蕁麻疹に効果がある市販薬はある?その成分・効果を解説

激しいかゆみとともに、皮膚の一部が、突然赤みがかり、ふくらみ(膨疹)ができる蕁麻疹。多くの場合は短時間で消えますが、放っておくと慢性的に繰り返すこともあります。
かゆみを少しでも抑えたい、病院が休みなどの事情で、市販薬で対処できないかと調べて、こちらの記事にたどり着いた方もいるかもしれません。
市販薬でも、成分は処方される薬ほど種類は多くはなく限られてはいますが、蕁麻疹に適応のあるものがあります。慢性的に続くようであれば、病院へ早めに行くことが大切です。
今回は、蕁麻疹に効果がある市販薬について、飲み薬、塗り薬などに分けて説明していきます。また、早めに病院に行った方が良い場合についても解説します。
※この情報は、2018年4月時点のものです。

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1.蕁麻疹について

まずは蕁麻疹について少し知識をつけておきましょう。蕁麻疹について少しでも知っておくことで症状が出たときにすぐにそれが蕁麻疹だと気づくことができます。そうすると早めの対処ができるので知っておいて損はありません。

 

1-1. 蕁麻疹の症状と経過

蕁麻疹では急に皮膚が赤く盛り上がってくる膨疹(ぼうしん)という症状が見られます。1つ1つの蕁麻疹は直径が数ミリメートルくらいなのですが、それ以上大きくなることもあります。何か所も皮膚が盛り上がってくると、蕁麻疹同士がくっついてかなり大きく腫れることも。我慢できないような強い痒みを伴うことが多く、ときにはチクチクした痛みを感じることもあります。

 

30分もすれば治ることもあれば、何日か経ってもまだ治まらない場合もあります。あまりに蕁麻疹の症状が長引くようであれば病院で蕁麻疹の原因を探ってもらうことが必要です。

1-2. 蕁麻疹の様々な原因

蕁麻疹にはヒスタミンの働きが大きく関わっていることは間違いではないのですが、詳しい原因が分かっていない部分もあります。ここでは蕁麻疹を起こす代表的な原因について4つご紹介します。

原因その1. アレルギー

金属アレルギーだったり卵アレルギーだったり、アレルギーの種類は多くあります。これらのアレルギーを引き起こす物質に触れたり、飲食したりすることで蕁麻疹が起きます。ときには蕁麻疹にともなって気管支の粘膜が腫れ、気道が狭窄して、呼吸を妨げるなど致命的な症状を起こすこともあるので侮れません。

原因その2. ストレス

ストレスが直接の原因となって蕁麻疹を引き起こすというよりは、ストレスによって体が蕁麻疹ができやすい状態になると言ったほうが正しいですね。ストレスがかかると、普段反応しないようなことにも体が敏感に反応してしまうため蕁麻疹ができやすくなります。

原因その3. 寒暖差

・寒冷蕁麻疹…体が冷えると起こる蕁麻疹
・温熱蕁麻疹…体が温まると起こる蕁麻疹


お風呂上りに蕁麻疹ができた経験はありませんか?これは代表的な温熱蕁麻疹の症状ですね。体が温まり血行が良くなることで血液の水分が血管の外に出やすくなるため起こります。

一方で寒冷蕁麻疹は、体の冷えが免疫反応を刺激して起こる蕁麻疹です。免疫反応が刺激されるとヒスタミンが分泌されるので蕁麻疹になってしまうのです。

原因その4. 汗

気持ち良く汗をかいてスッキリしたのに何だかむず痒い。このように汗をかいて起こる蕁麻疹をコリン性蕁麻疹と呼んでいます。

実はこの蕁麻疹、はっきりとした原因はまだ分かっていないんです。ただ「アセチルコリンが関係しているのでは?」と考えられているのでコリン性蕁麻疹と呼ばれています。また、運動によって体温が上昇し、血流が良くなることも関係していると考えられています。

 

2.蕁麻疹におすすめの市販薬


蕁麻疹に使える市販薬には飲み薬と塗り薬の2種類があります。それぞれどう使ったら良いのか、またどのような特徴があるのかを説明していきます。

 

2-1. 市販薬の成分と特徴

市販の蕁麻疹の使えるお薬には「抗ヒスタミン薬」という分類の成分が含まれています。蕁麻疹はヒスタミンの働きによって起こるので、このヒスタミンの働きを抑えてしまうのが抗ヒスタミン薬ですね。

 

・ジフェンヒドラミン塩酸塩

・クロルフェニラミンマレイン酸塩

・アゼラスチン塩酸塩

 

蕁麻疹の市販薬には飲み薬と塗り薬とがありますが、基本的に上の3つの成分のどれかが含まれています。特にジフェンヒドラミン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩を含むものが多いです。

 

①ジフェンヒドラミン塩酸塩

第一世代の抗ヒスタミン薬に分類されるお薬です。睡眠改善薬としても使われるほど眠気が出やすいのが特徴です。

 

②クロルフェニラミンマレイン酸塩

病院でもらう「ポララミン」と同じ成分です。こちらもかなり眠気が出やすいです。鼻水を抑える効果が高いので鼻炎薬や風邪薬にも良く使われています。緑内障や前立腺肥大症の方は使えません。病院では妊婦の方に処方されることも多いです。ただし、自己判断では使わずにかかりつけの医師に使ってよいかどうかを相談してくださいね。

 

※クロルフェニラミンマレイン酸塩にはd-クロルフェニラミンマレイン酸塩とdl-クロルフェニラミンマレイン酸塩の2種類があります。d-クロルフェニラミンマレイン酸塩の方がdl-クロルフェニラミンマレイン酸塩よりも眠気が出にくいです。「クロルフェニラミンマレイン酸塩」とだけ書かれているものは特にこの2つを区別していない場合が多いです。

 

③アゼラスチン塩酸塩

アゼラスチン塩酸塩は第二世代の抗ヒスタミン薬です。眠気や口の渇きなどの副作用は第二世代抗ヒスタミン薬よりも第一世代抗ヒスタミン薬の方が出やすいです。つまり、アゼラスチン塩酸塩はジフェンヒドラミン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩よりも眠気などの副作用が出にくいと言って良いでしょう。ヒスタミンの働きを抑えるだけでなく、ヒスタミンの分泌自体を抑える効果もあります。

 

2-2. 飲み薬と塗り薬

蕁麻疹の市販薬には飲み薬と塗り薬とがありますがその違いは何でしょうか。

 

飲み薬

眠気が出やすいという欠点はありますが、全身にお薬が効くため広範囲に蕁麻疹の症状が出ている方におすすめです。飲み薬は4歳から飲めるものしかありません。もしも4歳よりも下の年齢の子どもに使える蕁麻疹の市販薬をお探しの場合は、塗り薬を使いましょう。塗り薬であれば1歳から使用可能です。

 

塗り薬

口に入れるものではないので飲み薬のように眠気の副作用が出ません。広範囲にできている蕁麻疹に塗るとお薬で体がベタベタになりますし、塗るのも大変なので比較的狭い範囲にできている蕁麻疹におすすめです。また、小さなお子様から使えるのも特徴です。下で紹介しているジンマートであれば1歳からお使いいただけます。

 

ちなみに、飲み薬と塗り薬の併用は問題ありません。ただし、他に風邪薬や睡眠導入剤などを使っているときは、一部の成分が同じか類似しており、重複してしまうため、飲み薬の使用はできませんので注意しましょう。

 

2-3. 市販薬の代表例

では、市販で買える蕁麻疹のお薬のうち、代表的なものをご紹介しますね。

 

メンソレータム ジンマート(ロート製薬)

こちらには第一世代抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン塩酸塩が入っている蕁麻疹専用の塗り薬です。さらに痒みをぴたっと抑えてくれるリドカインも入っているので蕁麻疹の症状を効果的に抑えてくれますよ。1歳から使用できます。

 

レスタミンUコーワ錠(興和新薬)

眠気の強く出やすいジフェンヒドラミン塩酸塩のみを使った飲み薬です。効能効果は「じん麻疹、湿疹、かぶれ、かゆみ、鼻炎」です。睡眠導入剤としては使えないので注意してくださいね。5歳以上から服用できます。

 

アレルギール錠(第一三共)

主成分としてクロルフェニラミンマレイン酸塩を含んでいます。人によっては強く眠気が出ることがあります。こちらも効能効果は「皮膚のかゆみ、湿疹、じんましん、皮膚炎、かぶれ
、鼻炎」となっているため睡眠導入剤としてはお使いいただけません。4歳以上から服用可能です。

 

ムヒAZ錠(池田模範堂)

第二世代の抗ヒスタミン薬であるアゼラスチン塩酸塩が入っている飲み薬です。レスタミンUコーワ錠やアレルギール錠よりも眠気が出にくいですよ。眠気が気になる方はムヒAZ錠を選ぶと良いでしょう。ただし、こちらは15歳以上からしか服用できません。

 

病院の薬と同じ成分でも、蕁麻疹に適応がない市販薬も


最初に言ってしまいますが、市販のアレグラFXやアレジオン20は蕁麻疹には適応がありません。

「蕁麻疹のために病院で貰っていたアレグラが切れてしまったので1箱欲しいのですが…。」ドラッグストアの店頭でこう言われる方はかなり多いです。このように言われるたびに私は「申し訳ありませんが市販のアレグラは蕁麻疹には使えません。」とお断りをしなければいけません。



病院ではアレグラやアレジオンは普通に蕁麻疹の治療のために処方されています。

市販のアレグラFXやアレジオン20は病院のものとまったく成分が同じです。しかし、アレグラFXやアレジオン20は「花粉や鼻炎の専用薬」であり蕁麻疹の適応がないのです。箱の裏を見てもらえば分かりますがどこにも蕁麻疹という単語は書いてありません。市販のアレグラFXやアレジオン20は花粉症にも使えますよ、という効能効果の申請を取っていないので残念ながら蕁麻疹への適応がないんですね。


「医師から市販にもアレグラがあるから、なくなったらそれを買ってと言われた。」という方も結構いるため、お薬を買われる患者さんサイドだけでなく医師サイドにも市販のアレグラやアレジオンが鼻炎や花粉症の専用薬だという認識がまだされていないのが現実です

 

3.こんなときは早めに病院へ


市販薬でも蕁麻疹に対応できるお薬はだいたい普通の薬局に置いてあるのでいざというときも安心です。しかし、蕁麻疹の症状によっては早急に病院に行かないと命に関わる場合もあります。

 

・急激に蕁麻疹が全身に広がっている

・吐き気や嘔吐の症状がある

・呼吸が苦しい

・顔面蒼白

 

このような症状がある場合にはすぐに救急で病院に行ってください。アナフィラキシーショックという強いアレルギー反応を起こしている可能性が非常に高いです。最悪の場合、気管支にまで蕁麻疹の症状が広がって呼吸ができなくなることもあります。

 

4.おわりに


原因がはっきりしないこともある蕁麻疹ですが、局所的に出ている症状であれば市販薬で対応できますよ。もしも手元にお薬が何もないときは冷たいタオルを当てると蕁麻疹が治まる場合があります。(寒冷蕁麻疹を除く)

 

しかし、全身に蕁麻疹が及んだり、あまりにも速いスピードで症状が広がったりしていく場合はすぐに救急で病院にかかりましょう。

 

基本的に市販薬が使えるのは蕁麻疹の症状が出てから長くても1週間までです。それ以上症状が長引く場合は病院で診てもらい、原因を調べてもらいましょう。

もしかしたら意外なものが蕁麻疹を起こす原因となっているかもしれません。

 

執筆
薬剤師:まりもぐみ
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