【夏の皮膚疾患】あせもにはどんな薬が効く?おすすめの市販薬や予防法についても解説

夏になると悩まされることが多い疾患の一つにあせも(汗疹)があります。

近年は一昔前と比べて猛暑日が増え、多量の汗をかく機会が多いため、あせもは子どもから大人まで幅広い年齢に見られる疾患となっています。

あせもは掻き壊してしまうと傷口が化膿し、とびひなどの細菌感染を併発する可能性もあることから適切な対策が欠かせません。
この記事では、あせもの際によく用いられる薬とその使用上の注意点に加え、予防法についても解説していきたいと思います。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.あせもとは?

あせもは「汗疹(かんしん)」とも呼ばれ、汗をかくことが原因でお肌に小さな水ぶくれやブツブツなどが生じる皮膚疾患です。

あせもは小児にできやすいですが、近年は猛暑の影響もあり屋外作業をする大人などにもよく見られます。大量発汗時に、汗を体外に排出する器官である汗腺が汗で詰まり、皮膚の内部に汗が溢れ出ることで発症します。

 

日本でよく見られるあせもには、水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)と紅色汗疹(こうしょくかんしん)の2つがあります。

 

水晶様汗疹は皮膚の表面に近い場所にある汗腺が詰まることで生じます。皮膚の表面に小さな水ぶくれがたくさんできますが、かゆみや痛みなどの症状はほとんどありません。

一方、紅色汗疹は皮膚のより深い場所にある汗腺が詰まることで生じ、皮膚の表面に赤い湿疹ができ、かゆみや軽い痛みを伴うこともあります。

 

あせもは、小児の場合は、脇の下、首回り、足の付け根、膝の裏、肘の裏などにできやすく、大人の場合は、お腹、背中、胸部、首などにできやすいとされています。

 

2.あせもの治療法は?

あせもの治療法は原則として薬物療法になります。水晶様汗疹と紅色汗疹で治療に用いる薬の種類がやや異なりますが、どちらも治療は患部に軟膏やクリームなどの外用薬を塗布することが基本になります。

 

また、症状がひどく外用薬だけでは対処できない場合には抗アレルギー薬や抗生物質などを内服することもあります。

 

ドラッグストアでも各種のあせも治療薬が販売されていますが、市販薬だけでは症状が良くならない場合には、皮膚科などを受診してより強い薬を処方してもらうこともできます。また、後で説明するように、あせもの治療には薬を塗布する以外にも、こまめに汗をぬぐう、患部を清潔に保つなど日常生活における対策も大切になります。

 

2.あせもに効く薬は?

あせもに効く薬には、主に以下にご紹介するような成分などが含まれています。

 

2-1. ジフェンヒドラミン

抗ヒスタミン作用があり、皮膚のかゆみや湿疹などの症状を抑える働きがあります。

 

2-2. リドカイン

局所麻酔作用がありかゆみや痛みを抑える働きがあります。

 

2-3. グリチルリチン酸二カリウム

カンゾウ(甘草)とよばれる生薬に含まれる成分で、炎症を鎮める働きがあります。

 

2-4. 酸化亜鉛

皮膚から出る分泌物を吸着して患部を乾燥させる働きがあります。

 

2-5. ベタメタゾン吉草酸エステル(リンデロンV軟膏)

5段階中、上から3番目の強さ(strong)に属するステロイド軟膏です。優れた抗炎症作用があり、あせも、湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなど種々の皮膚疾患に対して用いられます。

 

2-6. ヒドロコルチゾン酪酸エステル(ロコイド軟膏)

5段階中、上から4番目の強さ(medium)に属するステロイド軟膏です。リンデロンV軟膏と同じく、あせも、湿疹、皮膚炎、かぶれ、虫刺されなどに用いられますがその効果はやや弱めになります(その分、副作用の生じるリスクも低くなります)。

 

2-7. ジメチルイソプロピルアズレン

植物由来の抗炎症作用をもつ成分です。ステロイドではないため作用は穏やかですが、副作用のリスクもほとんどなく、どなたでも安心して用いることができます。

 

子どものあせもにステロイドを使っても大丈夫?

 

「ステロイド」という言葉に拒絶反応を持たれている方も少なからずいらっしゃいますが、一口にステロイドと言ってもその種類は様々です。

ステロイド剤は大きく内服薬、注射薬、外用薬、吸入薬に分けることができますが、このうち特に副作用が問題となるのは内服薬と注射薬です。あせもに用いるステロイドは原則として軟膏などの外用薬となりますので、正しい使い方を守っていただければ副作用の心配はほとんどありません。

 

ステロイド外用薬は強さによって、weak、medium、strong、very strong、strongestの5段階に分類することができます。

 

このうち、市販薬として販売されているステロイド軟膏はweak、medium、strongであり、リスクはそれほど高くありません。ただし、ステロイド外用薬は市販薬であっても漫然と使用することは避けるべきとされています。長くとも1週間程度を目安にお使いいただき、それでも症状が改善しない場合は皮膚科などを受診する方が良いでしょう。

 

また、ステロイドは塗布する部位によって皮膚から吸収される量が著しく異なります。顔面、首筋、陰部は特に吸収量が多い部位となりますので、これらの部位にステロイド軟膏を用いる場合は、医師の監督下で行うことをお勧めいたします。

3.あせもにお勧めの市販薬は?

あせもにお勧めの市販薬には以下のようなものがあります。いずれもドラッグストアやインターネット通販などで入手可能な商品なのでぜひご検討ください。

 

・【第3類医薬品】ポリベビー 50g/佐藤製薬

ジフェンヒドラミン、酸化亜鉛などの成分を含んでおり、ステロイドは入っておりません。名前のとおり赤ちゃんのあせもにも用いることができる商品です。陰部周辺などの薬の吸収率が高い部位にもお使いいただくことができます。

 

・【第2類医薬品】タクトホワイトL 32g/佐藤製薬

ジフェンヒドラミン、リドカイン、グリチルリチン酸二カリウムなどの成分を含みます。ステロイドは含んでおらず、子供から大人まで幅広くお使いいただくことができます。

 

・【指定第2類医薬品】フルコートf 5g/田辺三菱製薬

ストロングクラスのステロイドとフラジオマイシン硫酸塩と呼ばれる抗生物質を含む軟膏です。市販薬の中では最も強い部類に属するため、他の薬が効かない方や患部が化膿しており、とびひなどの二次感染が疑われる方向けの薬です。

 

 

病院で処方される薬と市販薬の効き目の違いは?

 

病院では市販薬と比べて効き目の強いあせも治療薬を処方してもらうことも可能です。病院でしか手に入らない薬には以下のような特徴があります。

 

・very strongクラス以上のステロイドを処方してもらえる

前述したように、ドラッグストアなどで購入できるステロイド薬の強さはstrongまでとなります。このため、重症のあせもでvery strongクラス以上のステロイドが必要となる場合は病院やクリニックなどで処方してもらう必要があります。

 

・内服用抗生物質を処方してもらえる

あせもを掻き壊してしまい、とびひなどの細菌感染を合併した場合は、内服用の抗生物質が必要となることもあります。病院であればフロモックスやメイアクトといった、とびひによく効く抗生物質の内服薬を処方してもらうことも可能なため、あせもが2次感染を起こした場合にも適切に対処することができます。

 

・内服用抗アレルギー薬を処方してもらえる

あせもによるかゆみがひどい場合には内服用抗アレルギー薬を処方してもらうこともできます。病院では、アレグラ錠、アレロック錠、ザイザル錠など皮膚そう痒症に良く効く薬を処方してもらうことができますので、特にかゆみがひどい方にはお勧めです。

 

※市販のアレグラFX錠は鼻炎専用薬なので、原則としてあせもに用いることはできません。

5.あせも治療の注意点

5-1. あせも治療薬の副作用は?

あせもの治療薬は安全性の高いものがほとんどであり、副作用についてはそれほど心配はいりません。ただし、人によっては以下に説明するような副作用が生じる可能性もあるため、念のため注意するようにしてください。

 

【塗り薬】

あせもに使う塗り薬は安全性の高い成分がほとんどですが、ごくまれに塗布した部分にかぶれや炎症を起こすことがあります。万一異常が見られた場合はすぐに使用を中止して医師、薬剤師にご相談ください。

また、ステロイドを含む軟膏ではまれに、皮膚表面の炎症、皮膚表面のガサガサ、ブツブツ、かゆみ、毛疱炎などが生じる可能性があるので、異常が見られた場合は同様に専門家に相談してください。

 

【飲み薬】

あせもの症状がひどいときに皮膚科を受診すると、内服用の抗アレルギー薬や抗生物質が処方される可能性があります。抗アレルギー薬は一般に眠気、喉の渇き、便秘、眼圧上昇、尿閉などが生じる可能性がありますのでご注意ください。また、抗生物質を服用すると、下痢などの消化器系の副作用や、稀に発疹などが生じることがあります。下痢がひどいときや発疹が表れた場合は医師や薬剤師に相談するようにしてください。

 

5-2. こんなときは早めに皮膚科へ

あせもは症状が軽ければ市販薬で対処することもできますが、以下のような場合は重症化する可能性があるので皮膚科や小児科などを受診する方が良いでしょう。

 

・市販のあせも治療薬を使用しても症状が良くならない場合

・患部が広範囲に渡っている場合

・患部を掻き壊してしまった場合

・患部が化膿している場合

 

5-3. 自宅でできるあせも対策は?

あせもの治療や予防には、薬を使う以外にも以下に説明するような生活上の注意が必須になります。どれも日常生活において手軽に実践できることなので、ぜひ頭に入れておいてください。

 

【患部を掻き壊さないようにする】

あせもが生じている患部を掻くのは厳禁とされています。これは、掻き壊した部分に細菌が入り込み、感染症を起こしてしまう危険性があるためです。

 

【皮膚を清潔に保つ】

あせもの予防や治療には皮膚を清潔に保つことが大変重要になります。汗をかいたあとはすぐにタオルで拭き取ったりシャワーで洗い流したりするようにしましょう。汗を拭きとるときは皮膚をゴシゴシとこすらずに優しく拭き取ることがポイントです。また、タオルは水で濡れているものの方が汗を良く吸収するのでお勧めです。

 

【皮膚のバリア機能を維持する】

入浴時に刺激の強い合成洗剤系のボディーソープを使ったり、ゴシゴシと力を込めて皮膚を洗ったりするのは避けましょう。皮膚表面のバリア機能が低下することであせもが悪化する可能性があります。また、40℃を超えるような熱いお風呂に浸かってしまうとヒスタミンと呼ばれるかゆみを引き起こす物質が分泌されたり、皮膚のバリア機能が障害されたりするので注意してください。

 

【部屋の温度を適度にたもつ】

あせもの原因となる過剰な発汗を防ぐためには、室内温度を快適に保つことも大切です。必要に応じてエアコンを使い、26~28℃程度の温度を維持するようにしましょう。また、湿度は50%前後に維持すると良いとされています。

 

【風通しの良い服を着る】

汗をかいた場合でもすぐに乾くように、メッシュ素材などのできるだけ風通しの良い服装を心がけましょう。また、下着には速乾性のあるものがお勧めです。

 

【ベビーパウダーの使用は注意】

ベピーパウダーには汗を吸着して皮膚を乾燥させる働きがあるので、あせもの予防に使うことはできます。ただし、ベピーパウダーは同時に毛穴を塞いで汗の出を悪くしてしまう恐れもあるため、すでにできているあせもに対しては使わない方が良いとされています。あせもの治療には前述した医薬品を用いることをお勧めいたします。

 

6.まとめ

あせもは子どもから大人まで幅広く発症する可能性のある疾患ですが、軽症であれば市販薬でも十分に対処することが可能です。ステロイド軟膏も正しく使用すればあせもの治療に大変役立つ薬なので症状に応じて活用されると良いでしょう。

また、あせもはきちんとした対策を講じることで発症を予防することも可能です。ご自身やお子様の身の回りの環境に気を配りながら適切な予防を心がけ、快適な夏を過ごせるようにしてください。

執筆
薬剤師:おくすり スペシャリスト
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