【呼吸器内科医が解説】いびきが重大な病気のサイン~閉塞性睡眠時無呼吸~

グーグーといびきをかく人は多いでしょうが、「フガッ!」という音とともに無呼吸になっている家族や身近な方を見たことはありませんか?

もしそうなら、閉塞性睡眠時無呼吸の可能性があるため、一度病院を受診してみることをおすすめします。いびきの中には見逃してはいけない異常ないびきがあります。それが「睡眠時無呼吸」です。

今回は、重大な病気のサインになりうる、いびきについて解説するとともに、閉塞性睡眠時無呼吸の検査や治療方法についても説明していきます。
※この情報は、2017年5月時点のものです。

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1.実は痩せ型の方でも起こりうる!?大きないびき

皆さんはいびきをしていると家族に言われたことはありませんか?

いびきといえばメタボの太った男性というイメージがありますが、実は痩せ型で顎が小さな人もいびきをかきやすいことが知られています。

私は大きな病院に勤務しているのですが、「同じ部屋の人のいびきがうるさくて眠れない」と相談されることがよくあります。耳の遠いお年寄りが集まった大部屋ににうつってもらったり、睡眠導入剤を処方したり、いろいろ工夫はできるのですが、根本的にいびきを治療する方法は限られています。

2.医学的に問題のある異常ないびき「睡眠時無呼吸」

2-1. 睡眠時の「フガッ!」という症状に注意

お酒を飲んだり、疲れがたまっていると、誰でもいびきをかくことがあります。それ自体は異常ではありません。しかし、いびきの中には見逃してはいけない異常ないびきがあります(厳密には全てのいびきは異常なのですが)。それは、睡眠時無呼吸です。これはテレビ番組でも取り上げられることが多いので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

睡眠時無呼吸には、中枢性と閉塞性の2種類あります。実臨床で遭遇するのはほぼ後者の閉塞性ですので、ここでは閉塞性睡眠時無呼吸について書きます。

 

この疾患はご存知の通り、舌根が沈下することで起こる、睡眠時の「フガッ!」という症状が有名です。「フガッ!」といういびきの後に、10秒、20秒呼吸が止まってしまうのが典型的な閉塞性睡眠時無呼吸です。どうでしょう、家族に同じ症状の方はいらっしゃいませんか?

 

2-2.命を奪いかねない、閉塞性睡眠時無呼吸の現状

テレビで見たことがありませんか?運転中にうたた寝をしてしまい事故をおこした、なんてニュース。この病気の恐ろしいところは、夜間にいびきであまり眠れていないため、日中にこっくりこっくりとうたた寝をしてしまうのです。また、閉塞性睡眠時無呼吸があるだけで心血管系疾患の死亡リスクを5倍以上アップさせます1)なにげに命を奪うことがある恐ろしい疾患なのです。

 

閉塞性睡眠時無呼吸は、日本人男性で200万人ほど罹患しているそうです。単純計算で、30人に1人がこの病気ということですね。そして、治療が必要な患者さんの85%が未受診と考えられています。働き盛りの男性に多いため、やむを得ない部分もあるでしょうが、これはよくありません。

3.閉塞性睡眠時無呼吸の検査と治療

3-1.自身でチェックしてみましょう

この病気が疑われた場合、にある「エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness scale)」をつけてみてください。

何点でしょうか?ちなみに皆さんは何点でしたか?0点だった方は素晴らしい睡眠生活を送っていることでしょう、羨ましい。私は2点です。午後に横になって休憩したら、誰でも眠たくなりますから。このスケールで5~6点以上ある場合はちょっと要注意でしょうか。10~11点あれば赤信号、今すぐ受診して下さい。

0 ~ 5 点:日中の眠気少ない

6~ 10 点:日中軽度の眠気あり

11 点以上:日中の強い眠気あり

※眠気があることに慣れてしまってスコアが低く出ることもある。

. エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness scale)2)(文献より引用)

3-2.病院で行われる検査と治療法

エプワース睡眠尺度によって閉塞性睡眠時無呼吸を疑われたあなたは、病院へやってきました。さて、そこで待っているのは実際に呼吸が止まっているかを調べる検査です。それが「アプノモニター」「ポリソムノグラフィ」と呼ばれる検査です。

アプノモニターもポリソムノグラフィも、身体に色々なモニターをつけます。これで胸の動きや無呼吸を感知して、無呼吸が病的かどうか判断するのです。あたかも人体実験されているみたいな装置をつけますが、私たちも実験体にしているつもりはないのでご安心下さい。

これらの検査によって、無呼吸がどのくらいの頻度で出現しているか結果が返ってきます。それで、明らかに閉塞性睡眠時無呼吸であれば、CPAP療法という治療の適応になります(図)。あ、なんかどこかで見たことがあるぞ!と思われた方もいるかもしれません。「こんなのつけたくない!」と感じた人も多いでしょうね。

図. CPAP療法

4.閉塞性睡眠時無呼吸の予防で最も大切なこと

予防として最も大事なのは、「太らないこと」です。お肉がブヨブヨになってしまうと、閉塞性睡眠時無呼吸のリスクはグンと跳ね上がります。そしてもう1つ大事なのは、お酒を控えることです。特に寝る前にお酒を飲むと、いびきをかきやすくなるため、閉塞性睡眠時無呼吸のリスクは上がります。

要は、規則正しい健康的な生活を送ってください、ということです。

家族に「あなたいびきかいてるわよ」「ときどき息が止まってるわよ」と言われたことがある人は閉塞性睡眠時無呼吸の可能性があるので、一度病院を受診して下さい。

5.まとめ

・ひどいいびきは閉塞性睡眠時無呼吸のサインかもしれない

・閉塞性睡眠時無呼吸の患者さんの多くは病院を受診していない

・閉塞性睡眠時無呼吸の治療はCPAP療法である

・閉塞性睡眠時無呼吸の予防で重要なのは、規則正しい健康的な生活を送ることである

 

(参考文献)

1) Young T, et al. Sleep disordered breathing and mortality: eighteen-year follow-up of the Wisconsin sleep cohort. Sleep. 2008 Aug;31(8):1071-8.

2)Johns MW. A new method for measuring daytime sleepiness: the Epworth sleepiness scale. Sleep. 1991 Dec; 14(6): 540-5.

 

 

 

 

執筆
医師:倉原 優
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