多汗症に効果がある薬はある?その種類や注意点、市販薬についても解説

手や足、脇などから汗が止まらないという方、いらっしゃると思います。緊張や暑さなどではなく、日常生活で汗が止まらない事が続いてしまっている場合、それは多汗症という病気かもしれません。

症状が軽度であれば対処できますが、ひどいと友人や家族に理解されないなどの心理的苦痛や、日常生活に大変支障がでる病気です。
多汗症は、病院で治療が受けることができますが、薬による一時的な治療から根本的に治療を行う手術などもあります。お薬だけでは完治させることが難しいというのも事実です。

今回は、多汗症について解説するとともに、多汗症の治療に用いられる薬の種類やその特徴と市販薬についても解説していきます。

※この情報は、2018年6月時点のものです。

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1.多汗症ってどんな病気?

1-1. 多汗症の症状

多汗症とは汗が止まらなくなる病気です。

 

・全身から汗の量が増えてしまう全身性多汗症

・手や足、ワキなど身体の1部で汗の量が増えてしまう局所多汗症   があります。

 

多汗症によって日常生活に支障をきたすくらいの汗が出てしまったり、患者自身への精神的苦痛が起きてしまう事があります。

 

1-2. 多汗症の原因

汗は交感神経が副交感神経より優位に働いている時に出ます。交感神経は緊張やストレス、興奮したりする事で活性化されます。そのような状態で汗が出る事は正常な反応です。しかしながら、運動していない、自宅などでリラックスしている時などに汗が止まらない症状が続いている場合は交感神経系の働きが常に活性化されいる可能性があります。

 

腋臭(ワキガ)と呼ばれる症状も多汗症の1症状になります。人の身体には2種類の汗腺が存在します。エクリン腺とアポクリン腺です。

 

エクリン腺は全身に存在し、暑さなどの温熱や緊張などの刺激によって働き汗が出ます。アポクリン腺はワキや外陰部に存在し性ホルモンの影響によって分泌が活性化されて行きます。

 

ワキガの原因はアポクリン腺の汗の中にある脂肪酸が皮膚上の細菌などによって分解され生じる3メチル2ヘキセノイン酸によるものです。ワキガの人はアポクリン腺が健常人と比較して大きかったり分泌量も多いために臭いが出てしまうのです。

 

多汗症は遺伝によって起こる事が多いです。遺伝以外の原因として、何らかの原因により代謝系や交感神経系の活動が活発になって起きたり、使用している医薬品の副作用によるものもあります。

家族や親戚で汗が多く出ていて自身も周りよりも汗が多いと感じたら多汗症の可能性があります。

 

甲状腺の機能や代謝系に異常がある場合などで身体の代謝が活性化され汗が止まらなくなる事もあります。甲状腺機能が低下しその治療において逆に甲状腺が活性化してしまう事でも生じる事があります。

 

交感神経の働きの1つとして発汗作用があります。緊張したり、パフォーマンスをする時には交感神経が活性化されるため、汗が出やすくなるのです。

 

そのため、交感神経が常に活性化された状態ですと汗が止まらなくなってしまう事があります。女性の妊娠や月経、更年期障害といった事や精神疾患の症状、治療に用いた医薬品の副作用によって交感神経の活性化が続いてしまう事が原因で多汗症になってしまう事があります。

 

甲状腺や代謝系、交感神経系の異常による多汗症は主に全身性の多汗症である事が多いとされています。そのため、全身から汗が止まらない事が続いている場合、甲状腺や代謝系、交感神経系に異常が出ている可能性があります。

これらの原因を把握する事が多汗症の治療の方針に関わってきます。

 

1-3. 多汗症は治療できる?何科を受診すべき?

多汗症の治療はまず、原因を探る事です。

 

・家族や親戚に汗が大量に出る、ワキガの人はいるかどうか

・甲状腺疾患や代謝異常、月経、妊娠、更年期障害、精神疾患などの診断、もしくは治療中か

・使用している医薬品、健康食品はあるか

 

などが多汗症の原因となります。

 

多汗症は医療機関で治療を行う事が出来ます。主な専門は皮膚科です。皮膚科の専門医に相談し治療方針を決めていく事が大切です。

治療方法によっては保険適用外となり自費になってしまう事もありますが、多汗症は医療機関で治療を行う事が出来ます。

局所性多汗症は主に手や足、わきなどの患部へ塗り薬を塗ったり、手術のような外科的治療を行います。

全身性多汗症の治療方法はその原因によって異なります。

 

ある病気に付随して起きる多汗症の場合はその病気の治療を行います。

 

・甲状腺機能の異常による多汗症でしたら内科

・ストレスや緊張など精神的なものでしたら精神科

・妊娠、出産後、更年期障害などでしたら産婦人科

 

となります。

医薬品の使用による副作用の場合、医薬品の使用を止める事で症状が改善していく場合があります。

全身性多汗症には薬の服用で症状が改善する場合もあります。

 

2.多汗症の治療に用いられる薬の種類と特徴(効果・副作用など)

飲み薬と塗り薬に分けられます。飲み薬は全身性多汗症、塗り薬は局所性多汗症に用いられます。

 

2-1. 抗コリン剤

プロバンサイン®︎(一般名:臭化プロパンテリン)という抗コリン薬が多汗症に効果があるとされています。多汗症の治療薬として保険適用もあります。

 

交感神経系の神経間の伝達物質にアセチルコリンという物質が働きます。このアセチルコリンの働きを抑える事で発汗を抑える事を目的としています。

 

また、医療機関によっては抗コリン作用を持つ別の医薬品を用いる事があります。その場合、保険適用外となり、自費になってしまう事もあります。

抗コリン薬の副作用で眠気や口渇などが現れてしまう事があります。抗コリン薬は緑内障や前立腺肥大症を治療中の患者には使用出来ないので注意して下さい。

 

2-2. 抗不安薬

精神科領域の医薬品で抗コリン作用を持つ医薬品が多汗症の治療に用いられる事があります。この場合、多汗症の治療薬として保険適用が認められていないため保険適用外となってしまう可能性もあります。

 

多汗症が自律神経失調症など交感神経系に異常が見られる症状の1部として診断され抗不安薬の服用が開始される事はあります。多汗症としてではなく精神疾患の症状としての多汗症の治療です。

 

2-3. 漢方薬

多汗症へ直接、効能効果がある漢方薬は無いです。抗不安薬の様に交感神経系の働きを落ち着かせたり、ホルモンバランスを整える目的で処方される事があります。更年期障害や妊娠、出産後に出る漢方薬が用いられる事が多いです。漢方薬も身体の調子を整え、発汗を抑えるためと考えた方が良いです。

2-4. その他

塩化アルミニウム

塩化アルミニウムは服用するのではなく、手の平や足、ワキなどの患部に塗布して使用します。局所性多汗症の第1選択となります。副作用として刺激性皮膚炎があります。

医療機関で多汗症の治療目的で処方され、保険も適用されます。

 

3.多汗症に効果が望める市販薬はある?

市販薬で多汗症に効果があるとうたっている医薬品がありますが、望めるであろうという程度と考えた方が良いです。

 

ワキガに効果があるとされている市販薬ですが、主成分は塩化アルミニウムになります。しかし、医療機関で処方される塩化アルミニウムより濃度が薄かったり、海外からの輸入品であったりと効果に期待出来るのか疑問があります。

 

先に述べた漢方薬も市販で購入出来るものがいくつかあります。その漢方薬も更年期障害やイライラを抑えるなどで多汗症への治療では無いです。

多汗症の治療を行うのであれば医療機関に相談し、適切な治療を行った方が良いでしょう。

 

4.その他の多汗症の治療方法(手術など)

局所性多汗症の治療では手術など外科的療法を行う事があります。

 

・イオンフォレーシス

発汗が止まらない部位へ通電を行う方法で手の平や足に有効な治療方法です。塩化アルミニウムの使用と同様にそれらの部位には第1選択となります。

 

・ボドックス®注射

A型ボツリヌス毒素(BT−A)を患部へ注入する方法です。手の平や足の裏、ワキに使用されます。術後に痛みが出てしまったりしてしまう事があります。

 

・内視鏡的局部神経遮断術(ETS)などの神経系のブロック療法

使用可能な部位は限られています。交感神経の働きを遮断し発汗を抑える方法になります。上記の方法が効果的でない時に用いられます。ETSは手の平のみの適用となっています。その他の神経ブロック療法は手の平と足にのみ適用があります。患部以外から汗が大量に出てしまう代償性発汗という副作用が出てしまう事があります。

 

5.まとめ

今回は、多汗症について解説するとともに、多汗症の治療に用いられる薬の種類やその特徴と市販薬についてもご紹介しました。

 

多汗症は医療機関で治療が行えます。保険が適用され、費用もかからない場合もありますが、治療方法によっては保険が適用されない場合もあります。全身性か局所性なのかで治療方針が全く異なります。医療機関で相談し適切な治療を行っていくことをおすすめします。

執筆
薬剤師:えりんぎの薬剤師
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