あなたの頭痛はどのタイプ?頭痛の種類とその原因・症状を解説

子煩悩神経内科医

日本人の約6-8%が頭痛に悩んでいるといわれています。中でも女性は男性の4倍も多いとされます。

頭が痛くなると、とりあえず横にならないと活動ができなくなる方もいらっしゃるでしょう。あるいは頭痛がそれほど強くなくても、頭がしめつけるような感じで、一日調子があがらないという人も。


今回は、頭痛について解説するとともに、主な頭痛の種類とその特徴を説明します。

※この情報は、2017年11月時点のものです。


1.頭痛の症状のタイプ

ひと口に頭痛といっても、いくつかの症状のタイプがあります。

主なタイプの一つはガンガン、ズキズキするような拍動性の頭痛、もう一つは重く締めつけるような頭痛です。

 

頭の表面がびりびりするような感じも頭痛と呼ばれることがあります。頭痛は単独に起きるだけでなく、他の症状を伴う場合もあります。

例えば、頭痛に伴って眼の奥が痛くなったり、嘔吐を伴うこともあります。ここでは様々な頭痛の種類についてお話しします。

2.頭痛の種類

頭痛は、痛みの強さ、痛む部位、持続時間など、症状も人により異なります。


頭痛は急性の頭痛と、慢性の頭痛に分けられます、これらの二つでは頭痛の種類が異なります。前者には、くも膜下出血や脳出血でおきる非常に危険なものも含まれます。

 

雷が落ちたように突然起こる超急性に発症する激しい頭痛は「雷鳴性頭痛」ともよばれ、緊急に処置をしなければならないことが多く、直ちに医療機関に受診することが必要です。

 

後者のタイプでも、軽度のものでも突然現れた頭痛、段々ひどくなる頭痛であれば、医療機関を受診することをお勧めします。

 

慢性の頭痛は大きく、血管性頭痛緊張性頭痛に分けられます。

 

血管性頭痛には、血管が頭痛の原因になっているもので、片頭痛と群発頭痛が多くみられます。緊張性頭痛は、後に述べるように頭皮や頸部の筋肉の緊張によるものです。

 

頻度的には片頭痛と緊張性頭痛が慢性頭痛の大部分を占めていますが、とりわけ多いのが筋緊張性頭痛です。

 

一次性頭痛、二次性頭痛という分類もあります。頭部CT、MRI画像検査などで原因となるような病変のないものを一次性頭痛と呼び、頭痛の多くがこれに相当します。これに対して、例えば脳出血や脳腫瘍など他の疾患が原因で起こる頭痛を二次性頭痛と呼びます。

3.頭痛のおきるメカニズム

頭痛はどうして起きるのでしょうか。

 

慢性の頭痛は大きく、血管性頭痛緊張性頭痛に分けられますが、その二つでは頭痛の起きるメカニズムが異なります。

 

脳自体の中には痛みを感じる神経はないとされています。ではどこで頭痛を感じるかというと、髄膜といわれる脳を覆う膜、あるいは脳にある血管の壁、これがひきのばされたりして頭痛を感じるのです。


血管性頭痛の場合、“血管性”という名の通り、血管で痛みを感じますから、ガンガン、ズキズキといった拍動性のある頭痛を感じるのが特徴です。

 

緊張性頭痛は、頭皮や背中から首への筋肉が過剰に収縮することによる頭痛で、筋肉の緊張が高まると、筋肉内の血流が悪くなり、筋肉の中に乳酸やピルビン酸などがたまることが頭痛の原因になると考えられています。

 

それが周囲の神経を刺激し、締めつけられるような痛みになります。そのため拍動性のある頭痛ではなく、頭部の周囲を締めつけるような、あるいは”ヘルメットをかぶったような”頭痛になります。

血管性頭痛と緊張性頭痛、二つのタイプの頭痛を合併している場合もしばしばあります(混合性頭痛)。

他方、頭の表面がびりびりするような感じの頭痛は、頭皮の表面の末梢神経などの障害による“神経痛”と呼ばれるものです。

4.主な頭痛の種類

4-1. 片頭痛

片頭痛は上でのべたようにガンガン、ズキズキする血管性頭痛の代表です。

 

片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、脈打つようにズキズキと痛む拍動性の頭痛が出現します。この発作は、一般に数時間から2,3日続きます。

 

片側に起きることから片頭痛と呼ばれるのですが、実際には症状は両側性のこともあります。頭痛には吐き気や嘔吐をしばしば伴います。

 

典型的な片頭痛では、頭痛が起きる前に視野のなかにチカチカと光る点、ギザギザした光(閃輝暗点)が出現し段々大きくなっていき、それがおさまったころに頭痛がしてきます。

しかし閃輝性暗点を伴わない場合も多いです。

 

症状が強いときは、とりあえず横にならないと一日活動できない、仕事が手につかないという人もいます。頭痛は動きまわると悪化する傾向があります。

 

片頭痛には症状の波があり、頭痛が続いていたと思ったら、しばらくしたら収まっている時期がきます。

チョコレート、チーズ、赤ワインなどのお酒がきっかけで頭痛がひどくなったり、音、光などの刺激がきっかけになって症状が悪化したりするので、そのような傾向がある人はそのような食品や刺激を避けるようにすることが必要です。

片頭痛で頭痛の起きる仕組みは血管性であるといいましたが、もう少し詳しくいうと、血管が何らかの原因で収縮し、頭蓋内血管に分布する三叉神経などの神経終末が刺激されると、血管作動性物質(神経ペプチド)が放出され、今度は血管が拡張するというものです。

同時に無菌性の炎症が起こり、炎症反応が次々に血管を広げていくことも痛みの原因となります。

4-2. 群発頭痛

群発頭痛も血管性頭痛の1つです。

症状は、普通は片側に出現します。早朝に起きやすく、眼の奥などが痛み、眼の充血や流涙、鼻閉などが起きるのが特徴的です。

群発頭痛の痛みは「目がえぐられるような」あるいは「きりで刺されるような」激しい痛みのため、発作中は痛くてじっとしていることができず、部屋中を動き回ったり、時には頭をぶつけたりします。発作時間は1日あたり30分から数時間くらい続きます。

 

20~40歳代の男性に多いのが特徴です。

このような発作が、一定期間、たいていは1~2ヵ月くらい続いた後(つまり文字通り頭痛が“群発”した後)、いったんおさまります。またしばらく時間がたった後(少なくとも一か月)、再び同じような頭痛が”群発“します。休止期がより短いタイプもあります。

 

群発頭痛では眼の後ろ側を通っている内頸動脈が拡張して炎症を引き起こすため、目の奥が痛むと考えられています。アルコール飲酒がきっかけになることも多いので、注意が必要です。

4-3. 筋緊張性頭痛

締め付けるような頭重感が頭全体や後頭部や首筋に持続的に起きるのが特徴です。ふわふわしためまいを感じる方もいます。筋肉による頭痛なので、横になると楽になりますし、朝よりも夕方に頭痛の症状が強くなることが多いのも特徴です。肩こりのある人に多くみられます。

 

痛みの強さは、仕事や家事をなんとか続けられる程度のことが多いです。無理な姿勢や過度な緊張、ストレスなどが重なって起こることも多いので、パソコンの画面を長時間見る作業などをする場合には、ときどき休憩しながらやることが大切です。

 

日頃から肩や首の筋肉が過度に緊張しないように、睡眠を十分にとり、自分に合ったリラックス法を見つけることも大切です。

4-4. くも膜下出血や脳出血など他の病気が原因で起こる頭痛

くも膜下出血、脳出血とも急激な激しい頭痛がみられますが、いずれも出血の量が多ければ生命にかかわる、早急な処置が必要な状態です。


くも膜下出血は、脳動脈瘤(脳の血管の壁が弱くなってこぶ状になっている場所)の破裂などによって血管が破れ、脳を覆うくも膜と軟膜のすき間(くも膜下腔)に出血するものです。出血時には急激で激しい頭痛が生じ、しばしば「バットで急に後ろから殴られたような」頭痛が起きます。

 

激しい頭痛に嘔吐が伴い、場合によってけいれん発作もみられます。このような症状がみられた場合には、一刻も早い医療機関の受診が必要です。


脳出血は脳の動脈が破れて脳の中に出血し、血液のかたまりができて脳を内側から圧迫する状態です。これにより頭痛の他、運動神経が障害されれば出血と反対側の手足の麻痺も起きます。このような場合も、ただちに医療機関に受診しなくてはなりません。

 

脳動脈解離は交通事故での外傷やスポーツなどで、首をひねったり伸ばしたりしたときに内膜・中膜・外膜の三層構造をしている脳動脈の壁に亀裂が生じ、この裂け目に血液が入り込み、さらに動脈の壁が裂けてしまう状態です。

 

このようになると、さらに血管にこぶ(解離性脳動脈瘤)ができたり、おされた血管の内腔が狭くなったりします。脳動脈解離が頸部を走行している脳動脈である椎骨動脈などに起きると、うなじから後頭部にかけて急に痛みが生じます。

 

以上のようにくも膜下出血、脳出血、脳動脈解離に伴う突然の激しい頭痛はいずれも医療機関にかからなくてはいけない緊急事態です。

4-5. 脳腫瘍による頭痛

脳腫瘍は無症状のことも多いですが、大きくなると、常に痛みや頭重感が出現するようになる場合もあります。特に日を追うごとに徐々に強くなってくる頭痛は注意が必要です。

 

脳腫瘍による頭痛は、朝方眼がさめたときに強く、起きてからしばらくすると軽快してくるMorning headacheといわれる特徴を示すことがありますが、全例がそうだというわけではありません。

4-6. 高血圧に伴う頭痛

高血圧は通常殆ど自覚症状がありませんが、高血圧のコントロールが非常に悪い人では後頭部などに頭痛を感じることがあります。高血圧がない人でも、頭痛があるときは血圧も上昇することが多いので、血圧が頭痛の原因なのか結果なのかを区別するのは必ずしも簡単ではありませんが、急激な高血圧(血圧上昇)や長期間継続する高血圧は注意が必要です。

 

特に収縮期血圧が210㎜Hg以上、あるいは拡張期血圧が120㎜Hgくらいに上がると脳出血のリスクが極めて高くなるので、すぐに医療機関へ受診し治療することをお勧めします。

4-7. 髄膜炎による頭痛

ウイルスや菌が脳脊髄液に入り込み、脳を覆う髄膜に炎症が起きた状態が髄膜炎です。

 

髄膜炎では通常激しい頭痛を伴います。頭痛だけでなく、発熱・嘔吐や、首のうしろが固くなる項部硬直という症状も伴います。

 

髄膜炎の頭痛は動き回ったり、頭を振ったりすると痛みが強くなるのが特徴です。髄膜炎の多くはウイルス性で、症状が比較的軽く、自然に治っていく傾向がありますが、細菌性・真菌性(カビ)・結核などによる髄膜炎は重篤で、生命にかかわる場合もあります。

 

そのため症状などから髄膜炎が疑われる場合には、必ず医療機関に受診して診察を受けることが大切です。

4-8. 緑内障による頭痛

眼圧の高くなる疾患、緑内障にも頭痛が伴うことがあります。側頭部が痛むことがよくあり、吐き気を伴うこともあります。

 

眼自体の痛みがあったり、発作時には眼の見え方が少しかわることもあります。下を向いたときに痛くなる傾向があります。緑内障は視力低下や視野の狭窄にもつながりますので、眼科で診てもらう必要があります。

4-9. 睡眠時無呼吸に伴う頭痛

睡眠時無呼吸症候群といって、睡眠時に舌根部が重力によって落ち込むため、気道がふさがれ、一時的な無呼吸を繰り返す疾患があります。

 

無呼吸になると血液が低酸素状態となるため、覚醒度があがるのですが、そうすると舌根部が拳上して、閉塞が解除されます。このような無呼吸と覚醒度の上昇が夜間に繰り返しおきるため、このような人では睡眠の効率が低下します。

 

睡眠時無呼吸症候群の人では朝おきあがったときに頭痛が起こり、起きてからしばらくするとよくなります。夜間の睡眠の効率が落ちますので、日中に眠気が伴いやすいのが特徴です。

4-10. 薬剤乱用性頭痛

もう一つ忘れてはならないのが、薬剤乱用性頭痛です。慢性頭痛がある人が、「薬を飲んでいるのに、毎日頭が痛い」と訴えた場合に考えないといけない頭痛です。

 

文字通り薬剤の使用過多による頭痛で、頭痛のある人が薬を多用しているとかえって頭痛がひどくなるものです。このような人は仕事や家事等を行うため、早め早めに薬物を服薬する癖がついてしまい、服薬量が増えてしまっていることが多いのです。

5.頭痛とその対処は原因による

5-1. どのようなタイプの頭痛に気をつけないといけないか

上でも述べたように急激にこれまでない強い頭痛が起こった場合(”雷鳴性頭痛“”いきなりバットで後ろから殴られた感じ“)は、医療機関に直ちに受診したほうがよい緊急事態です。

 

また呂律がまわらない、手足が動かない場合(脳出血など)、意識がはっきりしない、けいれんなどの症状がある場合なども、すぐに医療機関にかかる必要があります。

 

突然の激しい頭痛でなくても、いつもと違った感じの頭痛がある場合、たとえば段々頭痛が強くなってきた場合、頭痛に発熱が伴う場合(髄膜炎など)も、急性、慢性に関わらず注意が必要で病院にかかったほうがよいです。

 

頭痛の症状があっても、頭部CTやMRIでは異常がない人が多いですが、症状だけでは100パーセントはわかりませんので、頭痛が持続する人は、頭部CTやMRIなど一度は脳の画像を調べてもらったほうがよいです。

②頭痛の治療はタイプによって異なる

治療や対処法が頭痛の種類によっても異なる点も重要です。

 

例えば血管性の頭痛である片頭痛には、いわゆる消炎鎮痛薬も用いられますが、これで不十分な場合、片頭痛に有効なトリプタン製剤が用いられます。頭痛の頻度が高く、トリプタン製剤があまり効かない人にはCa拮抗薬やβ遮断薬など頭痛予防の薬が処方されます。

 

一方で、筋緊張性頭痛では、消炎鎮痛薬も用いられますが、筋弛緩作用もあわせもった安定剤が処方されることもあります。ストレスや睡眠不足も原因になりうるので、リラックスの仕方、睡眠なども気をつける必要があります。

 

薬剤乱用性頭痛では原因となった薬物を中止し、その後に起こった頭痛は別の治療薬で対処する必要があります。このように頭痛のタイプで全く治療や対処法が異なるので、きちんとした診断が必要になるのです。

6.おわりに

頭痛にはさまざまなタイプがあることがおわかりいただけたかと思います。

頭痛のタイプによって対応もさまざまに変わりますので、気になる症状であれば、一人で悩まずに医療機関に相談したほうがよいでしょう。

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