【薬剤師が解説】高血圧のお薬とグレープフルーツジュースの関係【医師監修】

「高血圧になるとグレープフルーツジュースを飲んではいけない」と聞いたことがある方もいるかもしれません。実は、それは少し誤解で、高血圧の方全てに当てはまるのではなく、「高血圧のお薬の一部で、グレープフルーツジュースとの飲み合わせに注意が必要な場合がある」というのが正しい知識です。また、高血圧のお薬だけではなく、その他にも飲み合わせに注意が必要なお薬もあります。

今回は、高血圧のお薬とグレープフルーツジュースの関係について正しい知識を解説するとともに、その他に飲み合わせに注意すべきお薬やグレープフルーツ以外に注意を必要とする柑橘系のフルーツについても解説していきます。

お薬の知識を深め、より効果的に、そしてより安全にお薬を服用しましょう。
※この情報は、2017年7月時点のものです。

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1. 高血圧のお薬とグレープフルーツジュースの関係

高血圧の方や高血圧のお薬全てに当てはまるのではなく、高血圧のお薬の一部を飲まれている方で、グレープフルーツジュースとの飲み合わせに注意が必要な場合があります。

具体的には、高血圧や狭心症などに対して処方されるお薬で「カルシウム拮抗薬」 とよばれるタイプのお薬があり、これらのお薬では、グレープフルーツジュースとの飲み合わせに注意が必要です。

1-1 飲み合わせが良くない理由

高血圧のお薬の一部(カルシウム拮抗薬)とグレープフルーツジュースを一緒に飲むと、薬の効き目を強くし、血圧が下がりすぎてしまう可能性があります。

一般的に、お薬は、服用し体内に入ると、体内の「代謝酵素」でしだいに分解され、効力を失っていきます。そのため、お薬には作用時間があり、それに合わせて、効果が適度に持続するように1日●回など飲み方が決まっています。

グループフルーツジュースに含まれる成分には、カルシウム拮抗薬とよばれるタイプの高血圧のお薬の代謝酵素のはたらきを阻害する作用があります。
(具体的には、グレープフルーツの成分であるフラノクマリン類が、体内の代謝酵素であるチトクロムp450のCYP3A4とP-糖たんぱく質のはたらきを阻害します。)

そのため、グレープフルーツジュースに含まれる成分が、代謝酵素のはたらきを阻害すると、薬の分解を遅らせる、つまり、薬の血中濃度を高め、効き目を強くし、副作用のリスクを高めます。

このような理由で、飲み合わせに注意が必要です。

飲み合わせが良くない高血圧のお薬、カルシウム拮抗薬とは?

カルシウム拮抗薬とは、高血圧や狭心症などの治療に用いられる、血圧を下げる代表的なお薬です。
具体的には、血管を収縮し血圧を上げる要因となっているカルシウムの細胞内への取り込みを妨げることによって、血管を拡げ、血圧を下げる効果をもたらすお薬です。


代表的なお薬としては、

・アダラート(一般名:ニフェジピン)
・コニール(一般名:ベニジピン塩酸塩)
・カルブロック(一般名:アゼルニジピン)
・アテレック(一般名:シルニジピン)
・ワソラン(一般名:ベラパミン塩酸塩)
・ノルバスク(一般名:アムロジピンベシル酸塩)

などがあります。

1-2 実際にどんな症状が起こりうる?

グレープフルーツジュースと一緒に飲むと、お薬の効果が強まり、本来の作用が強くなり、副作用のリスクが高まる可能性があることをお伝えしました。具体的に、次のようなカルシウム拮抗薬の副作用症状を起こす可能性があります。

 

・血圧低下(急激に血圧低下を起こすと、意識消失を起こす可能性もあります。)
・心拍数の増加・動悸
・めまい・ふらつき
・頭痛 など

 

そのほかにも、様々な症状を引き起こす可能性があります。

実際には、グレープフルーツジュースの影響は個人差が大きく、飲み合わせに注意なお薬によってもどれだけ影響を起こしやすいかそれぞれ違います。

万が一、薬に影響があるとは知らず飲んでしまっていた場合には、しばらく様子をみて、何か気になる症状や体調の変化がある場合には、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

2. グレープフルーツジュースとの飲み合わせに注意が必要なその他のお薬

実は、グレープフルーツジュースとの飲み合わせに注意が必要なお薬は、高血圧のお薬だけではありません。「不眠症治療薬」「免疫抑制剤」「脂質異常症治療薬」などの一部のお薬も該当します。参考までに該当するお薬例を記載しますが、実際にはそれ以外にも該当するお薬は多くあります。詳しくは、お薬を受け取る際に薬剤師に確認・相談するようにしましょう。

 

不眠症治療薬(寝つきを良くするお薬の一部
・ハルシオン(一般名:トリゾラム) など

 

免疫抑制剤(免疫反応を抑えるお薬の一部
・ネオーラル(一般名:シクロスポリン)
・サンディミュン(一般名:シクロスポリン)
・プログラフ(一般名:タクロリムス水和物) など

 

脂質異常症治療薬(コレステロール値を下げるお薬の一部
・リピトール(一般名:アトルバスタチンカルシウム水和物)
・リポバス(一般名:シンバスタチン) など

 

ヘルケア

3. グレープフルーツ以外の柑橘系のフルーツは?

柑橘系は品種が多く、グレープフルーツだけではなく、他の柑橘系でも同様の症状を起こす可能性があるため、注意が必要なフルーツがあります。グレープフルーツと同様に、代謝酵素に影響を与えるフラノクマリンを含む柑橘系のフルーツに注意が必要です。

<フラノクマリンを含む柑橘系>
・グレープフルーツ
・ブンタン(ザボン)
・スウィーティー
・ダイダイ、サワーオレンジ など

一方、同じ柑橘系でも、次のフルーツは、代謝酵素を阻害する成分がほとんど含まれていないため、お薬への影響がほとんどなく飲み合わせに問題がないとされています。

<フラノクマリンをほとんど含まない柑橘系>
・レモン
・温州みかん
・カボス
・バレンシアオレンジ など

柑橘系は品種が多く、まだまだ解明できていないことも多いのが実情です。

4. どうしてもグレープフルーツジュースが飲みたい場合

好きな方にとってはつらいことですが、飲み合わせに注意が必要なお薬を服用している際には、グレープフルーツジュースは控えるようにしましょう。

というのも、グレープフルーツジュースのお薬への影響は、摂取後、数十時間 持続するといわれています。摂取量が多いほどお薬への影響は高まりますが、少量(コップ1杯)程度でも影響があるとされています。

また、完全に体内の代謝酵素への影響が回復するには数日必要とされており、お薬との相互作用を避けるために時間をおいて服用するというのも判断が難しいことがあります。
そのため、飲み合わせに注意が必要なお薬を服用している場合には、グレープフルーツジュースの摂取は控えたほうが良いでしょう。同じ柑橘系でも問題ないとされている、レモン、温州みかん、カボス、バレンシアオレンジなどを食べるようにしましょう。

どうしてもグレープフルーツジュースが飲みたい場合には、影響がないお薬へ変更することができないか、主治医や薬剤師に相談するようにしましょう。

5. おわりに

今回は、高血圧のお薬の一部とグレープフルーツジュースの飲み合わせには注意が必要となり、効果が強すぎてしまう場合や、副作用のリスクが高まる可能性があることを説明しました。
高血圧のお薬以外にも注意すべきお薬があることやグレープフルーツ以外の柑橘系のフルーツにおいても注意が必要な場合があることもお伝えしました。
グレープフルーツが好きな方にとって、食事を制限されることは、大きなストレスになるかと思いますが、今回の記事を読んで理解していただき、飲み合わせには注意しましょう。

 

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