塗り続けても大丈夫?ニキビ治療薬『ディフェリンゲル』の副作用について解説

ニキビ治療薬として使用される機会が多いディフェリンゲル。使用したほとんどの方に、乾燥やヒリヒリするといった副作用症状が現れてしまいます。

副作用症状により使用をやめてしまう方が多いディフェリンゲルですが、しっかりと対策すれば副作用を最小限に抑えられ、治療成功率が高まります。

今回は、高い治療効果を有するディフェリンゲルの有効成分や作用について解説するとともに、副作用の対策、シミやニキビ跡にも効果があるのかどうか、などについても説明していきます。
※この情報は、2018年5月時点のものです。

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1.ニキビができるメカニズム

ニキビは症状の出る年齢で、「思春期ニキビ」や「大人ニキビ」などと呼ばれますが、どれも最初の段階は毛穴の詰まりによって起こります。

毛穴は皮脂を分泌します。皮脂は、肌に潤いを与える、肌荒れの防止、肌を弱酸性に保ち菌の繁殖を抑制するなどの役割を果たしています。しかし、肌のターンオーバーの乱れにより毛穴の皮脂の出口が詰まると、本来分泌される筈の皮脂が毛穴の中にどんどん溜まってしまいます。

 

【肌のターンオーバーが乱れる主な原因】

 ・ホルモンバランスの乱れ

 ・生活習慣(食生活、睡眠不足、喫煙など)

 ・ストレス

 ・紫外線

 

ニキビの原因菌として有名なアクネ菌は誰の肌にも存在しています。

 

通常は肌の健康に大切な役割を果たしていると考えられていますが、皮脂が詰まった毛穴に入り込み異常に増殖してしまうとニキビを引き起こしてしまいます。空気に触れず、皮脂が多い環境を好むアクネ菌にとって、皮脂が詰まった毛穴は増殖するのには絶好の場所なのです。

 

アクネ菌が毛穴の中で異常に増殖すると集まってくるのが、免疫細胞です。免疫細胞がアクネ菌をやっつける際に炎症が起こり、毛穴に膿が溜まった結果がニキビになります。

 

これが、ニキビができるメカニズムです。そのため、ニキビ治療は毛穴の詰まりの改善とアクネ菌に対する除菌療法、が大切になってきます。

 

 

2.ディフェリンゲルについて

2-1. ディフェリンゲルの成分と作用

ディフェリンゲルは有効成分「アダパレン」を有効成分とするゲル状の塗り薬です。肌の表面の細胞に作用し、毛穴の詰まりを取り除くことで、ニキビ発生の第一段階を治療します。抗菌作用はありません。

 

目には見えない小さな毛穴の詰まり(微小面皰)や、白ニキビや赤ニキビという初期から炎症を起こしたニキビに作用し、ニキビの進行を抑制する効果があります。

 

ディフェリンゲルはニキビ治療を変えた!

 

ディフェリンゲルが発売される前は、ニキビ治療薬は毛穴の中で増殖したアクネ菌に対する除菌薬のみで、毛穴の詰まりを取り除く薬はそれまでなかったため、ディフェリンゲルはニキビ治療薬における革命児でした。

 

実は海外では長年使用されていたディフェリンゲルでしたが、日本人の薄い肌では副作用の懸念から適さないと考えられていたため、日本では長年医薬品として承認されることはありませんでした。しかし、皮膚科医や患者さんからの要望により、2008年に日本においても医薬品としての認可がおりました。それまで中々良くならなかったニキビに対しても非常に良く効き、日本のニキビ治療を大きく前進させる結果となりました。

 

今では、その高い治療効果が支持され、ニキビ治療では欠かせない塗り薬となっています。

 

 

2-2. ディフェリンゲルの使用方法と使用上の注意

使用方法は、1日1回の塗布で、洗顔後に水分をしっかりと拭き取ってから、ディフェリンゲルをニキビが出来ている部分とその周囲に塗ります。

既に発生したニキビにだけでなく、ニキビができやすい部分の全体に塗ることで、目に見えない毛穴の詰まりを取り除き、ニキビ予防にも繋がります。

使用する量の目安は、人差し指の先から第一関節まで出した量で顔全体に使用できます。

 

 

≪使用上の注意事項≫

・使用した部位に強い紫外線が当たると、乾燥やヒリヒリとする刺激感などの症状がみられることがあるため、必ず夜に使用します。紫外線による影響を少なくするため、日焼け止めや日傘を使用するとより良いでしょう。

 

・効果が目に見えるまでに時間がかかるのが特徴です。なかなか良くならないからといって治療を中止せず、少なくとも3ヶ月をめどに効果を確認して下さい。

 

・粘膜には使用できないため、目の周囲、唇、小鼻など粘膜に近い部分は避けて使用しましょう。

 

・国内で行われた臨床試験では,顔に発生したニキビに対しての効果と安全性を確認したものです。しかし、顔以外の部位に発生したニキビに対しては、効果および安全性を確認する臨床試験を行っていないため、自己判断での顔以外への部位への使用は控えましょう(今後、顔以外の部位のニキビに対しても効果と・安全性を確認する臨床試験が行われる可能性はあります)。

 

 

シミやニキビ痕に効果はある?

 

一部のネットの情報では、「ディフェリンが、シミやニキビ痕にも効果がある」との記載が見られます。

 

これは、美容医療で色素沈着の治療(ピーリング療法)で用いられる「トレチノイン」とディフェリンゲルの有効成分「アダパレン」の構造が類似していることから広まった話だと思いますが、残念ながらディフェリンゲルにはそのような効果は期待できません。

 

確かに、アダパレンにはピーリング(角質剥離)作用がありますが、トレチノインとは違って皮膚の表面付近の細胞にのみ作用し、その奥にあるシミやニキビ痕などの色素沈着を起こしている細胞までは届かないためです。

 

 

2-3. 使用できない人

有効成分の「アダパレン」は胎児の発育に影響を与える可能性があるため、妊婦さんや妊娠の可能性のある方には使用できません。授乳児がいらっしゃる方も、ディフェリンゲルを使用する場合には授乳を避けること、とされています。

 

また、12歳未満の小児に対しては安全性が確認できていないため、一般的には使用しません。

 

 

2-4. ディフェリンゲルの副作用

ディフェリンゲルは副作用の頻度が高く、臨床試験では使用した方の80%以上の方で次のような症状が現れました。

 

 ・乾燥

 ・ヒリヒリした感じなどの皮膚不快感

 ・皮膚が細かくはがれる

 ・赤くなる

 ・痒み

 ・一時的にニキビが増える

 

多くの場合は症状が軽く、使用を継続することができないぐらいに強くみられることはほとんどありません。

また、これらの症状は使用を継続していると改善してくることが多く、1か月程度継続すれば副作用症状はほとんど気にならないでしょう。

 

副作用の強さによっては中止しなければなりませんが、症状が軽度でしたら使用を中止せずに継続することで、その後の高い治療効果が期待できます。

 

但し、中止については自己判断ではなく、主治医に相談するようにしましょう。

 

 

 

2-5. 副作用を起こさないために

副作用が出やすいディフェリンゲルですが、しっかりと対策を行うことで副作用を最小限に抑えることができます。

それは、「優しく洗顔を行うこと」と「しっかりと保湿を行うこと」です。

 

洗顔料は洗浄力の強すぎないものを選び、優しく丁寧に洗いましょう。

泡立てネットなどで、きめ細かく泡立てるのがお勧めです。スクラブ入りの洗顔料は、肌への負担が大きいため、使わない方がいいでしょう。

メイク落とし時も、クレンジングオイルもタップリと使用し、肌をなるべく擦らないように優しく行いましょう。

 

保湿に関しては、ディフェリンゲルの使用前だけでなく、こまめに行うことで副作用を軽減することができます。

ヒルドイドやプロペト、白色ワセリンなどの保湿剤が一緒に処方されることもありますが、市販の化粧水や乳液でも効果が期待できます。市販のものを使用する場合は、低刺激性でノンコメドジェニック(ニキビができにくい成分で構成されていること)の表示があるものを選択するのがお勧めです。

 

 

3.おわりに

今回は、ニキビ治療のスタンダードとなったディフェリンゲルについて解説しました。使用したほとんどの方に副作用が出てしまいますが、その副作用を乗り越えると高い治療効果を得ることを理解して頂けたでしょうか?

現在ディフェリンゲルの副作用に悩んでいる方は、ぜひ記事の対策を行ってみて下さい!

 

 

 

 

執筆
薬剤師:篠ケ瀬 蒼惟
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