過敏性腸症候群の食事療法、栄養士が解説します

日本の全人口のうち10%以上もの方が該当する、過敏性腸症候群。

検査をしても明らかな異常が認められず完全に治ることも少ないと言われていますが、症状が悪化すると腹痛や下痢など日常生活に支障をきたす場合もあります。食事療法を取り入れ、うまく症状と付き合っていくことが大切ですが、一般的に「お腹に良い」と言われている食品が過敏性腸症候群の症状を悪化させてしまう場合もありますので注意が必要です。

今回は症状別に食事で気をつけるポイントについて、そして最近注目されている低FODMAP食について解説します。

※この情報は、2018年4月時点のものです。

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1.過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や腹部不快感を伴う便秘や下痢を長期に渡り繰り返す疾患です。原因は明らかになっていませんが、ストレスにより症状が悪化することが分かっています。男性は下痢型が多く女性は便秘型が多い傾向にありますが、便秘と下痢を繰り返す混合型の場合もあります。

 

治療方法としては①生活習慣の改善、②薬物療法、③心身医学的治療の3つが基本となりますが、完治が難しいと言われているので①の中でも食事療法を取り入れながら症状とうまく付き合っていくことが大切です。

次章より食事療法について詳しくお伝えしていきます。

 

2.過敏性腸症候群の食事療法のポイント

2-1. よく噛むこと

まずは、消化を良くして腸に負担をかけないために、「良く噛むこと」を心がけます。

 

早食いの方は、ひと口ごとに箸を置く、噛む回数を数える、食事の時間を計ってみるなどして良く噛んで食べる習慣をつけましょう。

一度に大量に食べることも腸に負担をかけますので、できるだけ食事は規則正しく一定量にすることが望ましいです。ただし、特に下痢型の方で少量を何度かに分けて食べた方がお腹の調子が良い場合は、そのような食べ方でも良いです。

また、通勤や通学中にトイレへ駆け込む不安を和らげるためにも、朝食を食べてから余裕をもってトイレに行く習慣をつけることも大切です。

 

食材は、お腹の様子を見ながら自分に合うもの・合わないものを見つけていきましょう。

 

2-2. お勧めの食材

①食物繊維の多い食材

野菜・きのこ・海藻類など。玄米や雑穀をご飯に混ぜるのもお勧めです。食物繊維には便の水分量を調節する作用がありますので、便秘型・下痢型どちらの方も積極的に摂取することをお勧めします。

ただし下痢型の方は不溶性食物繊維の摂取により腸が刺激され、症状が悪化する可能性もありますので体調を見ながら調整しましょう。不溶性食物繊維は野菜、きのこ、雑穀類などに多く含まれ、水溶性食物繊維は海藻類やこんにゃくに多く含まれます。

 

②発酵食品

納豆、味噌など。

ヨーグルトなどの乳製品はお腹に良いとされていますが、下痢型の方は乳糖を分解できず不調の原因となることがあります。

また、次項で紹介する低FODMAP食でも控えた方が良いとされていますので、乳製品を摂る場合はご自身の体調を見ながら調整しましょう。

 

2-3. 控えた方が良い食材

 

・冷たい食べ物・飲み物:氷の入った飲み物、アイスクリームやかき氷など

・脂質の多い食事:揚げ物や洋菓子、脂身の多い肉類など

・香辛料の多い食事:辛い料理・スパイスのきいた料理

・コーヒー、アルコール、炭酸飲料など

 

お腹が張る・おならが気になるときは、お腹の中でガスを発生させるいも類や豆類などは控えるようにしましょう。

 

3.注目されている低FODMAP食とは?

過敏性腸症候群の食事療法として近年注目されている低FODMAP食。

 

FODMAPは「Fermentable Oligosaccharides, Disaccharides, Monosaccharides and Polyols(発酵性のオリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール)」の略語で、これらを控えた食事を低FODMAP食と呼んでいます。

 

FODMAPが小腸で十分吸収されない状態で大腸に入ると、大腸内で発酵して下痢や腹痛、お腹の張りの原因となることが近年の研究により分かってきました。これらの摂取をごく少量にすることで過敏整腸症候群の症状が改善されたという報告があり、有効な治療方法になりうると注目されています。

 

<FODMAPを多く含むため控えた方が良いとされる食品例>

・ソルビトールやマンニトール、果糖や乳糖が含まれる加工食品。低カロリー・ノンカロリー飲料、清涼飲料水、ガムなど

・はちみつ

・りんご、マンゴー、桃、スイカ、アボカドなど

・小麦、大豆、玉ねぎ、キャベツ、アスパラガス、ひよこ豆、カシューナッツ、ピスタチオなど

・乳製品

 

これらの食品の摂取をごく少量にし、症状が軽減されるようであれば、更にこの中のどの食品が原因かを探るために一つずつ症状の有無を見ていきます。実践する方は、無理のない範囲で行ってみましょう。

 

4.長い目で上手に付き合っていくことが大切

過敏性腸症候群の原因ははっきりとは分かっていませんが、ストレスは症状を悪化させる要因となります。

普段の生活習慣を見直し、規則正しい生活と十分な睡眠を心がけましょう。タバコやお酒に頼らずに、ストレスを発散する方法を見つけることも大切です。

通勤や通学、外出など日常生活に支障が出るようでしたら、一度病院を受診することをお勧めします。

 

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。症状が重い場合には病院を受診し治療を受けることをお勧めしますが、自分に合う食材・合わない食材を見つけることで、過敏性腸症候群の症状を軽減できる可能性があります。まずは生活習慣を見直し、自分に合う食べ方・過ごし方を見つけていきましょう。

 
執筆
管理栄養士:塚原 絵理
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