【血を吐いた場合の対処法】喀血(かっけつ)と吐血(とけつ)の違いについて解説

血を吐くなんてドラマの世界でしか見たことがないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、呼吸器内科では意外と多いのが「喀血(かっけつ)」。

実際に、ご自身が血を吐いてしまったり、身の回りの方が血を吐くという現場に居合わせた場合、突然のことで混乱してしまうかもしれません。

今回は、喀血と吐血の違いやどういう病気が喀血や吐血を起こすのかについて解説するとともに、血を吐いた場合の対処法や治療の流れについても紹介していきます。
※この情報は、2017年10月時点のものです。

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1.喀血と吐血

1-1. 喀血と吐血の違い

実は、同じ口から血を吐くでも、喀血と吐血では、出血している場所に違いがあります。

喀血と聞くと、何を思い出しますか?私は歴史小説が好きだったので、喀血と聞くと新撰組の沖田総司を思い出します。彼は晩年、労咳(ろうがい)(今でいう肺結核)に苦しみ、何度も喀血を繰り返していたそうです。

最近では、モデルのJOYさんも肺結核にかかりましたね。今でも結核などの感染症で喀血する人はいます。

 

ドラマでも喀血をする人が登場することがありますよね。ゲホゲホ、と咳をして手の平を見たら血がついている、アレです。お腹をドスっと殴られて、ガボっと吐いているのは喀血ではなく吐血です。

喀血というのは、肺や気管支など呼吸をするところから出血する言葉を指します。一方、吐血とはごはんを飲み込んだときに流れていく食道や胃などの消化管から出血する言葉を指します。そう、出血している場所が違うのです。

2-2. 喀血と吐血の区別方法

口から血を吐いているのに、喀血と吐血をどうやって私たち医師は区別しているのでしょうか。

実は、明解がありません。現場ではしばしば区別がつかないことがあるのです。ただ、喀血はそれなりに進行した呼吸器疾患でしかみられませんから、もともと肺に病気が持っている人の場合は喀血であることが多いです。一方、お腹が痛い、ムカムカするなどの消化器症状があるときは吐血の可能性が高いでしょう。
また、色が参考になることがあります。紅色、鮮やかな赤い色のときは喀血のことが多いです。一方、ドス黒い色の血液の場合、吐血のことが多いです。

それでもやはり区別が難しいことがあります。

 

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2.血を吐いたらどうすべきかの対処法

血を吐いたら、「さて喀血と吐血どちらかな?」などと悠長なことを考えている時間はありません。ティッシュにちょびっと付くくらいの喀血であれば、自家用車で病院に来ていただいても構いません。


しかし、コップ1杯以上の喀血や吐血を初めて経験した場合は、救急車をすぐに要請してください。隣に病院があればダッシュで駆け込めばよいですが、迷ったら救急車を呼んでもよいでしょう。

病院につくと、喀血か吐血の判断がされます。さて、それぞれの場合、どういった治療がなされるでしょうか。

3.喀血、吐血の原因と治療の流れ

3-1. 喀血の場合

まず喀血の場合、軽度であれば止血剤の点滴をしながら原因をさぐることになります。冒頭の沖田総司のくだりでも書いたように、肺結核は何が何でも調べなければいけません。


喀血しながらゲホゲホ咳をしている結核は、ものすごく排菌量が多いのです。ただ、医療水準が向上した現代では、あまり喀血する肺結核の患者さんは多くありません。


現在多くみられるのは、結核ではない「非結核性抗酸菌症」という疾患を持っている女性の喀血です。これは、なかなか健康診断でも見つかりにくい場所に病巣をつくるため、ある日喀血を起こして病院にやってくることが多いのです。この非結核性抗酸菌症は、結核とは違って周囲の人にうつすことはありません。

あまりに喀血量が多いと、その場で気管チューブを挿管されることもあります。

3-2. 吐血の場合

吐血の場合、間違いなく「食道」か「胃」のどちらかの出血ですから、緊急上部消化管内視鏡検査をおこないます。これによって、止血処置だけでなく原因を調べることができます。


もともと肝臓に病気がある人は食道に静脈瘤ができていることがありますが、そういった基礎疾患がなければ胃潰瘍や胃癌などの粘膜障害から出血をきたしている可能性が高いでしょう。クリップなどで応急処置をして出血を止めに行くことが多いです。吐血は喀血と違って、出血量が多いので、あまりにひどいと輸血をすることもあります。

4.まとめ

今回は、喀血と吐血の違いやどういう病気が喀血や吐血を起こすのかについて解説し、血を吐いた場合の対処法や治療の流れについても分かりやすく説明してみました。
もし万が一血を吐いたときに、このコラムのことを思い出していただければ幸いです。

・喀血は気管支や肺からの出血を、吐血は食道や胃からの出血を指す。
・コップ1杯以上の血を吐いたら救急車を要請する。

 

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執筆
医師:倉原 優
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