量を徐々に増やしていく指導を行います。

また、うつ病を発症する人には、マイナス思考や完璧主義的思考など物事の捉え方に特徴があり、そうした物事の捉え方がうつ病の発症に関連している場合が多いため、認知行動療法を行い、考え方の修正を図っていくこともあります。

 

・維持期

うつ症状が消失し、元どおりの生活を送ることが出来るようになります。

この時期になると、「もう薬は必要ない」と言って、薬を止めてしまう方がおられますが、

うつ病は再発しやすい病気であり、薬を急に止めることによって再発の危険性が高まります。自己判断で薬を中止せず、主治医の先生と相談しながら徐々に薬を減らしていくようにしましょう。

 

ファイザー製薬うつ病サポートサイトより引用

 

 

3.うつ病の方との接し方・気をつけるべきポイント

3-1. 共通

・行動を無理強いしない

うつ病は、治る病気ではありますが、元の状態に治るまでにはかなりの時間がかかります。

ですので、時間が経てば経つほど周囲も焦りや不安を感じて、つい「仕事には、まだ復帰しないの?」とか「気分転換に散歩にでも出かけてくれば?」とか行動を促す言葉をかけてしまいがちです。

ですが、特にうつ病の急性期は、活力エネルギーが枯渇してしまい行動したくてもできない状態ですので、あくまで本人の意思に任せて、周囲が無理に○○することを促さないことが大切です。

 

・受け入れる姿勢を示す

うつ病になると「死にたい」とか「もうダメだ」とか悲観的な言葉が出やすくなります。

こうした悲観的な言葉を聞くと、「死ぬなんて言わないでよ」とか「ダメでなんかないよ」とつい否定してしまうのですが、うつ病の人が発する悲観的な言葉は、自分一人では処理できない苦痛を訴えている言葉です。ですので、否定してしまうと、「自分の事を分かってくれていない」「理解してもらえていない」と捉えられてしまう可能性があります。否定するのではなく、「自分でよければ話を聞くよ」という具合に、辛い心の内を聞いてあげる姿勢を示すようにしましょう。

 

・励まさない

うつ病の人を励ましてはいけないとよく言われますが、それは、うつ病の人は決して怠けているわけではなく、これ以上は無理という段階まで頑張っているからです。

ですので、「もう少しだよ」とか「応援しているよ」という「頑張れ」を暗示する言葉は、「限界を超えてしろ!」と言っている事と同じことになり、プレッシャーを与えてしまうことになります。こうしたプレッシャーは、病気の状態を悪化させてしまうので気をつけましょう。

 

 

3-2. 家族として

・あれこれ口出ししない

家に閉じこもって、暗い表情をしている姿を見ていると、「このままで本当に大丈夫?」と不安になってきますよね。

そして、ついつい「いつになったら仕事に戻れるの?」とか「いつまでも寝ていないで起きるようにしてみたら」とか「食事ぐらい取った方がいいんじゃないの?」と口出ししてしまうことがあるかと思います。

ですが、うつ病の人は、家に閉じこもりたくて閉じこもっているわけでもないし、寝ていたくて寝ているわけでもありません。活力エネルギーが枯渇していて何もできないのです。

ですので、「体調はどう?」などと声かけをして気遣いながらも、口出しせず見守る姿勢を取ることが大切です。

 

3-3. 友人として

・とにかく話を聞いてあげる

 うつ病の人の多くは、家族にも話せず、1人で悩み事を抱え込んでいます。

 「悩んでいることがあれば相談にのるよ」という具合に、誰にも話しできない胸の内を聞いてあげるようにしましょう。

 

その時は、話をしてくれなかったとしても「聞いてくれる人がいる」と伝えることで、うつ病の人は安心できます。

また、実際に、話を聞くときは、否定せずに、「うんうん」とか「そうだね」と、話に賛同するようにしましょう。

 

3-4.  同僚として

・特別扱いをしないようにする

「なんて声をかけたら分からない」「下手に声をかけて悪化したら」などと考えて、腫れものにさわるような接し方をしていませんか?

うつ病の人は、周囲の視線や言動に敏感で、非常に気にします。

 

声をかけにくそうにしている事や仕事を頼みにくくなっている事など、同僚の変化、職場の空気の変化は、全て伝わっています。

そして、そうした同僚や職場の雰囲気の変化に対して、うつ病の人は「自分は迷惑をかけている。邪魔な存在だ」と思ってしまいます。

うつ病だからと特別に気を使って接する必要はありません。

普段通り、今まで通りに接する。この方がうつ病の人にとっては気持ちが楽なのです。

 

・休職中に頻繁に連絡しない

休職中に職場の上司や同僚から毎日のように電話がかかってきて体調や復職時期など状況について根掘り葉掘り聞かれるというケースが稀にありますが、休職は、ストレスがかかりやすい職場から離れ休養することが目的です。

頻繁に職場から連絡があると、それに受け答えしないといけず、負担になってしまいます。

また、職場の人間関係などがうつ病発症の原因であった場合は、嫌な事を思い出してしまいます。

頻繁に連絡して様子を聞いたり、いつから復職できるのか聞いたりするのは控えましょう。

ただ、全く連絡がないというのも寂しいものです。

たまには、連絡して、直接言葉にしなくても、「待っているよ」というメッセージを伝えてあげましょう。

 

 

4.誰にも相談できず困ったときの相談窓口

変だな?と感じたら、精神科もしくは心療内科を受診して相談するのが一番ですが、

いざ、精神科や心療内科を受診するとなると、ちょっと抵抗感がある人も多いと思います。

そこで、病院以外で相談することのできる窓口を紹介しておきます。

一人で抱えこまずに、相談してみましょう。

 

・保健所

市町村や県によって多少の違いはありますが、保健所では心の相談窓口を設置し、うつ病の患者さんやその家族からの相談に対応しています。

 

・ (社)日本産業カウンセラー協会

「働く人の悩みホットライン」を開設し、患者さんやその家族、企業などからの相談に応じています。

 

・いのちの電話

所定の研修を修了し、認定を受けた電話相談員が相談に応じています。

 

・精神保健福祉センター

全国の都道府県に設置されており、医師が常駐し、心の相談や医療相談、社会復帰の相談などに対応しています。

 

*行政の対応は、お住まいの都道府県・市町村によって違いがあります。

 まずは、電話で聞いてみることをお勧めいたします。

 

5.おわりに

うつ病は、どのような病気で、周囲はどう接していくと良いのか?について簡単に説明してきました。うつ病は、ストレスの蓄積によって誰もが発症する可能性のある心の病気です。

そして、また、うつ病は、治らない病気ではなく、ゆっくり時間をかけて治療することで治る病気でもあります。

ちょっとでも変だな?と思うところがあれば、なるべく早めに、相談機関や病院を受診するようにしましょう。

周囲の人も、最近、様子がおかしいと思ったら、体調が悪いの?などと声をかけるようにしましょう。

うつ病に限らず、どんな病気でもですが、早めに治療を始めることで、回復までの時間も短くなります。

 

執筆
医師:豊田早苗
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