医師執筆

ステロイド外用剤が基本?湿疹・皮膚炎に用いられる治療薬を解説

産業 薬剤師

突然の湿疹や皮膚炎、かゆみがひどくて非常につらい。などお悩みを抱えている方も多くいるかと思います。症状が軽度であれば、市販で購入できる市販薬で対処できますが、ひどい場合には、皮膚科を早めに受診し、適切な治療を受けることが大切です。

湿疹・皮膚炎に用いられる代表的なお薬としては、ステロイド外用薬があります。かゆみを抑える薬としては、抗ヒスタミン剤などがあります。

今回は、湿疹・皮膚炎に用いられる外用薬、内服薬などについて詳しく説明していくとともに、治療の中心となるステロイド外用薬の強さや、症状がひどい場合に用いられる、ステロイド内服薬服用の注意点なども合わせて解説します。
※この情報は、2017年9月時点のものです。

1.湿疹・皮膚炎とは?

なんらかの原因によりブツブツができたり、プクっと腫れが起こったり、カサカサしてフケのようなものがはがれ落ちる状態が、皮膚に単独または複数起こっている症状で、かゆみを伴います。また、見た目はあまり変化がなくてもかゆみがあれば皮膚炎の可能性が高いでしょう。

1-1. 湿疹・皮膚炎の原因

主に「外的因子」と「内的因子」に分けることができ、詳細は下記のとおりです。しかし、体質的に皮膚炎を起こしやすい方が、外的の刺激によって引き起こされることもあったり、はっきりと原因を特定するのが難しい場合も多くあります。

①外的因子

紫外線、化粧品、摩擦、花粉、ダニなど皮膚表面と接触する刺激から発生する湿疹・皮膚炎のことです。銀製などのアクセサリーによる金属アレルギーによる皮膚炎もそうです。また主に工場などの生産職場では、刺激の強い薬品が原因で皮膚炎が起こることもあります。

②内的因子

体の内側にある要因から起こる皮膚炎です。もともとのアレルギー体質、皮脂の分泌異常、などが考えられます。

1-2. 症状がひどい場合には早めに病院へ

皮膚炎・湿疹は症状が重症化すると治りが悪くなり、長期化することがあります。
外見上の症状がひどい(じゅくじゅくするなど)、かゆみが強い場合はがまんをせずに早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

2.湿疹・皮膚炎に用いられる治療薬の種類

2-1. 湿疹・皮膚炎の外用薬

作用の強い「ステロイド」と作用のマイルドな「非ステロイド」の2種類があります。
これらを組み合わせて治療を行います。

①ステロイド

ステロイドには、「作用の強弱」があります。
ステロイドは炎症を強く抑え、その結果としてかゆみを和らげるお薬です。
その症状の強い時や治療初期では強めのステロイドで治療をスタートし、徐々にマイルドな薬にすることが多いです。赤ちゃんに使う場合、皮膚の柔らかい部位に使う場合など、状況によってはこのとおりではありません。

また、ステロイドは副作用が強くて危険ないイメージを持っている方が多いとは思いますが、医師の管理下で適切な種類を適切な時期に使用すれば全く問題ありませんし、むしろ効果的です。市販薬を自己判断だけでダラダラと長期間使うことは避けましょう。

 

参考:ステロイド外用薬の強さ

分類

一般名

主な商品名

Strongest
もっとも強い

プロピオン酸クロベタゾール

 

デルモベート

ソルベガ

酢酸ジブロラゾン

 

ジフラール

ダイアコート

Very Strong
とても強い

ジプロピオン酸ベタメタゾン

リンデロン-DP

ジフルプレドナード

マイザー

吉草酸ジフルコルトロン

 

ネリゾナ

テクスメテン

フルオシノニド

 

トプシム

シマロン

アムシノニド

ビスダーム

酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

パンデル

フランカルボン酸モメタゾン

フルメタ

酪酸プロピオン酸ベタメタゾン

アンテベート

Strong
強い

プロピオン酸デプドロン

エクラー

プロピオン酸デキサメタゾン

メサデルム

吉草酸デキサメタゾン

 

ザルックス

ボアラ

ハルシノニド

アドコルチン

吉草酸ベタメタゾン

 

ベトネベート

リンデロン-V・VG

プロピオン酸ベクロメタゾン

プロパデルム

フルオシノロンアセトニド

フルコート

Medium
中間

吉草酸・酢酸プレドニゾロン

リドミックス

トリアムシノロンアセトニド

ケナコロトA・AG

プロピオン酸アルクロメタゾン

アルメタ

酪酸クロベタゾン

キンダベート

酪酸ヒドロコルチゾン

ロコイド

Week
弱い

デキサメタゾン

オイラゾンD

酢酸ヒドロコルチゾン

コルテス

プレドニゾロン

プレドニゾロン

②非ステロイド

炎症を抑える成分」、「かゆみを抑える成分」、「保湿成分」の3つが主にあります。また、アトピーや水虫など特定の病気から起こる皮膚炎・湿疹には専用の薬も使われます。

【炎症を抑える成分】
ステロイド外用薬と同じように炎症などの症状を抑える作用があります。ただしステロイド外用薬と比べると、効果はマイルドです。具体的には下記の薬があります。

・イブプロフェンピコノール(商品名:スタデルム、ベシカムなど)
・スプロフェン(商品名:スルプロチン、スレンダム、トパルジックなど)
・ベンダザック(商品名;ジルダザックなど)
・ウフェナマート(商品名:コンベック、フエナゾールなど)

【かゆみを抑える成分】
かゆみを抑えて不快な症状を取る目的で使います。かゆみ止めは炎症自体を鎮めるわけではありませんから、塗るのを中止すればかゆみは再び現れます。具体的には下記の薬があります。

・マレイン酸クロルフェニラミン(商品名:レスタミンなど)
・クロタミトン(商品名:オイラックスなど)

【保湿成分】
主にカサカサ症状がある時に使われる薬です。炎症やかゆみを直接的に和らげるものではありませんが、皮膚の防御機能を高めて炎症を抑える作用があります。具体的には下記の薬があります。

・ワセリン(商品名:白色ワセリン、プロペトなど)
・ヘパリン類似物質(商品名:ヒルドイドなど)

2-2. 湿疹・皮膚炎の内服薬

主に治療は外用薬で行われますが、症状が強い場合は内服薬も組み合わせて治療が行われます。内服薬もステロイドと非ステロイドに分けられます。

① ステロイド

症状が特に重い時には、医師の管理下で「内服薬のステロイド」も使われることがあります。強力な効果が期待できる反面、副作用にも注意が必要なため、使用する場合、必要最小限の期間となります。具体的には下記の薬があります。

・プレドニゾロン(商品名:プレドニン、プレドニゾロンなど)
・メチルプレドニゾロン(商品名:メドロールなど)
・デキサメタゾン(商品名:デカドロンなど)
・ベタメタゾン(商品名:リンデロンなど)
・ベタメタゾン+マレイン酸クロルフェニラミン(商品名:セレスタミン)

参考:ステロイド内服薬服用の注意点

ステロイド内服薬は、体内の様々なところに影響を与える可能性がある薬です。強力な作用のため色々な病気や症状に使えるものの副作用には十分な注意が必要です。

感染症にかかりやすくなる、胃腸症状がでる、不眠になる、むくみがでるなど、ステロイドを服用してから現れる副作用が疑われたら、処方した医師に相談しましょう。
最も注意して欲しいことは、自己判断でステロイドの服用を中止したり、飲んだり飲まなかったりすることです。そうすると薬の効果が十分発揮されないどころか、副作用のリスクが高まりますので要注意。

②非ステロイド

炎症を抑えたり、かゆみを和らげる内服薬も皮膚炎・湿疹治療に使われます。

炎症やかゆみが起こるメカニズムは、鼻炎によるくしゃみ・鼻水・鼻づまりと同じであるため、花粉症と同じ薬が使われます。具体的には下記の薬があります。

・オキサトミド(商品名:セルテクトなど)
・ロタダジン(商品名:クラリチンなど)
・デスロラタジン(商品名:デザレックス)
・ビラスチン(商品名:ビラノア)
・オロパタジン塩酸塩(商品名:アレロックなど)
・フェキソフェナジン塩酸塩(商品名:アレグラなど)
・べポタスチンべシル酸塩(商品名:タリオンなど)
・セチリジン塩酸塩(商品名:ジルテックなど)
・レボセチリジン塩酸塩(商品名:ザイザル)
・エピナスチン塩酸塩(商品名:アレジオンなど)
・エバスチン(商品名:エバステルなど)
・メキタジン(商品名:ニポラジンなど)

3.湿疹・皮膚炎に効果が期待できる市販薬はある?

これまでは皮膚科(医療機関)で処方される処方薬を紹介しました。

内服のステロイド薬、非常に強いクラス(very strong)以外のステロイド薬を除き、多くの内服薬・外用薬は市販薬として購入することもできます。

皮膚炎は適切な治療を行わないと治療が長引くことがあるので、皮膚科を受診し、医師に相談する事が望ましいでしょう。もし受診が難しければ薬局・ドラッグストアで薬剤師に相談してみると良いでしょう。

4.おわりに

・皮膚炎・湿疹はかゆみがある皮膚の症状で、ブツブツ、カサカサなどの外見上の症状もよく見られる
・異物が皮膚に接触する外的要因と体質的な内的要因とが原因として考えられる
・治療は内服薬、外用薬とを組み合わせて使い、いずれもステロイド、非ステロイドとがある
・作用が強力なステロイドを除き、市販薬でも症状を改善させることも出来ます。ただし、使用にあたって不安がある場合などには、薬剤師や医師に相談することをお勧めします。

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