女性を悩ませる頻尿~その原因から治療、対策まで~

頻尿とは、尿意をもよおしてトイレに行く回数が増えることです。何回以上なら「頻尿」というような明確な定義はありませんが、大体、日中8回以上、夜間に1回以上尿意で目が覚めるようであれば、頻尿といっていいでしょう。

頻尿の人は、日常生活の中で常に尿意に注意しなければならず、睡眠不足などQOLを低下させる病態です。また、日々の尿意に対して大きなストレスや強迫観念を持ってしまい、外出ができなくなる人もいます。

特に女性に多いといわれる頻尿ですが、どのようなことが原因で引き起こされるのでしょうか。その解決法から、予防法まで詳しく解説します。
※この情報は、2018年2月時点のものです。

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1.頻尿の原因~なぜ女性に多いのか~

女性は年齢を問わず、頻尿で悩んでいる人が多いといわれています。特に成人女性は、加齢や妊娠、出産による骨盤内臓器の変化、婦人科系の病気、神経の病気、閉経によるホルモンバランスの変化が頻尿に関わっています。しかし、中には身体的な問題は何もないのに、頻尿になる人もいます。

頻尿にはどのような原因があるのか詳しく見ていきましょう。

 

1-1. 膀胱の病気

膀胱に何らかの病気がある場合です。

私たちの尿は、左右に二つある腎臓で作られ、尿路を通って膀胱に流れます。膀胱では尿が溜められ、200mlほどの量になると軽い尿意を感じ、500mlほどになると排尿したくなります。これらの流れはすべて神経によって調節されます。

①尿路感染症(膀胱炎、尿道炎)

女性は男性に比べて尿道が短く、細菌感染による尿路感染症を起こしやすいです。尿路感染症では膀胱の神経の働きが亢進し、排尿痛と共に頻尿が多くの例で見られます。

また、感染症がよくなっても神経の働きが亢進したままで、頻尿の症状のみが残ることもあります。

②尿管結石、膀胱結石

結石とは腎臓でつくられるシュウ酸カルシウムを主とした塊のことで、尿管を経て膀胱へ流れてきます。膀胱に近い尿路や膀胱に結石があると、膀胱の壁を直接刺激して、十分な尿量が溜まっていないのに尿意を感じます。

③過活動膀胱

何らかの原因で膀胱が過剰に働いてしまい、膀胱に少ない尿しか溜まっていないにも関わらず尿意を感じることです。女性の場合では出産や加齢にともなって骨盤内臓器を支える筋肉の力が弱まり、子宮などが膀胱や尿路を圧迫すること引き起こされます。その他の原因として、パーキンソン病などの神経疾患もありますが原因がわからないケースも多々あります。

 

1-2. 子宮筋腫

子宮筋腫は年齢が上がると共に頻度が高くなる病気です。30歳以上の女性の30%近くにあるといわれています。子宮筋腫は大きくなると膀胱を圧迫するために頻尿を引き起こします。特に寝ている状態で圧迫が強くなるため、夜間の頻尿を訴える人が多いです。

 

1-3. 神経疾患

脳卒中やパーキンソン病などでは排尿を司る一連の神経メカニズムが障害されていることがあり、排尿反射が亢進することで頻尿になることがあります。

また、糖尿病は、末梢神経を障害することは有名ですが、これは膀胱の神経にも及びます。その結果、初期には過活動膀胱となります。糖尿病は喉が渇きやすく水分を多くとってしまうので、純粋に尿量が増加することも頻尿につながります。

 

1-4. ホルモン変化

女性は閉経や更年期を迎えると、エストロゲンというホルモンが少なくなります。エストロゲンは膀胱や尿道の血流や代謝性を増加させますから、エストロゲンが少ない状態が続くと膀胱が委縮します。ですから、膀胱の容量が低下して少ない尿量でも尿意を感じるのです。

 

1-5. 心因性

健康な人でも、精神的に緊張すると頻尿になることがあります。原因は解明されていませんが、ストレスが大脳に影響を及ぼして、排尿を司る自律神経系に作用すると考えられています。

また、睡眠障害がある人は、夜間頻尿になることが多いです。

 

2.頻尿で病院受診~検査から治療まで~

頻尿で病院を受診するときには、まずは泌尿器科へ行きましょう。

頻尿の原因は泌尿器科領域だけではなく、婦人科系の病気や糖尿病など内科系の病気の可能性もありますが、まずは泌尿器科の診察を受けてしかるべき診療科へ紹介してもらうとよいでしょう。

頻尿の検査には、医師による問診や残尿測定、尿検査、超音波検査などがあります。

それぞれにつて詳しく見ていきましょう。

 

2-1. 問診

問診は、頻尿の診断で最も重要となります。排泄に関わることですから、恥ずかしいと思う人もいるでしょうが、きちんと正確に自分の症状を伝えることが大切です。

 

問診では、頻尿がいつ始まり、どのように経過してきたのか、いつ起こりやすいのかを聴取します。これによって頻尿の原因を推測することが可能です。

 

また、既往歴や現在飲んでいる薬なども聴取されるでしょう。頻尿の原因となる病気が疑われる場合は、適切な診療科へ紹介されることになります。

 

2-2. 残尿測定

排尿直後に膀胱内に残る尿量を調べる検査です。超音波検査を用いて行われることが多く、過活動性膀胱の評価に使われます。

 

2-3. 尿検査

尿路感染症、尿路・膀胱結石、糖尿病などの病気を調べることができます。

 

尿路感染症が疑われる場合には、尿培養検査を行って、原因菌を調べることもあります。

 

2-4. 超音波検査

侵襲性がなく、外来でも簡単に行える画像検査です。

 

残尿量や、膀胱の異常、結石があるかを調べることができます。また、同時に子宮などの骨盤内臓器の状態も調べることができるので、非常に有用な検査と言えます。

3.頻尿の治療~医療が行える治療には限界がある~

頻尿の治療は主に薬物療法が行われますが、医師の治療だけでなく生活習慣を見直すことが頻尿改善に非常に重要です。

 

尿路感染症は適切な抗生剤を服用することで、ほとんどの人は良くなります。発熱や痛みがあるときには消炎鎮痛薬が使われることもあります。

 

また、過活動性膀胱には、膀胱の筋肉を緩める効果のある抗コリン薬という薬が使われることもありますが、加齢や出産による筋肉の衰えが原因の場合にはそれ自体を改善しなければ頻尿はよくならず、薬はあくまで補助的な効果を持つだけです。

 

心因性頻尿では、精神安定剤が使われることもありますが、頻尿への効果ははっきりとわかっていません。

 

頻尿の原因が糖尿病や子宮筋腫など膀胱以外の病気の場合には、その病気の治療を行うことが頻尿改善の近道でしょう。

 

4.頻尿の対策~症状改善から予防まで~

頻尿の医学的な治療は、尿路感染症を除いて限界があります。ここでは、頻尿を改善する方法と予防について詳しく見てみましょう。

 

4-1. 生活習慣の改善

・減量:肥満は腹圧を上げ、膀胱を圧迫することがあります。その結果、過活動膀胱になりやすくなってしまいますから、減量が必要です。

 

・禁煙:タバコに含まれるニコチンが、膀胱の収縮を引き起こすことが分かっていますが、膀胱が収縮されると尿意を感じ、頻尿につながります。喫煙は膀胱がんとの関連も証明されているので、ぜひ禁煙しましょう。

 

・食事:カフェインは腎臓の血管を拡張させ、尿量を増やす働きがあります。尿量が増えると当然尿の回数も増えます。カフェインが多く含まれるコーヒーやお茶を多く飲む人は、カフェインレスのものに変えるなどの工夫をしてみましょう。

 

・下半身の冷え:下半身が冷えると、膀胱の血流が悪くなり、収縮が起こりやすくなります。膀胱が収縮すると頻尿になるのはもう説明しましたね。下半身の冷えには十分注意しましょう。

 

4-2. 骨盤底筋体操

  骨盤底筋とよばれる、骨盤内の臓器を支える筋肉を強める運動です。加齢や、妊娠・出産に伴い、女性の骨盤底筋は衰えます。これが過活動膀胱の原因にもなっていましたね。この筋肉を強化することで、骨盤内の臓器を元の状態に戻してあげるのです。

 

  やり方は非常に簡単で、膣と肛門を意識的にキュッと閉めては緩める動作を繰り返せばよいのです。立った状態で行うのがよいですが、座ったままでも横になった状態でも行うことができます。

 

4-3. 膀胱訓練

尿意を感じても、すぐにトイレに行かず少しの時間我慢することを繰り返すことで、尿の間隔を伸ばす訓練です。

 

頻尿の人は、少しの尿意でもすぐにトイレに行く習慣ができてしまっています。しかし、それは過度に膀胱を働かせて刺激することになりますから膀胱を過敏にさせ、頻尿の悪化につながります。

 

少々の尿意であれば、数分我慢してからトイレに行く習慣を身につけましょう。我慢の時間を徐々に伸ばしていけば、膀胱がその時間に慣れていき自然と頻尿が改善するケースは多いのです。

 

しかし、切迫性のある尿意の場合は失禁の可能性もありますから、膀胱訓練は自分の体調や環境などと相談して行って下さい。

 

5.頻尿は女性の悩みの種。でも大丈夫!

頻尿は女性に多く、QOLを低下させる深刻な症状です。原因がわからないこともあり、治療が難しい症状でもあります。しかし、頻尿は生活習慣や日常でのちょっとしたトレーニングを行うことで大幅に改善することが分かっています。

 

頻尿に悩んでふさぎ込んでいる人は、ぜひ一度病院で診察を受けて何か大きな病気が隠れていないか調べてみましょう。そして、適切な治療と生活習慣を身につけ、頻尿に恐れることなく外出を楽しんで下さい。

 

医師監修

トイレが近いと頻尿?原因と頻尿に効く市販薬を5分で解説

医師:子煩悩神経内科医
2017.07.25
くすり

 

 

執筆
医師:ママさん女医あっきー
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