頭痛にも様々な原因が。頭痛の種類に応じて何科を受診すべきかを解説

子煩悩神経内科医

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日本人の約6-8%が頭痛に悩んでいるといわれています。頭痛の頻度は、男性よりも女性に多く、特に女性の20歳〜40歳で多いとされています。

 

突発的な激しい頭痛が出てきて、非常に不安を感じていらっしゃる方もいるでしょう。その一方で、慢性的にずきずきとする、あるいは重くしめつけるような頭痛をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。頭痛には症状、程度や痛む部位、持続時間の違いなど、様々なものがあります。

 

頭痛の経過には、発作的に起きてはおさまりを繰り返すものや、慢性的にずっと持続的に続くものもあります。頭痛の程度も軽いものから、頭が痛くて仕事が手につかない、とりあえず横にならないと一日活動できない、といった強い頭痛まであります。
ですから頭痛の種類も様々で、これらの頭痛に対する対応もそれぞれ異なります。

 

ここでは頭痛の種類に応じて、その原因や何科にかかったらよいかについて、ご説明していきます。

※この情報は、2018年4 月時点のものです。

1.急激な突発性頭痛

1-1. こんな症状の方

頭痛の中でまず気をつけなくてはいけないのが「突発的に生じた激しい頭痛」です。とくに強い頭痛は、雷が落ちたように突然起こるので「雷鳴性頭痛」とも呼ばれ、緊急に処置をする必要があります。“いきなりバットで後ろから殴られた感じ”と表現されることもあります。

このような頭痛は命にかかわる、あるいは重篤な状態につながる可能性もある緊急事態であることが多いです。

 

1-2. 考えられる原因

くも膜下出血、脳出血とも急激な激しい頭痛がみられますが、いずれも出血の量が多ければ生命にかかわる、早急な処置が必要な状態です。

 

くも膜下出血は、激しい頭痛で始まります。脳動脈瘤(脳の血管の壁が弱くなってこぶ状にふくらんでいる場所)の破裂などによって血管が破れ、脳を覆うくも膜と軟膜のすき間(くも膜下腔)に出血するものです。大量の出血が起きればそのまま意識を失い死にいたることもありますが、意識を失わなかった場合にも、適切な治療をどれだけ早期に受けられるか、で予後が決まることもあります。

 

脳出血でも同様に突発的に頭痛が起きますが、脳内に出血が起きますので片側の手足がうごきづらい、呂律が回らないなど、脳の病変部位に応じた局所症状も出てきます。

 

その他にも、急激に起こる頭痛としては脳動脈解離による頭痛があります。例えば、脳動脈解離が頸部を走行している脳動脈である椎骨動脈などに起きると、うなじから後頭部にかけて急に痛みが生じます。

 

脳動脈解離という名前は聞いたことがないという方も多いかもしれませんが、交通事故での外傷やスポーツなどで、首をひねったり伸ばしたりしたときに内膜・中膜・外膜の三層構造をしている脳動脈の壁に亀裂が生じるものです。壁が裂けて、裂けた間の空間にさらに血液が入るためにどんどん裂けていきます。

 

そのため、押された血管の内腔が狭くなり、閉塞が起きれば脳梗塞を起こすこともあります。典型的なものとしては、ゴルフなど頸部を急に動かしたり、交通事故など急に外力が加わって起きます。血管に対してカテーテルや場合によっては手術による治療を行わなくてはいけないので脳神経外科的な疾患ということになります。

 

稀な原因としては、脳の血管などが急にびまん性・分節性に攣縮する(きゅっと縮まること)可逆性脳血管攣縮症候群と言われる一連の症候群があります。この際にも雷鳴様の頭痛を生じることがあります。これも緊急事態ですので、すぐに医療機関を受診することが必要になります。

 

1-3. 何科を受診すべき?

急激な突発性頭痛は、脳神経外科的な治療を必要とする疾患も多い緊急事態で、すぐに医療機関に受診することが必要です。

 

実際には脳神経外科でも神経内科でもよいですので、すぐに医療機関を受診して診察を受けてください。神経内科というのは、脳神経外科の内科版ともいうべき診療科で、脳神経系の内科的治療を担当しています。

 

まずは神経内科で診察し、いろいろな検査をおこなった後に、そのまま治療のため脳神経外科にまわされることも多いです。どちらの科にかかるか迷って時間を使うより、すぐに医療機関にかかることのほうが大事なのです。

 

出血性の場合は、頭部CTなどの画像ですぐわかりますから、脳の画像をとってもらえば一般の内科を受診しても診断はつきます。しかし、同じように重大な疾患であっても、脳動脈解離などは単純頭部CTではわからないことも多いですから、脳神経・神経内科外科など専門家にみてもらわないと対応が遅れることもあるのです。

 

2.慢性的な頭痛

2-1. こんな症状の方

慢性的な頭痛はいわゆる「頭痛持ち」の頭痛ということになります。
慢性の頭痛には大きく分けて、ガンガン、ズキズキするタイプの頭痛と、しめつけるように重い、あるいは”ヘルメットをかぶったような”と表現される頭痛があります。

 

これら二つの頭痛は起きるメカニズムが異なるために、対処の方法も異なります。前者のように、ズキズキするタイプの頭痛は血管に原因がある頭痛と考えられ、もう一つのしめつけるように重く感じる頭痛は頭皮の筋肉が不随意に収縮することによる頭痛と考えられています。それぞれ血管性頭痛と緊張性頭痛と呼ばれていますが、これらの二つが入り混じっている頭痛(混合性頭痛)もあります。

 

脳自体の中には痛みを感じる神経はないと言われています。従って痛みを感じるのは、脳を覆う膜である髄膜、あるいは脳を栄養する血管の壁に痛みを感知する神経があり、これがひきのばされたりして頭痛を感じると考えられます。血管性頭痛は従って拍動に応じてズキズキと感じることが多いのです。

 

これに対して緊張性頭痛は、頭皮や背中から首への筋肉が過剰に収縮することによる頭痛で、筋肉の緊張が高まると、筋肉内の血流が悪くなり、筋肉の中に乳酸やピルビン酸などがたまることなどが頭痛の原因になると考えられています。

 

ここでは大きく血管性頭痛(ズキズキする頭痛)と緊張性頭痛(重く締め付けるような頭痛)に分けてお話をしていきます。

 

2-2. ①ずきずきする頭痛:考えられる原因

血管性頭痛は血管が頭痛の原因になるもので、代表的なものには片頭痛と群発頭痛があります。

 

片頭痛の症状は、典型的にはこめかみから目のあたりにかけて、脈打つようにズキズキと痛む拍動性の頭痛が出現し、片側に起きることから片頭痛と呼ばれるのですが、実際には症状は両側性のこともあります。

 

吐き気や嘔吐をしばしば伴います。一回の頭痛は一般に数時間から2,3日続きます。典型的な場合、頭痛が起きる前に視野のなかにチカチカと光る点、ギザギザした光(閃輝暗点)が出現し段々大きくなっていき、それがおさまったころに頭痛がしてきますが、この症状がない場合もあります。

 

もう一つの代表的な血管性頭痛は群発頭痛です。群発頭痛でも通常症状は片側に出現します。早朝に起きやすく、眼の奥などが痛み、眼の充血や流涙、鼻閉などが伴います。

 

群発頭痛の痛みは「目がえぐられるような」あるいは「きりで刺されるような」激しい痛みのため、発作中は痛くてじっとしていることができず、部屋中を動き回ったり、時には頭をうちつけたりします。このような頭痛はある時期まとまって起こっては(群発)、別の時期は落ち着いているというようなことが見られます。

 

2-3. ①ずきずきする頭痛:何科を受診すべき?

血管性頭痛は、生理周期や天候などに影響されることもありますし、一生の間で症状が強くなったり収まったりする時期があり、その変動は人それぞれです。

 

通常の頭痛薬(消炎鎮痛剤)でおさまればよいのですが、これで治らない場合、片頭痛用の薬を用います。専門科である神経内科を受診してください。


発作の頻度が高いときには、片頭痛の予防の薬が用いられる場合もあります。いろいろな薬を使ってもなかなか良くならない難治性の例もあります。

 

薬物療法だけでは効果が不十分な場合、臨床心理士,理学療法士,作業療法士,看護師,薬剤師などのコメディカルを含めたチームでの診療が必要になる場合もあります。このような様々な状況への対応は専門家でないとできません。ですから、治療に難渋している場合はできれば神経内科、脳神経外科の頭痛外来など頭痛を専門としている医師の診察を受けるのが望ましいのです。

 

2-4. ②重くしめつけられるような頭痛:考えられる原因

緊張性頭痛は、締め付けるような頭重感が頭全体、後頭部や首筋に持続的に起き、ふわふわしためまいを感じる人もいます。筋肉の収縮による頭痛なので、筋緊張性頭痛とも呼ばれます。横になると楽になり、朝よりも夕方に頭痛の症状が強くなる傾向があります。痛みの強さは、仕事や家事をなんとか続けられる程度のことが多いです。

 

頭痛は高血圧に伴う場合もあります。高血圧は通常殆ど自覚症状がありませんが、血圧のコントロールが非常に悪い人では後頭部などに重い、時にズキズキする頭痛を感じることがあります。急に血圧が上がったときにも頭痛が出ることがあり、急激な血圧上昇や長期間継続する高血圧には特に注意が必要です。

 

2-5. ②重くしめつけられるような頭痛:何科を受診すべき?

緊張性頭痛は血管性頭痛とは治療が異なります。血管性頭痛と同様、消炎鎮痛薬も用いられますが、軽い筋弛緩作用もあわせもった安定剤が処方されることもあります。

 

無理な姿勢、ストレス、睡眠不足などが重なって起こることも多いので、リラックスできたり、十分な睡眠がとれるだけで症状がよくなることもあります。

 

パソコンの画面を長時間見る作業などをする場合には、ときどき休憩をとりながらすることが大切です。緊張性頭痛の一般的な対応は一般内科でも十分できます。高血圧に伴う頭痛も内科を受診すると良いでしょう。しかし診断がわからない場合や、なかなか治りにくい場合には神経内科、あるいは頭痛外来を受診してください。

 

3.頭痛持ちの人でない人にあらわれた頭痛、他の症状を伴う頭痛

3-1. こんな症状の方

普段頭痛持ちの人でない人に出てきた頭痛は注意が必要です。発熱など他の症状を伴う場合も気をつけてください。

 

3-2. 考えられる原因

例えば風邪をひいて熱が出た時の頭痛は、多くの人が経験したことがあると思います。花粉症の症状がつよいときなど、頭の重い頭痛がでることがあるでしょう。このようなよくある頭痛でなく、高熱を伴う頭痛、頭のびりびりするような頭痛、眼の痛みや、日中の眠気を伴うような頭痛は注意が必要なことがあります。

 

ウイルスや菌が脳脊髄液に入り込み、脳を覆う髄膜に炎症が起きる状態を髄膜炎といいます。髄膜炎では頭痛が伴います。診察上は項部硬直と言って、首の後ろの筋肉が緊張し、固くなる症状がみられることがあります。また頭を振ったりすると、症状がひどくなります。

 

ひとことに髄膜炎といっても、様々なものがあります。


一番よくみられるウイルス性髄膜炎は風邪のウイルスなどが髄膜にも入り込んで炎症を起こすものであり、一般の風邪より症状が強いですが、2,3週で自然に治っていきます。それに対し、結核菌、真菌(いわゆるカビ)による髄膜炎はきちんとした治療を受けないと死にいたることもあります。従って神経内科を受診し、髄液検査などにより髄膜炎の原因を特定し、必要な治療を受けることが必要です。

 

頭の表面がびりびりするような感じの頭痛は、頭皮の表面の末梢神経などの障害による神経痛と呼ばれるものです。このような症状がある方も神経内科でみてもらうと良いでしょう。

 

頭痛に眼の痛みが伴う場合も注意が必要です。眼圧の高くなる疾患、緑内障にも頭痛が伴うことがあるからです。側頭部が痛むことがよくあり、吐き気を伴うこともあります。眼自体の痛みがあったり、発作時には眼の見え方が少しかわることもあります。進行すると視野が狭くなったり、視力が低下しますので、きちんとした治療が必要です。

 

睡眠時無呼吸症候群は、夜間睡眠時に舌根部が重力によって落ち込むため、気道がふさがれ、一時的な無呼吸を繰り返す疾患です。

 

無呼吸になると血液が低酸素状態となるため、覚醒度があがるのですが、そうすると舌根部が拳上して、閉塞が解除されます。このような人では睡眠の効率が低下し、朝起きたときに頭痛が起こり、日中は眠くなります。

 

頭痛の原因が睡眠の効率低下にありますので、治療もCPAP(シーパップ)という機械をつけて、鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかけ、夜間気流が気道に流れるように補助します。

 

3-3. 何科を受診すべき?

これらの病気はまずは内科、神経内科でみてもらいましょう。緑内障の場合には眼科でみてもらうことが必要になります。


これらの疾患については、内科疾患に伴う頭痛が多いのでまずは内科を受診してください。専門的な治療が必要なら神経内科ないし脳神経外科に紹介してくれるでしょう。眼の痛みに伴う頭痛は、緑内障によることがあり、眼科受診が必要なこともあります。

 

4.とんな頭痛に気をつけたらいいの?

急性突発性の頭痛が緊急事態であることは最初に述べたとおりです。


一方、比較的軽い頭痛であっても甘く考えてはいけません。これまでなかった人に頭痛が新しく出てきた場合、とりわけ段々ひどくなる頭痛であれば、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

 

また、いつもと違った感じの頭痛がある場合、たとえば段々頭痛が強くなってきた場合、頭痛に発熱が伴う場合(髄膜炎など)も、急性・慢性に関わらず注意が必要です。

 

側頭動脈炎といって額の上部の皮下を走る血管に炎症をきたす疾患があります。側頭動脈が腫れてくるだけでなく、拍動を触れます。頭痛だけでなく、“下顎跛行”といって噛んでいると、顎が痛く段々動かせなくなる特徴的な症状を認めることがあります。側頭動脈炎の炎症は、眼動脈などに波及して失明の原因になるので早めの受診が必要です。

 

慢性的な頭痛では頭部CTやMRIを撮影しても異常がないことが多いのですが、画像をとってみたら異常が見つかることもあります。ですから頭痛が持続する人は、頭部CTやMRIなど一度は脳の画像を調べてもらったほうがよいのです。


例えば慢性硬膜下出血という出血があります。高齢者に多いのですが、転倒などをした数週間後に脳を包んでいる硬膜と頭蓋骨の間に、じわじわと出血が起きてくるものです。最初頭痛しか症状がないこともありますが、徐々に転びやすくなったり、物忘れなどの症状も出てきます。

 

これらは脳の外に血が溜まってくるために脳が圧迫されて起きる症状なのですが、明らかな麻痺などをきたさず、最初は症状がはっきりしないため専門家にみてもらわないと診断がつかないことがあります。しかし頭部の画像を撮影すれば、硬膜下腔という部位(基本的には脳の外)に血が溜まっている様子がすぐわかります。

 

 

脳腫瘍は、最初は無症状のことが多く、画像を撮影して初めて腫瘍があることがわかることもあります。大きくなると、常に痛みや頭重感が出現するようになりますが、そのころには腫瘍が大きくなっていることもあります。

 

ですから、特に日を追うごとに徐々に強くなってくるような頭痛は注意が必要です。そこで診察を受けて必要があると判断された場合には、頭部CTやMRIを撮って評価してもらうことが大切です。その意味で、頭痛は神経内科、脳神経外科などの専門医にみてもらうことが重要なのです。

 

慢性頭痛がある人が「薬を飲んでいるのに、毎日頭が痛い」と訴えた場合に考えないといけないのが薬剤の乱用による頭痛です。頭痛のある人が薬を多用していると、かえって頭痛がひどくなるのです。この場合、薬剤を減らすことが治療につながるので、きちんと専門家にみてもらわないと診断・治療がうまくいかないことがあります。

 

5.まとめ

一言に頭痛といっても、随分いろいろな頭痛のタイプがあるんだなあ、と思われたことでしょう。頭痛の診察は多くの場合、神経内科、脳神経外科のいずれかの専門科でみてもらうのがよいです。

 

一般的に言えば、内科的な治療をする頭痛、つまり薬の治療がメインになる頭痛は神経内科に、外科的な治療が必要な頭痛は脳神経外科にみてもらえばよいということになります。

 

しかし患者さん自身が判断するのは難しいこともありますから、まずはどんな頭痛かを診断してもらうことが先決です。通常の痛み止めだけだったら確かに内科医でも処方できますが、専門医にかかれば、診察だけでなく、頭部MRI・CTなどの評価をしてくれるという点も大切です。

 

まず気をつけなければならないのは、急性突発性の激しい頭痛です。このタイプの頭痛は、ほとんど例外なく緊急の受診が必要です。もちろん受診して検査した結果、大したことがなかったという場合もありますが、それはラッキーだったのだ、と思って下さい。

 

慢性的な頭痛では症状が頑固だったり、強かったりした場合、専門医に診療を受けるのがよいでしょう。診断が決まったら、あとはかかりつけの内科の先生に薬をもらうという形でよいかもしれません。

 

症状の変化がある頭痛、他の症状が伴っている頭痛なども要注意です。具体的には発熱、眼の痛み、日中の眠気を伴うといった通常とは違う頭痛にも注意しましょう。緑内障のように眼科にかからないといけない場合もあります。自己判断をしたり、自分ひとりで悩んだりせずに、まずは早めに医療機関にかかることが大事なのです。

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