医師監修

二日酔いに効く薬はある?経験から二日酔いにならないための予防・対応策を解説

yakuzaic

下戸でお馴染みのyakuzaicです。
ビール一杯でグロッキー。お酒を飲んだ日は、頭痛と嘔吐で眠れません。
二日目まで持ち越すことはあまりないので、「二日酔い」というのとは違うのかも知れません。一日酔いとでも言うのでしょうか?

お酒をある程度飲める人の二日酔いと、ほとんど飲めない人の二日酔いは違います。
お酒を飲めない人は、周りの人に合わせて、無理して飲んでしまうというパターン。
お酒を飲める人は、つい許容量をオーバーして飲んでしまうというパターン。

人それぞれのアルコール耐性、体質は異なりますが、飲酒後の体調不良(吐き気や頭痛など)の出方は同じなので、私自身の経験も含め、予防や対応について説明していきます。


※この情報は、2017年11月時点のものです。


1.二日酔いで吐き気が起こるメカニズムは?下戸は遺伝?

なぜお酒を飲むと頭が痛くなり、吐き気を催すのか?

原因は「アセトアルデヒト」という物質です。

お酒に含まれるアルコールは肝臓で,アルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドに代謝されます。さらにアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸に代謝されて、最終的に水と二酸化炭素になって体外へ排出される仕組みになっています。

 

このアルコールが無害化される過程の中間物質「アセトアルデヒド」が体内にたまると顔が赤くなったり、気分が悪くなったりします。
酒に強い、弱いというのは、アセトアルデヒドを分解する能力が高いか低いかで決まります。

 

アセトアルデヒドを数種類のALDHが酢酸に分解して無害化しますが、その中の一種であるALDH2をつくる遺伝子の型の違いが、お酒に強いか弱いかに大きく関係しています。


ALDH2をつくる遺伝子には、分解能力が高いとされるN型と、突然変異で分解能力が低下したD型があります。
子供は両親からいずれか一つずつを受け継ぐので、遺伝子にはNN型、ND型、DD型の3パターンがあることになります。
NN型はアセトアルデヒドの分解が速いので、たくさん飲める酒豪タイプ、ND型はそこそこ飲めるタイプ、DD型は体質的にほとんどアルコールを受けつけない下戸タイプです。

 

つまり、「下戸は遺伝」なのです。
世間では、未だに「お酒に弱い人間」が馬鹿にされる風潮があると思われます。私も飲み会ではつらい思いをしてきました(涙)。
「鍛えれば強くなる」と言われ、何度もお酒に強くなろうとトライしましたが、無理でした。


遺伝子を変えることはできません。
飲めない人は、飲めないキャラを貫き通したほうが、二日酔いとバトルする無駄な時間を有効活用できるはずです。アルコールハラスメント反対。

 

二日酔いで車を運転してもいいか?

例えば、お酒を飲み過ぎた翌日に二日酔いによる吐き気があって、「この状態で車を運転してもいいのだろうか?」と思ったことは無いでしょうか?
アルコールの分解能力は体重1kgあたり、1時間で純アルコール0.1gといわれています。


単純計算すれば、体重60㎏の成人で500mLのビール1杯(アルコール度5%=純アルコール20g)のアルコールが抜けるには、3時間以上かかるとみられます。通常お酒を飲む方はもっと量を飲むので、深夜まで飲んだ翌朝は車の運転しないほうが無難。
じゃあ、翌日のお昼頃まで吐き気があって…という場合に、昼過ぎに運転するのはどうか?
先ほど説明したように二日酔いの原因はアセトアルデヒドであって、アルコールが代謝された物質であるので、アルコールが検出されなくても二日酔い状態というのはあります。


とにかく、個人のアルコール分解能力、体調によっても異なるので、厳密に時間は測れませんが、具合の悪い時に運転するのは止めましょう。

 

2.吐き気症状に効果的な市販薬と対策

医療用の吐き気止めには、「ナウゼリン」や「プリンペラン」といった薬がありますが、市販薬には同じ成分の薬は存在しません。
吐き気を止める市販薬はありません。

基本的に、吐き気や下痢といった症状は止めないほうが回復は早い。
嘔吐を止めてしまうと、アルコールを物理的に体外に出す作業が行われなくなるので、回復は遅れる。
「吐く」ことが一番の二日酔い対策です。

■水分補給
ノロウイルスなどの感染性胃腸炎による吐き気の対応も同じですが、脱水症状を起こさないように水分補給が大切です。アルコールの場合は、嘔吐以外にもアルコールに利尿作用があるため脱水症状を起こしやすいです。
ポカリスエットなどのスポーツ飲料、できればOS-1といった経口補水液で水分補給を行うのが良いでしょう。
二次会終わりに、締めのラーメンを食べる人もいますが、吐いた人にとっては、塩分・水分補給として適しているかも知れません。深夜のラーメンは太るので健康には悪いですが。

ちなみにお酒を飲んだ翌日に気持ちが悪い時にそれを治すためにまた酒を飲むという「迎え酒」という方法がありますが、ただその時の感覚を麻痺させるだけで、二日酔いは長引きます。

3.吐き気が続く場合に考えられる原因

飲酒による吐き気が続く場合、翌日であれば二日酔いと考えますが、それ以上、3日4日経っても治まらなければ違う要因が考えられます。
飲酒が引き金となった脳卒中、あるいは飲み会に出た牡蠣料理によるノロウイルス感染症、食あたり。
アルコールによって胃の粘膜が荒れて、胃炎や胃潰瘍を起こすこともあります。

4.病院に行くべきときはどんなとき?何科?

嘔吐や下痢か続いて脱水症状を起こすようなことがあれば、病院の受診も考えましょう
しかし、原因が飲酒であるとはっきりしていれば経口補水液による水分補給を行い自宅療養で十分と思われます

脳卒中が疑われれば循環器科、食中毒や胃潰瘍が疑われれば消化器科を受診するのがよいでしょう。
吐き気や胃痛、嘔吐など胃の症状がひどく、なかなか治まらない場合は受診しましょう。

5.二日酔い症状にならないための予防策

二日酔いにならないための予防策というと、お酒を飲む前の対策と思いがちですが、飲酒後の対応のほうが大切です。

飲む前に肝機能を高めて、たくさん飲めるようにするのは、二日酔い対策ではありません。無理して飲める量を増やしても、逆に悪酔いしてしまいます。
二日酔いに対する一番の対策は先に書いたように「吐く」ということです。
吐いて全てを出し切ったあとに、何かを口に入れられる状態になったら、肝機能を高める薬を飲んで、水分を補給して脱水状態にならないようにする。
それが二日酔いにならない方法、二日酔いから早く回復する方法だと考えます。

5-1. 肝機能を高める成分・薬

肝機能を高める薬には以下のような薬があります。


・ペパリーゼ
・ウコンの力
・ソルマック
・ハイチオール


ヘパリーゼの成分は「肝臓水解物」という豚の肝臓を分解して得られたアミノ酸やペプチド。肝臓そのものです。
ウコンの力は「クルクミン」。ウコンは俗に肝機能を増進するといわれている。ソルマックにもウコンが含まれており、肝機能を高める作用が期待できる。
ハイチオールの成分は「L-システイン」というアミノ酸の一種で、肝臓の機能を助けます。

5-2. 水分代謝を高める成分・薬

・五苓散
五苓散は、漢方医学的にいう「水毒」という水分代謝の異常によって引き起こされる症状を是正する薬です。


・大正漢方胃腸薬
大正漢方胃腸薬は黄連解毒湯と五苓散の配合剤で、上記の五苓散の効能と、胃腸薬として黄連解毒湯が荒れた胃腸粘膜を修復します。

5-3. 胃腸機能を高める成分・薬

・サクロン
・ガスター

 

アルコールによる急性胃炎を起こした場合には、これらの胃薬が効果を発揮します。
お酒の飲みすぎによる、胃痛や胃もたれ、吐き気、食欲不振などには、アルコールで傷ついた胃の粘膜を保護する作用のある胃腸薬を選ぶと良い。

6.おわりに

下戸の私がたどりついた結論としては、「飲めないヤツはいつまでも飲めない」のです。
無理して飲むのはハイリスクです。「命に過ぎたる宝なし」
二次会に誘われても断りましょう。

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