【夏かぜ】ヘルパンギーナに効く市販薬は?治療のポイントも併せて解説

夏によく見られるヘルパンギーナは、エンテロウィルスにより引き起こされる感染症です。5歳以下の子どもに多く発症し、プール熱や手足口病と並ぶ3大夏かぜの一つとしても知られています。

エンテロウィルスに対するワクチンや治療薬はいまだに開発されていないため、きちんとした栄養と休眠を取ることが治療の基本となります。

ただし、ヘルパンギーナにかかると辛い発熱や口内炎などの症状が出ることもあり、こうした症状を和らげるためには市販薬の服用が有効な場合もあります。

今回の記事ではヘルパンギーナにお勧めの市販薬について、その使用上の注意点とともにご紹介したいと思います。
※この情報は、2018年8月時点のものです。

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1.ヘルパンギーナはどんな病気?

ヘルパンギーナは夏風邪とも呼ばれており、エンテロウィルスによって引き起こされる感染症です。

5歳以下の小児が夏場にかかることが多く、39~40℃の高熱、喉の痛み、口内炎などの症状を特徴とします。多くの場合、口の周りや喉の奥などに小さくて赤いプツプツとした水疱が数個から十数個出現します。

 

喉の痛みや口内炎がひどくなると食べ物を飲み込むことも辛くなるため、脱水症状や栄養失調を来しやすくなります。感染後3~6日は症状が現れませんが(この期間を潜伏期と呼びます)、その後高熱などの症状が起こります。

 

安静にしていれば10日程度で徐々に症状が治まっていきますが、症状が消失した後でも2~4週間程度は体内にウイルスが残っているため、周りの人に感染させないための注意が必要となります。

 

2.ヘルパンギーナの治療方法は?

ヘルパンギーナはウイルス性の疾患ですがインフルエンザのようにワクチンや抗ウイルス薬は開発されていません。このため、栄養や休眠を十分に取って、生体に備わる免疫機構をフル活用させることで治療することが基本となります。

 

安静にしていれば通常は10日程度で症状が治まるので無理に薬を飲ませる必要はありませんが、高熱が出て苦しい場合や口内炎、喉の痛みが辛い場合は次章で紹介するような市販の痛み止めなどで対処することもできます。

ただし、これらの薬はあくまでも症状を和らげるためのもので、ウイルスそのものを退治するわけではありません。ヘルパンギーナを治療するためには栄養と休養を十分に取って免疫力を高めることが必須であることはきちんと理解しておきましょう。

 

子どもがヘルパンギーナにかかったらいつから幼稚園・保育園に通える?

 

お子さまがヘルパンギーナにかかったときに気になるのが、いつから幼稚園・保育園に復帰できるのかということだと思います。

ヘルパンギーナはインフルエンザなどと異なりいつまで休まないといけないという規定はありません。このため、熱が下がってから2日以上経過し、症状が安定していれば、通常は幼稚園・保育園に通っても問題ないとされています。

 

ただし、前述したとおり、症状が治まった後もウイルスが体内から消滅するまでには2~4週間かかります。この間は、マスクをする、うがい・手洗いを小まめにする、他の人とタオルや衣類の共用を避けるなど、感染が広がらないよう細心の注意を払うようにしてください。

 

また、通っている保育園や幼稚園によっては登園再開について独自の規定を定めている場合もあるので、確認しておくと良いでしょう。心配であれば病院やクリニックを受診して医師に相談することをお勧めします。

ヘルパンギーナにかかったときの食事の注意点

 

ヘルパンギーナの症状の一つに辛い口内炎や喉の痛みがあり、食事を取ることが難しいこともあります。このようなときにはできるだけ患部を刺激しないようなメニューにしてください。具体的には、おかゆ、スープ、ゼリー、ヨーグルトなど柔らかくて喉を通りやすいものがお勧めです。逆に、熱い食べもの、塩分の多い食べもの、酸味が効いている食べものなどは患部を刺激して症状を悪化させる可能性があります。ヘルパンギーナが治るまではこうしたメニューはできるだけ避けるようにしてください。

 

また、発熱・発汗による脱水症状を防ぐために、水分補給は小まめに行うようにしてください。特に夏場は多量の水分が失われて電解質バランスが乱れる可能性があります。水分を取る際は、スポーツドリンクや経口補水液のように電解質を含んだ飲料水を選ぶことをお勧めします。

3.ヘルパンギーナにお勧めの市販薬は?

ヘルパンギーナに対する特効薬はありませんが、以下のような市販薬を服用することで発熱や喉の痛みなどの辛い症状を和らげることができます。ここで紹介している薬はほんの一例です。ドラッグストアなどでは同じ成分を含んだ類似薬も多数発売されているため、これらのお薬が見つからない場合はお店で薬剤師や登録販売者に相談してみてください。

 

【第2類医薬品】小児用バファリンCII/ライオン株式会社

アセトアミノフェンと呼ばれる解熱鎮痛剤が配合されている錠剤で、ヘルパンギーナの熱や痛みを和らげます。胃にもやさしく飲みやすいフルーツ味をしているので小さなお子様でも比較的安全に服用することができます(3~15歳のお子様が服用することができます)。

 

【第3類医薬品】ペラックT錠/第一三共ヘルスケア

トラネキサム酸、カンゾウ乾燥エキスと呼ばれる抗炎症成分が配合されており、口内や喉の痛みを効果的に和らげます。また、ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)、リボフラビン(ビタミンB2)、L-アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンC)などのビタミン類も配合されており、免疫機能を高めて原因ウイルスを排除したり、傷ついた皮膚の修復を促進する働きもあります。7歳以上のお子様が服用できます。

 

【第3類医薬品】パブロン うがい薬AZ(30mL)/大正製薬

アズレンスルホン酸ナトリウム水和物と呼ばれる炎症を抑える成分が配合されており、喉の腫れや口内炎による痛みを和らげることができます。

 

病院で処方される薬との違いは?

 

一般に、市販薬にはない病院で処方される薬の特徴として、抗生物質の飲み薬の存在があります。しかし、抗生物質とは細菌や真菌に対して効果を発揮する薬であり、ヘルパンギーナなどのウイルス性疾患には効果がありません。

 

また、インフルエンザウイルスやヘルペスウイルスなどの一部のウイルスには効果のある抗ウイルス薬も開発されていますが、残念ながらヘルパンギーナについてはこうした特効薬は存在しません。

 

このため、病院で処方される薬も市販薬と同じく解熱鎮痛剤などの痛み止めがメインになります。ただし、3歳未満のお子様が服用できる市販のお薬は、限られたものしかありません。その点、病院であればお子様の体重に合わせた最適な量の薬を出してもらえます。

 

また、錠剤が飲めないお子様には細粒やドライシロップを処方してもらうこともできます。口からうまく水分がとれずに脱水症状を起こす危険性があるときには点滴を打ってもらうこともできます。このように病院には市販薬の治療にはないメリットも多くありますので、必要に応じて受診を検討されることをお勧めします。

 

4.ヘルパンギーナに市販薬を服用するときの注意点

4-1. 服用に注意が必要な人

ヘルパンギーナに用いる市販薬で特に注意が必要なのは解熱鎮痛成分です。市販薬の解熱鎮痛成分には主にアセトアミノフェン、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、ロキソプロフェンナトリウムなどの成分が含まれていますが、これらの成分は以下のような方では服用に注意が必要になります。

 

これらに該当する方は、市販薬を服用する前に必ず医師、薬剤師、登録販売者などの専門家に相談するようにしましょう。また、服用に際して不安点や疑問点がある方も同様に相談するようにしてください。

 

・高齢の方

・薬によるアレルギー症状を起こした経験のある方

・心臓病、腎臓病、肝臓病、胃・十二指腸潰瘍の診断を受けた方

・血液の病気のある方

・他に服用中の薬がある方

・アスピリン喘息を発症した経験のある方

 

4-2. 副作用について

ヘルパンギーナに用いる市販薬の主な副作用は、上記の解熱鎮痛成分によって引き起こされることが多いです。これらの成分では以下のような副作用が生じる可能性があるため、服用後に万一こうした症状が見られた場合は、直ちに服用を中止して医療機関を受診してください。

 

・発疹、発赤、かゆみ、青あざ

・吐き気、嘔吐、食欲不振、胸やけ、胃もたれ、腹痛、下痢、血便、胃腸出血

・めまい

・鼻血、歯ぐきの出血、出血が止まりにくい、発熱、のどの痛み、背中の痛み、過度の体温低下

・皮膚のかゆみ、じんましん、声のかすれ、くしゃみ、のどのかゆみ、息苦しさ、動悸

 

解熱鎮痛成分を長期間連用しているとこうした副作用が起こりやすくなるので、使用期間は必要最小限にとどめましょう。また、空腹時に解熱鎮痛成分を服用すると胃痛などの副作用が起きやすくなるため、できるだけ食後に多めのお水で服用することを心がけてください。

 

4-3. 他の薬との飲み合わせについて

ヘルパンギーナに用いる解熱鎮痛成分は市販の風邪薬の多くにも含まれており、飲み合わせに注意が必要になる場合があります。風邪薬に限らず、現在、他に服用中の薬があるという方は、解熱鎮痛成分を服用する前に必ず、医師、薬剤師、登録販売者などの専門家に相談するようにしてください。

 

5.こんなときは早めに病院へ

以下のような症状が見られる場合は重症であったり、ヘルパンギーナ以外の疾患を発症していたりする可能性があるため、病院に行かれることをお勧めいたします。

 

・生後3か月未満のお子様で38℃以上の発熱がある場合。

・生後3か月~6歳までのお子様で38℃以上の発熱があり、ぐったりしている、元気がない、水分をとれていない、おしっこが出ないなどの症状を伴う場合。

・発熱、口内炎、喉の痛みに加えて嘔吐を伴う場合。

 

6.ヘルパンギーナを治すための注意点は?

ヘルパンギーナを早く治すためには、お薬を飲むだけでなく以下のような点を意識することも大切になります。

 

・帰宅時、トイレの後などはしっかりと手を洗う。

・栄養バランスの取れた食事を取る。

・睡眠を十分にとる。

・マスクを着用する(患者と看病者の両方)。

・ヘルパンギーナの子供のおむつを替えた後は念入りに手を洗う。

・汗をかいている場合は小まめに衣服を取り換える。

・衣服や室温を調節して暑すぎたり寒くなりすぎたりすることの無いようにする。

・ヘルパンギーナ患者とタオルや衣服を共用しないようにする(洗濯物も分けて洗うようにする)。

 

7.まとめ

ヘルパンギーナの症状は市販薬で和らげることが可能ですが、あくまでも対症療法に過ぎません。病気を治すためには栄養や休養をしっかりとることが大切であることはきちんと理解しておきましょう。また、ヘルパンギーナはウイルスによる感染症のため、周りに被害が拡大することの無いように本人・家族ともに細心の注意を払うようにしてください。

執筆
薬剤師:おくすり スペシャリスト
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