高血圧でも安心して入浴を!7つのチェックリストを押さえて心配事を減らそう

「高血圧だからお風呂の時間が心配…」自分が高血圧であっても、家族が高血圧であっても、心配事があってお風呂が楽しめないなんてもったいないですよね。今回は、入浴前・中・後と3つのシーンに合わせて「これだけは守りたいチェックリスト」を紹介します。

全部で7つの約束を守れば、心配はずっと軽くなります。お風呂に入るとき、少しでも気軽な気持ちで入ってくださいね。今日から実践できる約束ばかりです。
※この情報は、2017年3月時点のものです。

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1.そもそも、なんで高血圧の人は入浴に気を付けないといけないの?

血圧は、1日のうちで色々なことで変化をしています。食事や排泄など、生きることに必要な行為でも血圧は変動していますが、入浴では特に大きく血圧が変動します。

また、入浴中の血圧の推移(変化)も大きくなります。

血圧が高くなった時に、脳卒中や心筋梗塞などになりやすく、血圧が下がった時に意識を失い、お風呂で溺れてしまうことがあります。そのため、注意が必要です。

1-1. 高血圧の人は、入浴してもいいの?悪いの?

高血圧だからといって、シャワーで済ませなければならない、なんてことはありません。

今から紹介するポイントに気をつけて、気持ちよくお風呂に入りましょう。

【入浴を控えた方がいいとされる参考データ】

1. 入浴前の収縮期血圧(心臓から血液が送り出されるときの血圧=血圧の最大値)が160mmHg以上である場合

2. 入浴前の拡張期血圧(心臓が拡張して血液が心臓に戻ってくるときの血圧=血圧の最低値)が100mmHg以上である場合

以上の条件が、入浴関連の体調不良・事故の発生と関連がある、との報告があります。(文献1)

このデータにより、一概には言えませんが、収縮期血圧が160mmHgを超えている人は入浴を控えた方が良い、という一つの目安になると思います。

2.ここだけ確認!入浴前のチェックリスト3つ

2-1. 食事や飲酒をしたら、入浴まで2時間あけるべし

これは、血圧に関係なく意識していただきたいことですが、食後すぐや飲酒後の入浴は危険です。

食後2時間以内に血圧は低下します。施設の高齢者で100%血圧低下が確認された、との報告もあります。(文献2)

飲酒に関しても、高血圧の患者では数時間血圧が低下します。(文献3)

そのため、入浴は食後や飲酒後2時間程度あけた方が良いでしょう。

2-2. 暖めるべし

お風呂に入る前にいた部屋から脱衣所に移動すると、かなり冷えていることが多いと思います。そうすると、体から熱を奪われないようにするために、毛細血管が縮こまり、血圧がぐっと高くなります。

その温度差をなくすためにも、脱衣所、お風呂場ともに暖房をつけて暖めておきましょう

2-3. ぬるめお湯にするべし

冬は冷えるため、お湯の温度を上げて温まりたいと思われる方も多いかもしれませんが、温度の高い湯も体への負担は大きいと言えます。

熱いお湯に浸かると、交感神経という興奮する神経が活発になり、血圧が上がります。ベストな温度は38〜41度と言われています。

さらに、肩までお湯に浸かると、水圧で心臓への負担が増えます。そのため、お風呂場を暖めて、半身浴で過ごすのが良いでしょう。

半身浴は上半身が冷えるので、タオルなどをかけて暖めてください。

3.ここに注意!入浴中のチェックリスト2つ

3-1. 声をかけるべし

高血圧や心臓の病気、糖尿病や脳卒中などの既往がある人は特に、入浴中に思いもよらない事故が起こる危険性は高いです。(文献4, 5)

そのため、ご家族様も「湯加減どう?」といった声をかける、などの注意をするのが望ましいでしょう。

3-2. せかさない・あせらないを守るべし

入浴により血液が指先、足先までしっかり流れている中、立ち上がることで、心臓は急に頭への血流を落とさないように頑張ります。

ですが、頭への血流が落ち着かずに血圧が下がり、意識を失ってしまう場合もあります。浴槽から立ち上がる時は、”ゆっくり”を心がけましょう。

また、ご家族や周囲の方も、心配のあまり急かすことは控え、高血圧の方が自分のペースでお風呂から上がるのを待ちましょう。

4.もう安心!入浴後のチェックリスト2つ

4-1. 脱衣所が冷えていないか確認すべし

入浴後、脱衣所が寒いと暖まった体が冷え、熱が奪われないように再び毛細血管が縮こまるため、血圧が上がります。

入浴前と同様に暖めておきましょう。

4-2. 水分補給をしっかりすべし

入浴は、温まり汗をかくため、脱水症状に陥りやすくなります。入浴前に200ml程度水分補給をしておくことで、血液の流れが悪くなるのを防ぎます。

また、入浴前後だけでなく、睡眠前や起床後に水分補給を行うことも予防につながります。(文献6)

5.入浴前の血圧値と、事故発生との関連性

 

グラフ
出典:東京都市大学・研究成果

入浴前の収縮期血圧が160mmHg以上だと、入浴事故が3.63倍増加し、入浴前の拡張期血圧が100mmHg以上だと、入浴事故が14.71倍増加したという研究結果もあります。

主な症状は、発熱が100例(16.8%)、呼吸困難などが93例(15.6%)、意識障害が64例(10.7%)、以下、嘔吐・外傷・血圧上昇・血圧低下・チアノーゼ・顔色不良と続きます(重複あり)。

こういった症状が現れるのを避けるためにも、入浴時の血圧のコントロールは重要になってきます。

6.まとめ

血圧は変動が大きいほど、内臓に影響が出やすいと言われています。(文献7)

できるだけその影響を小さくするように、今回紹介した7つの工夫を取り入れてみてください。

参考文献

文献1:日温気物医誌 2016年2月22日

文献2:Ann Intern Med 2000;133:533-6.

文献3:Hypertention 1992;30:219-226.

文献4:日本医事新報 3000;3996:21-25.

文献5:秋田医誌 2001;52:32-36.

文献6:自律神経 1996;33:241-248.

文献7:J Hypertens 1987;5:93-98.

 

執筆
医師:西口 めぐみ
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