週1回で良いの?糖尿病薬マリゼブ、ザファテックの作用・効果を解説

糖尿病のお薬で、週1回の服用で効果が期待できるお薬があります。お薬を飲まれていて「週1回で本当に効果があるの?」「週1回で良いなんて逆に不安」と相談されることもあります。

週1回のお薬を服用することで効果が期待できる糖尿病薬として、2015年5月に販売されたザファテック錠、2015年11月に販売されたマリゼブ錠があります。今回はこれら2つのお薬の作用・効果について説明するとともに、服用上の注意点なども合わせて解説していきます。
※この情報は、2017年8月時点のものです。

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1.糖尿病、週1回のお薬とは?

糖尿病のお薬には、様々なタイプがあり、はたらきや副作用が様々で、血糖値を下げ、コントロールするために処方されます。血糖値をコントロールすることで、「将来おこりうる合併症の発症と進行を抑えること」が目的です。

糖尿病のお薬の中で、比較的新しいお薬として、週1回服用の「ザファテック錠」と「マリゼブ錠」があります。どちらのお薬も、「DPP-4阻害薬」とよばれるタイプのお薬です。

 

糖尿病

2.DPP-4阻害薬について

次に、ザファテック錠、マリゼブ錠が分類されるDPP-4阻害薬の作用について説明します。

2-1. 消化管から分泌されるインクレチンとは?

ご存知の方も多いと思いますが、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」は食事を摂ったタイミングで多く分泌されます。
そして、このインスリンの分泌には、消化管で分泌される「インクレチン(GLP-1、GIP)」とよばれるホルモンが大きく関与しています。インクレチンは食事をした時に消化管から分泌され、インスリン分泌を促進し、血糖を下げる作用を持ちます。

2-2. DPP-4阻害薬の作用

消化管で分泌されるインクレチンは、通常、体内ですぐに分解され、効果を失います。そこで、インクレチンを分解してしまう酵素である「DPP-4」を阻害するお薬が、DPP-4阻害薬です。
DPP-4を阻害することで、インクレチンの効果を持続させ、結果的に、血糖値を下げる作用があります。

2-3. 血糖依存的に作用することが特徴

DPP-4阻害薬の特徴として、血糖依存的に効果を示すことが挙げられます。
というのは、食事をしたとき(高血糖時)に、血糖値を下げるはたらきを持ち、空腹時など、血糖値が低いときにはインスリンの分泌を促進せずに、血糖を下げません。何が良いかというと、他の糖尿病の治療薬で問題となる「低血糖症状」を起こしにくいことがあります。

2-4. DPP-4阻害薬の種類

DPP-4阻害薬は、ザファテック錠、マリゼブ錠以外にも多く販売されています。
但し、全てが週1回の服用というわけではなく、1日1回服用するお薬が一般的です。

・ジャヌビア/グラクティブ(シタグリプチン)
・ネシーナ(アログリプチン)
・エクア(ビルダグリプチン)1日2回
・トラゼンタ(リナグリプチン)
・テネリア(テネリグリプチン)
・スイニー(アナグリプチン)1日2回
・オングリザ(サキサグリプチン)
※( )内は成分名

 

3.ザファテック錠、マリゼブ錠の特徴

前述のように、ザファテック錠、マリゼブ錠ともに週1回のDPP-4阻害薬に分類されますが、実は、両者では少し違いもあります。
次に説明していきます。

3-1. ザファテック錠の成分と作用

ザファテック錠の成分は、「トレラグリプチン」です。トレラグリプチンは、世界で初めて、週1回のDPP-4阻害薬として販売されました。
トレラグリプチンの血中での半減期(薬の全体量が半分になるまでの時間)は平均18.5時間ですが、血中からお薬がなくなってからも、DPP-4阻害の作用が1週間持続することが特徴です。
そのため、週1回の服用で、効果を期待することができます。

3-2. マリゼブ錠の成分と作用

マリゼブ錠の成分は、「オマリグリプチン」です。オマリグリプチンの血中での半減期(薬の全体量が半分になるまでの時間)は、平均38.9時間ととても長いのが特徴です。肝臓で代謝をほとんど受けず、腎臓で排泄されるときにほとんどが再吸収されるといったメカニズムから、効果が1週間持続します。
そのため、週1回の服用で、血糖値が高いときに、血糖値を適宜下げるという効果を期待することができます。

3-3. 週1回服用のメリット

ザファテック錠、マリゼブ錠のお薬ともに週1回で効果を期待できるお薬です。1週間に1度飲むだけで済みますので、お薬の管理がしやすくなります。お薬の飲み忘れが多い、自覚症状がなくお薬飲むのが面倒、ご家族、ヘルパーの方がお薬を管理しているなど、糖尿病治療においてお薬を定期的に飲みづらい方などに対して週1回のお薬は適しています。

カレンダーなどを利用し、週1回、何曜日に飲むか決めて定期的に飲むことによって、効果が期待できます。ただし、毎日定期的にお薬を飲む習慣がある方にとっては、逆に週1回のお薬を飲み忘れてしまう場合などがあるため、注意が必要です。

4.服用上の注意点

先ほど、DPP-4阻害薬は、血糖依存的に効果を示すため、低血糖症状が少ないと伝えました。

単独で飲む場合心配は少ないのですが、他の糖尿病薬と併用した場合は、低血糖のリスクが高まる可能性があります。
低血糖の初期症状としては、「強い空腹感、冷や汗、動悸、手指の震え」などがあります。ブドウ糖等を携帯し、低血糖症状を感じた場合には、すぐに対処できるようにしておくことが大切です。

その他、お薬を服用する上で、副作用症状が出る可能性があります。いつもと違う、気になる症状が現れた場合には、すぐに医師、薬剤師に相談するようにしましょう。

5.おわりに

ザファテック錠とマリゼブ錠の作用と効果について参考になりましたでしょうか?
今回は、2つのお薬の作用・効果についてと、服用上の注意点なども合わせて解説しました。

ザファテック錠とマリゼブ錠は、週1回の服用でしっかりとした効果を期待することができます。又、週1回の服用は、お薬の管理がしやすいというメリットがあります。一方、週1回だからこそ飲み忘れてしまう可能性もあるため、服用する曜日をしっかりと決め、飲み忘れないようにすることが大切です。
他の糖尿病薬と合わせて服用する際には、低血糖症状に注意しましょう。

糖尿病の治療薬の開発は進んでおり、新薬が次々に出ております。医師や薬剤師と相談しながら、生活習慣の改善を第一として、ご自分の症状・生活スタイルに合った糖尿病のお薬を服用するようにしましょう。

 

 

糖尿病
執筆
薬剤師:竹中 孝行
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