【薬剤師が警告】甘い言葉に要注意!高血圧におすすめのサプリメントは?【医師監修】

「会社の健診で高血圧を指摘されたけど、症状ないし病院は行かなくてもいいんじゃない?」「ネットで検索したら高血圧におすすめのサプリメントってあるから、これで大丈夫でしょ!」

病院に行くには、会社を休む必要があったり休日がつぶれたり。症状がなければ病院に行こうとは、なかなか思わないかもしれません。特に初めて健診で指摘されたくらいなら、おすすめのサプリメント飲んでおけばいいでしょ!って思いますよね。
でも、高血圧って初めて健診で指摘されたときに病院に行くことがとっても大切なのです。

そう言われても……

「【高血圧 サプリメント】で検索すると、たくさんおすすめのサプリメントでてくるよ?」「病院面倒だから、サプリメントでおすすめを教えてよ!」
と、病院行かずになんとかする方法を探してしまうもの。
私自身も知らなければきっとそうしています。やっぱり面倒ですもんね……

でも、サプリメントと医療の知識が少しある私は、【高血圧 サプリメント】で検索しても、「これを飲めばOK!よーし、病院行かない」とはなりません。
今回は、その理由を解説していきます。
※この情報は、2017年7月時点のものです。

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1. 高血圧におすすめのサプリメントは薬剤師としてどう?

1-1 サプリメントで高血圧の改善はむずかしい

【高血圧 サプリメント】で検索すると、たくさんのおすすめサプリメントがヒットします。さまざまなメーカーがさまざまな商品名でサプリメントを販売していますよね。

「血圧が高めの人」におすすめのサプリメントは商品名でみるとたくさんありますが、成分でみると大きく2つのグループに分けられます。

 

①機能性を追求した成分
②ビタミンやミネラル

この中に検索でヒットする成分を入れてみると……

機能性を追求した成分*1
 n-3系脂肪酸(EPA/DHA、α-リノレン酸)、オレウロペイン、田七人参、
 ナットウキナーゼ、タウリン、ヒハツなど
*1栄養素の補給ではなく、血流改善などの効果を期待した成分

ビタミンやミネラル
 亜鉛、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど

 

こんな感じ。これらを組み合わせたサプリメントが「血圧が高めの人」におすすめのサプリメントとして販売されています。

 

さて、ここで注意したいのは「血圧が高めの人」という言葉。

 

あなたは「高血圧を改善するのにおすすめのサプリメント」をネット上で探しているかもしれません。でも、商品を紹介しているまともなサイトであれば「高血圧におすすめのサプリメント」という表現はしません。

サプリメントの広告は表現にルールがあり、そのルールで考えるとルール違反になるからです。

「でもネットで検索したら、高血圧におすすめのサプリメントって出てくるじゃないか!」

 

確かにその通り。

 

サプリメントの表現ルールは行政が決めており、私は以前、行政にネットの検索結果について取材をしたことがあります。

 

その際に、「ルール違反をしているサイトが多く、対応が追いついていないのが現状」という回答をもらいました。つまり、ネットの検索結果はすべて正しいのではなく、正しい情報を伝えていないルール違反のサイトもあるのです。

 

 

記事か広告かでルールは違うのですが、商品を紹介して商品リンクを設置し、購入を促すサイトは広告にあたります。広告サイトで「高血圧におすすめ」と表現して、商品を紹介するのはルール違反なのです。

 

ルール違反のサイトをみると、「ここにあるサプリメントを飲めば、病院に行かなくても大丈夫だ!」と期待を抱くサイトの作り方をしています。

 

でも、サプリメントで高血圧の改善はむずかしいのです。

 

ちょっと専門的な話になりますが、血圧対策の機能性を追求した成分の多くは、人に有効か科学的データ(エビデンス)*2が確立されていません。

 

血圧が下がるというエビデンスがなければ、飲んで効果があるのか本当のところはわかりません。
場合によっては、お金をかけてサプリメントを飲んだものの、全く効果がなかったということにもなりかねません。

つまり、人に対する効果の保証はないのです。

*2エビデンス:効果を保証する科学的根拠のこと

1-2 高血圧をサプリメントでと思ったときには病院へ

高血圧の特徴は、初期段階では自覚症状がほとんどないこと。だからこそ放置してしまいがちなのです。

でもこの自覚症状がほとんどないときに治療を始めることが、早期の改善や動脈硬化の予防にはとても大切。健診で指摘を受けて、【高血圧 サプリメント】を調べてみようと思ったときこそ、病院受診のタイミングなのです。

高血圧を長い間放置すると、血管が固くなったり、血管の内腔がせまくなり、詰まりやすくなったりすることが起こります。

この状態がいわゆる動脈硬化。

これが脳で起これば脳梗塞、心臓で起これば心筋梗塞のような重大な病気を引き起こします。高血圧は自覚症状なく重大な病気を引き起こすことから「サイレントキラー」とも呼ばれます。

 

ヘルケア

2. 高血圧におすすめのサプリメントで高血圧は治らない

2-1 高血圧は症状がないときに治療を始める

高血圧の治療をためらう人の中に「薬を一生飲み続けなければならないのが嫌だから」という人がいます。

でもこれは正しくありません。適切な対応をして、きちんと対処できれば薬を一生飲み続ける必要はないのです。

血圧がはっきりと高血圧の領域であれば、きちんと病院で処方された薬をまず飲むことが大切。

そのうえで下記のことを行えば、薬を一生飲み続ける必要がなくなるかもしれません。

 

●減塩
食塩を摂りすぎると血圧があがりやすいことが知られています。具体的にどれくらい摂っていいの?など詳しくはこちらの記事の3.4に書いてあるので、気になる方は読んでみてください。

 

●運動、節酒、禁煙
運動をして減量することにより血圧が下がることもあります。またお酒の飲みすぎや喫煙も動脈硬化や高血圧の危険因子。節酒や禁煙も有効です。
*運動は高血圧の程度によっては推奨されないので、すでに高血圧の場合は必ず担当医との相談が必要です。

実際に高血圧外来を行っている医院のHPに薬を一生飲み続けることについての詳細があるので、気になる方はこちらも参考にしてみてくださいね。

 

さて、ここまでの内容で大切なポイントは2つ。健診で血圧の指摘を受けたら、それは……

 

病院受診のタイミング
サプリメントは第一選択肢ではない

 

健診で血圧の指摘を受けたら、【高血圧 サプリメント】って検索してなんとかしようっていうのはダメなんですね。

2-2 EPA/DHAの血圧を下げる効果は微妙

そうはいっても検索してしまったあなたと一緒に、ここから先は考えてみましょう。【高血圧 サプリメント】を検索するとよくみる成分にn-3系脂肪酸である「EPA/DHA」があります。

 

高血圧対策におすすめ!とよくいわれる成分ですが、実際どうなのか考えてみましょう。

 

2012年4月に消費者庁が「食品の機能性評価モデル事業」の結果報告(詳細はこちら”PDF”)をしました。なじみのない人にはよくわからん!ものですが、簡単にいえば「サプリメントに使われる◯◯という成分は本当に効果があるのか、国が調べて評価をしたよ」というもの。

 

「結果は国が効果を保証するものではない」としていますが、これは製品の責任問題とかビジネスとかいろいろありますからね……適当な結果だよという意味ではないです。

 

で、◯◯成分の血圧改善作用やがんの予防効果など、よく言われるサプリメントの効果を項目ごと、研究の質やデータの一貫性などを総合的に判断して、A~Dで判定しています。

 

調査対象となった成分は次のどちらかの基準を満たす11成分。

 

・海外で機能性が公に評価されている成分
・市場規模が大きくエビデンスの見込みがある成分

 

11成分の中に「EPA/DHA」があり、「血圧改善作用」は総合評価“C”。最近の研究で否定的な結果が得られているのと、否定的な論文があることから一貫性が低いと判断されています。

 

やっぱ一貫性あっての効果性なので、効果があるデータがあったり、効果がないデータがあったりで、よくわかりません!というのでは、効果性としては微妙ですよね。

詳細が気になる方はP.29に該当部分があるので、確認してみてください。

 

2-3 おすすめのサプリメントで高血圧の改善なら1kgも必要!?

では、今度はネットを検索して得られる情報で考えてみます。

 

【高血圧 サプリメント】で検索すると表示されるサイトにおすすめ成分として「オレウロペイン」があげられています。オレウロペインを調べてみると、確かに血圧を下げる作用はありそうです。

 

オレウロペインが入っているサプリメントで血圧が改善できるなら病院はまたでいいかな」
「血圧改善ってあるし、病院はいいや」

 

ついさっき受診する大切さを知っても、こうやって血圧改善効果があるなんてネットに出てくると、「まぁ行かなくてもこれ飲んどけば……」って思っちゃいますよね。
でも、これがサプリメントのトラップ。確かにオレウロペインはポリフェノールで健康にもイイし、オレウロペイン配合のサプリメントで血圧も改善できるかもしれません。

 

でも、血圧改善に焦点をあてると、その量はどれくらい必要でしょうか?

こちらの、オレウロペインの血圧に対する研究をもとに考えてみると、60kgの人が血圧を改善するにはオレウロペインを300~900mg摂取する必要があります

 

さらにオレウロペインはオリーブ葉に含まれるポリフェノールです。含有量はオリーブの品種により異なるようで5~20%とのこと。

含有量を20%と考えて単純計算しても、オレウロペインを300~900mg摂取するにはオリーブ葉として1.5kg~4.5kgが必要となります。

 

これはちょっと……現実的ではないですよね。ネットで検索すると確かに血圧対策におすすめの成分はたくさん出てきます。

でも、これらは日常的に摂取したい成分であって、薬の代替品になるものではないのです。

 

ヘルケア

3. 高血圧に関連する疾患の予防にサプリメントは効果的

3-1 EPA/DHAは高血圧に関連する疾患の予防に科学的根拠あり

「なんだ、じゃあサプリメントって意味ないのか」となりそうですが、そんなことはないんです。

 

血圧対策で検索するとたくさんヒットするEPA/DHA。先ほどの「食品の機能性評価モデル事業」の結果報告(詳細はこちらのP.29”PDF”)で、総合評価Aとなった効果が3つあります。

それがこの3つ。

 

・心血管疾患リスク低減
・血中中性脂肪低下
・関節リウマチ症状緩和

 

いずれも血圧が高い人には嬉しい効果で、高血圧に関連する疾患の予防に効果的なのです。
機能性を追求した成分でエビデンスが確立されているものはあまりありませんが、EPA/DHAは違うんですね。

 

4. 高血圧に関連する疾患の予防におすすめのサプリメント成分

4-1 EPA/DHA

・心血管疾患リスク低減
・血中中性脂肪低下
・関節リウマチ症状緩和

ではなぜ、上記EPA/DHAの効果が血圧の高い人に嬉しい効果となるのか。

 

血圧が高いと生活習慣そのものが悪い可能性が高く、心血管疾患やコレステロールの値などが高くなる脂質異常症など合併症を引き起こすリスクも潜んでいるからなんですね。

 

中でも血圧が高い状態が続くことで生じる心筋梗塞や脳梗塞などは死につながる重大な病気。

EPA/DHAを日常的に補うことで、リスク低減が期待できるのならば、積極的に補いたいものです。

 

4-2 ビタミンB群

こちらはネット検索ではおすすめ成分として出てきませんが、栄養療法の視点からおすすめできる成分です。

ビタミンB群は、ベルトコンベアの歯車のようにお互い助け合いながら働くビタミンです。

そのため「ビタミンB6を摂取」というような単一摂取ではなく「ビタミンB群として摂取」するとよいと栄養療法の世界ではいわれています。

 

ビタミンB群には糖質や脂質を分解するさまざまな酵素の働きを助ける役割があります。そのため不足すると、糖質や脂質の分解がうまくできなくなるのです。
高血圧などの生活習慣病では、そもそも糖質や脂質の摂取が過剰で分解が追いついていない可能性も考えられます。

 

健診で血圧を指摘された人にアドバイスを求められたら、私はビタミンB群のサプリメントをおすすめします。

4-3 ドラッグストアで買える市販のサプリメントでOK

ドラッグストアなど市販のサプリメントを選ぶときは、「含有量で選ぶ」のがおすすめです。

自分が気に入っているメーカーや飲んでみたいというサプリメントがあるなら、それでもOKです。

 

ネットでサプリメントを買うときの注意点は、甘い言葉にだまされないということ。ネットで販売されているサプリメントは玉石混交。販売元をしっかり確認して、怪しい業者でないか見極めましょう。

 

5. まとめ

【高血圧 サプリメント】で検索すると、高血圧が改善できると思い込んでしまうようなサイトがたくさんあります。

私もそうですが、人は情報を自分に都合のいいように解釈してしまいがち。血圧が気になっている人からしたら、「高血圧におすすめ」と言われると、「それを飲めば大丈夫だ!」と解釈してしまうでしょう。

でも、すでに高い血圧をサプリメントでなんとかするというのは、間違った医療情報。サプリメントは血圧が高めの人におすすめなのであって、すでに血圧の高い人の解決策にはおすすめできません。「血圧が高い」の判断基準は、健診で指摘を受けるレベルです。

健診で指摘を受けるレベルの血圧ならば、病院で処方を受けるのが正しい選択。血圧は健診で指摘されたときに治療を開始するのが正解で、サプリメントでなんとかしようとすることは不正解です。

サプリメントのおすすめは、あくまでも血圧が高めの人。健診で指摘を受けるレベルの人は必ず病院を受診しましょう。

【参考】
「食品の機能性評価モデル事業」の結果報告

執筆
薬剤師:植松 透
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