海外に持ち込み不可の薬がある?その注意点と海外旅行で役立つお薬10選

竹中 孝行
コトブキ調剤薬局 横須賀店

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海外旅行時に、現在治療中のお薬があり、「今飲んでいる睡眠剤、抗不安薬。。。海外に持ち込んでも大丈夫なのかな・・?」など、不安を抱えている方もいるのではないでしょうか?

実は、渡航先によっては、持ち込みが禁止されているお薬があることや、治療中のお薬を海外に持ち込む場合、「薬剤証明書(治療のために服用しているという医師の証明)」がないと没収されてしまうケースもあります。

また、海外旅行時には、思わぬ病気や怪我、車酔いなどの体の不調を感じることも少なくありません。現地でお薬を調達するのが不安な場合には、そのような緊急時に備えて、市販薬を購入し、ある程度用意しておくことも良いでしょう。

今回は、海外にお薬を持ち込むときの注意点や対策を解説するとともに、海外旅行で役に立つおすすめの市販薬を症状別に解説していきます。

 

※この情報は、2017年11月時点のものです。


1.【重要】海外に薬を持ち込む時の注意点

海外に薬を持ち込む場合、国によって法規制が異なり、また日々更新されるため、詳細については、渡航先の在日外国公館で確認するのが確実です。

 

外務省HP:

http://www.mofa.go.jp/mofaj/link/embassy/

 

参考として、下記の注意点を記載します。

1-1. 一般的な常備薬・市販薬

市販で販売されているような風邪薬、頭痛薬や下痢止めなど、一般的な常備薬は、旅行中、個人用として携帯する場合には問題はありません。

ただし、大量に持ち込むと営利目的と疑われることがあるため、旅行期間中に最低限必要な量を持参するようにしましょう。又、外箱やパッケージの記載がないお薬の場合は、薬の内容が不明確で中身を疑われてしまう可能性がありますので注意しましょう。

 

また、台湾では、持ち込みできる市販薬は6種類までなど、国によっては規制がある場合もあるため注意が必要です。

1-2. 治療中のお薬(処方せん薬)

現在、治療中の疾患があり、定期的に服用しているお薬がある場合には、主治医に、英文の「薬剤証明書」を書いてもらうことで、お薬の没収など入国時に起こりうる不要なトラブルを回避することができます。

薬剤証明書には、一般名、商品名、剤形、含有量、数量、そして治療中の疾患名などが記載されています。

適切な薬剤証明証を持っていなかったために入国時に別室で数時間も尋問を受けることもあるようです。

 

また、渡航先で何か体調が悪くなり病院を受診したときには薬剤証明書を掲示することで、スムーズに医師に情報を伝え診察を受けることが可能です。

 

薬剤証明書は、主治医に依頼し書いてもらうのが通常ですが、書いてもらえない場合には、近くの日本旅行医学会の認定医を検索(http://jstm.gr.jp/summary/)し、現在服用しているお薬の内容が分かるもの(お薬手帳等)を持参し発行してもらうと良いでしょう。

 

又、基礎疾患があり毎日定期的に服用している場合には、万が一の事態に備え、旅行日数より少し多めの予備分を加えたお薬を持参するようにしましょう。飛行機が予定通り飛ばなかったりすると大変な事態です。

 

また、薬剤証明書の他に、「お薬の説明書(英文)」を一緒に持参しておくと、役に立ちます。くすりのしおり(http://www.rad-ar.or.jp/siori/)で薬名を検索し、英語版の説明書を無料でダウンロードすることが可能です。

1-3. 海外への持ち込みで特に注意が必要なお薬

日本では、一般的に治療に用いられるお薬でも、海外に持ち出す場合には規定があり手続きが必要なお薬や、国によっては持ち込みを禁止しているお薬もあります。

 

特に、「医療用麻薬」、「向精神薬」、「注射剤」は、注意が必要です。

 

①医療用麻薬

通常、厚生労働大臣の許可を受けた業者でないと輸入・輸出することはできませんが、ご自身の疾患の治療のために医療用麻薬を服用している場合には例外で、事前に地方厚生(支)局長の許可を受けることで、渡航先に必要な医療用麻薬を持参することができます。

許可には時間がかかるため、早めに申請するようにしましょう。

 

但し、許可を受けたとしても国によっては持ち込みを禁止している場合もありますので、事前に渡航先の在日外国公館で確認するのが確実です。

 

②向精神薬

睡眠薬や抗不安薬などが該当する向精神薬は、法律によって、それぞれのお薬ごとに出入国時に携帯できる上限量が定められています。

この上限量を超えない量であれば、特に申請などは必要ありません。しかし、超える場合には、ご自身の疾患の治療のために向精神薬を服用していることを医師に証明してもらった書類(処方せんの写しや、患者の氏名および住所並びに携帯を必要とする向精神薬の品名、数量を記載した医師の証明書)が必要です。

超えない場合でも、この書類を所持することで不要なトラブルを避けることができますので、発行してもらうことをおすすめします。

 

※麻薬及び向精神薬取締法 第50条の112

 麻薬及び向精神薬取締法施行規則第30

 

但し、証明書があったとしても国によっては持ち込みを禁止している場合もあります。

例えば、日本では睡眠導入剤として処方されることもあるサイレース、ロヒプノールは、アメリカへの持ち込みは、量に関係なく一切禁止されています。

不本意に所持していた場合でも、没収だけにとどまらず、懲役刑を科せられることがあります。

 

そのため、事前に渡航先の在日外国公館で確認するのが確実です。

 

③注射剤

インスリンなどの注射器(針)を使用している場合には、機内に手荷物として持ち込む必要があります。その場合は、英文の診断書や薬剤証明書が必要です。手荷物チェック時に適切な証明書がないと没収が原則であるため、注意が必要です。トラブルを未然に防ぐため、あらかじめ航空会社に確認しておくと良いでしょう。

これはほとんどの国で、注射器が麻薬、覚せい剤の使用に悪用されることがあり、取り締まりの対象となっているためです。

 

④その他

ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、あへん末、覚せい剤および大麻、メサドン、覚せい剤原料はどんな場合でも、海外に持ち出すことはできません。

 まとめ

・市販で販売されているような風邪薬、頭痛薬や下痢止めなどの一般的な常備薬は、旅行中、個人用として携帯する場合には問題はないが、適切な量であるべき。

 

・定期的に服用しているお薬がある場合には、主治医に、英文の「薬剤証明書」を書いてもらうことが必要になる。

 

・一般的に治療に用いられるお薬でも、海外に持ち出す場合には規定があり手続きが必要なお薬や、国によっては持ち込みを禁止しているお薬がある。特に、医療用麻薬、睡眠薬や抗不安薬などが該当する向精神薬、注射器は注意。

 

・国によってお薬の所持についての法規制が異なるため、また日々更新されるため、詳細については、渡航先の在日外国公館で確認するのが最も確実。

 2.海外旅行で役に立つお薬症状別10選(市販薬)

続いて、思わぬ病気や怪我、車酔いなどの体の不調を感じた場合にすぐに現地の病院に行ったり、お薬を購入することが困難な場合もありますよ。そういった、万が一の場合に備えて用意しておくと良い市販で購入できるお薬をご紹介します。ぜひとも、ご参考下さい。

 

※市販薬は、症状が軽度だったり、すぐに病院にいけない場合などに臨時で使用するものとしてお考えください。市販薬を服用しても、症状が続く、ひどくなる場合には、早めに渡航先の医療機関を受診するようにしましょう。

2-1. 渡航先での風邪諸症状に《総合風邪薬》

渡航先によっては、日本と環境が違い、気温や湿度が極端に異なる場合があります。体に負担がかかったり、服装の調整がうまくできず、体調をくずしてしまうこともあるかもしれません。そのような場合、風邪の諸症状に効果が期待できる成分が複数含まれている総合風邪薬をひとつ用意しておくと安心です。

 

市販薬例:
新ルルAゴールドDX【指定第2類医薬品】/ 第一三共ヘルスケア
パブロンSゴールド微粒【指定第2類医薬品】/ 大正製薬
ベンザブロックL錠【指定第2類医薬品】/ 武田薬品工業

2-2. 突然の鼻炎症状に:アレルギー薬

機内の気圧の変化、渡航先のほこりやダニ、花粉などが原因で、鼻水、くしゃみなどアレルギー性の鼻炎を起こすことがあります。アレルギー性鼻炎を起こしやすい方は、アレルギー薬を備えておくと良いでしょう。

 

市販薬例:

アレグラFX【第2類医薬品】 / 久光製薬

アレジオン20【第2類医薬品】 / エスエス製薬

2-3. 発熱、頭痛や生理痛に:解熱鎮痛薬

移動中に足をひねったり、また腰痛が悪化したり、頭痛を生じたり、このような様々な痛みに対して持参すると良いのが、解熱鎮痛薬です。発熱に対しての解熱効果も期待できます。

 

市販薬例:
ロキソニンS【第1類医薬品】/ 第一三共ヘルスケア
イブA錠【指定第2類医薬品】/ エスエス製薬
バファリンA【指定第2類医薬品】/ ライオン

 

2-4. 胃の不調に:総合胃腸薬

初めての海外で起こりがちなのが、食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃の不調です。せっかくの旅行なのに、美味しく食事がとれなくなるのは残念ですよね。

胃の不調に備えて持参すると良いのが総合胃腸薬です。

 

市販薬例:

キャベジンコーワα【第2類医薬品】/興和新薬
太田胃散【第2類医薬品】/太田胃散
パンシロンZ【第2類医薬品】/ロート製薬

2-5. お腹の不調に:整腸剤・下痢止め

慣れない食生活やストレスでお腹を下してしまうこともあるかと思います。お腹が不調に備えて持参しておくと良いのが整腸剤です。腸内細菌のバランスを整え、お腹の調子を改善します。

また、下痢止めを持参するのも良いですが、吐き気や発熱などを伴う場合には、感染症が原因となっている可能性もあるため、できるだけ早めに医療機関を受診することをおすすめします。

 

市販薬例:
ザ・ガードコーワ整腸錠PC【第3類医薬品】/興和新薬

ガスピタンa【第3類医薬品】/小林製薬
新ビオフェルミンS錠【指定医薬部外品】/ビオフェルミン製薬

ピタリット【第2類医薬品】 / 大正製薬

ストッパ下痢止めEX 第2類医薬品 / ライオン

2-6. 車や船酔いに:酔い止め薬

渡航先で道路の舗装が整っていない場合の車での移動や、船による長時間の移動では、吐き気やめまいなど乗り物酔いに苦しむこともあります。その場合に備えておくとよいのが、酔い止め薬です。

 

市販薬例:
トラベルミン(大人用)【第2類医薬品】/エーザイ
アネロン「ニスキャップ」【指定第2類医薬品】/エスエス製薬

2-7. 宿泊地で寝れない場合に:睡眠改善薬

慣れない宿泊所での連泊で睡眠不足になる方もいるかもしれません。また、長時間の飛行機での移動中も睡眠不足になりがちです。そのような場合に備えておくと良いのが睡眠改善薬です。市販で販売されているものは、病院で処方される睡眠剤(ベンゾジアゼピン系など)とは違うものです。花粉症などのアレルギー症状に対して使用される抗ヒスタミン剤の副作用である眠気に着目して市販薬として販売されているものです。

 

市販薬例:
ドリエル【指定第2類医薬品】/エスエス製薬
グ・スリーP【指定第2類医薬品】/第一三共ヘルスケア

 

2-8. 擦り傷に:化膿止め(塗り薬)

海水浴や登山などのアウトドアを渡航先で行った場合に起こしやすいのが擦り傷です。ひどくなると化膿してしまう可能性もあるため、化膿止めの塗り薬を持っておくと便利です。

 

市販薬例:
テラマイシン軟膏a【第2類医薬品】/武田薬品工業
ドルマイシン軟膏【第2類医薬品】/ゼリア新薬工業

2-9. 虫刺され、湿疹、かぶれに:ステロイド(塗り薬)

自然豊かな地に渡航した場合にありうるのが、虫刺さされです。炎症を抑えるステロイド成分、かゆみを抑える成分を含む塗り薬を持っておくと良いでしょう。

但し、炎症がひどい場合や、渡航先で注意喚起されている虫(毒など)等に刺された場合には、すぐに病院に行くようにしましょう。

 

市販薬例:
ムヒアルファEX【指定第2類医薬品】/池田模範堂
メンソレータム メディクック軟膏R【指定第2類医薬品】/ロート製薬
新レスタミンコーワ軟膏【第3類医薬品】/興和
フルコートf【指定第2類医薬品】/田辺三菱

2-10. その他

その他、お薬ではありませんが、何かあったときの応急処置用として、消毒液、ガーゼ・包帯、絆創膏、はさみ、三角巾、ピンセットを入れた救急セットを持っておくと安心です。緊急で怪我をしたときに対応することが可能です。

 

3.まとめ

海外にお薬を持ち込むときの注意点や対策を解説するとともに、海外旅行で役に立つおすすめの市販薬を症状別に解説してしましたが、参考になりましたでしょうか?

海外に、ご自身の治療中のお薬を持ち込む場合には、薬剤証明書を主治医に書いてもらうことや、事前に渡航先の在日外国公館に持ち込みが確認かどうかを確認することが大切です。

また、慣れない海外で何か不調を感じた場合にどうしたら良いか不安になるかと思います。手持ちのお薬が、臨時で少しでもあれば、お守り代わりの安心材料にもなります。

但し、あくまでも臨時薬であり、市販薬を服用しても、症状が続く、ひどくなる場合には、早めに渡航先の医療機関を受診するようにしましょう。

 

 

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