【炎症後色素沈着】虫刺され跡に効く薬は?おすすめの市販薬や予防法についても解説

蚊やダニなどによる虫刺されの跡が茶色いシミのようになりなかなか消えなくなった経験はありませんか?
これは虫刺されによる傷跡を修復するときに過剰に作られたメラニンが皮膚に沈着することによって起こるもので、「炎症後色素沈着」とも呼ばれています。

特に夏場は腕や足などの肌を露出した部分に虫刺され跡ができることが多く、気にされている方も多いことでしょう。
そこで、今回の記事では虫刺され跡を治療するための薬、おすすめの市販薬について解説していきます。また、できるだけ虫刺され跡を残さないための予防法についても併せて説明いたします。
※この情報は、2018年7月時点のものです。

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1.虫刺され跡(炎症後色素沈着)はなぜできる?

蚊やダニなどの虫に刺された跡が黒ずんだり茶褐色になったりしてしまい、なかなか消えないことがあります。

 

これは専門的には「炎症後色素沈着」と呼ばれ、虫刺され跡にメラニン色素が沈着することによって起こります。虫刺され、切り傷、火傷、ニキビ、湿疹などによって皮膚が障害されると、障害された皮膚は新しい細胞を再生することで傷跡を治癒しようとします。

 

この自然治癒の過程において、メラノサイトと呼ばれる細胞が刺激されることでメラニン色素が過剰に生成されてしまいます。生成されたメラニン色素は肌の表面近くに蓄積してシミを作り、これが虫刺され跡となります。

 

2.虫刺され跡の治療法は?

炎症後色素沈着は肌を修復する正常なメカニズムによって生じるものであり、通常は放っておいても自然に治っていきます。皮膚はターンオーバーと呼ばれる新陳代謝を繰り返しているため、時間の経過とともに古い肌は新しい肌へと生まれ変わっていきます。

 

ただし、皮膚のターンオーバーには一定の時間がかかるため、炎症後色素沈着が消えるまでには通常、数か月の期間が必要になります。また、ターンオーバーに要する時間は年齢によって異なり、年齢が高くなるほど長い時間が必要となります。

 

このように虫刺され跡を自然治癒させるには時間がかかるため、治療を急ぐ方については、次章でご紹介するような薬が必要になります。

 

外科的な治療法も

 

薬物治療では満足な効果が得られない方には、虫刺され跡を外科的に除去する方法もあります。通常の炎症後色素沈着は長くても1年程度で治りますが、メラニン色素が表皮の奥にある真皮にまで到達している場合は、自然治癒や薬による除去が困難になります。

 

そのようなときには美容外科などでレーザートーニングと呼ばれる治療法を実施してもらうことができます。

 

レーザートーニングとは従来のレーザー治療に比べて肌に優しく低刺激性の治療法であり、QスイッチYAGレーザーと呼ばれる専用のレーザーを用いる画期的な方法です。痛みや肌に対するダメージがほとんどないため、頑固な虫刺され跡に悩まれている方は検討されることをお勧めします。

 

3.虫刺され跡に効く薬は?

虫刺され跡に用いる薬には様々な種類がありますが、通常は以下のような薬を用いることが多いです。

 

3-1. ヘパリン類似物質油性クリーム

ヘパリン類似物質油性クリームはヒルドイドソフトと呼ばれる有名な処方薬の成分で、医療現場では頻繁に使われているものです。優れた水分保持作用があるため保湿を目的として使われることも多いですが、皮膚の血行を促進する働きもあります。

 

皮膚の血行が良くなると、多くの酸素や栄養素が供給され、新陳代謝(ターンオーバー)が活発になって虫刺され跡の除去が促進されます。

 

3-2. ビタミンC

ビタミン Cにはメラニン色素の生成を抑制したり、すでに生成されたメラニン色素を除去したりする働きがあります。また、活性酸素を取り除いてお肌の老化を防いだり、コラーゲンの生成を促進してターンオーバーを促す働きもあり、これらの複合的な働きによって虫刺され跡を治療します。

 

3-3. L-システイン

L-システインは抗酸化作用をもつアミノ酸で、皮膚のターンオーバーを促進する働きもあります。きれいなお肌を維持するためには必須の成分とされており、数多くの美肌用医薬品やサプリメントに配合されています。

 

3-4. トレチノイン

ビタミンA誘導体の一種で、皮膚の新陳代謝を促進して再生能力を高める働きがあります。ヒアルロン酸の分泌を促すことでみずみずしいお肌を保ち、コラーゲンの生成を促進して肌にハリを与える作用もあります。

 

3-5. トラネキサム酸

トラネキサム酸には、メラノサイトと呼ばれる細胞の働きを抑えることでメラニン色素の生成を抑制する働きがあり、虫刺され跡やシミなどに有効とされています。

 

4.虫刺され跡にお勧めの市販薬は?

虫刺され跡にお勧めの市販薬には以下のようなものがあります。いずれもドラッグストアやインターネット通販で購入できますのでぜひご検討ください。

 

・【第2類医薬品】アットノン/小林製薬

ヘパリン類似物質油性クリームを有効成分とする塗り薬で、医療機関で処方されるヒルドイドソフトと同じ効果が期待できます。

 

・【第2類医薬品】ハイチオールC+/エスエス製薬

L-システイン、ビタミンC、パントテン酸カルシウムを有効成分とする錠剤で、シミの原因となるメラニン色素の生成を抑え、お肌のターンオーバーを促進することで過剰に作られたメラニンを除去します。

 

・【第3類医薬品】トランシーノ ホワイトC/第一三共ヘルスケア

高用量のL-システインとビタミンCを含んでおり、メラニン色素の生成を効果的に抑制します。また、同時に配合されたビタミンB群とビタミンEの作用により、肌に沈着したシミを取り除きます。

 

※肝斑治療用の第1類医薬品『トランシーノ』とは異なる商品のため、トラネキサム酸は配合されていません。

 

病院で処方される薬と市販薬の効き目の違いは?

 

虫刺され跡の薬については、市販薬と病院で処方される薬に大きな違いはありません。先ほどご紹介した、ヘパリン類似物質油性クリーム、ビタミンC、L-システインなどは市販の薬やサプリメントにも含まれている成分のため、ドラッグストアやインターネット通販などでも入手することができます。

 

ただし、トレチノインは皮膚への刺激がやや強く使用に際しては注意が必要となるため、原則的には医療機関でしか入手することができません。また、トラネキサム酸はトランシーノやペラックT錠などの市販薬にも含まれていますが、これらは肝斑やのどの痛みなどに用いる薬であり、虫刺され跡には適用がありません(第1類医薬品のトランシーノにはトラネキサム酸、L-システイン、ビタミンCなど虫刺され跡に有効な成分が配合されていますが、肝斑専用の薬であり薬剤師による対面販売が必須となるため、虫刺され跡を消す目的では販売してもらえないでしょう)。

 

こうした点を考慮すると、皮膚科を受診する方がやや効き目の強い薬を処方してもらえる可能性が高いです。市販薬ではなかなか虫刺され跡が消えない方や、症状が重い方は病院でこうした薬を処方してもらうのも一つの手段と言えるでしょう。

 

5.虫刺され跡治療の注意点

5-1. 虫刺され跡治療薬の副作用は?

虫刺され跡治療薬は穏やかな作用をもつ薬がほとんどのため、副作用についてはそれほど心配する必要はありません。

 

以下にそれぞれの薬の代表的な副作用を示しますので、万一こうした症状が見られたり、その他に異常を感じたたりした場合は使用を中止して医師、薬剤師などにご相談ください。

 

・ヘパリン類似物質油性クリーム

皮膚刺激感、皮膚炎、かゆみ、発赤、発疹、潮紅、紫斑

 

・トレチノイン

赤み、炎症、腫れ、かゆみ、かぶれ、頭痛、吐き気

 

・トラネキサム酸

かゆみ、発疹、食欲不振、吐き気、嘔吐、胸やけ

 

5-2. こんなときは早めに皮膚科へ

以下のような症状が見られる方は市販薬では改善効果が見込めない可能性があるため、皮膚科を受診することをお勧めします。

 

・市販薬を使っても一向に症状が改善しない場合

・早急に虫刺され跡を改善する必要がある場合

・虫刺され跡を掻き壊してしまい、患部が化膿している場合

・虫刺され跡が広範囲に渡ってできている場合

・虫刺され跡がひどく腫れている場合

 

5-3. 虫刺され跡を防ぐ対策は?

虫刺され跡の予防や治療には以下に示すようなポイントも非常に大切になります。薬の服用と併せてぜひ実践してみてください。

 

【虫に刺されないように工夫する】

当然のことですが、虫刺され跡ができないようにするためには虫に刺されないことが一番です。

 

屋外に出るときには長袖、長ズボンを着用して皮膚の露出を減らしたり、虫よけスプレーを噴霧したりするなど万全の対策をとりましょう。また、草木や茂みなど虫が多く集まる場所にはできるだけ近寄らないようにすることも大切です。

 

【虫に刺された部位を日光に当てない】

虫に刺された部位を日光などの紫外線に当てるとメラニン色素の生成が加速され、炎症後色素沈着ができやすくなってしまいます。このため、特に外出時は虫に刺された箇所を衣服で覆うなどして紫外線から守ってあげましょう。

 

【虫に刺された部位に刺激を加えない】

虫に刺された部位を掻いたりして刺激を加えることによって、メラニン色素の生成が促進されてしまいます。刺された場所がどうしてもかゆいときにはかゆみ止めの薬を使うなどして掻かないようにしましょう。

 

【生活習慣を整える】

お肌のターンオーバーを促進して沈着したメラニン色素を取り除くためには生活習慣の改善も非常に大切です。十分な睡眠をとる、肌の乾燥を防いで保湿を怠らない、栄養バランスの取れた食事をする、体を清潔に保つなど、日常生活にも気を配るようにしてください。

 

6.まとめ

虫刺され跡を残さないためには薬を使うだけでなく、虫刺されを防いだり、お肌にとって健康的な生活習慣を心がけることも大切になります。きれいで美しい肌を手に入れるためにも、予防も含めた総合的なケアを実践するようにしてください。

執筆
薬剤師:おくすり スペシャリスト
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