【薬局の医療事務】その仕事内容と大変さ・やりがい。資格は必要なの?

"求人情報で「薬局の医療事務募集」という見出しが目に止まって、初めて興味を持たれたという方。又、「安定した仕事先を探して何か資格を持ちたい」ということで、薬局の医療事務の資格は役に立つのか知りたいという方もいるのではないでしょうか?

薬局の医療事務に求められることは、実は、事務作業よりも、サービス業に近いものもあります。また、医療事務の資格はあったほうがより良いですが、無くても支障はないというのも本音です。今回は、薬局を運営する立場として、薬局の医療事務の仕事内容について解説するとともに、実際に勤務されている医療事務の方から、最初に苦労することや仕事のやりがい、資格の必要性について伺ったことを紹介していきます。

もちろん、薬局によって、医療事務の仕事内容や求めることは違うと思いますので、あくまでも、ひとつの意見としてご参考いただけますと幸いです。"
※この情報は、2017年5月時点のものです。

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1.薬局の医療事務ってどんな仕事?

まず最初に、薬局の医療事務の仕事内容についてご紹介します。

1-1.患者さんの応対・受付・会計

患者さんが薬局に訪れた際の応対をします。処方せんをお持ちの場合は、処方せんを受け取ることや保険証の確認等を行います。受付時に患者さんから相談されることも多く、必要に応じて薬剤師を呼んだり、相談内容をメモしておき薬剤師に伝えます。

患者さんが薬局に訪れてきたとき、1番最初に対応するのが医療事務であることが多く、薬局の顔です。そのため、事務作業以上に、サービス業としての接客力が大切になってきます。最終的には、お会計を行い、患者さんを見送ります。

また、ネット予約やFAXを利用して、患者さんを薬局で待たせないように、処方せんを事前に送信してもらうサービスを行っている場合があります。その場合は、スムーズに受付ができるように、その対応を任されることもあります。

処方せんネット受付サービス(処方便)

処方せんを受け取った後は、薬剤師が処方せん内容に間違いないかを確認し、処方せんの内容をパソコンに打ち込みます。初めて薬局に来られた患者さんの場合には、問診票(過去のアレルギー歴、副作用歴、既往歴、併用薬などの聞き取り)を記入してもらうことや、保険証等の情報の登録が必要です。

 

処方せんの入力は、「レセコン(レセプトコンピュータの略)」と呼ばれるシステムを利用しします。入力すると、お薬の説明書、お薬の袋等の必要な印刷物が出力されることや、調剤報酬点数を計算し、最終的な領収書が発行されます。最近では、処方せんのバーコードを読み取ると、自然と処方せん内容が入力されるようなシステムを導入している薬局もあります。

 

処方せん内容の入力作業は非常に重要です。というのも、薬局は、健康保険組合や市町村などの保険者に自己負担分以外の金額の請求を行わなければなりません。お会計は、調剤報酬点数という点数によって決まるのですが、この計算が複雑で、お薬の名前や飲み方を少しでも間違えると、金額が変わってきてしまいます。又、入力した内容がルールに反していると、その金額を請求できなくなってしまいます。

1-3.月一レセプト作成業務・返戻対応

保険制度によって、患者さんは1割〜3割の自己負担金で医療サービスを受けることができます。残りの7割〜9割の金額は、薬局は健康保険組合や市町村などの保険者に請求しなければなりません。そのために必要とされるのが、月1度、レセプト(調剤報酬明細書)の作成にです。一般的には、作成自体は、レセコンがやってくれますので、1ヶ月分入力してきた処方せん内容に誤りがないかを再度確認する作業が主となります。

レセプトを提出後、レセプトの内容に誤りがあった場合には、「返戻」という形で、請求が通らないことがあります。薬局の売上に関わりますので、間違いがないかを確認することは非常に重要な作業です。

レセプトの返戻があった場合には、その誤りを確認、修正して、再度提出します。

1-4.商品管理・販売

薬剤師が行っていることも多いですが、医薬品の発注業務・入庫管理など在庫管理を任されることもあります。医薬品は、1日数回、医薬品卸から薬局に配送されます。そのため、発注・入庫の頻度が多く、在庫管理は重要な業務です。

また、薬局によっては、医薬品以外の商品(健康食品や化粧品など)を扱っていることもあり、その管理や販売を任されることもあります。

販売に力を入れている薬局では、その商品のPOPの作成や値札の作成なども行うことがあります。

棚卸しの際には、在庫している医薬品数や商品数を数える作業もあります。

1-5.その他の業務

その他にも、様々な業務があります。電話やFAXの対応をはじめ、薬局内の掃除、消耗品・事務用品等の購入、郵送物の依頼。お金の管理でいうと、現金管理(おつりなど)やレジ閉め作業も行います。薬剤師が忙しくしている場合には、できる範囲で薬剤師の補助的な業務を手伝う場合もあります。

状況に応じて、様々な業務が発生しますので、柔軟にこなしていくことが求められます。

2.薬局の医療事務の資格はとった方が良い?

薬局によっては、採用の基準として、医療事務の資格を必須としているところもありますが、多くはありません。

私は、薬局を運営する側として、薬局の医療事務の資格はあったほうが採用の際にはプラスになりますが、無くても支障はないと考えます。もちろん、資格があったほうがそれだけの知識を持っていますので、仕事の飲みこみが早いということは感じます。しかし、どちらかというと、接客ができるかなどその方の人柄を重要視し、知識よりは経験のほうに趣を置いています。結局は、パソコンの入力作業などはその薬局のシステムや方針に慣れるしかないので、時間が必要となるためです。実際には資格がない多くの方も、医療事務として活躍されています。

医療事務の資格とは別ですが、薬局で、市販薬の販売に力を入れているところは、「登録販売者の資格」を持たれている方を欲していることもあります。

 現役で医療事務をされている方に聞いた、資格は必要?

 

私の経験から、資格は必要ないですが、資格をとるための知識は役に立ちました。私は、最初に医療事務の資格をとりました。今までに病院と2つの薬局の医療事務を経験しています。私がとった医療事務の資格は、薬局の医療事務とは違ったので、薬局では役に立ちませんでした。しかし、薬局に転職する前には、薬局の医療事務の資格のテキストだけを注文し、ひととおり目をとおしましたが、資格まではとりませんでした。

結局は、その薬局の方針やシステムに慣れることが必要で、それは薬局によって違います。実際に業務をやってみないと分からないことが沢山あり、その都度教わりながら、勉強していきました。その中で、事前に勉強していたことが、「あっ、このことだったのか」とつながることも多く、勉強していたことは無駄じゃなかったと思うことはありました。薬局で転職する際にも、おそらく資格がプラスになったというわけではなく、今までの経験によって、スムーズに転職することができました。

いち意見ですが、薬局の医療事務になりたい場合は、資格は重要ではないですが、資格をとるために勉強して得られる知識は少なからず役立つと思います。

3.現役薬局事務に聞いた!1番最初に苦労する3つのこと

現役医療事務の方数名に1番最初に苦労することを伺いました。

3-1.お薬の名前や専門用語に慣れない

最初に苦労することとして、お薬の名前が似たような名前が多いこと、規格違いのお薬があること、ジェネリック医薬品が分からない、専門用語についていけない、などがあります。

そのため、処方せんの内容を入力する際に、お薬の名前を間違えてしまうことがあります。慣れてくれば、薬局にあるお薬を把握し、間違えることはなくなりますが、最初は、ミスすることも多く、薬剤師の方が確認した際に指摘を受けることがあります。又、薬剤師が話す言葉の中に専門用語があり、その都度質問していました。

処方せんの内容が手書きで書かれている場合には、そもそもお薬名が読めず、苦労することもあります。

いち早く、お薬の名前や専門用語に慣れるためには、空いた時間に、興味を持ったお薬について薬剤師の方に何のお薬か質問してみたり、自分で調べたりしてみると良いでしょう。

3-2.パソコンのシステムに慣れない

薬局の医療事務を経験している方でも、苦労するのがパソコンのシステムに慣れることです。薬局によってシステムが違うため、使い方も異なり、慣れるまで苦労します。入力作業が遅いと、患者さんを待たせてしまうことにもつながるため焦るのですが、焦れば焦るほどミスをしやすく悪循環に陥ります。最初、慣れないことは仕方ないことなので、まずはミスを起こさないようにゆっくり慎重に入力していくことが重要です。

3-3.イレギュラーな保険対応(公費、労災など)

ある程度慣れてくると、通常の業務であれば、一通りこなせるようになるのですが、公費や労災を利用する患者さんが来られた際には、いつもとは異なる対応が求められる場合があります。薬局で、対応方法が丁寧にマニュアル化されている場合は、確認しながら対応を行えば良いのですが、マニュアルがない場合は、どのように対応すれば良いのか慌ててしまうこともあります。経験や知識もある程度必要ですので、その都度、経験豊富な方に相談し、対応していくと良いでしょう。

 

4.薬局の医療事務になってよかったと思う3つのこと

現役医療事務の方数名に、薬局の医療事務になってよかったと思うことを伺いました。

4-1.患者さんと接する、相談される機会がある

患者さんと直接接する機会が多いため、様々なことを相談されることがあります。健康のことは薬剤師の方に相談しますが、それ以外のプライベートのことを相談してくださり、話をして少しでも明るくなって帰ってもらえるととても嬉しく思います。

顔なじみも増えてきて、名前を覚えてもらえるようになると、自分に会うために薬局に寄ってくれるような方もいます。そういった患者さんとのふれあいを感じた時に、医療事務になってよかったと感じます。

4-2.お薬の名前や医療に関する知識が身につく

毎日、お薬の名前に触れ、薬剤師の方と患者さんの会話を耳にするため、自然とお薬の名前や医療に関する知識が身についてきます。また、お薬の勉強会などに参加させてもらうこともあり、新しいお薬の情報に触れることもあります。この薬は何のお薬なのか?などはよく出るお薬であれば、基本的なことは理解できるようになります。

こういった職場でないとなかなか知ることがない知識ですので、非常に勉強になります。

4-3.職場の薬剤師に気軽に相談できる

自分が風邪ひいたとき、家族や友人が病気になったときに、職場の薬剤師の方に気軽に相談することができます。お薬の相談はもちろんのこと、なかなか病院で聞きづらいことを信頼できる方に気軽に相談することができるので、とても安心できます。体調が悪いことを相談したら、すぐに病院に行った方が良いと言われ、思わぬ病気を発見し、突如入院したこともありました。個人的なことですが、同じ職場の信頼できる薬剤師の方に気軽に相談できることは嬉しいことです。

5.医療事務で薬局に就職する前に確認すべき3つのポイント

薬局に就職する場合に、薬局のどのポイントを確認しておいた良いかについて説明します。あくまでも、ひとつの意見であることをご了承ください。

5-1.薬局の雰囲気が良いかどうか?

薬局の入ったときの雰囲気が患者さん視点として良いかをみるようにしましょう。

最初に対応した方の第一印象や薬局内の装飾など、全体的な雰囲気です。

薬局の雰囲気は、そこで働いている方の心が現れることや、患者さんが薬局に入った時に感じる印象です。雰囲気が良い薬局であれば、あなた自身が働きやすい環境であることにも大きくつながります。

5-2.薬局内に険悪なムードが漂っていないかどうか?

なかなか表面的には分かりづらいですが、薬局内の人間関係が良好かどうかは働く環境としては、重要な観点になります。薬局のスタッフが見るからに殺気立っていて、険悪なムードが漂っているなんてことを感じたら、一旦様子をみるようにしましょう。

数店舗の経営で、薬局間でのスタッフの異動がないような会社の場合、基本的にはその店舗での勤務です。人間関係がギクシャクしていると働きづらく、退職してしまう理由にもつながります。

5-3.医療事務の仕事を超えた業務をやらせていないかどうか?

面接などで管理者と話す機会があった場合に、確認した方が良いのが、業務内容についてです。本来の医療事務の仕事としては、第1章で説明したような内容が大まかになります。ほとんどの薬局ではないことですが、薬剤師の補助的な業務を超え、薬剤師と同等な業務を漫然と医療事務にさせている場合には再確認しましょう。例えば、医療事務がお薬を説明し、患者さんにお渡ししているなど、法に違反していると考えられる業務です。

そういった場合には、もちろん責任は管理者にありますが、あなた自身も法に問われてしまう可能性もあります。

どんな業務を行うことがあるのかを確認し、ご自身が納得の上、責任をもって仕事を務めるようにしましょう。

6.おわりに

今回は、薬局を運営する立場として、薬局の医療事務の仕事内容について解説するとともに、資格の必要性や、実際に勤務する医療事務の方から、最初に苦労することや仕事のやりがいについて伺い、ご紹介しました。薬局によって、医療事務の仕事内容や求めることは違うと思いますので、あくまでも、ひとつの意見として紹介していることをご了承下さい。

薬局の医療事務の仕事について具体的に紹介しているような情報サイトがなかったので、今回はより具体的に紹介させていただきました。

ぜひとも、薬局の医療事務を目指される場合の参考としていただけますと幸いです。

 

執筆
薬剤師:竹中 孝行
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