辛いドライアイには市販の目薬が効かない場合も。正しい対処法を解説

最近はパソコンやスマートフォンの普及により、昔に比べて目に違和感を感じてドライアイを訴える人が増えています。


これは若い世代だけの問題ではなく、現代は高齢化もありドライアイを訴える患者はうなぎのぼりです。若い世代はとくに目の疲れや渇き、そして違和感だけではなかなか病院に受診せず、自分で市販の目薬で対応しようと思う方が多いと思います。


そんな時に、自分の症状にあったものを選ばないと効果がなかったり、逆に悪化したりする可能性がある事をご存知でしょうか?
そうならない為に、今回は目に違和感を感じる病気のひとつであるドライアイについて解説するとともに、処方される薬や市販の目薬についても説明していきます。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

※この記事を読んでいただいている皆様へ

処方せんネット予約サービスの普及の為に皆様から利用したいと思う薬局をお答えいただいております。
60秒ほどのアンケートにお答えいただき、ご協力いただいた方には 全員に500円分のAmazonギフト券を必ずプレゼントさせていただいております。
(2017/12/25現在、224,000人にの方にご回答をいただいております。)
ぜひアンケートにご協力ください。

今すぐアンケートに答える>

株式会社フリービットEPARKヘルスケア一同

1.ドライアイとはなに?最新のドライアイの診断基準

ドライアイと聞くと、一時的に単に涙が減少した状態で、ゴロゴロや痛みなどの目の刺激やかすみやまぶしいなどの見えにくい状態と考えている方が多いと思います。

 

しかし、最近の研究で、大半の方が涙の量が減っていないのに目の違和感を訴えている方が多い事がわかってきました。この為、ドライアイは涙の減少だけではなく眼の涙液や粘膜の異常が一時的な渇きで終わらず、悪循環を繰り返し慢性化してしまった状態と考えられガイドラインが変更されました。

 

2016年に発表されたガイドラインでは・・・

 

ドライアイとは、

「さまざまな要因により液層の安定化が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある」と定義されました。

 

同時にドライアイ診断基準が作成され

*眼不快感・機能異常などの自覚症状

*涙液層破壊時間(BUT)が5秒以下

上記の両者を有するものをドライアイとする

となりました。

 

以前まであった角結膜上皮障害の有無がなくなり、今まではドライアイの疑いとされた患者がドライアイと確定診断されるようになった事で患者が3割増加することが明らかになりました。

そして、治療方針も涙液の量ではなく質や安定性に重点がおかれました。

 

2.病院で処方されるドライアイの薬について

そもそも眼表面の構造や涙について理解していないと薬についてわかりにくいので簡単に説明していきます。

 

眼の表面は、涙の油層・液層と角結膜から構成されています。

 

最も外側は「油層」といいます。まぶたのマイボーム腺から分泌されています。この油層が目の表面の外側にあることで、下にある層の水分蒸発が抑えられます。

 

また下瞼の縁にたまっている涙を上の方へ引っ張り上げる効果もあります。

 

油層の下は「液層」といいます。上瞼にある涙腺から分泌される水性成分と結膜から分泌される粘液成分(分泌型ムチン)が混ざった液体です。液層は眼表面を潤すだけでなく、角結膜への栄養供給する役割があります。

 

液層の下は角結膜の表面です。そこは、膜型ムチンという粘性の液体が広がり液層の安定を保ち涙の膜がとぎれるのを防いでいます。

 

点眼薬治療は人工涙液点眼薬やヒアルロン酸ナトリウムの点眼薬があります。

 

人工涙液点眼薬

液層の水分補充を行い、眼の表面の涙液量を増加させ潤します。

 

ヒアルロン酸ナトリウムの点眼薬

液層の水分に働き涙液の安定化作用と保湿作用があり、目の表面の乾燥を長時間防ぐ効果があります。

 

近年開発された薬としては、レバミピド点眼薬やジクアホソルナトリウム点眼液があります。

 

レバミピド点眼薬

膜型ムチンと分泌型ムチンに働きかけバリア機能や水濡れ性に貢献し涙液の安定性に寄与します。また抗炎症作用によりドライアイの眼の表面の炎症を抑える可能性があるとされています。

 

ジクアホソルナトリウム点眼液

膜型ムチンと分泌型ムチンに働きかけバリア機能や水濡れ性に貢献し涙液の安定性に寄与します。結膜上皮細胞から直接水分を放出させる効果があり、液層の水分補給ができるので乾燥感が強いドライアイの症状にもつかえます。脂質分泌や水分分泌を介した油層伸展促進により油層機能を高める可能性もあります。

 

それぞれ作用する場所を表にしました。

 

 

涙液

油層

ジクアホソルナトリウム

液層

 

 

 

 

水分

人工涙液

ヒアルロン酸ナトリウム

ジクアホソルナトリウム

分泌型ムチン

ジクアホソルナトリウム

レバミピド

上皮

上皮細胞

膜型ムチン

ジクアホソルナトリウム

レバミピド

 

 

実際の処方では、ヒアルロン酸ナトリウム点眼にジクアホソルナトリウム点眼を併用したり、ジクアホソルナトリウム点眼からレバミピド点眼に切り替えてみたり患者ごとに症状と効果をみて選択していきます。

 

3.市販の目薬が効かない場合も。その理由

市販の目薬でドライアイに効くとうたっている物の多くは、有効成分として、コンドロイチン硫酸エステルナトリウムが配合されています。最大濃度でも市販では0.5%となっています。OTCですと、医療用の半分の濃度しか製造を承認されていない事があるのでこの濃度が最大となっており、この成分は、医療用ですと1%と3%があります。

 

角膜の透明性を保持する効果と生理的粘性により角膜の乾燥を防止する作用があるので昔からドライアイの治療に使われてきました。

 

しかし、現在はドライアイの治療にはもっと効果的な成分がでてきたので、処方される事が減り、先発品であるコンドロン点眼液は発売中止になりました。(ジェネリック医薬品でしたらまだ2社で販売されています)

 

すこしの眼の渇きでしたら、半分程度の濃度でも効果があるでしょうが、深刻なドライアイですと効果が弱い可能性がありますし、涙の質が悪いタイプのドライアイには、質を改善する効果はないので期待する効果はでないでしょう。

 

また、市販の目薬は防腐剤をはじめ、様々な成分が配合されています。これは良い面もありますが、ドライアイにとってはマイナス面があります。

 

まず防腐剤はドライアイを悪化させる要因とされています。角膜に対して毒性のあるベンザルコニウム塩化物の濃度が濃い目薬があります。市販のものは、防腐剤フリーの商品もでてきましたが、多くのものが添加物として防腐剤がはいっているので注意が必要です。

 

また多くのものに血管収縮剤が配合されているのが問題です。市販の商品ですと売れないと困りますので、充血改善にすぐに効果があり実感できる血管収縮剤が配合されているのです。結膜(しろめ)の血管を無理やり収縮させる事で眼への酸素や栄養が不足し、ドライアイを悪化させたり、リバウンドでかえって充血がひどくなることがありますので注意が必要です。

また、スーとして清涼感のあるものは気持ちいいかもしれませんが、ドライアイの方にはあまり強い刺激のものはお勧めできません。

 

4.ドライアイの市販薬紹介と正しい対処法

眼の少しの渇きなどの違和感でしたら、まずは市販薬で様子をみてもいいかもしれません。

その時は、先ほど説明したように、防腐剤無添加で血管収縮剤が入っていないタイプがオススメです。

 

ドライアイにオススメする代表的な商品は

 

ロート ドライエイド (EXまたはコンタクトa)

有効成分は満量の0.5%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムが配合されています。

 

有効成分とは別にこの目薬は、独自の高粘度約60倍のとろみをつけることで、涙の膜をつくり潤いをとどめ涙の蒸発を防ぐ効果があるのがポイントです。勿論、防腐剤・血管収縮剤無添加です。

 

市販でオススメではありますが、唯一の欠点は少しお値段が高めなところです。

 

ライオン スマイルコンタクトEXドライテクト

有効成分は満量の0.5%コンドロイチン硫酸エステルナトリウムが配合されています。

 

こちらも独自のとろーりベール処方の高粘度保水成分が涙の蒸発を防ぎうるおい感が実感持続します。勿論、防腐剤・血管収縮剤無添加です。

こちらは中身がいい割には、お値段が安いので継続して使用するにはオススメです。

 

 

また市販のものは内容量が多いものありますが、1か月程度でしっかり使い切る為にも用量の少ない物や使い切りタイプがオススメです。

 

オフテクス ティアーレW / アイリス アイリスCL-Ⅰネオ

眼に優しい防腐剤無添加の1回で使い捨てタイプ。30個入り

ドライアイの方には安心してオススメできるのですが、毎日頻回にさすとなるとコストがかかるのが弱点です。

 

千寿 マイティアCL

コンタクト用のイメージがある商品ですが、眼の渇きに使用もできます。

栄養成分としてブドウ糖が配合されていますが、人工涙液と同じ様な感じで使用できます。

 

防腐剤としては優しい成分のホウ酸が入っているので、使用期間が10日より長いので使いやすいです。価格が安いので気軽に継続使用しやすいですが、弱点はドライアイ改善効果は弱いところです。

 

もし、薬局でドライアイ用の防腐剤無添加のものが見当たらなかったら、コンタクト装着でもOKなど書かれたコンタクト用のものを購入してもいいかもしれません。こちらでしたら、強い防腐剤が入っていませんので、悪化のおそれはありませんし、商品も充実していますのでこちらで対応してもいいと思います。

 

しかし、人工涙液のソフトサンティアが市販でも販売可能になり手に入れやすくなりましたので、迷ったらまずこちらで様子をみてもいいかもしれません。(開封後の使用期限が短いのが弱点ですが)

 

しかしある程度、市販薬を使用しても眼の症状が改善しないなら、眼科の受診をオススメします。

 

5.こんなときは病院へ

眼になんとなく違和感があるがドライアイかはわからないという方は自己チェックをしてみてください。

簡単に判別できる方法があります。

10秒間以上まばたきをせずに眼を開けていられない方はドライアイの疑いがありますので受診の目安にしてください。

 

6.おわりに

いかがでしたか?

私達の生活は、携帯やパソコンをはじめ便利になった反面、眼を酷使することが増えました。

 

ドライアイで辛いなら、市販薬で様子みるのもいいかもしれませんが、まずは日々の生活を見直すことも大事かもしれません。仕事以外では眼を休ませることそして可能なら仕事中もこまめに休みを入れるだけでも眼にとっては違ってきます。また眼が乾くようなエアコンなどの風は避けることが望ましいです。

 

そして何よりも簡単で大切なのは、意識的に瞬きの回数を増やすことです。画面などの作業をしているとついつい瞬きの回数が減ってしまいがちですので注意が必要です。

 

こうした心がけで少しは症状が改善するかもしれませんが、ドライアイなどの違和感でお困りなら早めに受診して頂くことをオススメします。

 

執筆
薬剤師:米屋 裕美
この執筆者の記事をもっと見る