【皮膚科医が解説】虫別に刺されたときの対処法と虫刺されあとの治し方を解説

暑さが残りますが、季節は秋に向かっています。
この夏はいかほどに虫に刺されたでしょうか。虫刺されのあとが残り、あとをどうにかしたいと悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか。

今回は虫に刺された後に残る皮膚症状、いわゆる「虫刺され後の瘢痕」について、症例としてご相談の多い蚊やアブ、ハチ、ダニにわけて対処法などを説明し、虫に刺されなくする工夫やアナフィラキシーなどについても紹介していきます。
※この情報は、2018年9月時点のものです。

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1.虫に刺されたらどうなる、その対処法について

1-1. 蚊・アブの場合

夏の虫刺されとして、最も代表的な昆虫は蚊やアブです。

蚊をはじめとする虫刺されでは、昆虫の出す物質に対してアレルギー反応を起こすことでかゆみを自覚します。しかし、ほかのアレルギーの機序同様、回数を重ねることでその反応が弱まることがあり、かゆみの感じ方は成人よりも幼い子供のほうが、かゆみやその反応が強くなりがちです。

 

かゆみや刺されたことによる腫れはアレルギー反応であり、このアレルギー機序を抑える効果として抗ヒスタミン剤が有効ですが、これは市販で購入でき、塗り薬やかゆみを止める飲み薬として販売されています。また、それより症状が強いアレルギー反応にはステロイド剤の塗り薬あるいは飲み薬が必要となります。ステロイド剤の塗り薬は市販でも購入できますが、効果の高いステロイド塗り薬や飲み薬は医療機関の受診をする必要があります。症状が続いたり悪化する場合には早めに皮膚科を受診してください。

 

1-2. ハチの場合

蜂に刺された場合、ほとんどの場合は刺された瞬間に強い痛みを感じ赤くはれてきます。強い痛みは数時間で収まりますが。腫れや軽い痛み、あるいはかゆみは1週間程度続くことが多いです。

 

まずは時間を見つけてできるだけ早い段階で皮膚科を受診してください。皮膚の中に蜂の針が残っていればそれらを除去しないと細菌感染などを引き起こす場合があります。針が残っていなくとも、強い腫れに対しての飲み薬、塗り薬を使用することで、症状の重症化を防いだり早く治癒することができます。

 

蜂に刺された際のアレルギー症状については「4.ハチに刺された後のアナフィラキシーについて」をご参照ください。

 

1-3. ダニの場合

一般的に私たちが身近に注意を要するダニには、家屋などに存在する家ダニやツメダニと、屋外に存在するマダニが主です。

 

ツメダニは湿気の多い場所で繁殖し、大量に発生すると人を刺します。梅雨の時期から次第に増え、8~9月に特に人への被害が増加します。症状としてかゆみを伴います。

 

家ダニは5月頃から発生し、6~9月が発生の最盛期です。居住環境がよくなった最近では被害が減少しつつありますが、古い家屋では注意が必要です。

 

マダニは公園や山道など草むらの多い場所に生息します。また刺されると赤く腫れて炎症を起しますが、かゆみを伴わないことが多く、気づくのが遅くなります。気づかないケースが多いです。マダニの問題点は日本紅斑熱やライム病などの感染症や、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)という病気を発症することがあり、刺された際にも1週間程度、虫体が体に付着し、無理に引きはがすと口角が体内に残ります。そのため、マダニに刺された際には速やかに皮膚科を受診してください。

 

2.虫に刺されたときにやってはいけないこと

①掻くこと

虫刺されではかゆくなることが多く、掻き出したら止まりません。しかし、掻くほどに皮膚を傷つけてしまいます。傷ついた皮膚からは爪やその他の雑菌が入って感染症を引き起こし、なかにはいわゆる「とびひ」のように、抗生剤内服が必要となるケースもあります。また、掻くことでその傷跡が残りやすくなる可能性もあります。

 

市販の虫刺され用の塗り薬を使われるのもよいですが、病院の受診により症状に応じて、適した塗り薬や、掻くのを止めるための飲み薬も処方されます。症状に困られたときには受診が必要です。

 

②たたく、温める

たたいたり、温めたりすると、皮膚の表面に近い毛細血管が広がります。このことでさらにかゆみが増すことになります。お風呂上りや寝る前は、体温が高くなるため、一般的にあらゆるかゆみの部位の症状が強くなります。逆に冷やすことはかゆみを軽減する方法として推奨されます。

 

3.虫に刺されなくする工夫

夏場の外出時や、森林や草地、河川など、虫の多く生息する場所に行く際には、肌の露出が増えるほど、虫に刺される機会が増えるものです。夏の一般的な外出では涼しい露出の多い服装となりますがその際には虫よけ剤を使用してください。

 

また、林や草地、河川など、虫の多く生息する場所に行く際には、露出を少なくしましょう。長袖、長ズボン、靴下の着用に加え、帽子の着用、サングラス、マスク、首にタオルを巻く、などが大切となります。そのうえで、虫よけ剤の使用も重要です。

 

室内のダニ、ノミの対策としては、不衛生な虫の死骸などを餌に湿気のある場所に繁殖することが多いです。そのため、掃除やごみ捨て、換気などが大事です。

 

虫よけ剤には、「ディート(忌避剤)」という薬剤が含まれており、ディート濃度が12%のものは医薬品扱いとなります。スプレータイプ、テープタイプ、外用タイプ、置くタイプなど、様々な形式があります。添付文書を参考に、効果の時間によっては付け直しなども大切になります。

 

4.ハチに刺された後のアナフィラキシーについて

ハチに刺された際、初めて刺されたときにハチの成分をアレルギーとして体が感知することで、2回目以降のハチに刺された際にアナフィラキシー症状が出現することがあります。

 

アナフィラキシー症状の前兆としては皮膚の赤み、腫れ、かゆみ、息苦しさ、頭痛、意識レベルの低下などがあります。アナフィラキシーは非常に注意が必要な状態で、病院の速やかな受診、場所によっては救急車の要請を行う必要があります。

 

また、1回目にハチに刺されたのち、アレルギーがあるかどうかは採血検査で調べることが可能です。多くはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種について調べることができます。採血の結果アレルギーがある場合、以前刺された際に症状があった場合、仕事で刺される機会が多い場合には、ハチに刺された際に自己注射をして救急事態の進行を予防する自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を処方することができます。

 

しかし、すべての医療機関で、これらの検査や注射薬の処方をすることができるわけではないため、希望する際にはあらかじめ病院に問い合わせの上、受診されることをお勧めします。

 

5.虫刺されあとの傷はどう治すか

虫に刺されたあとの急性期の治療について、各項目に記載してきました。次に、かゆみも通り越した虫刺され痕についてです。

基本的には、虫刺され以外のすべての傷跡に共通されることですが、赤みを通り超えて茶色っぽくなった皮膚は、皮膚のターンオーバーを待つほかありません。

 

皮膚のターンオーバーは1-2か月ごとに繰り返しますが、年齢に応じてその代謝速度は遅くなります。また、虫刺されや傷の炎症の深さに応じて、茶色い色のもとが皮膚の深いところに生じている場合には、複数回のターンオーバーを待って薄くなっても、最終的に色素沈着として残ることもあります。

 

美容皮膚科・美容形成外科であればこれに対してレーザー治療や、美白の外用液で改善されることもあり、一般皮膚科・一般形成外科であれば、色素ついた部分ごと皮膚を切り取って縫うというような治療もあります。

 

色素沈着を少しでも残さないようにするためには、刺された直後から数日間に炎症を速やかに取り除くことが重要であり、そのためには、掻かないことや、医療機関を受診して適した塗り薬や飲み薬を使用し指導を受けることが大事になります。

 

6.まとめ

今回は代表的な虫刺されの予防、虫刺されあとの対処方法などについて説明しました。虫刺され痕を少なくするためには、なにより予防として、刺されない対応をとることが大事です。残暑を快適に乗り越えましょう。

執筆
医師:ミーマンバナナ
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