胃腸炎では熱が出る?発熱を伴う胃腸炎の危険なサインとは?

胃腸炎とは胃や腸の粘膜に炎症を生じて、腹痛や嘔吐、下痢などの症状を引き起こす病気です。一般的な胃腸炎は細菌やウイルスなどの病原体に感染することによって炎症を生じる「感染性胃腸炎」ですが、中にはクローン病を始めとした自己免疫疾患や薬剤による副作用など原因はさまざまです。

その中でも、発熱を伴う胃腸炎は重症化することが多く、特に小児や高齢者では脱水症状を引き起こして入院が必要となるケースも少なくありません。ここでは、発熱を伴う胃腸炎の特徴と注意すべき症状を詳しく解説します。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.胃腸炎の原因とは?

胃腸炎は胃や腸の粘膜に炎症が引き起こされる病気です。小児から高齢者まで全ての年代で発症する可能性があります。

胃腸炎は大きく分けると、感染性と非感染性があります。それぞれの原因について詳しく見てみましょう。

 

1-1. 感染性胃腸炎

ウイルスや細菌などが胃や腸の粘膜に感染することで発症する胃腸炎です。胃腸炎を引き起こすウイルスや細菌には様々な種類のものがありますが、日本で発生しやすいものはそれぞれ以下の通りです。

 

ウイルス性

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど

 

細菌性

腸管出血性大腸菌、病原性大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラなど

 

こられの病原体の多くは、感染者の便や唾液などに含まれる病原体を体内に取り込むことで感染します。このような感染経路を接触感染・飛沫感染などと呼びます。

また、何らかの病原体に汚染された食品や飲み物などを介して感染することもあり、一般的には「食中毒」と呼ばれています。

 

1-2. 非感染性胃腸炎

胃腸炎は感染性のものが多いですが、中には病原体への感染が原因ではない胃腸炎もあります。

代表的なものでは、ロキソニンなどの非ステロイド系消炎鎮痛剤を服用することによって、胃腸の粘膜にダメージが加わる薬剤性、クローン病や潰瘍性大腸炎など免疫系の異常によって胃腸の粘膜に炎症を起こす自己免疫疾患、アニサキスなどの寄生虫、ふぐ毒やキノコ毒のような自然毒など様々なものが挙げられます。

 

2.胃腸炎の症状とは?どのような時に熱が出るの?

このように、胃腸炎は様々な原因によって発症します。最も多いのは感染性胃腸炎ですが、現れる症状はその原因によって大きく異なります。それぞれの症状の特徴を詳しく見てみましょう。

 

2-1. 感染性胃腸炎

感染性胃腸炎では、腹痛・嘔吐・下痢などの消化器症状の他に発熱が見られることがあります。一般的にはウイルス性胃腸炎は嘔吐、細菌性胃腸炎は下痢の症状がメインで生じやすく、細菌性胃腸炎の方が重症化しやすいとされています。

 

医療資源が整った日本では、感染性胃腸炎で命を落とす人はほとんどいませんが、今なお医療が未整備な発展途上国では小児を中心に多くの人が感染性胃腸炎によって死亡しています。その原因の多くは細菌感染です。細菌性胃腸炎は重症化して脱水症状や脳炎など重篤な合併症を引き起こしやすいからです。

 

また、発熱症状に関してもウイルス性胃腸炎よりも細菌性胃腸炎の方が重症化しやすく、ウイルス性は37度前半の発熱が多いのに対し、細菌性胃腸炎は38度以上の高熱が続くことも少なくありません。

 

2-2. 非感染性胃腸炎

非感染性胃腸炎は、その原因によって症状は大きく異なり、薬剤や自然毒などが原因の胃腸炎では腹痛や下痢、嘔吐、血便などの症状が現れますが、症状の程度は原因によってそれぞれ異なります。寄生虫による胃腸炎では、原因となる食品を口にしてから6~12時間ほど経過した時に突然の腹痛、嘔吐、下痢などの症状が現れ、2回目以降の感染の場合は、体内に寄生虫に対する抗体が形成されているためアレルギー反応を起こして蕁麻疹などの症状が見られることもあります。

 

また、自己免疫疾患による胃腸炎では腹痛や下痢、血便、体重減少、食欲低下、倦怠感など様々な症状が現れ、発熱が引き起こされることもあります。発熱は37度台の微熱であることがほとんどですが、長引く下痢や発熱はこのように他の重篤な疾患である可能性もあるのです。

 

3.発熱を伴う胃腸炎の特徴

発熱を伴う胃腸炎は感染性胃腸炎が最も多いですが、非感染性胃腸炎でも発熱が引き起こされることがあります。

では、発熱を引き起こす胃腸炎にはどのような特徴があるのでしょうか?代表的なものを詳しく見てみましょう。

 

3-1. 感染性胃腸炎

一般的にはウイルス性胃腸炎よりも細菌性胃腸炎の方が高い熱が出やすく、38度以上の高熱になることも少なくありません。それらの特徴は以下の通りです。

 

Ⅰ.ウイルス性胃腸炎

①ノロウイルス

主に冬から春にかけて大流行する感染症です。カキなどの二枚貝から感染することが多く、少量のウイルス量で他者に感染を広げることから、学校や会社などで大流行することもあります。

主な症状は腹痛と嘔吐で、発熱は37度から37度後半程度に止まることがほとんどです。

 

②ロタウイルス

乳幼児を中心に流行する感染症であり、腹痛や下痢、嘔吐、高熱などの症状が見られます。下痢は白っぽい色をしているのが特徴で、頻回な水様便が排出されるため、乳幼児は脱水症状に陥ることも少なくありません。また、発熱はウイルルス性であるにも関わらず39度以上の高熱になることが多いとされています。

 

③アデノウイルス

小児が感染すると胃腸炎を生じることがありますが、発熱や消化器症状は軽度であり、大人が感染した場合にはほとんど症状が現れません。発熱は、37度前半に止まり、経過中発熱が全く見られないこともあります。

 

 

Ⅱ.細菌性

①腸管出血性大腸菌

 火が通りきっていない肉や、たい肥を使用した生野菜などに付着していることがあり、多くは食品を介して感染します。また接触感染を起こして周囲の人に感染を広げることがあります。

 

 症状は、腹痛、下痢、血便、発熱などですが、症状の程度は人によって異なります。軽症であれば発熱が生じないこともありますが、多くは37度台後半程度の発熱を生じます。

 

②黄色ブドウ球菌

 食品に付着した黄色ブドウ球菌が産生した毒素を口にすることで感染します。潜伏期間が非常に短く、6~12時間程度で激しい腹痛や嘔吐、下痢などの症状が見られ、38度以上の発熱を呈することが多いとされています。

 

③カンピロバクター

 鶏肉などの加熱が不十分な肉類などに付着している食中毒の原因菌です。激しい腹痛や下痢、血便などを生じ、38度以上の高熱になることもあります。

 

④サルモネラ

 卵や肉類などに付着している食中毒の原因菌です。また、ペットを介して感染することも少なくありません。

 吐き気や嘔吐などの症状から始まり、腹痛や下痢などが現れて38度以上の高熱が見られます。下痢は一日に十数回に及ぶこともあり、小児や高齢者では重度な脱水症状に陥って意識障害などが引き起こされることもあります。

 

3-2. 非感染性胃腸炎

非感染性胃腸炎では消化器症状のみで発熱が見られないことが多いです。自己免疫疾患や自然毒による胃腸炎では発熱を生じることもありますが、程度は様々で微熱のものもあれば、40度近くの発熱が引き起こされるものもあります。

 

4.こんな症状にはご注意を…

胃腸炎はクローン病などの特殊な病気を除いて、発症から一週間以内に自然とよくなることがほとんどです。しかし、次のような症状がある場合には脱水症状に陥っている可能性があります。当てはまるものが多くなってきたら、なるべく早めに病院を受診して治療を受けるようにしましょう。

 

■ぐったりしていて力が出ない

■目がうつろでおちくぼんでいる

■唇や口の中が渇いている

■指先や手が冷たい

■皮膚に張りがなく、つまんで離しても元に戻りにくい

■脈が速い

■大泉門が陥没している(乳幼児の場合)

■尿の量が減り、尿の色が濃くなった

 

5.まとめ

胃腸炎には感染性と非感染性があり、様々な原因があります。その原因によって症状は異なりますが、腹痛や下痢・嘔吐などの消化器症状の他にも発熱が見られるものがあります。

 

発熱は体の中に強い炎症が起きているサインです。発熱を伴う胃腸炎を発症した場合には、病院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。

 

また、発熱を伴う胃腸炎は脱水症状を引き起こしやすいため、しっかりとセルフチェックを行って重症化の予防を心がけましょう。

執筆
医師:ママさん女医あっきー
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