【薬剤師が解説】帯状疱疹は薬で治る?治療期間、新薬、ジェネリックも登場

皮膚がピリピリ、チクチクとした痛みを感じる場合、帯状疱疹の可能性があります。帯状疱疹は、子どもの頃にかかることも多い水ぼうそうの原因となる「ヘルペスウイルス」によって起こります。

一般的には、「抗ウイルス薬」による治療が行われますが、市販薬では販売されていません。

又、神経の損傷がひどいと、皮膚症状が良くなってもしばらく痛みが続く(帯状疱疹後神経痛)場合もあります。そのため、早めに医療機関を受診し、適切な診断、治療を受けることが大切です。

今回は、帯状疱疹のお薬のことを解説するとともに、2017年9月より販売されている、1日1回服用の新薬「アメナリーフ(成分:アメナメビル)」のことや、もともと価格が高い抗ウイルス薬のジェネリック医薬品の事情についても説明していきます。
※この情報は、2017年11月時点のものです。

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1.帯状疱疹とは

1-1. 帯状疱疹の症状

帯状疱疹では、体の左右どちらか片方にピリピリ、チクチクしたような痛みを伴い、その後、神経に沿って、赤い斑点状の発疹、水ぶくれができ、かゆみ、痛みを伴います。
一般的には、ピリピリ、チクチクした痛みの症状が1週間ぐらい前から出始め、その後、赤い発疹、水ぶくれ等の皮膚症状が発症し、しだいにかさぶたとなり、約2〜3週間程度で治っていきます。

具体的には次のような症状があります。

・ピリピリ、チクチクとした痛み
・神経にそった帯状に、赤い斑点状の発疹
・水ぶくれ(中央部にくぼみがみられる)
・皮膚のただれ
・かさぶた

また、頭部や顔面に帯状疱疹の症状が出た場合は、耳鳴り、結膜炎、角膜炎、顔面神経麻痺などの皮膚以外の合併症が起こる可能性もあります。

神経の損傷がひどい場合には、皮膚症状が完治した後も、「帯状疱疹後神経痛」といって、しばらく痛みの症状が続くこともあります。

1-2. 帯状疱疹の原因

帯状疱疹は、子どもの頃にかかることが多い水ぼうそうの原因となる「ヘルペスウイルス」によって起こります。
ウイルスに初めて感染した場合には、水ぼうそうを発症します。


その後、水ぼうそうが完治したあとも、実は、このウイルスは体の中(神経節)に潜んでいます。通常であれば何も起こらないのですが、体力の低下、ストレス、加齢などが原因で体の免疫力が低下すると、再び、ウイルスが活発化し、神経、皮膚へと増殖し、帯状疱疹を引き起こすことがあります。


帯状疱疹は、50-60代の女性で多く見られますが、男女関係なく、どの年代でも発症することがあります。

帯状疱疹はうつる?

説明のとおり、帯状疱疹自体は、体の中に潜んでいるウイルスによって発症するため、通常は感染がうつることはありません。
ただし、過去に水ぼうそうになったことがない方(特に小さなお子さん)が近くにいる場合には、水ぼうそうを発症させてしまう可能性があるため、注意が必要です。
又、過去に水ぼうそうになったことがない妊婦の方の場合は、水ぼうそうに感染すると胎児に影響を及ぼす可能性があるため、特に注意が必要です。そのため、帯状疱疹にかかった場合、妊婦との接触は極力避けるようにしましょう。

 

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2.早めに医療機関を受診すべき理由

早めに医療機関を受診したほうが良い理由として大きく2つお話します。


ひとつ目、市販では、一般的な痛み止めはありますが、帯状疱疹の治療に主に用いられる原因となるウイルスの増殖を防ぐ「抗ヘルペスウイルス薬」は販売されていません。

帯状疱疹の症状の悪化を防ぎ、治癒を早めるためには、この抗ヘルペスウイルス薬を服用することが重要です。

ふたつ目として、この抗ヘルペスウイルス薬は、発症してからできるだけ早い時期に服用することで高い効果が期待できます。目安としては、皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましいとされています。ウイルスが増殖するのを防ぎ、症状の拡がりや治療期間を短縮することにつながります。

このような理由から、帯状疱疹の初期症状である、ピリピリ、チクチクしたような痛みを感じた時点で、できるだけ早めに医療機関を受診することをおすすめします。

3.帯状疱疹に処方される抗ヘルペスウイルス薬について

3-1. 抗ヘルペスウイルス薬とは?種類・服用期間

帯状疱疹の治療に用いられる主なお薬は、「抗ヘルペスウイルス薬」です。名前のとおり、帯状疱疹の原因となるヘルペスウイルスの増殖を抑えるお薬です。
抗ヘルペスウイルス薬は、効果が出始めるのが2−3日後です。一般的には、7日間服用してみて、改善の兆しがみられなかったり、悪化がみられる場合には他の治療が検討されます。
まずは、処方されたお薬を指示された期間しっかりと服用し、様子をみることが大切です。

抗ヘルペスウイルス薬には次のようなものがあります。

●代表的な飲み薬

・ゾビラックス(成分:アシクロビル)
・バルトレックス(成分:バラシクロビル)
・ファムビル(成分:ファムシクロビル)
・アメナリーフ(成分:アメナメビル)

 

●代表的な塗り薬(ごく軽症の場合)

・アラセナA軟膏・クリーム(成分:ビタラビン)
・ゾビラックス軟膏・クリーム(成分:アシクロビル)

一般的には、飲み薬が処方されますが、重症の場合には、抗ヘルペスウイルス薬の点滴静注(ゾビラックス点滴静注用、アラセナA点滴静注用など)が行われることもあります。

2017年9月半販売、新薬「アメナリーフ(成分:アメナメビル)」

続いて、2017年9月に販売を予定している新しい抗ヘルペスウイルス薬である、アメナリーフ(成分:アメナメビル)について、今までの抗ヘルペスウイルス薬との違いなども含め解説します。

アメナリーフは、既存の抗ヘルペスウイルス薬と薬理作用、飲み方が違うお薬です。

 

<薬理作用>
少し難しい話ですが、既存の抗ヘルペスウイルス薬は、ウイルスが増殖するのに必要なDNAポリメラーゼの働きを阻害することによってウイルスの増殖をおさえます。


一方、アメナリーフは、今までにはない新しい機序によって作用します。ヘリカーゼ・プライマーゼ複合体とよばれる、ウイルスの増殖に必要なタンパクの活性を直接阻害することによって、ウイルスの増殖をおさえます。適応疾患は、帯状疱疹のみです。

 

<飲み方>
既存の抗ヘルペスウイルス薬の飲み方として、ゾビラックスでは1日5回、バルトレックス、ファムビルでは1日3回の服用と服用回数が多いことが挙げられます。
アメナリーフは、1日3の服用で効果を期待することができます。

 

また、アメナリーフは、腎機能による影響が少ないお薬です。(既存薬は腎排泄である一方、アメナリーフは、主に糞中への排泄)。そのため、腎機能が低下している方(高齢者)などでも投与量の細かい設定などを必要とせずに服用することができます。

3-2. 抗ヘルペスウイルス薬のジェネリック医薬品

基本的に、抗ヘルペスウイルス薬の価格は、一般的なお薬と比較すると高い傾向があります。ジェネリック医薬品(GE)があるのかどうか、それぞれのお薬(錠剤)で解説していきます。

 

・ゾビラックス(成分:アシクロビル
 ゾビラックス錠200 221.80円 ※GEあり 42.4円
 ゾビラックス錠400 352.30円 ※GEあり 58.6円
 →1日5回(1回800mg)に換算すると、3523円/日 GE:586円/日

 

・バルトレックス(成分:バラシクロビル)
 バルトレックス錠500 405.60円 ※GEあり 188.80円〜219.40円
 →1日3回(1回1000mg)に換算すると、2433.6円/日 GE:1132.8円〜1316.4円/日

 

・ファムビル(成分:ファムシクロビル)
 ファムビル錠250mg 489.90円 ※GEなし
 →1日3回(1回500mg)に換算すると、2939.4円/日

 

・アメナリーフ(成分:アメナメビル)
 アメナリーフ錠200mg 1469.7円 ※GEなし
 →1日1回(1回400mg)に換算すると、2939.4円/日

 

先発医薬品を使用すると、1日量に換算(目安)すると、ゾビラックスが1番高価になりますが、ジェネリック医薬品になると、ゾビラックスのジェネリック医薬品が最も安価です。

その他は、先発医薬品を使用する分にはほとんど差はありませんが、バルトレックスにおいては、ジェネリック医薬品に変更すると安価になります。ファムビル、新薬アメナリーフに関しては、現状はジェネリック医薬品の取り扱いがありません。

3-3. 抗ヘルペスウイルス薬服用の注意点・副作用

抗ヘルペスウイルス薬の服用において、他のお薬等との飲み合わせに注意が必要となります。現在、他の病気の治療でお薬を服用している場合には、必ず医師や薬剤師に伝えるようにしましょう。

①抗ヘルペスウイルス薬(ジビラックス、バルトレックス、ファムビル)について

併用に注意すべきお薬の代表例
・プロベネシド(商品例:ベネシッド)・・・尿酸を下げる痛風のお薬
・シメチジン(商品例:タガメット)・・・胃酸の分泌を抑えるお薬
・ミコフェノール酸モフェチル(商品例:セルセプト)・・・免疫抑制薬
・テオフィリン(商品例:テオドール)・・・咳をおさえるお薬
など

また、抗ヘルペスウイルス薬の主な副作用は、稀ですが、腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状やめまい、頭痛、肝機能検査値の上昇、発疹などがあります。その他にも、いつもと違うような症状が見られる場合には、早めに医師、薬剤師に相談するようにしましょう。

②新薬アメナリーフについて

併用禁忌(併用しないこと)のお薬
・リファンピシン(商品例:リファジン、アプテシン)
有効成分であるアメナメビルは、CYP3Aで代謝され、CYP3A及び286活性を誘導することから、薬剤や食品の種類によって、相互作用を生じることがあります。
グレープフルーツジュースなども含め、その他にも併用に注意が必要なお薬、食品等があります。事前に医師、薬剤師に相談するようにしましょう。

 

また、アメナリーフの副作用としては、
「承認時までの臨床試験において、317例中46例(14.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、β-Nアセチ ルDグルコサミニダーゼ増加9例(2.8%)、α1ミクログロブリン増加6例(1.9%)、フィブリン分解産物増加5 例(1.6%)、心電図QT延長4例(1.3%)であった。(承認時)」
とのことで、副作用が少ないとされていますが、まだまだ臨床経験が浅く、副作用などまだ判明しきれていない部分が多くあります。医師との相談の上、慎重に服用するようにしましょう。

ご自身の判断でお薬の量を調整したり、お薬の服用をやめたりしないようにしましょう。必ず、医師の指示を守って服用するようにしましょう。

4.おわりに

今回は、帯状疱疹のお薬のことを解説するとともに、2017年9月より販売される、1日1回服用の新薬「アメナリーフ(成分:アメナメビル)」のことや、もともと価格が高い抗ウイルス薬のジェネリック医薬品の事情についても説明しました。


帯状疱疹では、市販では治療の要となる抗ウイルス薬が販売されていないことや、抗ウイルス薬は発症からできるだけ早めに服用したほうが良いことから、症状を感じた場合、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。


アメナリーフという新しい抗ウイルス薬もありますが、症状に合わせて適切なお薬が処方されますので、自己判断で服用を中止したりせず、指示どおりに服用し、様子をみて相談するようにしましょう。

 

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執筆
薬剤師:竹中 孝行
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