【ステロイド塗り薬】ダイアコートは効くけどずっと使っていてはダメなの?その理由を解説

皮膚に湿疹ができてとにかく痒い、掻きむしってしまう・・
前に病院でもらった塗り薬があったからとりあえず塗っておこう という方はいませんか?
またそんな時に前に病院でもらった身体に使った良く効いた軟膏が余っているから顔の湿疹にも塗ってみようと他の場所にも使いたくなる場合があるかもしれません。
ちょっと待ってください。

ステロイドの塗り薬は、作用の強さによって塗って良い場所・悪い場所など注意をしなければいけないことがあります。また、「ステロイド」というとて副作用が怖いから使いたくないわ・・と心配な方もいるかと思います。

今回は、ステロイド塗り薬のひとつであるダイアコート軟膏について説明するとともに、ステロイドの気になる副作用や正しい使用方法、何故ステロイドは効くのにずっと使用してはいけないのかについて解説していきます。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.ダイアコートについて

1-1. ダイアコートの成分

塗り薬として用いられるダイアコートの有効成分は、ジフロラゾン酢酸エステルとよばれるステロイド成分になります。

 

1-2. ステロイドとは

ステロイドというと、合成的に作られたお薬の成分のみと思っている方もいるのではないでしょうか?

実は、ステロイドは、たくさんの種類があり主に体の中でつくられ身体の細胞膜の重要な構成成分となっていたり、胆汁酸や生命維持に欠かせないホルモン類として幅広く利用されたりしているのです。

 

そのうち、ホルモン類と呼ばれるものは、私達の身体の中で毎日つくられ、分泌されています。代表的なものでは、精巣や卵巣から分泌される男性・女性ホルモンがあります。これは皆さん知っていますよね?実は性ホルモンもステロイドの一種なのです。

 

そして副腎という腎臓の上にある小さい臓器から分泌される副腎皮質ホルモンがあります。これは有名ですね。

この副腎皮質ホルモンは糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドに分けることができます。

糖質コルチコイドは、主に免疫・ストレス抑制効果と強力な抗炎症効果があります。

鉱質コルチコイドは、腎臓でのカリウムの排出促進・ナトリウムの再吸収促進を行いバランスの調節をしています。

 

皆さんが医薬品として使用しているステロイド剤は、この糖質コルチコイドの作用を利用して人工的に合成したものになりますので、今回のダイアコートの成分もココに属しています。

 

1-3. ステロイドの強さとは

ステロイドは全て同じ効力ではなく、抗炎症作用の強さにより5段階に分けられます。

一般的に抗炎症作用が強いものほど、局所や全身に副作用が出現する可能性が高くあります。そのため、効くからといって強めのランクのものを使用するのではなく、皮膚の症状や部位、年齢などによって使い分けをするのが重要です。

 

その5段階分類ですが、少し一般の方にはわかりにくい表記の様な気がします。

 

Strongest > very strong  >   strong  >   medium  > weak

最強Ⅰ  > かなり強力Ⅱ >  強力  >  中等度Ⅳ  >  弱い

 

英語と日本語の強弱については皆さんが理解できるのですが、実際に処方されている薬のランクになると驚く方がいます。その例を説明します。

 

アトピー性皮膚炎治療ガイドラインによると、中等度の皮疹のある方には、ないしクラスの外用剤を第一選択とするとなっています。

 

重症の方は、必要かつ充分な効果を有するないしクラスのステロイドを第一選択とします。

痒疹結節ででも十分な効果が得られない場合は、その部位に限定してクラスを選択して使用するとなっています。

 

例えば

実際の現場では、掻きむしりのひどい人にランクのものはよく処方されています。

薬局で患者さんからステロイドの強さを聞かれると上から2番目のクラスの強さと説明しますが、自分でネットでランクを調べてくる人では、かなり強力なステロイドだから怖いや強力なのがでた!!と困惑する方がいます。

 

大人の身体への湿疹ですとほとんどがの強力クラスを使用するのですが、強力ときくと、一般の方はそんなにひどいのかとびっくりしてしまいます。

 

軽傷の方でも中等度クラス以下のステロイドを選択となっているので、ランクの呼び方では中等度となります。(実際はⅤのランクのものは身体には使用しません。軽微ならステロイド以外で治療する様になっています)

 

1-4. ダイアコートのステロイドの中での強さの位置づけ

ダイアコート軟膏は、なんとStrongest最強ランクの塗り薬なのです。

湿疹が重症でも効果が得られなかった時のみ使用するレベルのものです。処方の最後の砦です。

 

こんなレベルの薬を良く効いたからと言って、医師の指示以外の顔に使用するなど絶対にいけません。そもそもレベルは通常、顔や首には使用しません。そして例えば、アトピー性湿疹では強いのを怖がってレベルを勝手に使用していても弱すぎて効果が得られません。

ステロイド外用剤の使用では適切なランクのものを使用する事が大切です。

 

1-5. ステロイド外用剤の剤形やその特徴について

ステロイド外用剤は軟膏、クリーム、ローション、テープと様々な剤形があります。

湿疹などの症状を改善するためには、病変の性状や部位などを考慮してあった剤型を選ぶことがポイントになりますので

簡単にその特徴などをご説明していきます。

 

軟膏→ワセリンなどの油性基材に主成分を配合している

特徴:保湿性に優れ、皮膚の保護作用、痂皮・鱗屑軟化作用がある。

    刺激性が少ないがべたつき感があり、水で洗い落としにくい。

 

クリーム→主成分、油脂、水溶液を界面活性剤で乳化したもの。

特徴:水中油型と油中水型とあるが、水中油型の乳化剤が多い。

   浸透性が高いので軟膏より吸収されやすい。

         べたつきがなく伸びがよい。水で洗い落としやすい。

   界面活性剤による接触性皮膚炎や刺激感が起こることがある。

   びらんや潰瘍など浸潤面や滲出液の部位には不適。

 

ローション→主成分と水溶液を界面活性剤で乳化した液状のもの。水中油型の乳化剤が多い。

特徴:浸透性が高いくべたつきがなく伸びがよい。水で洗い落としやすい。

   界面活性剤による接触性皮膚炎や刺激感が起こることがある。

   液体なので頭皮などの有毛部に使用されるが、こちらも浸潤面や滲出液の部位には不適。

 

テープ→プラスチックフィルムに薬剤と粘着剤を混ぜて伸ばしたもの

特徴:簡易ODT(密封法)として使用できるので主成分の吸収率が高い。

          組織刺激性が高く、接触性皮膚炎、角質の損傷などを起こしやすい。

          密封により感染症を起こすことがある。

          こちらも浸潤面や滲出液の部位には不適。

 

こうして比較しますと、クリームとローションは似ていますね。

べたつきが苦手でクリームやローションを使用している方もいると思いますが、

なにか刺激がある人は、界面活性剤などの添加物が合わない可能性がありますので軟膏をご使用ください。

 

ダイアコートでは、軟膏とクリームのタイプがあります。

 

1-6. 塗布する場所に注意。ステロイド外用剤の吸収率について

ステロイドの強弱ランクについては理解できたと思います。それなら、同じ湿疹症状なら全身どこでも同じ薬を塗って大丈夫かというと違います。

一見、同じように見える皮膚ですが、薬を吸収する吸収率が違います。

 

顔や陰部は吸収率が高いので、同じレベルの湿疹がでていたとしても、顔には弱いランクのステロイドを使用します。

また顔でも場所によって違ってきます。女性ですと目元の皮膚は薄いので目元用の美容クリームが発売されたりしているので吸収の違いはご存知かもしれませんね。

 

顔でも額は頬の3分の1しか吸収しないので治りにくいことがあり、その場合は額のみ強いランクにしたりします。そしてお腹や背中などの身体は顔の約10分の1、そして手足は約10~50分の1しか吸収しません。ですので、手足の湿疹は治りにくく顔より強い薬がでます。

 

ですので、ダイアコート軟膏が身体に処方されていたのだとすると、顔に使用した場合は身体の50倍効果がでてしまいます!!!最強クラスのダイアコートを勝手に顔に使用していると、副作用が心配になってきますね。

 

ステロイド外用剤の使用では適切なランクを適切な場所に使用する事も大切です。

 

2.ダイアコートを使用する上での注意点

2-1. 何故効くのにずっと使用してはいけないの?

ステロイドの外用剤は内服のような全身の副作用がでないように開発されたものですが、医師の指示を守らずに長期使用していると全身性の副作用がでる可能性があります。その副作用は長い期間に強いステロイドを多量使用するほど出現しやすいのです。

 

Very strongクラスの長期使用試験検査から

通常の成人患者では充分量である1日5gないし10g程度の初期量から開始し少しずつ減らしていけば3か月使用しても、一過性で可逆性の副腎機能抑制は生じますが、不可逆性の全身的副作用は生じません。3か月以上の5~10g程度の多い量を連日使用してくると、全身影響に対する検査を定期的に行う必要がでてくるとされています。

 

ダイアコート軟膏はverystrong より強いstrongestです。こんな強いものを連日使っていては、全身副作用の心配がでてきますので、勝手にずっと使用していてはいけません。

 

2-2. 副作用と誤解について

ステロイドというと、いまだに副作用を心配するかたが多いです。

かつて週刊誌などで、バッシングを受けたからでしょうか・・

皮膚が黒くなった 硬く厚くなった 副腎が働かなくなる

など薬局で質問してくる方がいます。特に小さい子供をもつ母親は副作用を心配しあまりステロイドを使いたがらない人がいます。

 

まず副作用ですが、内服や注射の副作用が外用でも起こると勘違いしている方が多いです。

副腎がはたらかない 子供の身長がのびない ムーンフェイス 骨粗鬆症 糖尿病 白内障などがあげられます。

これらの全身性の副作用は、外用剤では医師の指示のもと通常量を使用していれば、起きないと言われています。

 

しかし、外用ならではの局所的な副作用は残念ながらあります。長期連用により起こることがあります

それは主に、長く使い続けると皮膚が薄くなり、弾力性を失い、皮膚が委縮します。

また、毛細血管を収縮させる効果がステロイドにはあるので使い始めは皮膚が白くなりますが、長期使用すると毛細血管が拡張して透けてみえたり、周囲とくらべて赤くみえることがあります

他には、多毛、ステロイドざ瘡、皮膚の真菌感染があります。

 

こうみると心配になるかもしれませんが、この副作用は一過性のもので中止あるいは適切な処置をすれば回復すると言われていますのでご心配なく。

 

また、皮膚が厚く黒くなるのも誤解です。

ステロイドは逆に皮膚を薄くし白くするのですが、この黒いのはステロイドではなく湿疹が放置されよくなったり、悪くなったりをぶり返しているとその傷痕が鎮静後に色素沈着しているだけです。たくさん掻き壊してしまった部分は薬に関係なく何度も皮膚の修復により固くなりなかなかきれいな皮膚には戻らないのです。

 

そして赤ちゃんや子供に塗って大丈夫?あまり使いたくない・・と心配される母親もいますが、

将来にわたるような悪影響がでることはありません。ステロイドはそもそも自分の身体から作られているホルモンだからです。自分で分泌しているステロイドホルモンの不足を外用で補っていると考えて頂き、医師の指示の元にしっかり塗布して頂きたいです。

 

2-3. 正しい使用方法について

患者さんのお話を聞くと使用している塗布量が少ない方が多いです。

患部に米粒ぐらいの少しの量を薄くのばしている方がいます。

 

少ない量だとしっかりした効果が得られません。とくに子供に使用する場合、少なすぎる量を塗っている母親がいます。この為、保湿とたっぷり塗って貰うために、白色ワセリンなどとステロイドを混合させて量を増やして処方している医師もいます。

 

5gチューブですと大人の手の人差し指先から第一関節までの量(1FTU)で大人の手のひら2枚分の面積をぬることができます。

大人の四肢への塗布だと5gチューブだとすぐになくなっちゃいますね。

 

そして正しい塗り方ですが、間欠塗布(プロアクティブ療法)が主流になっています。

これは、毎日塗布し症状が落ち着いたらステロイドをやめて保湿に切り替えて(リアクティブ療法)しまうのではなく、落ち着いてからも間隔をあけてステロイドを塗布します。

例えば、毎日→3日使用し1日は保湿のみ →2日使用し2日保湿→ 1日使用し3日保湿などのように徐々にステロイドの使用を減らしていく方法です。

 

虫刺されのような急にできた湿疹なら症状がおさまったら薬をやめてしまってもぶり返しはないですが、アトピー性皮膚炎の様な慢性的な症状なものは直ぐにやめてしまうとまた症状がでてきてしまいます。これはステロイドが悪いのではなく、正しい治療方法が行われていないからです。

 

一見、湿疹がなくなったように見えても皮膚の内部ではまだ炎症が残っています。ステロイドの治療はきれいになってからが勝負ともいいます。患部を触って、硬い部分(苔癬化)はまだ炎症が残っているので赤い湿疹が消えた段階でステロイドをやめてしまうと直ぐに再発が起きやすいので、触って柔らかくなるまで外用剤を続けることが再発を少なくしステロイド使用量を最小限にとどめる手段です。

 

3.ダイアコートと同じ市販薬はある?こんな時は早めに病院へ

ダイアコートと同じ成分は残念ながら市販では販売していません。

医師でも副作用を注意して使用するstrongestレベルは他の成分でもありません。

市販ではstrongのレベルまでは販売されています。

 

一時的な湿疹や痒みで困っているなら市販薬を購入して様子をみるのもいいと思います。

しかし、もし顔に使用するなら、weakやmediumの物を選んでくださいね。

 

医療用と同じようなものがよければ、

■ロコイド軟膏→ロコイダン軟膏

(ロコイドはハロゲンが入っていないので効果が強力ではなく、全身および局所副作用も弱いので顔には好ましい)

 

■リドメックス軟膏→リビメックスコーワ軟膏

(吸収されると体内で活性の弱いステロイドに代謝されるアンテドラックなので、全身副作用が弱いので身体にオススメ)

 

などがありますので、1週間を目安に使用してみてください。

使用しても悪化や改善がみられないなら、病院受診をオススメします。

 

4.おわりに

いかがでしたか?

ステロイドの外用剤について正しい知識が身についたでしょうか?

 

いまだにステロイドへの誤解やデマが広がり、薬局で働いていても患者さんからその事について質問されたりする事が多いのが悲しいですが現実です。

今はネットで色々と情報を得ることができますが、間違った情報も沢山あります。

 

専門の医師の指示の元にステロイド外用剤を使用すれば、怖い全身副作用は起こることはありません。また局所副作用も極力おこらないように医師も処方してくれていますので、自己判断で中止や減量をせずに、しっかり指示のもと適切なランクのものを適切な場所に適切な期間塗り続けることがステロイド外用治療において最善策であることを覚えていてくださいね。

執筆
薬剤師:米屋 裕美
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