【漢方薬】八味地黄丸は尿トラブルに効果あり?服用上の注意点も併せて解説

「最近どうもトイレが近くて困る…」「年のせいか尿の切れが悪く、残尿感が続いている」このような悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?

男性の方は年をとるとともに前立腺が肥大していくため、こうした尿トラブルを起こす可能性が高くなります。また、女性の方でも出産や、加齢による女性ホルモンの低下に伴って尿意切迫感や切迫性尿失禁などを起こす方もいらっしゃいます。

尿のトラブルは生活の質を低下させる大きな原因になるため、できるだけ早いうちに治療を開始することが望ましいといえます。

今回の記事でご紹介する「八味地黄丸」は日常生活における尿トラブルに適した薬です。漢方薬のため穏やかな作用をもち、多くの方が安心して服用することができます。

ドラッグストアでも購入可能なため、忙しくて病院に行く暇が無いという方にも適しています。まずは手軽な方法で尿トラブルの対策を始めたいという方は是非ご一読いただければと思います。
※この情報は、2018年9月時点のものです。

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1.八味地黄丸とはどんな薬?

1-1. 八味地黄丸は漢方薬

八味地黄丸は漢方薬の一つです。天然に存在する植物、動物、鉱物などには薬としての働きを持つものが多くあります。これらは生薬(しょうやく)と呼ばれますが、漢方薬は複数の生薬を適切な量だけ混ぜ合わせて作られた薬で、独自の効果を期待することができます。

 

八味地黄丸にも複数の生薬が配合されており、これらが協調的に働くことで様々な効果を期待することができます。

 

1-2. 八味地黄丸に含まれる成分

八味地黄丸はその名の通り8種類の生薬からなる漢方薬で、地黄(ジオウ)、山茱萸(サンシュユ)、山薬(サンヤク)、沢瀉(タクシャ)、茯苓(ブクリョウ)、牡丹皮(ボタンピ)、桂皮(ケイヒ)、附子(ブシ)が配合されています。

 

1-3. 八味地黄丸の服用の仕方

八味地黄丸は通常、1日2~3回、食前に水またはお湯で服用します。

 

八味地黄丸に限らず、一般に漢方薬は食前などの空腹時に服用する方が良く効くとされています。ちなみに漢方薬を処方されたときなどに、「食間に服用すること」と指示されることもありますが、食間とは「食事をしている間」ではなく「食事と食事の間(食事をしてから2時間以上たった後)」を意味する言葉なので注意してください。

 

2.八味地黄丸にはどんな効果がある?

2-1. 尿トラブルの改善

八味地黄丸は、泌尿器のトラブルに用いられる代表的な漢方薬で、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、尿漏れといった様々な尿トラブルに効果を発揮します。

 

泌尿生殖器が衰えた高齢の方に用いられることが多い薬で、腎炎、膀胱炎、前立腺肥大などの泌尿器疾患にも有効とされています。

八味地黄丸には地黄を中心とした8種類の生薬が配合されています。

 

地黄は貧血症状を改善するとともに体に活力をみなぎらせる働きがあります。山茱萸や山薬も滋養強壮作用によって地黄の働きをサポートします。沢瀉と茯苓には、体内の水分の流れを改善して尿の出を良くする働きがあります。牡丹皮には血行障害を治して血の巡りを良くし、手足の冷えなどを改善させる働きがあります。桂皮や附子には体を温める働きがあり、冷えによる頻尿などの症状を改善します。

 

このように、八味地黄丸では8種類の生薬の協調的な作用によって体を温め、各種の尿トラブルに対する改善効果を期待することができます。

 

2-2. その他の効果

一般に漢方薬は複数の症状に対して効果を発揮します。八味地黄丸も同様で、尿トラブル以外にも以下のような症状を改善すると言われています。


・性機能低下
・腰痛、下肢痛
・糖尿病
・高血圧に伴う随伴症状(肩こり、頭重、耳鳴り)
・かゆみ

・しびれ

・むくみ

・高齢者のかすみ目

 

 

八味地黄丸は不妊治療に有効?

 

八味地黄丸には生殖器の働きを活発にする効果もあるため、男女ともに不妊に対する改善効果があると言われています。女性が服用すると、下半身の冷えを改善して、子宮を温め排卵を活発にします。

 

また、男性が服用すると精子の濃度や運動性を高めると言われており、こちらについては京都大学が発表している以下の論文にも記されています。

https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/118087/1/30_97.pdf

漢方薬の効き目は服用する人の体質にも左右されるため、すべての人に効果があるとは限りませんが、手軽にお試しいただける方法なので不妊に悩まれている方は夫婦で服用されても良いのではないでしょうか。

 

3.お勧めの市販の八味地黄丸製品は?

八味地黄丸は市販薬として販売されているため、ドラッグストアやインターネット通販でも入手することができます。以下にお勧めの八味地黄丸の製品をご紹介します。

 

・【第2類医薬品】漢方八味地黄丸料エキス錠 540錠/クラシエ漢方

大手漢方薬メーカーのクラシエ漢方から発売されている八味地黄丸です。飲みやすい錠剤タイプのため漢方薬の味が苦手な人でも服用しやすくなっています。

 

・【第2類医薬品】漢方八味地黄丸料エキス顆粒A 24包/ツムラ

大手漢方薬メーカーのツムラから販売されている顆粒タイプの八味地黄丸です。顆粒のため若干の苦みはあるものの、漢方薬独特の風味を味わいたい方にはお勧めです。漢方薬は熱いお湯で溶いて飲むと吸収が良くなるとも言われていますので、こうした飲み方をしたい場合にも適しています。

 

病院で処方される八味地黄丸と市販の八味地黄丸の違いは?

 

八味地黄丸は市販薬だけでなく、病院で処方してもらうこともできます。

泌尿器科などを受診して尿トラブルに悩んでいることを医師に相談すれば八味地黄丸が処方されることがあります。

病院では「ツムラ八味地黄丸エキス顆粒」が処方されることが多いですが、これは、1日服用量当たりの八味地黄丸の乾燥エキスの量が4000mgと多めになっています。上で紹介した市販の八味地黄丸に含まれる1日服用量当たりの乾燥エキスの量は2600mg(クラシエ)、2000mg(ツムラ)と医療用と比べて少なめなため、効き目の強さでは病院薬に軍配が上がるといえるでしょう。

 

ただし、病院でどの薬が処方されるかはあくまでも医師の判断に委ねられるため、必ずしも八味地黄丸を処方してもらえるとは限りません。確実に八味地黄丸を服用したいのであれば市販薬を購入することをお勧めします。

 

4.八味地黄丸服用時の注意点は?

4-1. 八味地黄丸の服用に注意が必要な人

八味地黄丸に限らず多くの漢方薬は服用する人の体質によって薬の効き方に違いが生じてきます。漢方薬の世界では、「証」と呼ばれる考え方があります。

「証」とは漢方薬を服用する人の体力や抵抗力を指し示す言葉であり、「虚証」と「実証」の大きく2つに分けることができます。

 

虚証とは体力が無く、弱々しい体質の人を指します。また、虚証の人は、顔色が悪い、胃腸が弱い、寒がり、下痢をしやすい、細くて華奢といった特徴もあります。これに対して実証とは体力が充実していて筋肉質な体格の人を指します。実証の人は、胃腸が強い、便秘気味、熱がりといった特徴もあります。

 

八味地黄丸は主に虚証の人向けの漢方薬です。高齢の方に用いられることが多く、体力が衰えている、顔色がすぐれない、冷え性といった方に適するとされています。一方で、以下に示すような特徴のある方は八味地黄丸が体質に合わない可能性があり、場合によっては症状が悪化する可能性もあるので十分に注意してください。自分の体質が八味地黄丸に適するかどうかが分からない方は、服用する前に必ず、医師、薬剤師、登録販売者などの専門家に相談するようにしてください。

 

・体力の充実している方

・暑がりで、のぼせが強く、赤ら顔の方

・胃腸が非常に弱い方

・食欲不振、悪心、嘔吐のある方

 

4-2. 八味地黄丸の副作用

八味地黄丸ではまれに以下のような副作用が生じる可能性があります。服用中に万一こうした症状が現れた場合は服用を中止して医師、薬剤師、登録販売者などの専門家にご相談ください。

 

・発疹、発赤、そう痒

・肝機能異常(AST (GOT)、ALT (GPT)の上昇など)

・食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘

・心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ

 

八味地黄丸には附子と呼ばれる生薬が含まれています。

附子には優れた鎮痛効果が期待できますが、稀に附子中毒と呼ばれる副作用を起こす可能性があるため、服用に際しては特に注意を払うようにしてください。万一、服用中に、悪心、嘔吐、吐き気、頭痛、舌のしびれ、動悸、顔面紅潮などの症状が現れた場合は附子による中毒症状が出ている可能性があるので、直ちに服用を中止して医療機関を受診してください。

 

4-3. 八味地黄丸の飲み合わせ

八味地黄丸に含まれる附子と呼ばれる成分は多量に服用すると悪心、嘔吐、吐き気などの中毒症状を起こす可能性があります。このため、八味地黄丸を服用する方が他の漢方薬を一緒に服用する場合は、その漢方薬の中に附子が含まれていないかどうかを確認する必要があります。附子を含む漢方薬には以下のようなものがあるので十分に注意をしてください。

 

・葛根加述朮附湯

・桂枝加朮附湯

・桂枝芍薬知母湯

・牛車腎気丸

・大防風湯

・真武湯

・麻黄附子細辛湯

・附子理中湯

 

上記の漢方薬に限らず、他に薬を飲まれている方が八味地黄丸を服用する場合は事前に医師、薬剤師、登録販売者などの専門家にご相談ください。

 

 

4-4. 妊娠中の服用

八味地黄丸は「妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい」とされています。

 

これは、八味地黄丸に含まれる牡丹皮と呼ばれる生薬に流産の危険性があるとされているためです。また、八味地黄丸を妊娠中に服用すると附子による動悸などの副作用が現れやすくなるとも言われています。このため、原則として妊娠期間中は八味地黄丸を服用しないでください。どうしても妊娠中に八味地黄丸を服用したい方は、事前にかかりつけの産婦人科医などに相談するようにしてください。

 

4-5. 授乳中の服用

ツムラやクラシエの医療用八味地黄丸の添付文書(メーカーが作成している薬の取扱い説明書)には授乳中の服用について注意喚起がされていません。

 

これは、お母さんが服用した八味地黄丸が母乳中に移行する量はごくわずかであり、赤ちゃんに対する影響はほとんどないと考えられているためです。このため、通常は授乳中でも問題なく服用することができますが、どうしても気になるという方は、事前に医師、薬剤師、登録販売者などの専門家に相談すると良いでしょう。

 

5.こんなときは早めに病院へ

八味地黄丸を服用中に以下のような症状が見られた場合は、服用を中止して病院に行くようにしましょう。

 

・心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心、下痢などがあらわれた場合

・八味地黄丸を1カ月ほど服用しても症状が改善しない場合

・その他副作用が疑われる症状が現れた場合

 

6.尿トラブルを改善するための注意点は?

尿トラブルを改善したい方は、八味地黄丸を服用する以外にも以下のような点に注意するようにしてください。

 

・体(特に下半身)を冷やさないようにする

・肥満体型の人はできるだけ改善するようにする

・アルコール類、カフェイン類はできるだけ控えるようにする

・水分の取り過ぎに注意する

・トイレを我慢しないようにする

・適度な運動を心がける

 

7.まとめ

八味地黄丸は手軽に尿トラブルを解決できる便利な漢方薬といえます。その一方で漢方薬は個人の体質によっても効き目が変わってくるため、服用する際にはご自身の体質を慎重に見極める必要があります。自分の症状に八味地黄丸が適するのかどうかが良く分からないという方は、事前に医師、薬剤師、登録販売者などの専門家に相談するようにしましょう。

 

また、漢方薬だからといって副作用がなく100%安全ということはありません。服用中は体調の変化に常に気を配り、少しでもおかしいと思う点があればすぐに上記の専門家に相談することを心がけてください。

執筆
薬剤師:おくすり スペシャリスト
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